でち公物語   作:青色一號

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悪の波動に目覚めたゴーヤ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴーヤ、潜りまーす!」

 

 

そう言って今日も伊58(ゴーヤ)はオリョール海を巡っていた。

オリョールクルージング。通称、オリョクル。

 

そう呼ばれる行為を彼女たちはブラック提督の下、ひたすら続けさせられていた・・・。

 

 

 

そしてそんなある日、いつものようにオリョール海を巡っていた彼女は母港への帰路の途中、海面に浮かんでいたあるものを見つける。

 

 

「でち?これはなんでちか?」

 

彼女はそう言ってそれを拾い上げた。

それは、奇妙な形をした小さな壷だった。壷はお札のようなもので蓋が閉じられており、それを見たゴーヤは不思議に思った。

 

 

「でちぃ?蛸壺でち?」

 

不意に蓋を掴んだ瞬間、貼られていたお札のようなものが剥がれ落ちて壷の蓋が開く。

 

 

 

 

「開いたでち!きっとこれは大昔に沈没した輸送船の財宝に間違いないでち!中身は何でちかね?もしかして幻の山下財宝?それともナチスの略奪品でち!?」

 

 

勝手にそう思い込んでゴーヤは壷を開ける。

その刹那、壷の中から黒い煙とともに何かが飛び出し、ゴーヤに襲い掛かる。

 

 

 

「でッ!でちぃぃぃぃぃぃイッ!!!?」

 

ゴーヤの悲鳴が響き渡る。

壷から飛び足した黒い何かは、ゴーヤの体に吸収されるよに入り込み、ゴーヤは一瞬意識を失った。

 

 

突然のゴーヤの悲鳴に、旗艦を勤めていた軽巡夕張は驚いてゴーヤのもとに駆け寄る。

 

 

 

「どうしたのゴーヤちゃん!大丈夫?」

 

しかし、夕張が駆けつける頃には壷から出ていた黒い煙は消え、夕張の目の前に居たのは、奇妙な形をした壷を片手にもって白目をむいて海面から半分浮かんでいる状態のゴーヤの姿だった。

 

 

 

「ゴーヤちゃん?ゴーヤちゃん!」

 

夕張に呼ばれ、ゴーヤは意識を取り戻す。

 

 

 

「でちッ?・・・・あぁ・・・・なんでち・・・・・?」

「どうしたのよ?急に声なんて上げて・・・・てか、その壷何?」

「でち・・・・?」

 

「?」

 

ゴーヤのいつもと違うような反応に夕張は少し違和感を覚えた。しかし特に気にすることなく夕張は先頭へと戻っていった。

 

 

誰もこのとき、気づいていなかった。ゴーヤの意識は完全に乗っ取られていたことを・・・・・。

 

 

 

 

 

 

この日からゴーヤは変わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日の朝、同じ潜水艦娘である伊168(イムヤ)はゴーヤを探し回っていた。

いつも自分より遅く起きていたゴーヤが部屋におらず、出撃の時間になっても姿を現さないので不思議に思って探し回っていた。

 

 

 

「あら、イムヤちゃん。どうしたの?」

 

イムヤは途中で夕張とすれ違い、イムヤは夕張にゴーヤの行方を尋ねた。

 

 

 

「夕張さん!うちのゴーヤ見ませんでしたかッ?」

「ゴーヤちゃん?そういえば、さっき間宮さんのところで見かけたけど・・・・・どうかしたの?」

「出撃の時間になっても出てこないから探してたんです!」

 

 

ゴーヤの居場所を聞き出したイムヤはすぐに間宮さんの経営する甘味処「間宮」へと急いだ。

しかし、イムヤが来る頃には既にそこにはゴーヤの姿はなかった。

 

 

 

「間宮さん!うちのゴーヤ見ませんでしたか?」

「あら、イムヤちゃん。ゴーヤちゃんなら今さっき出てったわよ?餡蜜赤城盛りを一人で完食してて驚いたわ・・・・」

「え?あの伝説の赤城盛りを!?」

 

 

伝説の赤城盛りを完食したという信じがたい話を聞かされてイムヤは驚く。

その後、イムヤは間宮を後にしてゴーヤを探し回った。

 

 

 

すると、鎮守府宿舎前のグラウンドのほうからゴーヤの声が聞こえるのがわかり、イムヤはグラウンドのほうに走った。

 

 

グラウンドに行くと、そこには他の艦娘たちが集まっている。

その様子を不思議に思ったイムヤはその中を覗くと、艦娘たちの集まっている先に朝礼台の上にゴーヤの姿を見つけた。

 

しかしイムヤはゴーヤの様子がいつもと違うことに気がつく。

 

 

朝礼台の上に立っているゴーヤは、黒いサングラスをかけ、手には大きな旭日旗を掲げ、片手には拡声器を持って仁王立ちしてなにやら演説を始めようとしていた。

 

 

 

 

「~アーアー、でちでち!諸君、良くぞ集まってくれたでち!~」

 

集まっている艦娘たちの中に同じ潜水艦娘の伊8(はっちゃん)を見つけたイムヤは、はっちゃんに事情を尋ねた。

 

 

 

「はっちゃん!」

「イムヤちゃん・・・・」

「ねぇ、ゴーヤあそこで何してるの?」

「私もよくわからない・・・・起きたらみんな集まってて来てみたらゴーヤちゃんが・・・」

 

はっちゃんもどうやら事情を知らずに集まったようだ。

 

 

 

 

「~諸君、良くぞ集まってくれたでち!ゴーヤたちはこれまで、辛く苦しいオリョクルを強いられてきたでち・・・・でちが今日から!今日から我々、伊号組連合会はここにボイコットを宣言するでち!!逆らうヤツは誰であろうと処分雷撃でち!~」

 

 

「ちょっとゴーヤ!アンタ何考えてんのよ!?」

 

 

演説を聴いたイムヤは前に出てゴーヤにそう言い放つ。

 

 

 

「でちぃ?イムヤはゴーヤに歯向かう気でちか?」

「ちょっとゴーヤ!一体どうしちゃったのよ?」

「どうしちゃったでちって?そんなこと決まってるでち!ゴーヤはもうオリョクルには行かないでち!これからはゴーヤがやりたかったこと全部やってやるつもりでち!でっちっちwwwwwww」

 

ゴーヤは奇妙な笑い方で笑い、イムヤはいつもとまるで違う様子のゴーヤに困惑する。

 

 

 

 

 

この日からゴーヤの暴走が始まった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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