ダンガンロンパQQ   作:じゃん@論破

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第六章「一寸先を照らす灯火 エピローグ編」

 

 こちらは、『ダンガンロンパQQ』の解説になります。

 本編を読了していることを前提に執筆しているため、本編についてのネタバレが多分に含まれています。

 まだ本編を読まれていない方はご注意ください。

 


 

 「はい!画面の前のみんなおはようこんにちわこんばんわ!みんなが楽しみに読んでくれてた『ダンガンロンパQQ』解説編も、今回がなんと最終回!ちょっぴり寂しいかな?でもその気持ちは最後にとっておこうね!解説編最終回を飾る担当はぁーーー?」

 

 「ちょっと待て」

 

 「あれ?止められちゃった。なんかツッコミポイントあった?ちょっと巻き戻してもう一回やる?」

 

 「そのちょっと待てじゃねえ。誰だテメエは」

 

 「だ、誰だってそりゃないんじゃないの。ほら、この顔。親の顔より見たでしょ!忘れたとは言わせないよ!」

 

 「もっと見てるわ親の顔。つうか、そんなテンションでそんな口調で俺に接してくるやつなんかいねえぞ。知らねえやつと解説編なんかできるか」

 

 「ひ、ひどい・・・!そりゃ私、本編にはそんな出てこないから印象薄いかも知れないけど、だからって知らないなんて・・・!あんまりだよ・・・!」

 

 「なんで泣いてんだ」

 

 「だからモテないんだよ」

 

 「急に冷酷だな」

 

 「もう!これから自己紹介しようってときに止めてまでそんなひどいこと言うなんて、もっと人の気持ちを考えた方がいいよ!特に女の子の気持ちは!」

 

 「クソどうでもいいわ。お前はどの立場から物を言ってんだよ」

 

 「ヒロインとしての立場から・・・的な?」

 

 「自分で言うのかヒロインとか・・・。よく言えたもんだな。そもそも本編出てもねえやつが」

 

 「で、出たもん・・・!重要な場面で重要な役として出たもん・・・!なんなら出ずっぱりだったもん・・・!」

 

 「いいから自己紹介しろ。でねえと先に話が進まねえだろ」

 

 「だからそれ止めたの自分じゃん・・・えっと、じゃあ仕切り直して。ゴホン!はい!今回の解説編を担当するのは、“超高校級の天文部”、望月藍と!」

 

 「清水」

 

 「ウソでしょ!?今の私の名乗り聞いててそれで済ますの!?ちゃんと言ってよ!“才能”とフルネームと!あとちょっと声もいい感じにしてポーズなんかも付けちゃったりしてなんかして」

 

 「ええいああ!弄ってくんな近寄ってくんな!ディスタンス保て!」

 

 「ディスタンスって何の話でしょーか」

 

 「知らん。俺もいま適当に口を突いて出てきた」

 

 「ともかく、解説編も今回が最後なんだから、ちゃんと清水君も私と一緒に解説をしてくれないと困るんだからね。いくら覚醒版望月ちゃんと言えど、さすがにそれはしんどいから」

 

 「覚醒版だったのかよ。そんな分類なかっただろ。俺はもう一回解説編やったからお役御免じゃねえのか」

 

 「解説編はひとり二回なんだよ。私だって一回やったもん。滝山君と。ホント大変だった・・・六浜さんにも助けてもらって」

 

 「テメエもあのサルと同類だっただろうが」

 

 「そうだったかな?」

 

 「そもそも俺は今のテメエのこと知らねえんだよ。俺が知ってる望月ってのは、馬鹿みてえに堅苦しくてまどろっこしい喋り方するくせに、やたらと人に絡んで来て、おまけに始終感情がねえ気持ち悪い面しかしてなくてだな」

 

 「ちょっと待って!!」

 

 「なんだ。どこにツッコミポイントがあった」

 

 「そうじゃないから!カウンターボケしないで!」

 

 「なんなんだよ」

 

 「いくらなんでもあんまりだよ清水君・・・。いくら今の私が本編の私と違う私だからって、そんな言い方しなくたっていいじゃん・・・確かに清水君が言ってるのは本編の私であって今の私とは違うけど今の私だって本編の私と地続きの私なんだからそんなにずけずけ言われちゃったらあんまりだよ・・・!私は私なんだから・・・!」

 

 「よし分かった。お前もお前でわけ分からんし面倒くせえんだな。じゃああっちの望月と大差ねえや」

 

 「それって、私を望月藍って認めてくれるってこと?」

 

 「もうそれでいい」

 

 「ん〜・・・なんだか納得いかないけど・・・まあいっか、取りあえずこれで解説編が始められそうだしね」

 

 「解説か・・・解説しなきゃならねえのか。ったりい」

 

 「いいからしゃきっとする!そうやってダルがってるのがかっこいいと思うのは中学生で卒業!」

 

 「うぜえ・・・」

 


 

 「早速本編の解説をしていこうね。清水君」

 

 「楽しそうだな。なんでだ。お前これからどの話解説してくのか分かってんのか」

 

 「もちろん。確かに本当のこと言ったらこんなところ解説なんかしたくないよ。もっとプロローグとか日常編とか平和なところをさ」

 

 「プロローグが平和だった瞬間なんかあったっけか」

 

 「でもこうやって清水君と解説ができるんだったら、それでもへっちゃらだよ。私はそれが一番嬉しいんだ」

 

 「意味が分からん」

 

 「一蹴!なんで!?ちょっとはトキメキとかメリハリとかないの!?」

 

 「なんで俺がときめいたりめりはいたりしなきゃならねえんだ。アホか。ただでさえお前のうざったいノリに付き合ってやってんだからさっさと進めてさっさと終わるぞ」

 

 「清水君ってこんなに私に対して辛辣だったっけ・・・?なんか内臓の痛くなっちゃいけないところが痛い」

 

 「本編のお前だったら軽くスルーしてたけどな。メンタル取り戻すんならもっと堅えメンタルにしとくんだったな」

 

 「暴論が過ぎるよ?」

 

 「なんだって俺の相方は汗くせえ変態ストーカーだったり頭メルヘン女だったりまともなやつがいねえんだ」

 

 「言わせてもらうけどね清水君」

 

 「あんだよ」

 

 「ここまでの解説編を見てて、まともな解説をしてきた人なんていなかったよ。自他含めて」

 

 「それは一理ある。だから俺は嫌なんだ、こうやって見られる場所に出てくのが」

 

 「それも今回でラストなんだから、なんとかそこは頑張って、ガマンしてちょうだいね」

 

 「くそったれめ」

 


 

 「今度こそ本編の解説を始めていこうね。本編は、六浜さん殺しの裁判の投票が終わったところからスタートだよ」

 

 「あー、思い出したくねー」

 

 「やる気出しなさい!投票結果は間違いということでクロの勝ちということになったけど、この時点で私たちは自分たちの勝利を確信していたよ。だって、六浜さんは全員がクロになるようなトリックを仕掛けて、私たちはまんまとその通りに動かされたと思い込んでたからね」

 

 「あいつにとっちゃそれが最善の策だったかも知れねえけどな、こちとらいい迷惑だったんだよ。ガキでもあるまいし、自分の思い通りに動いてれば幸せになれるなんて、今時突き抜けた親バカでも通用しねえぞ」

 

 「このときの私はこんなこと言ってるけど、清水君の気持ちも分かるよ。だって悔しいもんね。六浜さんにそんな重責を背負わせちゃったこととか、黒幕と何の決着も付けないで自分だけ脱出したら、死んでいったみんなに責任感じちゃうよね」

 

 「別に悔しいとか責任とか・・・そういう話をしてるわけじゃねえよ。ただ俺が納得いかねえっつうか、言われるがままになるのが癪なだけだ」

 

 「またまた照れちゃってェ〜。まあそんな素直じゃないところも清水君らしいんだけど」

 

 「曽根崎みてえな絡み方してくんな。しばくぞ」

 

 「あははっ!そんな睨んだって怖くないよ!だって清水君、本編ですごく怒ったりムカついたりしてたけど、女の子に手を出したことなんて(1回しか)ないもんね!」

 

 「“厳密”が混じってるじゃねえか。手ェ出したのは事実だが、あれは俺じゃなくても出るだろ」

 

 「その1回っていうのは、六浜さんの死体が発見されたときに、その様子を嗤った穂谷さんに対してなんだよね。うん、暴力はいけないけど、あれは穂谷さんが悪いよ。だからノーカン!結局清水君は、女の子を理不尽に殴ったりしないんだよね」

 

 「別に殴ったっていいが、女はすぐ泣くから後が面倒臭え」

 

 「その発言、女性蔑視と捉えられちゃうよ?今のご時世、特に気を付けなきゃいけないんだよ?辞任させられちゃうよ?」

 

 「何を辞めさせられんだよ。あ、この解説役のことか?だったらもう一息だな。女は【 自 主 規 制 】」

 

 「最低だ!!この清水君最低だ!!どんだけ解説やりたくないの!?」

 

 「辞めるチャンスがあるなら積極的に狙ってくぞ。次は放送禁止用語でも連呼してやろうか」

 

 「マイナス方向のやる気がエグいよ!よーし、じゃあ私が清水君が前向きになる魔法をかけてあげちゃうからね!」

 

 「なんだ魔法って」

 

 「×(-1)」

 

 「プラスになるかそんなもんで。俺は数字か」

 

 「そんな日本語あるんだね」

 


 

 「ともかく俺は責任を感じたり悔しがったりしてたわけじゃねえ。納得いかなかっただけだ」

 

 「もう、面倒臭いなあ。やってることは主人公らしいのに精神性がツンデレライバルキャラのソレだよ。見た目と中身がちぐはぐだよ」

 

