スカイリム~廃人達の生き様~ 作:荒ぶるメタボ
デイドラの社会は人間のそれとは大きく異なる。死の概念を持たない、不老不死のデイドラ達には“生きる”ための努力が一切必要なく、他人に縋る必要もない。
それ故に彼らの社交関係に利害勘定が挟むことはほとんどなく、面白いか否かで全てが決まる。
なので、面白くないメリディアはぼっちである。
デイドラ達が定命の者を弄び、残虐に殺すのは彼らが楽しいからである。
しかし、有限の生を全力で全うする定命者達の生き様に無上の喜びを見出すメリディアにとって、咲き誇る生命の花を抗いようのない蛮力で踏みにじるその行為は、不快極まりないものだった。
加えてユーモアセンスの欠如した彼女。遠まわしに皮肉ったならば面白がられただろうに、あろう事か定命の者に対しちょっと“やんちゃが過ぎた”とある名も無きデイドラに対し、配下のデイドラ――黄金の武装天使オーロラン――達を総出で蹴しかけ、払拭できない壮絶なトラウマを植え付けて自身の領域(家のようなもの)に引きこもらせた。
空気を全く読まない、後先考えないその行いで、彼女は以降全てのデイドラから嫌われる存在となった。
デイドラは死ねない。故に退屈は何よりも耐え難い苦痛となる。
力無きデイドラ達が定命の者の虐殺を嗜む一方で、力有るデイドラ達……俗にいうデイドラロード達は気まぐれで人々に加護を与え、見返りに得た信仰で自身の力を高め、より多くの人間を弄ぶ。
例えば、メエルーンズ・デイゴン。戦争と変革のデイドラロードである彼は、信者に強大な力を授け、個人では成し得ない、戦争という名のアミューズメントを催す。例えば、暁と黄昏の女神アズラ。未来を司る彼女は予言の力で信者達を導き、神にも等しい信仰を集めて、満悦に浸っている。
定命の者が求めてやまない物を――それこそ手の平で踊らされると知りつつも、道化に成り下がってでも求めずにはいられない物を――彼らは与える。だが、メリディアは何も与えない。
生命のデイドラロードである彼女の価値観では、ありのまま生き、儚く散る事こそが至上の幸福であった。なので何もしない。生命の理から外れた不死の者を刈り取ることぐらいしかしない。
そんな有ってないような恩恵。
最初こそ不死の恐怖から救われた定命の者たちに崇められもしたが、時が流れるにつれてその恩恵も忘れ去られ、今やその存在を知る者も少ない。いわずもがな、信徒はもっと少ない。
「生きたい」と願う人々の願望によって、デイドラロードとしての力を辛うじてつなぎ止めているのが現状である。
なので彼女は今日もぼっちである。
「メリディア様、一つだけお願いがあります。どうか私を元の世界に戻してください」
ギリシア神殿を彷彿とさせる、雲海に浮かぶ建造物の中で、ゆったりしすぎたローブを雪花石膏の地面に垂らし、等身大の鏡に向き合っていたメリディアの額を一筋の汗が流れる。
(やばい)
脊髄反射で開きかけた口を慌てて抑え、透き通った青い瞳を忙しなく動かして、生命のデイドラロードは全力で思考を巡らせる。
(ずっと会話してなかったから喋り方忘れちゃったわ!……この前みたいに変な事言っちゃたらどうしよう!というかここは「あなたの名の元に剣を振るいましょう」とか恭しく頭を垂らして溢れんばかりの忠誠と感謝を示すところでしょ!?台本にも書かれてない、こんな質問されたら答えられないじゃない!)
「あのー、メリディア様?聞こえてますか?」
しかし、鏡に映る幼いエルフの少女はそんな女神様の事情など顧みず、しつこく質問をリピートする。気の強そうな赤い瞳が、不機嫌そうに細められている。
「え、えっと、ここは……メリディアの名において、宣告?……判決じゃないんだから!死刑宣告……って何連想してんのよ!もっと親しみやすくて、威厳溢れる言い回しは……ああっ……!」
焦るあまり、羽ペンを握った手が痙攣を起こして、インク突っ込んでいたインク瓶を盛大に零してしまった。
溢れた墨汁は、熟考に熟考を重ね、まとめ上げた「威厳溢れエレガントかつちょっぴりキュートな台詞帳」を黒く侵していく。
「ど、ど、ど、ど、ど、どうしよう……!」
(このままじゃ歯切れが悪すぎるわ、無視されたと思われちゃう……!やっと出来た私の信者なのに!)
