LEGEND DAYS   作:ひゃっほー

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8話 誓い

フィリアンヌ城のテラスに出たアーサーは内心で苦笑いを浮かべていた。

まさかあんな形で自分の素性がバレると思わなかったし、ましてや自分が伝説になっているんなんて予想もしていなかった。

 

心を隠す為に笑顔を作っていたが、先程は涙が流れてしまった。まだここにきて2日程しかたっていないのに、この世界も人もとても好きになってしまっていたという事だ。

自分の過去を知ってしまったら皆んなは僕をどう思うだろうか?知られてしまう事に恐怖を感じていたのか……さっき知られてしまったけれど、皆んなを失いたくなさに涙だが溢れたのかはわからない。

 

(僕って卑怯な奴だな……)

 

自己嫌悪に浸るアーサー。

 

不意にアーサーの後ろから声がかかった。

 

「アーサー……」

 

そこにはレオが立っていた。

 

振り向いたアーサーは笑顔を『作る』とレオに話しかけた。

 

「……どうしたのレオ閣下?もしかして僕を追いかけて来てくれたの?」

 

それを聞いたレオはズカズカとアーサーに歩み寄りアーサーの胸倉を掴んで引き寄せた。

 

いきなりの事でアーサーも驚いたが、その笑顔は崩さない

 

「それだ!その顏が気に入らん…… ! どうしてお前は笑っているのだ……」

 

レオは泣きそうになる自分を抑えて叫ぶ。

 

「だって笑ってないと皆んな心配するでしょ? どうもここの人達は優し過ぎるからね……」

 

アーサーは乾いたように笑う。

 

「心配して何が悪い! お前がそのように笑っている方がわしは心配じゃ……悲しいなら泣けばいい。楽しいなら笑えばいい。ムカつくのなら怒ればいい。これの何が悪いのじゃ!?」

 

レオの純粋な言葉に刺激される。

 

「君にはわからないよ。それよりいい加減手を離してくれないかな……?」

 

アーサーは掴まれている胸倉をみていう。

 

「離さん!! お前はいったい何が怖いのじゃ!? 何に怯えている!?」

 

「レオ閣下離して……」

 

「離さん!!」

 

同じやりとりが続く。

 

するとアーサーがポツリと呟いた。

 

「怖いんだ。まだ2日しかいないけど……僕の中ではもう大切な存在になってるんだ……レオ閣下やビオレさんそれにガウルやジェノワーズの皆んな、他にもビスコッティの皆んなも僕に優しくしてくれる」

 

「それのどこが怖いのじゃ?」

 

レオはアーサーを見つめる。

 

「僕は沢山の人を殺した。数え切れない程に……その中にはさっきも言ったけど友や自分の子供もいる。こんな血まみれの手で君達とは関わっちゃいけない。それにまた大切なものを作るとまた壊れてしまうんじゃないかって思うんだ。2度目の人生だから楽しもうって思ったけど、どこかでそれを考えちゃうんだ……だから僕の事はほっといてくれて構わない。今日中にでもガレットを立つつもりだ」

 

アーサーは悲しそうな顏でレオにそう言う。

だがレオはアーサーの意見に耳をかさなかった。

 

 

「関係ない!! アーサー。お前の過去に何があったのかは分かった。お前の考えも聞いた。しかし、過去は所詮過去じゃ! 大事なのは過去ではなく未来ではないのか?……お前が1人で耐えらないのならわしが一緒に背負ってやる!!わしはおぬしの前から消えたりしない!!」

 

レオはそう叫ぶとアーサーを抱き締めた。

 

アーサーは最初レオの腕から逃れようと抵抗したが、次第に落ちつき、脱力したように動かなくなった。

 

「……信じていいよね?」

 

アーサーはそう呟く。

 

「ああ! みなも同じ気持ちだとおもうぞ?アーサー、お前は考え過ぎじゃ……みなの優しさに甘える事も大事だとわしも思うぞ?」

 

レオはアーサーを抱き締めり力を強めた。

 

「そっか…そうだよね。ありがとう……」

 

アーサーは涙を流して感謝した。

レオの身体を離すとアーサーはレオに向き直る。

何かを決意したような真剣な顔だ。

 

「レオンミシェリ閣下。僕は貴方の剣となりましょう!そして一生貴方にお使えする事をここに誓います」

 

アーサーは片膝をついて忠誠の誓いをする。

 

「そうか……ならばわしもガレット獅子団領国領主として誓おう!! お前の前から決していなくなったりはしないと…お前の過去も半分背負ってやる!だからアーサー!!お前もさっき言ったことを違えぬでないぞ?」

 

レオは跪くアーサーに言った。

 

アーサーは立ち上がると今度は作り笑いではないとびきりの笑顔を見せて言った。

 

「騎士に二言はないよ。これからよろしくね?……レオ」

 

最高の笑顔と不意打ちの呼び捨てにレオの顏が赤くなる。

それをみたアーサーはあははっと笑う。

 

 

「レオ閣下は可愛いですね……そんな顏真っ赤にして。もしかして僕の事好きになっちゃいました?」

 

冗談交じりにそう言うとレオがプイッとそっぽを向く。

 

「う、うるさいぞ!あまり調子に乗るでないぞ!?」

 

「ごめんごめん。レオ閣下……でも、ちょっとこっち向いて欲しいな…」

 

拗ねているレオはアーサーの方を向かない。

 

「しょうがないなー」

 

アーサーは強引にレオを振り向かせる。

 

「お、おい!なんじ…………

 

チュッ

 

レオの唇に柔らかいものがあたる。

 

数秒何をされたか分からないレオだったがみるみるうちに赤くなる。

 

「今……お、お前わしのく、くちびるに……」

 

レオは顔を真っ赤にして動揺している。

 

「ごめんね? でも、僕が好きになっちゃったみたいだから…返事はいつでもいいから。でも絶対振り向かせるよ。覚悟してよね」

 

綺麗な笑顔を浮かべてアーサーが言った。

 

(まだ出会ってすぐだけど、この世界にこられて良かったよ。ランスロット、モルドレッド僕今度は守ってみせるよ……)

 

 

 

 

アーサーはそう心にかたく誓うのだった……

 

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