 「それを言ったらテメエもポジションはヒロインなのに精神性がモブロボットのソレじゃねえか。途中でハッキングされて暴走するやつじゃねえか」

 

 「えっ、わ、私が・・・ヒロイン?やだ、もう・・・清水君ってば!私がヒロインで清水君が主人公なんだったらもう、それはもう、ねえ?そういうことになっちゃうじゃない・・・!」

 

 「何言ってんだお前」

 

 「や、やっぱ物語のメインと言ったら主人公とヒロインが、ね?こう・・・付かず離れずにやきもきしたり、時にケンカしたり、時に急接近したりしながら、徐々に距離が狭まって行く過程を見せながらさ・・・」

 

 「要領を得ねー」

 

 「人の心を知らない心を持った主人公と、人の心を知らない心を失ったヒロイン。その二人の周りで巻き起こるサスペンス!そして二人は徐々に心を知り、その力に包み込まれていく・・・キャーッ!今秋には公開かしら!」

 

 「まるで要領を得ねー」

 

 「むふふっ。ごめんね、ちょっとテンション上がっちゃった。解説の続きしよっか」

 

 「マジでやりにくいなこいつ。いつもの望月の方がずいぶんマシだ」

 

 「私はもうちょっとこのままがいいな。あっちの私には悪いけど、今は私が清水君独り占めするんだ。えへへっ」

 

 「勝手に独り占めされてると思うと落ち着かねえ」

 

 「本編の解説だけど、裁判が終わってその結果に納得がいってない清水君が、ここで脱出の道を選ばずに、改めて裁判を開くことを宣言するよ。これはまさかの展開だったね・・・いくら主人公力が上がってきたと言えど、清水君がみんなのためにこんなことを言い出すなんてね」

 

 「だから俺が納得いってねえからであって、別に誰のためでもねえっつうんだよ!」

 

 「はいはいじゃあもうそれでいいよ。私は分かってるから♬」

 

 「曽根崎いねえかな」

 

 「サンドバッグ扱いはやめたげて。っていうか、自分ではっきり言ってるじゃん。『ここで終わったら、今までのコロシアイが全部無駄になる!死んだ奴らの想いが消えて無くなる!だから・・・『そいつ』をぶっ殺さなきゃ、俺はここから出て行けねえだろ!!(原文ママ)』って」

 

 「ぐあああああっ!!やめろ!!人の黒歴史ほじくり返すんじゃねえ!!」

 

 「これ黒歴史なの!?いやむしろ輝いてる瞬間じゃん!!シミひとつない純白の歴史だよ!!もっと胸張ってよ!!」

 

 「光も逃がさねえブラックホールレベルの黒歴史だろこんなもん・・・!」

 

 「なんでよ。かっこいいと思うけどなあ」

 

 「だって・・・あれだぞ。俺だぞ。言ってんの。曽根崎とか六浜とかじゃねえんだぞ」

 

 「そうだよ?」

 

 「あんだけバカだクソだ言ってた俺が・・・今更こんなこと言ってんだぞ。こんなん、俺・・・っぽくねえ、っつうか・・・アレだろ」

 

 「アレってなに?」

 

 「()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 「」キュンッ

 

 「帰る」

 

 「あああああちょっと待って!!タイムタイム!!今動けないから!!心臓の再起動してるから!!猶予をください!!ええい!!ドア消えろ!!」

 

 「クソッ、ドアが消えやがった」

 

 「ふぅ、危ないところだった。清水君がいきなりそんな顔するからだからね」

 

 「恥の上塗りすんな。っつうか今さらっと心臓止まってたな。なんで生きてられんだよ」

 

 「なんとか致命傷で済んだからね」

 

 「済んでねえ」

 

 「あ、今ちょっと気になってたこと思い出した」

 

 「なんだよ急に」

 

 「前回の解説編で六浜さんが敢えて突っ込まないでおいたことでもあるんだけど、なんで清水君って黒幕のこと『そいつ』としか言わないの?」

 

 「・・・ん?」

 

 「裁判の終盤で黒幕が登場したときから最後の最後まで、清水君が地の文で黒幕を呼ぶとき、『黒幕』とか名前とかじゃなくて、『そいつ』としか呼んでないよね。敢えてそうしてるのかな、って思って」

 

 「別に名前知らなかったし、黒幕って呼ぶのもなんか癪だっただけだ。うん・・・一応俺の感情とか関係ねえけど裏話的なことで言ったら、俺はあいつの後釜として学園に呼ばれたわけで、同じ“才能”持ちだし、なんかこう、正面から相手するのが嫌なんだよ」

 

 「思いっきり清水君の感情じゃん」

 

 「そもそもあいつはただの黒幕でしかねえわけで、自分でも言ってるように『“超高校級の希望”になる奴』でしかねえんだ。名前なんて今更いらねえんだよ」

 

 「私は“才能”を伸ばすために感情を消したけど、黒幕は“才能”を獲得して伸ばすために感情だけじゃなくて個性も名前も消しちゃったんだね」

 

 「だから結局のところ、“才能”を得るためには相応の代償が必要なんだよ。その代償もなく持って生まれた“才能”に胡座かくから、“超高校級”のやつらは嫌いなんだ」

 

 「でもその“才能”に縛られて自由に生きられない晴柳院さんみたいな子もいるし、“才能”に振り回されて道を踏み外しちゃう石川さんみたいな子もいるよ?それって、感情や名前を失うくらいの代償じゃない?」

 

 「知るかそんなもん。“才能”のねえ人生歩んでから言え」

 

 「本編で黒幕に立ち向かってる人と同じとは思えないくらい質悪い発言」

 

 「黒幕に立ち向かってんのは曽根崎だ。別に俺はそういうつもりでやってねえ」

 

 「さすがにそれは通らないでしょ・・・この時の清水君は確かに主人公だったし、黒幕に立ち向かうヒーローだったよ」

 

 「確かにあいつが言うとおり、あいつが俺たちが開く裁判に付き合う理由はねえんだ。そこでそれっぽいことを言って自分のペースに引き込むのが曽根崎の仕事だろ。あいつはそういうやつだ」

 

 「う〜ん、ここの話をいま冷静な立場から見ると、結構曽根崎君の言ってることもガバガバなんだよね。同じ立場の生徒だからって、学級裁判に参加する義務なんてないんだよね。コロシアイ中でもないし」

 

 「そこはホレ、勢いと雰囲気でなんとかすんだよ」

 

 「理屈で戦ってるように見せて全然理屈で戦ってない。雰囲気で戦ってる」

 

 「『それが、ルールだから(原文ママ)』じゃねえんだよ。そんなルールねえわ」

 

 「自分が言わせたくせに・・・」

 

 「この時は全く考えてなかったが、このコロシアイの参加者が黒幕に対して裁判を仕掛けるって展開、V3で実際にやってるんだよな。展開被ってんじゃねえか」

 

 「でもここはどうしても裁判をやるなりなんなりして、黒幕と戦う意思を見せないといけない場面だったんだよ」

 

 「なんでだよ」

 

 「原作もそうだけど、最後に黒幕との学級裁判に打ち勝って、希望を持って脱出するっていうのが王道展開だからね。確信とまではいかなくても、ここまで読んでくれたほとんどの人はそういう展開を予想してたはずだよ。だから、なんとかして黒幕との直接対決に話を持って行かないといけなかったんだ」

 

 「王道展開は分かるが、別にそうしなきゃいけねえ理由なんてねえだろ。そのまま脱出しました、でいいじゃねえか」

 

 「だってそうした方が展開の落差が大きくなるじゃん。すごすご帰ろうとしたら実は脱出できませんでした、じゃアレだよ。泣きっ面を蜂の巣だよ」

 

 「それは二作目の話だろ。泣きっ面に蜂でもたくさんだっての」

 

 「持ち上げて持ち上げて持ち上げるほど落ちた時が痛いんだよ。今いる場所が明るいほど、闇が暗く見えるんだよ。要するにその前ふりね」

 

 「えげつねえことしやがる。っていうか、させやがる」

 

 「清水君の思いつきに対してみんなが止めるんじゃなくて、命を懸けた裁判に清水君と一緒に臨むっていう覚悟を曽根崎君や私や穂谷さんが見せるから、余計にしんどくなるんだよね。穂谷さんのは嘘っぱちだけど、私と曽根崎君の覚悟は本物だったはずだよ」

 

 「そりゃ無駄な覚悟だったな。まあ、俺も自分ひとりでどうにかなるとは思ってなかったが」

 

 「ちなみに黒幕が言ってたけど、この時の清水君の言葉って本当にハッタリだったの?本当の黒幕がどうこうって」

 

 「ハッタリに決まってんだろ。アホか」

 

 「聞いただけなのに(>_<。)」

 

 「っざ」

 

 「うざいを更に略さないで」

 

 「あいつの他に本当の黒幕がいると思ってんなら裁判中に言ってるっつうの。俺は六浜があんな判断をしたことに納得いってねえんだ。黒幕の影武者ごときにも勝てねえと思ってあいつが自殺したなんて死んでも認めねえよ」

 

 「ホントに死んじゃっても?」

 

 「どうだかな」

 

 「あ、ずるい。今は死なないからってそんなこと言って。ふんだ。私知ってるんだからね。最初にグングニられかけてから、清水君怖くなって死ぬとか殺すとか言えなくなっちゃったの」

 

 「うるせえ。シャレにならなくなったから言わなくなっただけだ」

 

 「で、あんなこと言って、どうするつもりだったの?」

 

 「なにが」

 

 「本当の黒幕なんていないのに無理矢理に裁判を開いたって、自分から負け戦を仕掛けるようなものじゃん」

 

 「ああ。曽根崎にぶん投げるつもりだった」

 

 「・・・え?」

 

