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どんどん話が進んでしまい、何故か俺の力を見せるという名目で、トーレと呼ばれる女性と戦闘をすることになってしまった。
「ではやるぞ、インフィニート。準備はいいな?」
「いや……展開が早すぎてついていけないし、準備なんてとても……」
俺が連れてこられたのは、広いドームの様な空間。ここなら、戦闘が出来そうだが、危険な臭いがプンプンするぜ!
「そんなものは気にするな、インフィニート。準備など、戦闘の最中にすれば良い」
「勝手なことを言うなよ……」
俺が何を言っても無駄だろう。先頭するのは決定事項のようだし、こうなったら怪我しないように頑張るしかない。
「それでは、お前の力を見せてみろッ!」
俺は叫ぶために息を吸う。紙に書いてあった。叫べっ! と。
「IS発動、インフィニット・ストラトスッ!」
すると、下に黒い魔方陣のようなものが現れた。それは、回転を始めている。
(どんなに素晴らしい能力がッ!?)
能力がISなら、インフィニット・ストラトなのだろう。スインフィニット・ストラトスというからには、能力はとても強力なものに違いない。パイルバンカーだとか、レーザーライフルとか。俺はそう思っていた。だが……何も現れはしなかった。
「は? え、何、どしたッ!? 何も出ねーッ!」
ちゃんと叫んだのに、何も現れない。パイルバンカーも、レーザーライフルも何も……。声量が足りなかったか。だが、これ以上は恥ずかしくて声は出せない。事実、俺はとても恥ずかしかった。何も現れないから、尚更だ。
(自分の技名叫ぶとか、中二かよ……)
「どうした? インフィニート。何か問題でもあったか?」
「いやいや、何でもない、何でもないぞ……」
慌てている俺を疑問に思ったのか、トーレが近づいてくる。俺は手で待ったをかけるが、彼女は近づいてこようとしていた。よく見ると、すごい綺麗だよね、トーレって……。
「大丈夫なわけ……む? 何だ、足が……」
「……何やってんの?」
トーレは俺の方に来ようとしていた。だが、足だけが動いていない。上半身が動いているのにだ。パントマイムでもやっているのかのように見えてしまう。
「足が動かん。どうなっている?」
「足が動かない、動かない…………あ、AIC」
AICとは、
「AIC……、これがお前のISか。ふっ、おもしろい能力だ」
俺の能力を受けて、トーレは笑っていた。おもしろいものを見たという風に。バトルマニアの気があるのだろうか。能力は俺の集中力が切れたので、もう解除されていた。
「ならば、私もいくぞ。IS発動、ライドインパルスッ!」
トーレの足元に紫色の円ができる。そして、足首の部分と肘の部分などに、紫色のエネルギー翼が出現した。ビィィンッ! と音をたてるそれは、虫の羽のようだった。
「いくぞ、インフィニートッ!」
瞬間、トーレの姿が消えた。
「ぼえぁッ!」
何をされたのかはわからない。だが、俺の身に何が起きたのかはわかった。俺は壁に激突していた。頬には痛みがある。
「は、え、何が起きた? 何で激突してんの? 殴られたの?」
「これが私のIS、ライドインパルス。超高速機動能力だ。どうだ、見えなかったか?」
「何そのチート、AICで停められる訳ねぇじゃんッ!」
AICは、相手が速すぎると停めることが出来ない。原作でもそういうことがあった。つまり、俺の能力とトーレの能力は、とても相性が悪い。
「これくらいで、泣き言を言ってどうする。私だってまだまだ未熟だ」
「その速度で未熟かよ……」
しかし、AICがきかないからといって諦めてはいられない。怪我をしないためにも、頑張らなければならないッ!
「どんと来いやぁッ!!!」
自分を鼓舞するために、声を挙げる。
「来やぱぁぁぁぁぁッ!」
そして、俺は衝撃を受け宙を舞った…………。
「あーくそ、よく骨が折れてねぇな……。人間だったら、頭弾けとんでたかも……」
想像しただけで、寒気がする。人間じゃなくなって良かったのかもしれない。複雑な気分だが……。
「これからどうしよう……」
この世界での拠点は、ここでいいだろう。ここのやつらは、俺をここに置いておく気満々の様だし、他に行く場所もないので好都合。ただ、命が危険に晒されていそうで怖い。
「調子はどうだ? インフィニート」
「あ、トーレいたんだ」
「……さっきから隣にいたぞ」
痛みに気をとられて、全然気づかなかった。ここのやつらの中では、一応トーレが一番まともかもしれない。
「てか、お前速すぎ、速度の乗った拳はとても痛い」
「さっきも言っただろう、まだ未熟だと。お前の能力こそ鍛えれば相当のものとなるだろう」
「俺の能力、ねぇ……」
インフィニット・ストラトスの能力でも、AICだけだとこの先どう戦っていけば良いのかわからないし、殺傷能力がない。どうやって、『他の転生者』を見つけて、殺せば良いのか。ただ、俺は自分の能力に対して、少し疑問を持っていた。
(俺の能力、ISってのだけど、何かイニシャルていうか、略称みたいだな。Iはインフィニットで、Sはストラトス……。他に何かあるか?)
そのスペルで始まる単語を思い浮かべめてみる。Iはイリーガルで、Sはサン。イリーガル・サン。
「なーんて、そんなのあるわけないか。IS発動、イリーガル・サンってな、ははっ!」
直後、俺の周囲で爆発が生じ、俺はこの日何度目かになるかわからない、宙を舞うという経験をしていた。
「えあ…………痛ぅ」
薄れ行く意識の中、必死に思考を働かせていた。何が起きたかが全くわからないが、俺の能力、まだ俺の理解していない何かがあるようだ……。
急ぎ足になったような気がします……。