《火星の地球人》だった男のインフィニット・ストラトス   作:匿田 名作

10 / 24
ついに『第二章 過去との決別』に入りました!
ここまで応援してくださった皆さん、はたまたアドバイスをくれた親切な方々、本当にありがとうございます!

では!どうぞ!


     第二章  過去との決別
mvt.1 久々の平穏


六月頭、日曜日の話。

僕は織斑に連れられて彼の親友だという五反田の家にいた。

IS学園の外に出るのは清香とのデート(?)以来だった。

 

「で?」

 

「で?って何がだよ?」

 

二人は格闘ゲームなるものを遊んでいて、ふと五反田が織斑に話を振る。

ちなみに僕は隣で観戦中。

操作なんかも習うより慣れろというが、僕はまず人がやってるところを見ないと

こういうたぐいのものはまずできない。

 

「だからぁ!女の園の話だっての!お前らいい思いしてるんだろ?」

 

「「してない」」

 

・・・あ、いま一瞬だけ織斑と思考が被った。

ちなみにこの五反田という男は織斑の中学からの知り合いで、今の隣のクラスの鳳さんとよく一緒に三人でつるんでいたらしい。

 

僕は火星では友達というものがいなかったから、そういうのを聞くとなんだかうらやましい。

 

「嘘をつくな嘘を!お前のメール見てるだけでも楽園じゃねえか!

 何そのヘヴン、ラブコメしてるの?招待券とかないの?」

 

「「ねぇよ」」

 

また被った。

 

「っていうか、あれだ。鈴が転校してきたおかげで助かったよ。話し相手本当に少なかったからなぁ」

 

「あぁ、鈴か。鈴ねぇ・・・」

 

うん?五反田が織斑のことをにやにや見てる・・・。

変なやつだな。

 

「よっしゃ!また俺の勝ち!」

 

「おわ!おま、きたねぇ!最後ハイパーモードで削り殺すの無しだろぉ~・・・」

 

ちなみに彼らがやっているゲームは『IS/VS』。

話によると発売月だけで百万本セールスを記録した名作らしい。

 

「あ、そうだ。そろそろスレインもやってみるか?」

 

そうだった。操作覚えるために観戦してたんだった。

 

「お、それじゃあまずは俺が相手するぜ!スレインのお手並み拝見、ってな」

 

「五反田、お前初心者相手に大人気ねえぞ?」

 

二人の対戦風景を見て大体操作方法などはわかった。

あとは僕がどれだけゲームというものにあっているか・・・

 

「わかりました、全力で相手しましょう!」

 

「おう!望むところよ!」

 

 

 

 

 

―バトル スタート!―

 

 

 

僕が使うのは『ラファール・リヴァイヴ』

射撃や多岐にわたる武装が特徴の機体で、割とトリッキーな戦闘ができる。

 

対して五反田が使ってきたのは『打鉄』。

近接や防御に重きを置いた機体だ。

 

 

僕は序盤にショットガンで打鉄にダメージを蓄積させる。

当然五反田もやられてばかりではない。

オプションで付属するマシンガンでこちらを狙い撃つ。

だが・・・

 

 

「おいおいおいおい・・・なんでこっちの攻撃が当たらないんだ!?」

 

ラファール・リヴァイブを縦横無尽に駆り続ける僕。

右、左、左・・・上下移動を交えながらギリギリでかわしていく。

ショットガンは攻撃判定が大きく、威力が若干小さく設定されている。

対して、マシンガンは高威力だがあたりの判定が小さい。

 

「威力が高ければ・・・当たらなければいい!」

 

「どこぞの彗星だ、おまえは・・・」

 

徐々にこちらがダメージを重ね、五反田がそろそろやばいと近接戦を仕掛けてきた。

 

「打鉄の本気はここからだぜ!」

 

次々に斬撃が襲い掛かってくる。

徐々にダメージが加算される。

 

「くっ・・・強い・・・」

 

近接戦に持ち込まれてから防戦一方だ・・・

何か突破口は・・・

 

 

 

「なら・・・これならっ!!」

 

 

五反田の攻撃を受け続ける中、僕はハイパーモードを起動。

発動の最初、一瞬だけ加速するのをさっき見てたのをおもいだした。

 

本来はこんなことをしたら体がちぎれてしまう。

でもこれはゲームだ。

 

 

攻撃を受けつつも急いで急下降、少し前進した後に後ろに回り込んで・・・

 

コンバットナイフでひたすら手数に任せて押し切る。

そして五反田がこっちを向いて攻撃を仕掛けようとした時に、

 

 

ライフルに持ち替えてゼロ距離射撃。

 

 

 

 

 

―You win―

 

 

 

 

 

「かぁあ~~~~!!初心者にまけたぁあ~~~~~!!