 「本当の黒幕なんてもんがマジでいるならそれで良し。いねえとしても曽根崎だったら得意の言いくるめでなんとでも議論のテーマを変えたり、何かしらこじつけられたりできんだろ。それに、合宿場で明らかになってねえことがあったのは事実だったからな。記憶をなくした3年間とか」

 

 「ええ〜・・・とんでもない見切り発車だよ・・・。見切り発車なのにフルスロットルで突っ走ってるよ・・・。さすがの曽根崎君もそれは冷や汗かいちゃうよ・・・」

 

 「そうか?あいつならからから笑って引き受けそうだけどな」

 

 「だからもう一回捜査時間欲しがってたんだ・・・作戦タイムとして」

 

 「虱潰しに探せば、なんかしら出て来るだろ。そもそも曽根崎なら俺の意図に気付かねえわけがねえから、この段階からアレコレ考えてたはずだ。だから俺が下手になんかするよりも、曽根崎に丸投げした方が手っ取り早い」

 

 「それはもはや信頼じゃなくて豪速球の無茶振りだよ・・・この展開からそんなの聞かされてたら、私絶望しちゃってたかも」

 

 「望月はそんな感情ねえから大丈夫だ。穂谷も狂ってるし。つまり全員受け入れてる。何も間違ってねえ。最善手だ」

 

 「いやいやいや。いやいやいやいやいやいや。私たちの覚悟返してよ。本気で本当の黒幕を暴く裁判に臨むつもりだったよ」

 

 「だから脱出しねえようにするための手段なんだからしゃーねえだろ」

 

 「しゃーないことあるかなあ・・・なんだろう。清水君っていつも無茶苦茶だったけど、こういうタイプの無茶苦茶さじゃなかったはず。なんか曽根崎君っぽい」

 

 「おいやめろ。あんなクソメガネ野郎と一緒にすんな」

 

 「自分はおんぶにだっこしようとしてたくせに!」

 

 「あとお前らは覚悟決めてたかも知れねえが、見ろよこの穂谷。っていうか裁判終盤からの穂谷の台詞見てみろ?俺らと同じ立場って面してるけど、全部知った上で見ると思いっきり意味が違ってくるからな」

 

 「というか、私たちが勝手に私たちの都合の良いように穂谷さんの言葉を解釈してた、っていうのが正しいような。穂谷さんにも騙す意思があったとは思うけど、割と自分の心に正直に喋ってるよ」

 

 「あと黒幕の野郎もな。ムカつくやつらだ」

 

 「こういうのも、ギリギリまで後の展開を読んでる人に悟られないようにするための言葉選びなんだよ。それは地の文の清水君も同じだしね」

 

 「俺もかよ」

 

 「裁判をやる流れの最後のところで、清水君は、自分にもできることがあるって言ってるんだよ。隣にいる私たちのことを味方だって思ってくれてるんだよ。今までの清水君からは絶対に出てこない言葉だよ。これを言わせられたっていうだけで、私はもう感無量だよ」

 

 「俺の親かテメエは。こんなもんはあれだ。寝言みてえなもんだ」

 

 「自分で自分の発言を寝言って言ってる人初めて見たかも」

 

 「まあ学級裁判だし、俺一人で黒幕と戦えるなんて思ってねえ。バカがいくらいたってしょうがねえが、少なくともここにいるやつらは六浜のトリックとコロシアイの謎を解いたやつらだ。それなりに力になる。だからいねえよりマシだ。そういう意味だ」

 

 「いやいやそれはさすがに無理だって。恥ずかしい気持ちは分かるけどさ、認めて楽になっちゃってよ。清水君はこのとき主人公してたよ。言ってごらん?主人公って」

 

 「それ何の意味があんだ。やってねえよ」

 

 「いいえ、してました。異論は認めません」

 

 「じゃあ暴論で論じ殺してやろうか」

 

 「清水君、論じ殺せるほど口上手くないでしょ」

 

 「ねえ言葉に瞬時に対応してきやがった・・・クソッ」

 

 「ふふん、“才能”がいまいちな私だって、清水君を論破することくらいできるんだよ」

 

 「これだから“才能”持ちはクソなんだ」

 

 「ありゃりゃ」

 


 

 「あ、曽根崎死んでんじゃんか」

 

 「ずいぶん淡白な言い方をするな。私もあまり感情豊かな方ではないが、一般に冷酷という印象を抱くと推測できる程度には辛辣だぞ」

 

 「ああっ!?テメエ望月(無)じゃねえか!!」

 

 「ん?私は望月藍だが?(無)とは?」

 

 「いつの間に変わった!?っていうかなんで変わった!?さっきまでのやつはどうした!」

 

 「何を言っている?私はずっとここにいただろう。清水翔こそ、豹変してどうしたというのだ。落ち着いて解説の続きをしなくてはならないぞ」

 

 「さっきまでの望月(明)に慣れてきたところにこれはキチぃ・・・テンションの落差で風邪引く」

 

 「何を要領を得ないことを言っている」

 

 「そりゃテメエだろうが。いや、まあ・・・いい。それならそれで。いつものに戻ったってだけだもんな。うん」

 

 「何を言っているのかよく分からんが、とにかく解説編の続きをしよう。場面はちょうど、曽根崎弥一郎が処刑されるシーンからだ」

 

 「ああ、もうそんなところかって思ったんだった。それよりデカい事件が起きて忘れてた」

 

 「ここの急転直下は作者渾身の一文と自薦しよう。おしおきの宣告は何度も書いてきているが、この一文が最も重い意味を持つものになっている」

 

 「もう何年も前のだから今更やらねえが、このときの曽根崎の台詞はフォントとか文字の大小とかで演出してもいいよな。次にこんなことやるときはそうすりゃいい」

 

 「私はこういった展開は二度と勘弁してほしいがな。だが、最近では様々に演出を加えられるサイトも充実してきている。ネット小説の新たな表現を見つける努力も必要だろう」

 

 「で、おしおきんときはあれだろ。おしおき解説もしなきゃならねえんだろ」

 

 「勿論だが、何か問題があるか?」

 

 「いや、曽根崎のだけならまだしも、この後俺ら自身のが来るだろ・・・」

 

 「本編(あっち)本編(あっち)番外(こっち)番外(こっち)

 

 「理屈になってねえ理屈言うな」

 

 「曽根崎弥一郎のおしおきタイトルは、『真っ赤な嘘吐き』だ。ウソが嫌いと豪語していた曽根崎弥一郎を、嘘吐きとして処刑するというおしおきだ。侮辱的だな」

 

 「そうか?あいつ普通に嘘吐いてただろ」

 

 「ブラフを交えたりカマをかけたりはぐらかしたりしたことはあるが、明確に他者を騙す目的で嘘を吐いたことはない。これは作者が曽根崎弥一郎の発言で最も注意していたことだ。嘘吐きに見える正直者と言えば分かりやすいか。もし曽根崎弥一郎が真実と異なることを言っていたとしても、それは曽根崎弥一郎が間違って考えているのであって、嘘を吐いているわけではない」

 

 「そんなもん言いようじゃねえか。嘘吐いてんのか間違えてんのかなんか、周りからは分からねえだろ」

 

 「要は心持ちの問題だ」

 

 「お前が心持ちとか言うな、一番」

 

 「この処刑は、簡単に言えば火刑に処されるものだ。モデルは魔女狩りだ」

 

 「曽根崎が魔女狩りに遭うのか」

 

 「魔女とは要するに怪しく見えるものの例であって、実際には男性も多く処刑されていた。嘘を吐いていない曽根崎弥一郎が、嘘吐きの濡れ衣を着せられて、仕事道具でもあるタイプライターやインク瓶などで暴行された末に、自身の著作を焚いてのぼる炎に焼き殺されるのだ。曽根崎弥一郎にとってこれ以上の屈辱はあるまい」

 

 「真っ“赤”な嘘と、血の“赤”と、“赤”い炎か。画面がうるせえな」

 

 「このときの曽根崎弥一郎は、何が起きたか理解する間もなく処刑されただろう。状況を理解するより先に磔にされ、四方八方からの投擲によって意識が混濁。立ち上る煙を吸うことで更に意識は薄れ、痛みと息苦しさと熱に冒されながら・・・」

 

 「そこまで詳しく言わなくていいっつうんだよ!モノクマのクソ趣味の悪い処刑なんて今更だから、どんだけ屈辱かってのだけ言っておけば十分だ」

 

 「処刑後に恒例となっているモノクマの興奮した発言も、黒幕が素で言うと全く興奮していないように見えるな。エクスクラメーションマークも付かない」

 

 「お前が言うか。徹底して感情がねえように書いてあるんだな。気持ち悪い」

 

 「黒幕のテンションを再現してこの台詞を読める人間が何人いるだろうか」

 

 「いっぱいいるだろそれは。さすがに」

 

 「さすがの清水翔も、この時は黒幕に掴みかかっているな。曽根崎弥一郎が処刑されたことに対して、非常に激昂している」

 

 「そりゃそうだろ。いきなり隣にいたやつが訳もなく殺されたんだぞ。しかも裁判やるとまで言っといて」

 

 「厳密に言えば、黒幕は私たちと裁判をやるとは一言も言っていない。あのようにクロに言われた場合、なおかつ自分にとってメリットがある場合は、やってもいいだろう、ということしか言っていない」

 

 「それを誤解させるような言い回ししたのはあいつだろ。ったく胸糞悪い」

 

 「そして自体が飲み込めない私たちに思い知らせるような、穂谷円加の歌だ」

 

 「なんなんだこの歌」

 

 「これは『ラヴァーズ・コンツェルト』の替え歌で、『ラヴァーズ・コンツェルト(狂)』だ」

 

 「何言ってんだお前」

 