慌てて台詞帳を拾い上げ、両手を伸ばして真上に掲げる。ポトリ、と滴った黒い墨汁が雪のように白いメリディアの肌と、雪花石膏の地面を穢した。
が、そんな事を気にしていられる余裕はなかった。鏡の向こうで元々への字気味の口を更に引きつらせ、ご機嫌斜めな幼姫はない床を踏み抜いて近づいてきたのだ。
この鏡のような物体は、光の魔法で神々しく縁どられているが、オブリビオンとタムリエルを繋ぐ門であった。
門である以上、向こうから踏み込まれる事だってありえる。焦燥と期待を足して二で割ったような、一流の道化師ですら真似できないような顔芸を晒し、一瞬唖然としたメリディアは袖が汚れるのも気にしていられず、慌てて台詞帳をめくった。
「当然です。さぁ行きなさい、我が勇者よ。ドーンブレイカーを携え、闇を打ち払うのです!」
記された台詞を早口で読み切ると、メリディアは慌てて鏡の縁を叩いた。
乾いた金属音を立てて、白銀の大鏡は大理石の床に倒れる。そのどちらもヒビが入らないのは、さすがデイドラロードの創造物と言ったところか。
仰向けになった鏡に頭上に広がるそれと同じ、澄み切った青空が映ったのを確認して、メリディアは大きく胸をなでおろした。
「いけない!」
それも束の間。足場を失って自由落下する幼い信者を慌てて魔法で支える。
……危ないところだった。危うく「信者を上空1000フィートから落とすキチガイロード」という不名誉なあだ名がつくところだった。配下のオーロランの間で。
ゆっくりと、丁寧にアーカーシャを地面に下ろして、メリディアは今度こそ胸をなで下ろす。
(ううっ、全然締まらなかった……でも何とかドーンブレイカーを渡せたわ、これで私の信仰も――)
「ええ、聞き入れて貰えませんでした。というかガン無視されました。ムカつくのでドーンブレイカー売ろうと思います。
イイ酒場に行くのはその後でいいですか?」
仰向けに倒れた鏡から伝わった、雪解け水が滴るような冷たい声を聞いて、メリディアは泣きそうになった。
迫り来るウェアウルフを崖の下に捨てたアーカーシャを白金の鏡越しにぼんやりと眺めていると、鷲のような羽ばたき音が神殿の静寂を打ち破った。
「失礼します、紅茶をお持ちしました」
膝を抱えたまま首だけ振り返った彼女の前に、篭手を付けた手で器用にトレイを持った黄金の鎧騎士、オーロランが降り立つ。
一体では流石にキツいのか、もう一体のオーロランがティーポットを抱え、トレイのカップに注ぐ。ちなみにこの紅茶は遥か昔に信者が捧げた供え物で、捨てずに干して再利用してるため味は殆どない。
「待って、じゃなくて、待ちなさい。……あなた達も一緒に飲みましょう?」
「「御意に」」
気まぐれで呼び止めたメリディアに、黄金鎧の天使たちも気まぐれで頷いた。
心なしか嬉しそうなメリディアだったが、綻んだ顔はすぐに固まってしまう事になる。
「ね、ねぇ……?あなた達なんか殺気立ってない?お茶かい……ティータイムなんだからもっと楽にしなさいよ。ほら、ゆ、友人同士がするようにね?」
友人と言う言葉がやけに強調されている。
「いつ何時曲者が現れるやもしれませぬゆえ警戒しておりました。が、それがご命令とあらば」
メリディアの要求に、いつでも曲者を切り伏せられるような剣呑な雰囲気だった黄金鎧達は“友人同士”とは程遠い、畏まりきった硬い言葉で応じると、棒読みしているような乾いた会話を始めた。
傍から見ても、無理やり笑って見せてます感溢れる作り物めいたコントに、メリディアは静かに涙を流した。
「くふふふ!相変わらず部下にまで嫌われておるのうお主」
一点の穢もない、神経質なほどに白い神殿の一角を禍々しく塗りつぶし、小さな影が嗤う。
声音こそ幼いものの、存外に尊大な言い回しに、メリディアはすぐにその正体に気づいた。
