その正義、欠陥品。   作:おガンツ

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神澤心優#1

燃え盛る豪炎の中でに、一人の男と、少女がいた。

 

それは、出会いと別れが同時に起きる時。

 

「俺の分も、生きるんだよ」

 

男はそう言って、落ちてきた天井に潰された。

 

 

 

─────

 

 

 

俺、神澤 心優(かんざわ みひろ)は、私立の進学校に通う、高校二年生だ。

 

「おい、心優。メシ、食いに行くぞ」

 

こいつの名前は、前田 日生(まえだ かい)。

同じクラスで、ガキの時からの親友である。

 

「....あれ、記憶がない」

 

「そりゃ、あれだけ寝てたらそうだろう」

 

....どうやら、一時間目からずっと寝ていたらしい。

お昼休みに突入したようだ。

 

「ところで、今日はどこだ?」

 

「あー、そうだな。たぶん体育館裏じゃないか?」

 

「ふむ。じゃあ、とっとと行こうぜ」

 

二人で、教室を後にする。

俺達二人は、一年の時に停学になった。

それ以来、噂が広がり今では学校1と2の嫌われ者である。

昼休み、教室に居ても周りの目線が気になるため、二人でいつも人気のないところで昼飯を食べている。

もちろん、学食はある。

だが、日生には小学六年生の妹がいて、俺達二人分の弁当を作ってくれているのだ。

ありがたや....。

 

「ここはいい。春風に当たりながら、未生の弁当を食べられる」

 

日生の妹、未生(みう)。

穏やかで、可愛らしい、日生自慢の妹。

俺も昔から仲が良く、今でも日生の家に遊びに行くと、いつもスマブラを一緒にやっている。

未だに勝てたことはない。

 

「そうだな。ただ、お前本当にシスコンみたいに見えるから、少し自重した方がいいぞ」

 

「なにぉぅ!?むしろシスコンと呼べ!!手は出さないが、全力で愛している!!」

 

正直キモイ。

 

「そういえば、川嶋さんが、今度未生に会いにいくって言ってたぞ」

 

「川嶋....はぁ」

 

「なんだよ、あからさまに」

 

川嶋 紗理奈(かわしま さりな)。

中学生の時からの仲で、まさに腐れ縁。

仲が良いのだが、コイツはアホで、俺達二人をよく困らせる。

 

「あいつ、この前貸したCDを真っ二つに折やがった....」

 

「あの、初回限定生産の?」

 

「そうだ。あれだ」

 

「そりゃご愁傷様。もう手に入らないだろ」

 

「はぁ。でも、わざとじゃないから、怒るに怒れなくてな....」

 

川嶋はドジで天然を付け足そう。

しかし、憎めない馬鹿なので、ほとほと困る。

 

「と、言うか。川嶋も彼氏がいるとか、世の中なんて不公平なんだ」

 

「日生、大丈夫だ。高校ではきっとできないから」

 

「やめろぉ!!それ、有り得るから口に出されると、心配になって来るだろ!?....はぁ、美少女降ってこねーかなぁ」

 

学校で一番目と二番目を、総取りして嫌われている俺達に、近寄ってくる女子などおらず....。

寂しい高校生活を送る事を、余儀なくされている。

 

日生がお弁当を食べ終わり、伸びている。

 

俺は、未だに未生の作ってくれたお弁当を食べている。

 

その時だ。

 

「....ん?おい、美少女が走ってきたぞ!?」

 

日生が突然、俺の後ろを指差す。

 

何を言ってんだコイツ、美少女は降ってくるものだろ?

なんて思って、振り向いた。

 

そこには、身長低めの、ショーヘアーで、小柄な、まさに美少女が、走ってきたのだ。

 

息を切らしながら、脇目もふらず、こちらに向かっている。

 

俺は、この出会いが。

俺を....俺達を大きく変えるとは、思いもしなかった───

 

 

 

 




これは、数年間温めておいた話です。

結構な長さになると思うのですが、気長に楽しんでいただけたら、幸いです。

みなさんを、ハラハラドキドキさせることを、約束します。

そして、歪んだ現代社会を生きる、キャラクター達を、どうか見てください。
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