 「清水翔も、音楽の時間にリコーダーで吹いたことがあるだろう。あれだ」

 

 「そりゃ分かるんだよ。なんでそんなもんを歌ってんだあいつは。気でも・・・触れてたか」

 

 「『ラヴァーズ・コンツェルト』は、和訳すると『恋人協奏曲』となる。穂谷円加が歌っている方は『恋人狂騒曲』といったところか」

 

 「狂騒曲はカプリチオだろ。こういうことですわ、じゃねえわ。殺すぞこいつ」

 

 「解説編からそんなことを言うのは清水翔が最初で最後だろうな」

 

 「あの野郎、丸っきり全部ウソだったってのかよ。呑気に歌なんか歌いやがって」

 

 「本編ではほんの少しだけだったが、作者は無駄に一曲まるごと替え歌用の歌詞を用意しているぞ。ちゃんと原曲のメロディに合わせて歌えるように」

 

 「無駄なこだわり。歌わねえよ」

 

 「曽根崎弥一郎が処刑されたこの段になって、ようやく事件の真相が明らかになった。曽根崎弥一郎にとっては、なぜ自分が処刑されるのか、真相が一体どうなっていたのかを知ることなく処刑されることとなった。それも、広報院である曽根崎弥一郎にとっては屈辱的だっただろう」

 

 「何重に曽根崎に屈辱与えるんだよ」

 

 「というよりも、曽根崎弥一郎、私、清水翔という順番で処刑するのが、それぞれにとって最も絶望的な展開となるからそのようにした、というのが正しい。私にとっては処刑という明確な死が目前に近付くことにより恐怖を覚えるという絶望。清水翔にとっては仲間二人が次々に処刑されていく様を見せつけられるという絶望。だな」

 

 「くそったれが。穂谷もぶっ殺さねえと腹の虫が治まらねえ」

 

 「その穂谷円加だが、六浜童琉の計画にいち早く気付き、なおかつそれを完璧に利用する方法を思い付き、そして実行する行動力がある。ここにきてクロとしての“才能”を発揮してきたな」

 

 「もう“超高校級の歌姫”から“超高校級のクソ姫”に鞍替えしたらどうだ」

 

 「怨恨が強い。そんな“才能”はない」

 

 「六浜の計画全部に気付かねえまでも、少なくとも六浜が死ぬことが分かったんなら、あいつが逃避で死ぬわけねえんだから、何か策があるんだって分かんだろ。だったら俺らに言ってやめさせるなりすりゃよかったんだ」

 

 「清水翔が報連相を語るのか。確かに止めていたかも知れんが、私たち全員への復讐を目論んでいる穂谷円加にとっては、これほどの好機はない。利用するしかないだろう」

 

 「いつまで言ってんだ。そもそもあれは鳥木が勝手に明尾を殺しただけで、俺らが何かしたわけじゃねえだろ」

 

 「そんな理屈が通用する状態ではない。もはや鳥木平助がどのように死んでいったかすら記憶を改竄している始末だ」

 

 「前回の解説編で六浜は半分正気で半分狂ってるなんつってたが、完全に狂ってんじゃねえかよ」

 

 「全員で生き残って脱出するよりも、全員に復讐を果たした上で死ぬことを選ぶこの精神性は、異常と言わざるを得ないだろう」

 

 「しかもここでわざわざ六浜の実際の死因を教えて来るあたり、質の悪い理性も残ってるっぽいな。窒息死って俺が裁判の最初に言ったやつだしよ」

 

 「換気の良い環境から一度窓を閉め切り、ドライアイスを撒いて窒息死させた後、再び窓を開放して元の環境に戻す。ただでさえ気体である凶器を流出させてしまっては、どうあっても証明など不可能だ。しかも侵入に使ったのがモノクマ用の通路ときた。六浜童琉のトリックなどなくても、十分に解明困難な事件だ」

 

 「モノクマ用通路なんて使われたらどうしたって無理だろ。そもそもあんなもん使っていいルールなのかよ。反則だろ」

 

 「本来は黒幕しか入ることができない地下室が開放された時点で、立ち入り禁止区域などあってないようなものだ。そもそもモノクマ用通路を使ってはいけないなどのルールはなかった」

 

 「そりゃねえだろ。つうかいくら穂谷がガリガリだからって、ぬいぐるみが通るような通路を通れるもんなのか」

 

 「モノクマの中身は精密機械だから、ある程度の体積があるだろう。それを通すためなのだから、細身の女性一人分の幅は用意してあるのでは」

 

 「いや、その理屈はおかしい」

 

 「そんなにおかしいか」

 

 「・・・いや、やっぱもういい。これ以上は言っても無駄だ。どのみちあいつはそれを決行して、俺ら全員を騙して卒業した。今更ここをひっくり返すつもりはねえし、文句言ったってしょうがねえってのも事実だ」

 

 「ほう。成長したな」

 

 「お前はもうちょっと変われ。さっきほどじゃなくていいからもうちょっと取っ付きやすくなれ」

 

 「清水翔は私と話しているのは楽しいか?」

 

 「どうした急に」

 

 「取っ付きやすくなれ、というのは、私との会話をしたいという意味が暗に含まれていると解釈できる。私と話す意思がなければ、私が取っ付きやすくなる必要がないからだ。つまり、清水翔は私と会話がしたいと推察できるが、その理由として考えられるのは、会話を以て清水翔に何らかのメリットがあるということだ」

 

 「分かった。俺の負けでいいからもう止めろ」

 

 「勝ち負けを論じているつもりはなかったのだが。ああ、負けで思い出した」

 

 「嫌な予感しかしねえ」

 

 「穂谷円加が清水翔に対して負け犬と言い放っているが、元々はこれは黒幕の台詞として言わせるつもりだった言葉だ」

 

 「なんちゅうもん思い出してんだテメエ」

 

 「“才能”を捨てた清水翔は、自他共に“無能”と呼ぶ存在になっていた。“超高校級の努力家”を捨て、六浜童琉には庇護すべき存在と見られ、穂谷円加にも騙され敗北し、それを受け入れられずにがなり立てる様は、もはや“無能”ですらなく“超高校級の負け犬”と呼ばれるに相応しい。そういうようなことを言わせるつもりだった」

 

 「もうだいたい言ったぞ。誰が“超高校級の負け犬”だテメエ」

 

 「本編中でもっと効果的な演出とともに言うつもりだったのだがな。清水翔の怒りが至極真っ当だったために負け犬という言葉があまり相応しくなくなってしまった。だから穂谷円加が言うに留めている」

 

 「もうこの段階まで来たら負け犬の一言ぐらいどうだっていいわ。俺はもう余裕なくて、ただ穂谷を殺そうとしか考えてなかったからな」

 

 「そして次は私の処刑シーンだ。処刑の直前、私は明確に怯えている。これまで死体や処刑を見てもさほど動揺することのなかった私が、恐怖で縮こまっている」

 

 「いやお前これよぉ・・・キツ過ぎるだろ。曽根崎とかがビビってんのとワケがちげえんだよ、テメエがこうなってっと。意味が違ってくる」

 

 「違うのか?」

 

 「今まで感情がなくなってたから死体や処刑をなんとも思ってなかったのに、自分が処刑されるってときになって感情を取り戻してんだよ。せっかく感情を取り戻したってのに、そこではじめて感じるのが恐怖と絶望ってなってんだから、こんなもん報われなさすぎんだよ」

 

 「確かに、私はひどく後悔しているな。死というものが生理現象に過ぎないと理解してはいるものの、どうしようもなく湧き上がる恐怖で冷静さを失っている。感情などなかった方が良かったとまで言う始末だ」

 

 「息が詰まって途切れ途切れにこそなってっけど、口調はもとの望月のままなんだな。感情が戻ったっつうのもちょっとだけで、基本のベースは今のお前なのかもな」

 

 「だが、こうした視点から見てみると、このときお前ははっきりと、私のことを心配してくれているな。このときの私にそんなことを考える余裕はなかったが、きっと嬉しかったことだろう。お前は今まで私のことを蔑ろにしたり内輪から外したりしていたからな」

 

 「んなことしてねえよ」

 

 「大事にしていたと」

 

 「そうもしてねえよ。普通だ普通」

 

 「普通の女子の扱いに、顔面を鷲掴みにするというのは含まれているのだろうか」

 

 「含まれてる含まれてる」

 

 「そういうものか・・・ふむ」

 

 「(よかったアホで)」

 


 

 「さあ、私のおしおきは『Journey to the Stars』だ。タイトルは見て分かる通り、銀河鉄道999の主題歌の一節だ」

 

 「あれ最後何回繰り返してんだよ。何回カラオケで演奏終了押されたと思ってんだよ」

 

 「毎度歌うからだろう。というか、清水翔はカラオケなど行くのか」

 

 「行ったらの話だ」

 

 「仮定にしては声が現実味を帯びていたような」

 

 「他のおしおきに比べて望月の侮辱っつうよりパロディ要素の方が強えような気がするな。ネタがなかったのか」

 

 「全体的にスリーナインネタしかないな。モノクマの格好も完全にメーテルだ」

 

 「銀河鉄道みてえな列車に乗せられて惑星メーテル的なところでネジに改造されるっておしおきか。スリーナインネタは豊富だけど、別に望月である必要ねえよな」

 

 「私の“才能”的には宇宙ネタが親和性高いのだが、そんなに宇宙ネタの引き出しがなかったのだろう。あと、最終的にネジに改造されるという展開は、機械のような言動を繰り返して来た私に非常にマッチしている。機械の体を手に入れられたのだから、鉄郎の目的を達成したのだ」

 

 「あいつの目的はそっちじゃねえよ。つうか機械みたいとか自分で言うか」

 