「……なによ、ヴァーミルナ。勝手に人の領域に踏み込まないでって言ってるでしょ?」
「そういうでない。こうでもしないとお主、誰からも相手にされんではないか」
禍々しい模様が蠢く重ったらしいローブを引きずって、影から現れた幼い少女は妖艶に微笑む。眉のあたりで切りそろえた銀色の髪は、鏡の中央に映る幼女のそれとよく似ている。
他人の領域(家)を我が物顔で歩いた銀髪の幼女は、我が物顔でメリディアの向かいに腰を下ろした。
「うるさいわね、私だって信者の一人や一人いるわよ。というか何その格好、若作りもそこまで行くと笑えないわよ」
「なに、信者達の要望に応えたまでじゃ。どうもドラゴンボーン達は幼い女子が好きなようでのう。この格好で声を掛けただけで6人ものドラゴンボーンが妾に忠誠を誓ったぞえ?」
「ろ、六人も!?……ごくり」
ドラゴンボーン、定命の者でありながら主神アカトシュの血を受け継ぐ彼らは、強靭な肉体と高い潜在能力を持ち合わせた半神である。どんな無理難題でも成し遂げ、人間相手に高いカリスマを誇る彼らは、デイドラロードにとっては是非とも使徒にしたい、垂涎の的である。
もっとも、使徒ところか信者もろくにいないメリディアは純粋に“6人も信者が増えた”という意味で驚いてるのだが。
「……納得いかないわ、私以上に影が薄いあなたがなんで六人もドラゴンボーンを信者にできるのよ?」
「気になるかえ?不服かえ?くふふふ、教えてやらぬ。……と言いたいところじゃが、折角溢れたドラゴンボーン達が結局いつもの連中に取られるのは見ていて不愉快じゃ。一人でも多くのドラゴンボーンを渡さぬよう、お主にもコツを教えてやろうぞ」
華奢なメリディアですら簡単に折れそうな、か細い指をパチンと鳴らすと、ヴァーミルナの横の空間が歪み、四角い枠に囲まれた画像が浮上してきた。
「なによ、コツって……いつもの悪趣味な“夢”じゃない」
悪夢を司るデイドラロードであるヴァーミルナは、定命の者から夢を集め、芸術品のようにコレクションするのが趣味である。直接人に危害を加えない分、メリディアとしてもそんなに嫌いな相手ではない。寧ろ来てくれることが嬉しいのだが、プライドの高い彼女は決してそれを口にはしない。
「どこに目をつけてるのじゃ、これは“夢”などではないぞ?ドラゴンボーン達がいた世界で“こんぴゅーたー”と呼ばれておる道具じゃ。お主もロリコンから貰っておろうに。……おお、そうじゃった。友達の居らんそなたじゃ、情けでお零れを貰えても使い方は教えて貰えんかったのじゃな(笑)」
「ば、馬鹿にしないでちょうだい!わ、私だって、こむぴゅーたーぐらい使えるわよ!ま、まうすだって両手で持てるし、も、もっどだってトーコーできたんだからね!」
「ほうほう、偉いのう。それなら“すれっど”の事ももちろん知っておろうな?」
「と、当然よ!もちろん知ってるわ、……すれっどでしょ?チーズをスライスして赤いイチゴジャムを付けて食べるエルスウェアの料理よね」
「お主がそう思うならそうなんじゃろう。お主ん中ではな。
知っているのなら、もう妾から教えることは何もないぞえ。頑張って信者を増やすのじゃぞ?ではのう」
蔑んだ表情で言うと、ヴァーミルナの体が不定形の霧に包まれる。腕を組んでそっぽを向いていたメリディアだったが、ヴァーミルナの姿がかすみ、いよいよ消えそうになって慌てて飛びついた。
「わ、悪かったわよっ!すれっどなんて知らないわ、……だからお願い!信者の増やし方教えて!!」
「それがお願いする態度かえ?」
「くぅ~~!……こほん、お願いしますヴァーミルナお婆様、どうか信者の増やし方を教えてください」
「妾は今女子ぞえ?お嬢様と呼ばんか」
「お、お嬢様……っ」
