LEGEND DAYS   作:ひゃっほー

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4話 実力

『こちらはビスコッティとガレットの国営放送ですが、

あの方がガレットの勇者様ですか!? かなりの美形ですね!! 羨ましい……おーっとビスコッティの勇者部隊がガレット本陣に到着しそうですね!!」

 

ガレット側から大きな歓声が上がる。

やはり勇者というものは人気があるらしい。

 

 

放送をなんとなく聴きながらアーサーは眼前の光景を見ていた。

青色の甲冑を着た兵士がガレットの兵士で赤ぎビスコッティだろう。

 

「じゃあバナードさん。僕が道を開くんで後はさっき言った通りに」

 

バナードは頷くとアーサーの言われた場所に待機する。

 

 

(よし、やるか。)

 

アーサーは腰にある黄金の長剣は抜かずに普通の剣を右手でくるりと回すと、『紋章術』レベル1を発動。

 

蒼色の紋章がアーサーの剣を輝かせると眼前に広がる戦場に向けて剣を振るった。

 

アーサーから放たれた斬撃は一直線に進むと、途中花火のように放射状に広がった。そこから何百と枝分れしてビスコッティの兵士に向かっていく。斬撃は獅子の型をしており逃げ回るビスコッティの兵士を『けものだま』に変えていく。

 

この光景を見ていたバナードは驚愕したが、アーサーの指示通り、本隊を率いて突撃していく。

 

 

『ガレットの勇者アルトリウスの華麗な紋章剣が炸裂だー!! 飛んでもなく強いですね!! さあこの勇者の出現によって戦況がどう変わるか見ものですねー』

 

 

 

 

 

アーサーは難なく敵をだま化させると勇者部隊の到着を待ち構える。

 

 

 

一方、ガウル殿下、ジェノワーズと戦っていた最強の剣士ブリオッシュ・ダルキアンはモニターに映し出されたアーサーを見て剣を仕舞う。

 

「ここはまかせるでござる!!」

 

とユキカゼに隠密部隊を任せてアーサーの元へとセルクルを猛スピードで走らせていた。

 

あの者は只者ではない。シンクとエクレール達があそこに向かっているが、彼らではまだ荷が重い相手だと一瞬で判断し、ユキカゼにこの場を預ける。急いでシンク達の援護をするために向かう。

 

「間にあえでござる」

 

 

ダルキアンはセルクルのスピードを上げる。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ガレットにも勇者だって! 強いと思う? エクレ」

 

金髪の少年が隣にいる緑色の髪で垂れ耳の女の子に話しかける。

 

「うるさいぞ勇者。口を動かす暇があるならさっさと敵の本陣に向かうぞ。あそこを落とせば我々の勝ちは決定的だ」

 

勇者を叱るのはビスコッティ騎士団親衛隊隊長のエクレール・マルティノッジだ。

 

 

「着いたぞ勇者!」

 

勇者シンクとエクレールがガレット本陣に到着した。

 

「エクレ。でもあれ……」

 

シンクが指を指した先には地面に剣を突き立てたガレットの勇者アルトリウス・ペンドラゴンが行く手を塞いでいた。

 

 

 

アーサーはこちらに向かってくる勇者達の部隊を捉えると

問答無用に前の2人以外の兵士をさっきの『紋章術』で攻撃する。

 

「ハウンドレオーネ」

 

500近くいた兵士を一瞬で『けものだま』に変える。

 

 

 

不意を突かれたシンクとエクレールは目の前の惨状に驚きを隠せなかった。

 

さっき召喚された勇者が巧みに『紋章術』を操り部隊を全滅させた。シンクと『紋章術』の習得は早かったがその比ではない。

 

シンクとエクレールは呆気にとられた気持ちを引き締めて神剣パラディオンと二刀の短剣を構える。

 

 

「やあ、君達が勇者君と親衛隊長さんだよね?」

 

 

「そうだよ。ビスコッティの勇者シンク・イズミです!よろしくお願いします!」

 

「ビスコッティ騎士団親衛隊隊長のエクレール・マルティノッジだ」

 

2人は自己紹介するが警戒は解かない。

 

「うん、よろしく。僕の事はアーサーでいいよ。じゃあ早速始めようか」

 

「「上等!!」」

 

 

 

それを合図にシンクとエクレールが飛び出した。

 

まずエクレールがアーサーに斬りかかる。

二刀の短剣がアーサーを襲う。

アーサーの手が煙るように消えるとエクレールの手に持っ ていた二刀の短剣は宙を舞っていた。

 

アーサーが正確に剣で短剣のグリップを下から弾いたのだ。

 

得物を失なった無防備のエクレールに横薙ぎに剣を振るう。

 

エクレールに斬撃が届く寸前、棒状の神剣が剣線に割り込む。

 

かん高い金属音が辺りに飛び散る。

 

アーサーはそのままシンクごとエクレールを弾き飛ばす。

 

強烈な斬撃により2人は数十メートル先でやっと止まる。

 

「った〜……あの人めちゃくちゃ強いよ!」

 

「弱音を吐くな! 剣がダメなら『紋章砲』だ」

 

シンクとエクレールは背後に紋章が出現する。

 

僕の剣の実力を瞬時に判断して『紋章術』に切り替えた。

 

(いい判断だけど……)

 

アーサーも背後に紋章を出現させる。

 

(レベル2でいっか)

 

 

「いくよ!!豪熱炎神掌!!!!」

 

「光輪剣!!!!」

 

 

灼熱のビームと波のような斬撃がアーサーを襲う。

 

「ウォー・クライ」

 

アーサーの斬撃からとんでもない衝撃が打ち出される。

 

衝撃はシンクとエクレールの『紋章砲』を呑み込み、2人の防具を破壊し意識を刈り取った。

 

パンツ一丁のシンクと全裸のエクレールは救助部隊に連れて行かれた。

 

「ちょっとやり過ぎちゃったかな……」

 

アーサーは自分の『紋章術』でクレーターのように抉れた大地を見て苦笑いする。

 

アーサーは背後に現れた強者の気を感じてゆっくりと振り返る。

 

「間に合わなかったでござるか……」

 

『ここで隠密部隊頭領が到着だー!! 大陸最強と謳われるブリオッシュ・ダルキアンと凄まじい強さをここまで見せつけているガレットの勇者アルトリウスが激突だー!!』

 

 

茶髪の髪を後ろで三つ編みにした自分と同じスタイルの犬耳女性が立っていた。

 

(この人……強いな。見た感じ円卓《ラウンジ》に入れるくらいの実力はあるかな? ……)

 

「君は?」

 

アーサーは彼女に名を尋ねる。

 

「自己紹介がまだだったでござるな。拙者はビスコッティの自由騎士、隠密隊頭領のブリオッシュ・ダルキアンにござる」

 

「僕の名前はアルトリウス・ペンドラゴン。アーサーって呼んでね?それでダルキアン卿……僕達敵同士だよね?」

 

アーサーは冷静にそう言って剣を構える。

 

「気が早いでござるな〜しかし戦場で多くを語るは無粋というもの……いざ尋常に勝負にござる〜」

 

ダルキアンも大太刀を構える。

 

 

ここに騎士王と討魔の剣聖の勝負が間もなく始まろうとしていた……

 

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