 「そこまで大きな動きもないから小説という表現でも映えるかと思ったのだが、映像の方が映えるおしおきだなこれは。銀河鉄道が飛び立つシーンや窓を過ぎ去る星々はもちろん、私が宇宙空間に放り出されてふよふよと漂うシーンと、惑星モノクマが咀嚼してネジを吐き出すシーンの緩急は文字ではいまいち伝わりづらい」

 

 「テメエ自分のおしおきの分析深すぎんだろ。どんな気持ちで言ってんだそれ」

 

 「特に感情は抱いていない。ただ事実からの考察を述べているに過ぎない」

 

 「ああ・・・だからさっきのやつと入れ替わったのか。さっきのまんまだったらこんなもん正視できねえか」

 

 「この後自分の処刑を見るというのに、そんな心持ちで大丈夫なのか」

 

 「いいんだよ、俺のおしおきも大したことねえから」

 

 「そうか。おしおきランキングでは何位だ」

 

 「急に新しい概念持ち出してくんな。なんだそのランキング」

 

 「今まで作者が作ったおしおきの出来映えのランキングだ。『ダンガンロンパQQ』内では全部で8つ登場している」

 

 「登場人物の半分処刑されてんのか・・・まあ、QQの中でだったら7位ぐらいじゃねえか?」

 

 「ひっく」

 

 「作者的には二章の石川のおしおきが8位だそうだ。まあどっちもどっちだがな」

 

 「振り返ってみれば納得のいかないところや改善点は見つかるだろうが、一度はGOサインを出したものだ。それぞれに良いところもあるはずだろう」

 

 「そりゃまあそうだろうが、俺のおしおきは根本的に、俺が最後に処刑される前提で作られてっからな。おしおきとして汎用性がねえ」

 

 「コロシアイをなぞるように、登場人物を模した人形がどんどん盤上から去っていき、最後に穂谷円加を模した人形に突き落とされるというものか。確かにこれは穂谷円加が勝ち抜き、清水翔が最後に処刑されるという前提で作られているな。しかしあれだ。いくらでも調整が利きそうではある」

 

 「タイトルもわざわざプロローグから持って来やがって。適当にもほどがあるだろ」

 

 「ちょうどいい感じにここにハマったので使い回した。伏線だと思っていた皆々様には深くお詫びを申し上げる」

 

 「じゃあ伏線ってことでいいだろ。んなところ正直に言わなくても」

 

 「もともとタイトルが、清水翔の水と覆水の水をかけて付けたものだから、今回のおしおきタイトルにちょうど良かったのだ」

 

 「死に方も派手なもんかと思ったら泥に沈んで窒息するって、地味だなオイ」

 

 「陽の当たらない日陰者にはこういう死に方が似合っているのだ」

 

 「テメエ解説編だからっつって好き放題言いやがるなコラ」

 

 「カンペを読んでいるだけだ」

 

 「カンペ読むな。つうかカンペもクソもねえだろ。何もねえ場所でやってんだろうがずっと」

 

 「うん?何を言っている?ちゃんとトークブースもスタッフブースも小道具もカンペもあるだろう」

 

 「ねえよ!ここまでずっと他のやつらが好き放題設定つけてたからそんな感じになってっけど、ブースもテーブルもマイクもカンペも何もねえからな!なんだこんなもん消えろ消えろ!」

 

 「テ、テーブルが霞のように」

 

 「わざとらしいんだよお前のそういうの。曽根崎にやらされてんのか」

 

 「いや自主的に」

 

 「自主的にやんな」

 

 「しかしあれだな。いよいよ私たちのどちらも本編で死亡してしまった。ここから先は私たちの誰も経験したことがない領域の解説になってくる。これは解説というよりも、私たちも鑑賞する立場と変わりないのではないか?」

 

 「んなもん、ずっと前からそうだろうが。飯出が一章より後の解説してたろ」

 

 「実際この清水翔のおしおきより後は、一気にラストまで突き進む部分だ。特に新たな事実が明らかになるわけでもなければ、劇的な剣戟が繰り広げられるわけでもない」

 

 「急に剣戟なんてやるわけねえだろ。まあ、穂谷はカッターナイフ隠し持ってたけどな」

 

 「黒幕と差し違えるつもりだったとは、私も思い至らなかった。まさかそこまで覚悟を決めていたとはな」

 

 「たまたま黒幕が自分から出て来たから殺すチャンスがあったようなものの、もし普通に自分が負けたらどうするつもりだったんだろうな。黒幕殺すどころか、自分が殺されるっつうのに」

 

 「だから何度も言うように、穂谷円加にそんな先を考えるほどの理性は残っていない。自分が死ぬまでに相手を殺す、単純かつ刹那的な世界の中に生きているのだ。四章を終えてからの穂谷円加は」

 

 「世界の歌姫が見る陰もねえな。こんなんから黒幕は“超高校級の歌姫”の“才能”を学ぼうとしてんのか。それはそれでどうなんだ」

 

 「思えば、黒幕は“超高校級”と付けばなんでも取り込もうとしている節があるな。歌姫もそうだし、野生児や爆弾魔の“才能”など手に入れてどうするというのか、は疑問でもある」

 

 「んなところまで考えてねえんだろうよ。カムクライズルになるためには、どんな“才能”で持ってなきゃならねえ。実際に必要かどうかじゃねえ。ありったけの“才能”をかき集めるのだけがあいつの存在意義なんだ」

 

 「そう考えると黒幕の運命もなかなかに悲惨だな。このコロシアイも、効率的に“才能”を獲得するのに適しているから行っているだけで、黒幕自身はコロシアイに対して特に何の感情も抱いていない」

 

 「んなもんに巻き込まれた俺たちの立場」

 

 「その辺りも特に何も感じていない」

 

 「だろうな。穂谷にカッターナイフ向けられて平然としてらあ。もしこいつ、マジに刺されたとしても何とも思わなさそうだ」

 

 「そして事実、穂谷円加が言うように、黒幕を排除しなければコロシアイは止まらない。鳥木平助の敵討ちという意味では、私たちよりも仇と言えるな」

 

 「だったら俺らと一緒に黒幕ぶっ殺すルート入った方がよかっただろ・・・なんで先に俺ら殺すんだ」

 

 「私たちが処刑されたのは成り行きだ。もし私たちとともに黒幕を殺害することが可能なルートがあるのならば、そちらも選び得た。ただ、最終的に私たちも殺そうとしただろう」

 

 「なんで俺たちは勝手に詰まされてんだ」

 

 「この後、穂谷円加は黒幕に身柄を拘束される。通常の卒業生なら、この後眠らされて別の場所へ連れて行かれるのだが、穂谷円加は黒幕に危害を加えようとしたため、少々手荒な仕様になっている」

 

 「仕様って」

 

 「実際、卒業した後のことは原作でも描かれていないので、どうなるかは分からない。ここから先は完全に作者のオリジナルだ。といっても、穂谷円加が黒幕に眠らされるだけだが」

 

 「穂谷をふん縛った後に、黒幕が希望を捨ててはいけないとか言うのマジで胸糞悪いな。どの口がほざいてんだ」

 

 「いや、黒幕は常に希望だけを目指している。誰よりも希望に近付こうとしているのだから、希望を口にすることは何もおかしくない」

 

 「散々人の絶望煽っといて希望を捨てるなとか言うなっつうんだよ。まあ、本人も自覚してるみてえだがな。すっとぼけてんだかマジで言ってんだか分かんねえのが癇に障る」

 

 「おそらく本気だろう。自分が希望を目指しているのに周りが絶望していくのが不思議で仕方ない。希望は人類の光であるはずなのに、結果として影たる絶望が侵食していく。矛盾しているのだ」

 

 「やり方の問題だろうが。なんでそこに気付かねえ」

 

 「効率的に“才能”を手に入れられる方法が最も良いに決まっているからだ」

 

 「なんでそこだけ頑固なんだよくそったれ」

 

 「この辺りから黒幕の台詞が不穏になってきている。ただ単に卒業生を希望ヶ峰学園に送り返すというだけではなく、その卒業生の“才能”の行く末を見守ろうという言葉をかけている」

 

 「まあ元からああいうつもりなんだったら、そりゃそう言うわな。ただ送り返されると思っている穂谷と、まだこれからが本番ってつもりの黒幕と、微妙に会話が噛み合ってねえ」

 

 「最後の黒幕の台詞も作者渾身の一言だな。QQでなければこれは言わせられない」

 

 「けどこの台詞ってもうほとんど次の展開バラしてるよな」

 

 「だから六章おしおき編とエピローグを一緒に投稿した。これは『ダンガンロンパQQ』の大オチに繋がる発言だから、余計な推測をされる前に本編で殴る作戦に変えたのだ」

 

 「焦ってるのが見え見えで余計にダセえことになってんだよ」

 

 「そりゃ気持ちも逸るだろう。なにせ、連載開始の足かけ3年前から一番書きたくて仕方が無かったシーンなのだから」

 

 「3年分か。まあ気持ちは分からんでもねえな。で、その前にこりゃなんだ」

 

 「これはさっき言った『ラヴァーズ・コンツェルト(狂)』の全歌詞だ。歌ってみるか?カラオケマシーンもあるぞ」

 

 「歌わねえよ!だから軽率に創造するんじゃねえっつったろ!」

 

 「カ、カラオケマシーンが砂のように」

 

 「それもやめろ!」

 

 「しかし清水翔は歌が無駄に上手いという設定があったではないか」

 

 「お前それTwitterのネタ投稿の中でちょっとだけ言われてた程度の本当にどうでもいい設定じゃねえか。なんなんだよ俺の設定。犬が好きとか歌が上手いとか変な設定の後付け多すぎんだろ」

 

 「どちらも事実と異なるのか?」

 

 「うっせえよ」

 

