「でーちでちでちwwwwwwwwww」
鎮守府の外れにある倉庫の地下室に、奇妙な笑い声が響く。
ゴーヤの笑い声だった。
人気の無い地下の裸電球が一本吊るされたその部屋の中で、ゴーヤは何か一人で作業していた。
部屋の中には化学薬品の入った瓶が並び、怪しい雰囲気が漂っている。
ベキベキッ
「でっちっちwwwwwww」
どこからかこっそり持ってきた木箱を、バールのようなものでゴーヤはこじ開ける。
その木箱の蓋の上には「名古屋陸軍造兵廠」と焼印が押され、木箱の中には九七式手榴弾が綺麗に並べて収められていた。
「こいつでいたずらしてやるでち!でっちっちwwwwww」
翌日、重巡組の宿舎で事件は起こった。
突然宿舎からドーンと爆発音が轟き、妙高が大破したのだ。
「今の音は?」
「爆発!?」
この事態は直ちに秘書艦のビスマルクを通じてブラック提督の下に知らされる。
後に憲兵隊による事件調査が行われ、何者かが宿舎の部屋のドアに手榴弾のトラップを意図的に仕掛けたことが判明した。しかし犯人の特定までには至らなかった。
ちなみに大破した妙高はレベルがまだ低く、入渠して十分あまりで完治した。
「でちッwwwwでちでちでちwwwwwwww」
事故現場の宿舎の野次馬艦娘の中で、ゴーヤは一人不適に微笑む。
その翌日ゴーヤは一人、間宮を訪れ、得盛り餡蜜を食べながら次のいたずらを企んでいた。
「でっちっちwwwwww次はどんないたずらをしてやろうでちかwwww?」
するとそこへ遠征を終えた赤城が来店し、ゴーヤの近くの席に座ってボーキ丼を山ほど食っていた。
それを見ていたゴーヤは何かがひらめいたようで、不適な微笑を浮かべた。
「でち・・・・でちでちwwwwwww!」
翌日、資源倉庫に保管されていたボーキサイトが異常なほど減っており、不審に思った資源管理係の妖精さんはそのことを秘書艦のビスマルクに伝えた。
「ボーキサイトが減ってる?また赤城がつまみ食いしたんじゃないのい?」
赤城の仕業だと疑ったビスマルクは赤城に事情聴取をしたものの・・・・。
「赤城さんはずっと私と一緒だったわ。私の赤城さんに限ってつまみ食いなんて卑怯なことはしない。」
と、一緒にいた加賀にそう言われた。しかし少し心当たりがあるのか、赤城は少し顔色が悪かった。
その様子にビスマルクは赤城が過去につまみ食いを働いたことがあるんだなと確信したがその件と今回の一件は無関係と感じてそれ以上は聞かなかった。
一方でその頃、倉庫の地下室に籠もり、手榴弾の入った木箱の上に座りながらボーキサイトで大量の瑞雲を作るゴーヤの姿があった。
「でーちでちでちwwwwwwwwww赤城のボーキサイトはゴーヤがありがたく貰っておいてやったでち!全部ゴーヤの瑞雲に使ってやるでち!でちでちwwwwwwwwwwww」
ボーキサイトを盗んだ真犯人がゴーヤであることなどビスマルクはおろか、他の艦娘たちは知る由もなかった。
盗んだボーキサイトで大量の瑞雲を作り、ゴーヤは更なるいたずらを企てようと企むのであった。
「でちwwwwでちでちwwwwwwww」
そしてあくる日、潜水艦隊に出撃命令が下り、行くことを拒んだゴーヤであったが逃げ出そうとしたところをイムヤに捕らえられ、半ば強制的に連れ出されるような形でゴーヤは出撃した。
「でちッ!」(舌打ち)
不機嫌な様子のゴーヤを、イムヤは叱る。
「ちょっとゴーヤ!なんなのよその態度は!?」
「ゴーヤはこんなところ来たくなかったでち!!」
「しょうがないでしょ!!お仕事なんだから!!」
「ケッ!イムヤは働いたら負けという言葉を知らないようでちね?」
「何ワケのわかんないこと言ってんのよ!!」
しかしゴーヤはやさぐれた様子でイムヤを睨みつけた。
その刹那、旗艦の夕張が電探で敵を探知する。
「水上電探に艦あり!総員戦闘配置!」
「戦闘はあまり好きじゃないけど、仕方ない。」
「でち・・・・・」
「さ、行くわよぉ!!」
その後、戦闘はあっという間に終わり、最後はイムヤが敵にトドメを刺して終わった。
「この辺にはもう敵はいないみたいね・・・・・そろそろ戻りましょう。」
母港に帰還する途中、ゴーヤは何を考えたのかイムヤたちに気づかれないように盗んだボーキサイトで作った瑞雲を次々と飛ばした。
「さぁ行くでち!」
ゴーヤの作った瑞雲の妖精さんはサングラスをかけ、ゴーヤにニヤリと微笑む。妖精さんもまたゴーヤのカルマに侵されていて洗脳された状態だった。
ゴーヤの飛ばした瑞雲数十機はやがて空の向こうへと飛んでゆき、全てが飛び立ったのを見届けるとゴーヤはすぐにイムヤたちのほうへ何食わぬ顔で戻っていった。