LEGEND DAYS   作:ひゃっほー

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10話 任命

会談が終わった後、ガレットに帰ってきたアーサーは現在レオの私室に呼ばれていた。

 

(一体何の話だろう……私室に呼ぶくらいだから重要な事なのかな?それともいきなりキスしたのはまずかったかな……)

 

呼び出しの理由を一生懸命考えるアーサー。

考えている間に部屋に着いてしまった。

 

(なるようになるか……)

 

 

コンコンッ

 

 

「レオ閣下。僕です」

 

「入れ」

 

中からレオの声が聞こえたのを確認し部屋に入る。

そのままレオの座っているテーブルの前まで行く。

 

「……それで、話って何かな?」

 

アーサーがたずねる。

 

「まあ、座れ」

 

レオに促され、正面の椅子に腰掛ける。

 

「呼んだ理由はこれじゃ」

 

レオがアーサーの前に書類を出す。

 

無言でアーサーは書類を手に取ると文面に眼を落とした

 

「アーサーよ。わしは考えたのじゃ。おぬしを一つの部隊で使うのも悪くはない。じゃが、部隊の隊長をやらせた方がより活躍するのではないかとな!」

 

ドヤ顔のレオを尻目に文面を目で追っていく。

書類には新しい部隊の結成とアーサーを部隊の隊長に任命するっという指令が書かれていた。

 

「なるほど。つまり、僕が隊長になればいいって事だよね」

 

「そうじゃ。受けてくれるか?」

 

アーサーはしばらく考えた後レオの顔を見て言った。

 

「わかりました。僕にそんな大役が務まるかは分からないけど、出来る限りの事はするよ」

 

「お前ならそう言うと思っていた! よろしく頼むぞ」

 

レオは嬉しそうに言う。

 

「それで部隊の人数は? 出来れば少数がいいんだけど……」

 

「ふむ……了解した。人選はお前に任せる。選んだらしっかりと鍛えてやってくれ」

 

レオはそう言ってニッと笑った。

 

(レオの許可も得たし、人数は30〜40程度に抑えて、少数精鋭の部隊を作ろう。さてさて、面白くなって来たな……)

 

「あ、部隊編成の話なら帰りに話せば良かったのに……私室に呼ぶからどんな深刻な話かと思ったよ」

 

「一応この話は次の『戦』まで秘密にしておこうと思っていたからな。それに……なんだ、ほら、あれじゃよ、あれ……」

 

レオは少しどもりながらもじもじしている。

 

(ハハーン。やっぱりキスの事気にしてるみたいだな……ちょっとからかってみるか)

 

「レオ閣下。あれじゃ分からないよ? あれの内容を言って貰わないと……」

 

ニヤニヤしながらレオに尋ねるアーサー。

 

「お、お前! わかっているくせに言わそとしておるな! 性格の悪い奴め! そ、それにわしは初めてじゃったんじゃぞ……」

 

レオは顔を真っ赤にして言う。

 

「性格悪いのは元からだから。少しからかってみただけだよ。そんなにやだった?」

 

レオはアーサーから視線をそらすとポツポツと呟く。

 

「いやではない。しかし……いきなりの事じゃったし、それに……その、初めてじゃったからな?」

 

「ごめんね? もう許可なしにはしないからさ」

 

アーサーは笑いながら言う

 

「許可があればするのか!?」

 

レオが驚きながら叫んだ。

 

「そりゃ……するよ。いつか許可もらうから。よろしく」

 

アーサーはヒラヒラっと手を振ると部隊の人選してくるっと言って部屋を出ていった。

 

「全く……あやつと話しているとどうもペースが狂うな。

それにしてもアーサーの奴、許可を貰うなどとぬかしおって……そ、そのなんだ、ムードというもの考えたらどうなんだ……ムードがあればいくらでも……」

 