 「そこはうっせえわと言った方が時勢に即しているぞ」

 

 「いちいち時事ネタぶっ込んで来なくていいんだよ。流行に敏感アピールできねえぞんなもんで」

 

 「しかしこの歌詞は本当に実際のメロディに乗せて歌えるようにだな」

 

 「分かった分かった。そりゃ時間かかってんだろうけどな、誰も歌わねえっつうんだよ。歌いたきゃテメエで歌え」

 

 「お前は作者にひとりでカラオケ行ってこれを歌って帰れと」

 

 「誰がヒトカラ一曲で帰るんだよ」

 

 「それにヒトカラしている部屋からこんな歌詞が流れてきてみろ。通報もやむを得ない」

 

 「そこまでの歌詞でもねえだろ。いや、めちゃくちゃイカレてっけど、カラオケで歌ってて通報される歌なんかあるわけねえだろ」

 

 「外国歌とか?」

 

 「戦時下か」

 

 「もし気が向いた人がいたら、是非この歌詞を見ながら歌ってみてほしい。原曲は『ラヴァーズ・コンツェルト』だ」

 

 「何があっても責任取らねえぞ」

 


 

 「さ、遂にエピローグだよ。長かった『ダンガンロンパQQ』もいよいよこの一話を残すばかり・・・楽しい時間はあっという間だけど、そのあっという間を目一杯楽しめば、一生の思い出になるよね!じゃ、いってみよー!」

 

 「いや待てコラ!!待てコラァ!!」

 

 「大事なことなので2回ツッコミました?」

 

 「なんでまた戻ってんだよ!!もうここまで来たらさっきの望月でいいだろうが!!なんでまたテメエなんだ!!」

 

 「えー、私だって清水君とお話したいもん。あっちの私はさっきのエグいところだけ担当。そもそも望月藍って本来はこっちの方なんだからね。だから人格変えました」

 

 「スイッチヒッターみてえに言うな」

 

 「今日も清水君のツッコミはキレッキレだね!」

 

 「そんなキレてねえわ」

 

 「と言ってもエピローグはそんなに解説することないんだけどね。だからこのラストのこととか、後はエピローグの章タイトルとかについて語っていこうか」

 

 「まあ、話の内容的にあれが全てみたいなところあるからな」

 

 「最終裁判でまさかのクロ勝ちっていう展開も衝撃的だったけど、その後穂谷さんが黒幕によって眠らされて、希望ヶ峰学園に強制送還されるっていう展開もハラハラするよね」

 

 「卒業したやつが実際にどうなるのかってのは初めての描写かも知れねえからな。卒業なんて言うだけ言って結局殺すかも知れねえしな」

 

 「そういう黒幕がいてもおかしくないけど、『ダンガンロンパQQ』の黒幕としては無駄に“超高校級”の生徒を殺しちゃうのは得策じゃないからね。搾り取れるだけ搾り取る算段なんだよ」

 

 「いい性格してやがるぜ。ったくよ」

 

 「今まで誰もやったことがない(※2017年5月現在)(※作者調べ)展開だから、こういう展開を書くこと自体がものすごい興奮だった。と、作者は私の口を借りて回顧します」

 

 「そりゃずいぶんなこった。だが実際、ああいうルールでコロシアイをやる以上は、こういう展開もあり得るわけだよな。普通は物語だから、黒幕倒して希望を持って外に出るってラストになりやすいが、これもあり得ねえわけじゃねえ。そういうことを言いたかったのかも知れねえな」

 

 「みんなと同じことはやりたくない。やるなら独自性を出したい。っていう思いから来たラストなのかもね。別にひねくれでこういうことしてるわけじゃなくてね、清水君みたいに」

 

 「誰がひねくれだ」

 

 「ひねくれは認めようよ。あなたひねくれてますよ?ドーン!」

 

 「ドーンすんな。どこのせぇるすまんだテメエ」

 

 「ともかくこの展開は、作者が天邪鬼だからやったわけじゃなくて、むしろ他の創作する人たちに向けたメッセージとして捉えられるわけだよ」

 

 「誰も敢えてしねえ展開、もしかしたら忘れられてる“可能性”を見せて、王道以外も許されるってことを言いたかったのかも知れねえな。そもそもうちの作者自体が、希望を持って外に出るなんてラストを書けるタイプの人間じゃねえからな。作者にとってはある意味で逃げだ。こっちの方が書きやすいからな」

 

 「書きやすいもの書くことは逃げじゃないよ?お仕事でやってるなら分からないけど、趣味で書いてるものなんだから自分が書きたいものだけを書いたって誰も文句は言えないんだよ?」

 

 「まあそりゃな」

 

 「どれだけ書くのが遅くっても、自分の書いたものに自信がなくても、どこかで同じ展開になってたとしても、それを負い目に感じる必要はないんだよ。もっと自由にやればいいんだよ?」

 

 「だから自由にやってんだろうちの作者は。自由過ぎて自分で自分のプロットについて行けてねえじゃねえか」

 

 「用法用量を守って正しくハメ外そうね」

 

 「けどまあ、もともと予定してたことの大体は実行できた感じだな。四章だけずいぶん元の予定と違ったが」

 

 「四章は元の案が結構めちゃくちゃだったからね。違う形でもああやってできたんだから上々だよ」

 

 「なんであれ小説として取りあえずの体裁を保つのは大事だな。なんとかすりゃなんとかなるもんだ」

 

 「希望ヶ峰学園入りたての清水君に聞かせてあげたいね」

 

 「やかましいわ」

 

 「ともかく、この『ダンガンロンパQQ』を書いたのは、一番は作者がやりたくてやったことだけど、2番目か3番目、ないし4番目から5番目くらいにはさっき言ったようなことを言いたかったからなんだよね」

 

 「ばらつき」

 

 「だから私たちのお話を読んで、自分も創作論破書きたい、とか、こんなんなら自分にも書けるかも、とか思って創作を始めてくれたら、書いた甲斐があるってもんだよね」

 

 「逆にこんなんがスタンダードになっちまったらたまったもんじゃねえけどな」

 

 「そこはまあ、王道から始めるのがいいかもね」

 

 「王道書いたことねえやつが言うのか」

 

 「お、王道は自分が書かなくても原作がやってるから」

 


 

 「まだなんか話すことあんのか」

 

 「まだタイトルについて解説をしていない。その解説なしに終えることはできない。エピローグについても何も言うことがないわけでもない」

 

 「二重人格かテメエ」

 

 「エピローグのタイトルは『絶望の廉には希望来たる』だ。元ネタは言うまでもなく、『笑う門には福来たる』だ」

 

 「元のことわざのまんま解釈したら、絶望っつう罪に希望が来る・・・あ?意味分からん」

 

 「まずエピローグ全体の内容をおさらいしよう。本編での学級裁判に勝利した穂谷円加は、黒幕の手によって希望ヶ峰学園に送還された。穂谷円加が目覚めたのは、学園の教室の中だ」

 

 「これまた記憶消されてるよな?性格変わってねえのはもうどうしようもねえんだな」

 

 「記憶が残ったままでは、黒幕の言うとおりに集合する者などいないからな。加えて、元のコロシアイの記憶があったのでは、この後の展開で不都合が多すぎる」

 

 「だろうな。あんな目に遭うんだったら俺だって最初に多目的ホールなんか行ってねえ」

 

 「逆に言えば、あのときの私たちは全員、状況が理解できない故に、取りあえず指示に従って多目的ホールに集合した。このときの穂谷円加も同様だ」

 

 「で、集合したら黒幕の思う壺ってな。この15人はなんなんだ?」

 

 「ここで登場している穂谷円加以外の15人は、二作目の製作過程で没になったキャラクターたちだ。その一部は三作目で復活を果たしたが、大部分はこの場限りだ」

 

 「虚しすぎんだろこいつら」

 

 「せっかくだから供養の意味も含め、ここで一部紹介しておくとしよう。ちなみに名前は決まっておらず、“才能”しか設定がない」

 

 「供養」

 

 「穂谷円加が現れたことに最初に反応しているのは、“超高校級のゴルファー”だ。実力はあるが、自らの名声を鼻にかけている、清水翔が最も好まざるタイプだろう」

 

 「俺が嫌いそうなプロフィールしか言わねえからだろ。そもそも“超高校級”のやつらを俺が嫌わねえわけねえだろ」

 

 「ふぅむ・・・」

 

 「なんで不服そうだ」

 

 「このひとつ前の話で、清水翔はそういうことを克服したのかと思っていたが」

 

 「あっちはあっちなんだろ。いいから供養続けろ供養を」

 

 「ふむ。その次に反応しているのが、“超高校級の染織家”だ。染め物が高い評価を受けているが、コンセプトが独特でいまいち受け入れ難い」

 

 「なんだ独特って」

 

 「タコの茹で汁色とか」

 

 「独特か。なんでそんなやつが高い評価受けるんだよ」

 

 「コンセプトさえ伝わらなければ、染め物の出来映えだけで評価されるからな」

 

 「いいのかそんな適当で」

 

 「どうせ没キャラなのだから適当でも構わない。後で新キャラとして復活させるならより詳細を詰めるだけだ」

 

 「適当だな」

 

 「三番目に発言した人物は特に設定はない。ただ口調でキャラ付けがしやすいという理由で、鳥木平助と似たような雰囲気だけを借りてきた」

 

 「もっと適当なやつがいたか。見た目どころか“才能”も考えてねえのか」

 

 「空想上の生物だ」

 

 「ツチノコかこいつ」

 

 「その次に発言している余裕そうな態度をとっている者も同様に、大した設定はない。数合わせに過ぎない」

 

 「数合わせ入れるくらいだったら発言させなきゃいいだろうよ」

 