顔を真っ赤にして頭を下げるメリディアを見て、ヴァーミルナは満足そうにほくそ笑む。
その傍らで待機していた二体のオーロランも心なしか肩を震わせている。
「うむうむ、素直でよいぞえ。お主のそういう所を妾は気に入っておるのじゃ。……さて、本題に戻ろうかのう。“すれっど”と言うのは簡単に言えばドラゴンボーン達の世界で使われてる、誰でも見れる信書のようなものじゃな」
「えっ?手紙なのに誰でも見れるの?おかしいよねそれ?」
「これこれ、話は最後まで聞くものじゃぞ。妾達デイドラには必要ないが、定命の者たちは世間体と言うものを気にしおる。
そのすれっどと言うのはのう、書いた人も読む人もわからぬ仕組みをしておるのじゃ。じゃからそこに書かれておる物は飾りのない定命者達の本心なのじゃよ。「デイドラ 人気」……と」
次々と変わる画面を興味津々に覗き込むメリディアを迷惑そうに押し返しながら、慣れた手つきでキーワードを入力したヴァーミルナは飛び出した最初のリンクを開く。
「えっと、なになに……『デイドラロードを淡々と崇めるスレ』……って」
メリディアを待たず、さっさとページをスクロールしたヴァーミルナはとある書き込みに止めた。
『今までの信者まとめてみた 代表レス
シェオゴラス様――236 >>シェオゴラス信者多すぎワロタww俺もだけどwww
アズラ様――174 >>バイアズーラバイアズーラバイアズーラ!
ノクターナル様――141 >>盗賊の守り神なのに毎回何かを盗まれてるドジっ子。かわいい
ハルメアス・モラ――88 >>ドラゴンボーンやって好きになりました。このロリコンどもめ!
メエルーンズ・デイゴン――59 >>何回ボコられてもめげない頑張り屋
サングイン――51 >>なんか一番親しみやすそうだよな。飲み比べしたい。負けるけど
ハーシーン――33 >>アエラ様の横チチ舐めたいペロペロしたいお
クラヴィカス・ヴァイル――26 >>本体どうでもいいけど、犬は世話になったな
モラグ・バル――20 >>セラーナ様とヤったとか絶対許せねぇ……あ、一票入れときますね
メファーラ――16 >>麻婆神父と気が合いそうだよな 愉悦会員同士
マラキャス――14 >>オーク贔屓しまくりのツンデレキング
ペライト――12 >>布教=バイオテロ 親分YABEEE
ボエシア――9 >>フォロワー生贄に捧げろって言われた時点で無視した
ナミラ――7 >>大丈夫、アーケイの守りは絶対だから
メリディア――3 >>相変わらず信者なさすぎワロタww
>>おいお前らヴァーミルナ忘れてるぞ
>>ネタにすらされないなんて不憫な子や……』
カチっ。流れるような動きでマウスを操作して、ヴァーミルナはブラウザを閉じた。
「ねぇ!ちょっと、まだ読んでる途中なんだけど!というかなんでシェオゴラスとアズラとノクターナルだけ様付けなのよ!」
「着目点にしては悪くないのう。そう、なぜあのクソジジイがそんなに人気なのか、妾なりに調査してみたのじゃ」
そう言って、ヴァーミルナはマウスを走らせ、TES5 SKYRIMと書かれたアイコンをダブルクリックした。
「なにこれ、って、これソルスセイム島じゃない!なに?え?ちょっとどうなってるの?」
「これこれ!顔が近いぞい!これはげーむと言ってのう、ドラゴンボーン達のいた世界の技術でニルンを再現したものなのじゃ。
で、肝心な問題じゃが、特に信者の多いクソジジイや偽乳、ロリコンはこのげーむの中で大きな役を演じておる。……ロリコンなんか専用の追加シナリオがあるぐらいじゃ。対して妾達は登場すらせん、お使い程度のクエストで何句か台詞が用意されておるだけじゃ。
これではイメージが薄いのも仕方あるまいて」
「そ、そういう事だったのね……私に信者がいないのもこのげーむが悪いのね!」