レオは自分が恥ずかしい事を考えている事に気づき、頭を振って思考を中断した。

真っ赤な顔を隠すように次の仕事場に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

アーサーは兵士が訓練している場所を見学していた。

現在は弓の訓練をしているようだ。

 

(そういえば、パスティヤージュ公国は空中戦が得意っていう話だから優秀な弓兵が必要だな)

 

アーサーは何人か目星い人材を確かめて手持ちの紙に名前をメモして行く。

(よし、次は……)

 

アーサーが次の場所に移動しようとした時だった。

 

「よお! 何してんだ?」

 

 

アーサーに声をかけて来たのはレオの弟のガウルだった。

 

「今、兵士達の訓練を見学してたんだー」

 

「なんだ、声かけてくれりゃ、訓練に参加させてやったのによ。何なら今から参加するか?」

 

ガウルがそう言ってアーサーに提案した。

 

(訓練に参加出来れば、より兵士の実力が見れるかも……)

 

「本当? なら参加してみようかな?」

 

「よっし! ならいくかー!!」

 

ガウルの後を着いて行く。

 

遠目で見るよりも間近でみた方が迫力が凄い。

二つの陣地に分かれて弓を放つ兵士達。

おびただしい量の矢が飛んでいる。

 

他にも的に向かって矢を放っている兵士もいた。

 

「アーサーは弓出来んのか?」

 

唐突にガウルが尋ねる。

 

「僕?そうだね……そこそこかな? 基本的に武芸は大方納めてるよ」

 

アーサーはガウルと話しながら兵士達を観察していく。

 

「なら、今後のためにも見せてくれよ。アーサーの実力なら兵士達も参考に出来るところがあるかもしれねーしよ」

 

「ガウルの頼みならしょうがないね。いいよ」

 

アーサーはそう返事をして近くの弓を持って的の前に立つ。

 

「おい! おまえら! アーサーが弓の実力を見せてくれるからよーく観察して参考にしろ!!」

 

ガウルの声に兵士は雄叫びをあげる。

 

「ガウル〜。そんなにハードルあげないでよ」

 

アーサーは苦笑いしながら言う。

 

「アーサーなら大丈夫だろ?」

 

いつの間にやらアーサーの周りには兵士達が集まっている。ちゃっかりジェノワーズの3人と勇者のナナミも混じっている。

 

「アーサーがんばってなー」

 

「ファイトです〜」

 

「がんば」

 

「アーサーさんがんばってください!」

 

各々がアーサーに声援を送る。

 

(まいったねー。下手なことできないな……)

 

アーサーは約50メートル程離れている的に視線を移す。

横一列に10個並んでいる的。

 

アーサーは弓を構える。そして『紋章術』レベル1を発動する。そのまま矢を放つ。

放たれた矢は10本に増殖し、吸い込まれる様に横一列に並ぶ的の中心を撃ち抜いた。

 

一瞬の静寂の後、兵士達は歓声をあげる。見ていたガウル達も同様だ。

 

すると、興奮したようにガウルとナナミが走ってやってきた。

 

「やっぱ、アーサーすげーな! てか俺と勝負しろ!」

 

「アーサーさん凄いですね! ていうか私と勝負しましょ!」

 

全く同じ事を言う2人。

 

「何でそうなるの? 僕やる事あるんだけど……」

 

困ったふりをして何とか逃げようとするアーサー。

 

「いいだろ? な? 少しだけだからよ」

 

「お願い! アーサーさん!」

 

2人は必死にお願いをする。

それをみたアーサーは溜息をすると諦めたように言った。

 

「わかったよーもう。少しだけだからね」

 

(まあ、でもガウルとナナミちゃんの実力は今後のためにみといた方がいいかな? だいたいの弓兵の目星はつけたし……それにあの2人、絶対僕の言うこと聞かなそうだし)

 

 

「おっしゃー!! なら早速やるか」

 

「はやくやろうよ!!」

 

 

こうして急遽アーサーvsガウル、ナナミの模擬戦が行われる事になった。

 

 

 

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