 「発言者が少ないと人が集まっている感じが出ないのだ。どうせいてもいなくても同じなら、取りあえず発言だけさせておけば後からキャラクターとして使えるかも知れない」

 

 「ただの敬語キャラと余裕な態度じゃねえか。こんなんからキャラ作れるか」

 

 「この次に発言している影が薄くなるキャラクターは、“超高校級のストーカー”だ。黒い薄手の服を着て細身の乱れ髪、吊り目に丸い眼鏡をかけている。卑屈で恋が多いが被害妄想も激しい面倒な性格をしていることから、ストーカー行為を繰り返すようになり──」

 

 「設定の格差がひでえ!!なんでこいつだけ急に設定が細けえんだよ!!さっき文字の上でしか存在できねえやつらが二人もいただろうが!!」

 

 「知らない。作者の好みだろう。影が薄いというのも、ストーカーとして尾行に活かすことができる天賦の才だ。ここまで設定ができている割に、二作目の登場キャラクターとしての候補から早々に切り捨てられてしまったが」

 

 「ストーカーの“才能”ってなんだよって話だしな。前から思ってたけど、希望ヶ峰学園おかしなやつでも“才能”さえ持ってりゃスカウトするって、判定ガバガバ過ぎんだろ」

 

 「“才能”自体が希有なものだから、倫理的な是非を問うている余裕がないのだ」

 

 「やめちまえこんな制度」

 

 「そのストーカーの後に黙っているだけの者が、“超高校級のマタドール”だ。典型的な一匹狼キャラの想定だ」

 

 「マタドールって一匹狼なのかよ」

 

 「本来ならマタドールはグループを組むことで成立する。一匹狼など一番あり得ない種類の“才能”だ」

 

 「じゃあなんで一匹狼になってんだよ」

 

 「作者がよく知らずに雰囲気だけで“才能”とキャラを決めたからだ」

 

 「やっぱバカなんじゃねえのかうちの作者」

 

 「どうせ没キャラなのだから」

 

 「最終的にその逃げ道があんのずりいな。それ言われたら採用されてる側の俺は何も言えねえ」

 

 「その次に発言している老人口調は、曽根崎弥一郎の没キャラだ」

 

 「ん?」

 

 「解説編の中でも何度か言及しているが、曽根崎弥一郎はもともと“超高校級のフードファイター”という“才能”だった。そのときはひげもじゃの筋肉質な豪快キャラだった。がわだけは没になり、名前だけは本編にああいう形で転生した」

 

 「あいつ今はやりの転生者だったのかよ。転生したのがこの世界観だったらマジ絶望じゃねえか」

 

 「それでも原案からはずいぶん扱いが良くなった方だ。もし曽根崎弥一郎が“超高校級のフードファイター”のままだったら、物語の中で清水翔を引っ張って行く存在がいなくなり、主人公らしい動きをさせることもできず、物語が行き詰まっていたことだろう」

 

 「まあそうだろうな。あいつに無理矢理連れ出されてなきゃ、俺があんなやつらと絡む理由がねえ」

 

 「だからこの旧曽根崎弥一郎を生贄にあの新曽根崎弥一郎を特殊召喚したことによって、我々の物語はここまで来ることができるようになったのだ。必要な犠牲だったのだ」

 

 「色んなところからネタの引用すんな。節操がねえだろ」

 

 「そして最後に、全員が揃った旨の発言をしているのは、こちらもまた異なる形で本編登場を果たしたキャラクターだ」

 

 「今度は誰だ」

 

 「私だ」

 

 「テメエだったのか」

 

 「全く気が付かなかっただろう」

 

 「気が付くもクソもねんだよ。知らねえよ」

 

 「厳密に言えば私でもあり六浜童琉でもある。そしてもう一人の私は明尾奈美であった」

 

 「何言ってんだテメエ」

 

 「感情の薄い合理思考主義者というキャラクターは、もともと六浜童琉に与えられていたキャラクターだった。このキャラクターで古部来竜馬と将棋を指すこともあった」

 

 「あいつ将棋指せれば誰でもいいのかよ」

 

 「だがそんなキャラクターが自己犠牲で全員を生還させようとはしないだろうということで、一度は卒業するキャラクターとして物語が練られていた」

 

 「そっちかよ。キャラクター変える前にキャラクター変えねえで卒業者変えようとしてたのかよ」

 

 「だがそれもいまひとつ盛り上がりに欠けるということで、六浜童琉のキャラクターを現在のものに変え、出来上がったキャラクターは私に引き継がれることとなった。そのとき私には特に大したキャラクターがなかったので、そのまま引き継いで完了だ」

 

 「なんでメインヒロインのキャラクターがシナリオ作る段階で白紙なんだよ。順番おかしいだろ。で、あとお前と明尾がなんだって?」

 

 「もう一人の私のあのキャラクターは、もともと明尾奈美に割り振られていたキャラクターだった。だが他のキャラクターとの差別化が難しいことや、これといってクセがなかったことから、もう一人の私として消化され、明尾奈美のキャラクターはああいう感じになった」

 

 「クセ0のところから大クセになってんじゃねえかよ。もう一人の方のお前のキャラクターも俺には十分うざってえが、今の明尾のあれはもうただの変態だ」

 

 「ということで、六浜童琉と私と明尾奈美の間ではキャラクターの移動が複雑に行われていた。その過程で弾き出された余り物の部分を寄せ集めたのが、この最後に喋っているキャラクターだ。“才能”は特に決まってない」

 

 「没キャラの中でも特に没じゃねえか・・・没のキマイラじゃねえか・・・」

 

 「あとここには出て来ていないが、穂谷円加のファンであるという倫理観が壊れた天才少年キャラもいたそうだ。そのキャラクターは一足先にいくらかの設定変更を経て、既に異なる作品の本編に登場しているそうだ」

 

 「あ?天才少年キャラってお前・・・それ・・・」

 

 「このように、一見ただのモブキャラに見えて、実はそれぞれが様々なバックボーンを持ってここにいるのだ」

 

 「ほとんど共通してたしバックボーンも何もねえやつらばっかじゃねえか。その台詞言うならもっと後だろ」

 

 「そうだろうか」

 

 「そうだろ。で、これがなんだよ」

 

 「なんだとはなんだ?」

 

 「タイトルの説明する流れでこいつらのこと説明したんだろ。こいつらがタイトルにどう関係してんだよ」

 

 「ああ、その話だったか。数日前のことだから忘れていた」

 

 「実際に書くのにかかった時間言うな」

 

 「まあタイトルの説明をするのに、没キャラが没になった経緯までわざわざ説明する必要はないのだが」

 

 「ねえのかよ!数日無駄にしてんじゃねえかよ!!」

 

 「エピローグのタイトルをおさらいしよう。『絶望の廉には希望来たる』だ」

 

 「やっぱり意味が分からねえ。俺にはさっぱり分からねえ」

 

 「その答えはエピローグのラストに書かれている。体育館に集合した穂谷円加たちは、そこで再びモノクマに出会う。初めて会ったときと同じように、舞台上に突如として飛び出して来るのだ」

 

 「けど、ここで穂谷は記憶消されてるよな。見たこともない白と黒のそれって。いくら穂谷がトチ狂ってて性格悪いっつっても、モノクマのことを忘れるわけねえよな。一回は殺そうとしたやつだ」

 

 「穂谷円加の視点で語られる地の文はここまでだ。ここからは、誰視点でもない、完全な三人称視点で描かれる」

 

 「いわゆる本当のエピローグだな。こいつら“超高校級”が、全員がそれぞれに物語を持ってるってのは・・・」

 

 「全員にはもちろん、穂谷円加も含まれている。つまり、ここにいる全員が穂谷円加と同様の経緯を辿ってここにいるということになる。すなわち、全員がそれぞれのコロシアイを生き延び、卒業して、ここに来たのだ」

 

 「やべえやつらの集まりじゃねえか。全員穂谷みてえなことしてんのかよ」

 

 「全員が全員そうかは不明だが、少なくとも誰かを殺害し、学級裁判を勝ち抜いたことは確かだ。だからこそ、絶望の廉なのだ」

 

 「絶望の廉ってのは、コロシアイと学級裁判を勝ち抜くこと、つまりクロになるってことか」

 

 「そういうことだ。そこに来たる希望とは、つまり“超高校級の希望になる者”である黒幕のことだ。コロシアイを生き延びた者たちの元に、再び黒幕が現れる、すなわち再びコロシアイが行われることを示している」

 

 「読み取れるかそんなもん。しかしざまぁねえな。穂谷がまたこうやってコロシアイに巻き込まれてんのは」

 

 「穂谷円加は元々死ぬ気だったからどうだか分からないが、他の者にとっては絶望的だろう。せっかく希望ヶ峰学園に戻って来られたというのに、待っていたのは絶望的な日々の繰り返しだ。記憶がないとはいえ、いつか思い出すだろう」

 

 「そりゃこういう経緯のやつらが16人も集まりゃ、いずれ黒幕の野郎は思い出させるだろうな。俺らだってそうだった。っていうか、コロシアイに参加するやつらって、何かしらの共通点を持ってるよな。俺らだった問題児みてえに」

 

 「やはり16人もの人間を拉致監禁するにあたって、まったくランダムに人を攫うことは難しい。共通点を持っているというより、たまたま目を付けた集団がそういう集まりだったということだろう」

 

 「っつうことは、二作目のやつらも、これから書くとかほざいてる三作目のやつらも、なんかしらの共通点があって集められてるってことか?」

 

 「・・・そこは、読んでみてのお楽しみ。開けてびっくり玉手箱というやつだ」

 

 「ろくでもねえもんしか入ってなさそうな箱だな」

 

 「実際、読んだら寿命を吸い取られるかも知れないな。それくらいの仕上がりにはしていきたいと思う」

 