裾をつまみ上げて大股で画面を踏み抜こうとしたメリディアをヴァーミルナが慌てて止める。両側にいたオーロランが同時に首を傾げたが、気にする者はこの場にはいない。
「過ぎたことに文句言っても始まらんじゃろ。要するに妾達と彼奴らの違いは人前に姿を現したかどうかじゃ」
「そうだけど、じゃあなに?私に人前に出ろってこと?……絶対嫌よ!」
「なぜじゃ?あのイカレジジイでさえもちょいと人前に出て道化のように踊っただけで信者が集まったのじゃぞ?」
「だって、だって私、石像のイメージと全然違うじゃない、あんなに背高くないし、大人でもないし……威厳も足りないというか、ううっ……」
「お主はデイドラぞ、姿形なぞ好きに変えればよかろう。妾はこのような格好をして彼奴らの前に出た途端拝み倒されたわい。可愛いは正義とかわけの分からぬ事を言ってたがのぅ」
確かに、可愛いは可愛い。目の前で首を傾げる見た目幼女に、メリディアは心の中で賛同する。
彼女自身、可愛いものには目がないわけだし。しかしメリディアは意地っ張りである。可愛いものを抱えてニマニマするなんて自分のイメージに合わないと、あえて遠ざけてきたのだ。
「嫌よそんなの、見た目で媚びるなんてまるで娼婦じゃない。それに姿を変えるなんて卑怯だわ、私はありのままの私を崇めてくれる信者が欲しいのよ」
「なんじゃその甘酸っぱい基準……恋人選びじゃないんじゃから。
というより、それなら尚更ありのままの自分を信者に見せつけねばならんじゃろ。それともなんじゃ?石像の後ろに隠れて書き溜めた台詞を棒読みするのがありのままのお主というのかえ?」
言われ、メリディアはハッとなる。
たしかに、それではありのままの自分とは言わない。今まで自分を信仰してくれた人達が勝手に美化して像を立てて、それを目当てにさらに信徒が集まったものだから引っ込みが付かなくなったが、そうやって偽りの像で信者を欺いてきたから、愛想を尽かされ今のような状況になっているのではないか?
「そういえばナメクジババアも昔ニルンを旅して信者を増やしておったのう。やはりヒソヒソと隠れるような卑怯者を崇めたくはないのじゃろうのう」
黙り込んだメリディアに、ヴァーミルナがダメ押しを仕掛けた。
「……決めたわ」
「ほう……?」
「私、旅に出る!そうよ、私はデイドラの女王!人目を憚るようなやましい事なんて一つもないわ!正々堂々出歩いて民草に私の威光を知らしめるのよ!」
「そうかえそうかえ、その意気じゃ」
フンス、と息巻き、気合を入れるメリディアから見えない角度で、ヴァーミルナがほくそ笑む。
ブカブカの服装を脱ぎ捨て、魔力で編んだ身軽なワンピースとケープを羽織い、鏡に潜り込んだメリディアが向こうの地に降り立った瞬間、堪えきれずヴァーミルナはついに噴き出した。
「相変わらず馬鹿に素直な娘よのう!こうも簡単に乗せられようとは!これでライバルを一人蹴落としたことになるのう……安心せい、メリディア。
他の者と違って妾はお主が気に入っておるぞえ。妾が勝利した暁には、我が領界にお主専用の鳥篭を設けてやろうぞ!
くふふふふ!あはははは!!え゛ひゃひゃひゃひゃ!!!」
蒼白一色の神殿を塗りつぶすように現れた澱んだ霧に包まれ、幼いデイドラロードは“デイドラ(悪魔)”に相応しい、獰猛な笑いを浮かべながらフェードアウトした。
メリディアは不死を嫌うので、不死であるデイドラ達も嫌ってます。なのでぼっちです(公式)
ヴァーミルナ、公式でBBA宣言食らってますが、英語版スカイリムだと女の子のような声なんですよね。スカイリムから始めた自分としては「夢の世界に篭る世間知らずでワガママな女の子」というイメージが強かったので、かなりショックでした。ちなみに自分がプレイした初めてのデイドラクエストが彼女のだったりします。