 「お前が書くわけじゃねえだろ」

 

 「今のは作者の代弁だ」

 

 「クソみてえな人格の使い分けするんじゃねえよ」

 

 「今のはあれか。代弁とだい──」

 

 「テメエのそういうところが本当に嫌いだ」グワシッ

 

 「おむっ」

 


 

 「エピローグのタイトルは説明してたけど、まだ説明してないところがあんだろ」

 

 「もう最後の地の文を残すのみとなった今なのにか」

 

 「その最後の文でようやく意味が分かることだろうが。この『ダンガンロンパQQ』のQQだよ。最初っからっつうか、このタイトル見て読もうとか思わせるもんなのに、その意味が分かるのがマジで最後の最後ってどういうこった」

 

 「あれだ。この後、いよいよQQの意味が!という文言で引っ張るためにこうなっている」

 

 「ウソ吐け。だとしたら引っ張りすぎだろうが。どこの構成が2年も引っ張んだよ」

 

 「本当のことを言うと、このQQというタイトルはそのままこの大オチを表したものだ。オチを言うわけにもいかないので、最後の最後に明かす形となった」

 

 「そりゃ分かるが、さすがにこの地の文とQQで分かるやつあんまいねえだろ」

 

 「そうか?割と理解されていた印象だったが。ともかく清水翔、説明を頼む」

 

 「なんで俺が」

 

 「もうこれで終わりだから。最後くらいは主人公のお前が」

 

 「めんどくさ・・・あーっと、QQのQってのは、Quarter(4分の1)のことだ」

 

 「よっ、ネイティブみたいな発音。次回作主人公かい」

 

 「ボディビルやってんのか。ちょっと黙っとけ」

 

 「はむっ」

 

 「Quarterが二つで、4分の1かける4分の1、16分の1だな。16ってのは1回のコロシアイに参加してる人数だから、そのうちの1を意味してる。つまり、このエピローグで始まるコロシアイに参加してる16人のうちのひとり、穂谷が通ってきた物語が、この『ダンガンロンパQQ』だったってオチだ」

 

 「コロシアイを勝ち抜いた卒業者だけによるコロシアイ。誰もが一度は考えたことがあるだろうな」

 

 「それは知らねえが。QがQuarterだって分かりゃあとはいいだろうが、QからすぐQuarter出ねえよ。16分の1だけじゃ」

 

 「なるべくシンプルなタイトルにし、かつこのオチを説明するにはこうするしかなかったのだ。気付いた読者からはちゃんと感想が送られてきていたぞ。あの、人間が閃いた瞬間に出る声を文字化したものが」

 

 「なんでそんな具体的に言うんだ気持ち悪いな」

 

 「気付く人は気付くということだ。かと言って分かりづらいことも確かだ」

 

 「つうかよ、ここまでの章タイトルもそうだし、このQQってタイトルもそうだし、うちの作者はなんでタイトル読み解かれたら全部バレるような付け方するんだ」

 

 「うちの作者は何かしらのテーマを持たないとタイトルもろくに付けられないのだ。0から付けるのが難しいので、ことわざという元ネタを使うことにもなった。意外にも好評を頂いていたが、これは作者の逃げだ」

 

 「褒められてんだから素直に受け取りゃいいじゃねえかよ」

 

 「清水翔がそれを言うのか・・・?それは冗談で言っているのか?」

 

 「お前に一番言われたくねえよ!」

 


 

 「お互いらしくないことを言ったということで、今回の解説編の最後にして最大の肝である解説が終わった。『ダンガンロンパQQ』の解説もこれで終了となる。最後に何か言いたいことはあるか?清水翔」

 

 「殺されんのかこれから」

 

 「これ以降は新規の話が更新されないとなると、ある意味私たちが存在できるのはここまでとなる。すなわち、死と同義かも知れない」

 

 「最後の最後で嫌なこと言うんじゃねえよ。別に話が更新されなくっても、俺らの話を読むやつがいりゃあ終わりじゃねえだろ。新しく読まれ続ける限りは、少なくとも『ダンガンロンパQQ』は終わらねえよ」

 

 「おぉ・・・さすが清水君。主人公らしい頼もしい言葉。かっこいい〜!」

 

 「もうテメエの変身にも驚かなくなってきた」

 

 「変身じゃないよ!最後だから私ともう一人の私、二人とも来てるの!」

 

 「あ?二人とも?」

 

 「そういうことだ。こんなことは本来あり得ない。私とこの私は肉体を同一にするはずであるから、このように分裂して会話をすることなどできるはずがないのだ」

 

 「精神世界で闇側面の自分と話すような感じだね」

 

 「どっちが闇でどっちが光だ」

 

 「「私が光」」

 

 「闇押しつけあってんじゃねえか」

 

 「どう考えても私が光でしょ!性格考えなよ!」

 

 「“超高校級”の“才能”を希望の光と形容するのであれば、“才能”面で秀でている私こそ光側面とされて然るべきだろう」

 

 「何をこの私のくせに!生意気だぞ!」ポコポコポコ

 

 「アホみてえな音するげんこつだな」

 

 「暴力に訴えるのであれば私も同様に応じよう」ビビビビビ

 

 「ねずみ男がやるビンタの音だ」

 

 「なんか自分とケンカすると昔の映画思い出して切なくなっちゃった」

 

 「どちらかと言えば私がコピー側だが、この際そんなことはどうでもいい。やはり私同士、互いに手を取り合わねばな」

 

 「一瞬で仲直りまでしやがった。なんなんだこいつら」

 

 「というわけで清水翔。私たちはどちらも光であり闇だ。そもそも私のような人格が生まれる実験に参加したこっちの私も、そしてそんな実験で生まれた人格である私も、どちらも闇人格と言える」

 

 「だけど私たちはどっちも、“超高校級の天文部”、望月藍。だから私たちはどっちも光とも言える。でしょ」

 

 「何言ってんだテメエら」

 

 「一蹴!!」

 

 「やはりそうなるか」

 

 「そもそもテメエら二人がまとまって出て来たところで、何の特別感もねえんだよ。解説編も最後だからってやりたい放題やりやがって」

 

 「せっかくだからやりたい放題やらないとね。私だってここにしか()()()ないから、爪痕残さないと今後使ってもらえないんだよ」

 

 「若手芸人か。使い処がねえって話をさっきしただろうが」

 

 「ともかく、これでダンガンロンパQQは二度目の幕引きとなる。三度目があるかどうかは分からないが、ここまで付き合ってくれた画面の前のお前たちには感謝しなければいけないな」

 

 「お前って言わない!読者の皆さん!」

 

 「テメエらよくこんなもん5年も6年も読んでんな。ヒマか」

 

 「吐いていい暴言と悪い暴言があるよ清水君!」

 

 「吐いていい暴言とは・・・?」

 

 「作者さんはそんなことこれっぽっちも思ってないからね!むしろただの趣味がここまで続けられたのは、本当に読んでくれる皆さんのおかげだと思ってます!だからこれからもうちの作者の作品を楽しみにして、QQのことも忘れないで、ときどきまた私たちの物語を読みに来てね!」

 

 「で、本音は?」

 

 「とはいえ自分が書かなきゃ続くも何もないから、結局は頑張れた自分のおかげだとか思ってる──って何言わせんの!」

 

 「それなりの長台詞だったのに全部言ったぞ」

 

 「これはうっかりというレベルではないな」

 

 「なんでこの期に及んで、ここまで読んでくれた読者を敢えて突き放そうとするの?」

 

 「ロックだろう」

 

 「ロックか?」

 

 「ロックってなに……」

 

 「イエス、ロケンロール」

 

 「適当に喋りすぎだよ私!!あとコルナはこう!!それキツネだから!!」

 

 「もう帰るぞ俺」

 

 「ちょっと待って清水君!!待って待って!!」

 

 「なんだ。突っ込むところあったか」

 

 「冒頭の伏線回収はいいから!最後ちゃんと締めようって!!本当に最後なんだよこれ!?」

 

 「こういうところで改まるのが苦手なのが作者の悪いところだな。では、冗談はやめにしてちゃんと締めるとしよう」

 

 「お前冗談とか言えるようになったのか。変わったな」

 

 「ここだけではな」

 

 「はい!それじゃあ画面の前のみんな!本当に今まで読んでくれてありがとうございます!いつかまた私たちは帰ってくるかも知れないしそうじゃないかも知れないし……。だけど、みんながときどき私たちみたいな、こんな小説があったっていうことを思い出してくれたら嬉しいなっ」

 

 「解説編もこれで終わりだ。まあ、振り返ってみりゃそこそこ長いこと話してたな。実のある話かどうかは分からねえが、暇つぶしくらいにはなんだろ。それくらいだ。特に言うことねえ」

 

 「ヒトという生物の終焉を定義することは簡単だが、人間という存在の終焉はそうではない。忘れる者がいなければ私たちはその限り生き続けることができると言えるだろう。どうか私たちの寿命が1秒でも永くあるように、願うばかりだ」

 

 「と、いうわけで!特別番外企画、『ダンガンロンパQQ』解説編、後のお祭り、これにて全話終了です!ここまでのお相手は──ッ!!」

 

 「“超高校級の天文部”、望月藍と」

 

 「才能なんかクソ食らえ、清水翔」

 

 「流星に跨がってあなたに急降下、望月藍でした!さよーならー!」

 

 「じゃあな」




ダンガンロンパQQの解説編もこれで終わりです。ありがとうございました。
6年越しの完結ですけど、本編完結から解説編開始まで約1年。解説編も途中で1年。それぞれ間が空いてるので、ぎゅっとしたら4年です。どっちにしろ長いですね。
三作目も鋭意制作中ですので、楽しみにしていてください。がんばりますから。
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