 にしてもスレインお前最後のはすごすぎだろぉ・・・?」

 

「いえ、それほどでもないですよ。

 正直近接戦に持ち込まれた時には負けを覚悟しましたから・・・」

 

こうやって息を抜きながら笑ってできる戦闘というのは初めてだ。

この世界にはいろいろなものがあって僕をまだまだ楽しませてくれる。

 

そんなことを思っていると、

 

 

 

 

「お兄!さっきからお昼できたって言ってるじゃん!さっさと食べに――――」

 

誰?

 

「あ、久しぶり。邪魔してる」

 

あぁ、ここの家の人か。

 

「初めまして、お邪魔してます」

 

「一夏さん!・・・と、誰?」

 

そりゃそうか。僕も君のことは知らない。

 

「初めまして、スレイン・トロイヤードといいます。以後よろしくお願いします。

 ―――――世界で二番目って言ったほうがわかりやすいでしょうが・・・」

 

「えぇええ!?・・・あ、そういえばテレビで見たことある!!

 えっと・・・五反田蘭です!不届きな兄ともどもよろしくお願いします」

 

「はい、こちらこそ」

 

こういう時、女性にはにっこり笑顔で返すといいと聞いたことがあるので試しに実践。

ちなみにどんな効果があるのかは知らない。

 

「~~ッ!!?――――そ、そういえば、全寮制の学園に通ってるって聞いてましたけど・・・」

 

いきなり話題をそらされた・・・

やっぱり初対面の人には真面目に、普通に接したほうがいいんだな・・・

 

「あ、うん。今日はちょっと外出。家の様子見とスレインの日本見学ついでに寄ってみた。」

 

「そ、そうですか・・・」

 

僕は確かに地球生まれだが、少なくとも日本育ちではない。

だけど日本という国には昔から少しあこがれがあった。

 

「蘭、お前なぁ、ノック位しろよ。恥知らずな女だとおもわれ―――――

 

 す、すんません」

 

 

――――今の一瞬で何が起きたというんだ。

でも今のは五反田も悪い。―――と思う・・・。

女性に失礼な発言はNGだと昔クルーテオ卿によくよくしつけられたものだ。

というかあれはしつけというか・・・

 

 

拷問だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

「スレイン、貴様、女性を軽んじているのではないか?」

 

「え?いえ、そのようなことh――――」

 

バキィッ!

 

いきなり杖で殴られた。

 

「愚か者が、女性の前でほかの女性の話をすることはダメだとわからんのか!?」

 

「も、申し訳ないです・・・」

 

意味が分からん

 

「・・・いいか、誇り高き火星騎士として・・・いやそれ以前に紳士として、女性の前で決して言ってはならないことはなんだ?答えてみろ」

 

「え、えっと・・・――――」

 

バキィッ!

 

また杖で殴られた。

 

「これだから地球の野蛮な民族は・・・・

 いいか、女性の前で言ってはならないことは、ほかの女性の事、気分を害する下品なこと、そして何よりも・・・

 デリカシーのないことだ。いいな、わかったか?」

 

「えぇ・・・まぁ――――」

 

バキィッ!

 

もう泣いていいですか?

 

「返事は『はい』だ」

 

「はい・・・」

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

あれは地獄だった。

もう二度とあんなことがあってはならない。

思えばあれがきっかけで女性の接し方について考えるようになったんだが・・・

・・・とりあえず今は目の前の男を今のうちに危機から脱せねば、

いつああいう状況下にさらされるかわからない・・・!

 

 

「五反田・・・いくら兄妹だからって、女性に対してデリカシーのない発言はどうかと思うよ?」

 

これ以上クルーテオ卿のような人から被害を受ける人員を減らさねば・・・!

もっとも織斑はじっくり教えなければならないと思ってもいるのだが、それはまぁ学校で。

 

「そ、そうですよね!ぉお兄!今のはスレインさんの言う通りだよ!」

 

「へいへい・・・」

 

これで少しはわかってもらえたらいいんだが・・・

 

「わ、私は下で先に待ってます!

 一夏さんとスレインさんもどうですか?」

 

「あぁ、俺はちょっと急ぎの用事を思い出しちまったから難しいかなぁ・・・

 あ、でもスレインは食べてみたらどうだ?ほら、日本食とか興味あったろ?」

 

そう、僕は日本食というものを食べてみたかった。

一応IS学園の中にも日本食というのはあるにはあるのだが、どちらかというとやっぱり単品メニューなどが多くなってしまう。

ここは確かいろいろな定食を扱っていると聞いたので、少し興味がある。

 

「それじゃあ、僕はここで食べます。ちょとたのしみですね」

 

「あ、そうですか・・・。それじゃあ、スレインさん。行きましょうか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしてもスレインも一夏とは違うベクトルでイケメンだよなぁ・・・

 あぁ!うらやましいっ!!」

 

いきなり何をいいだすかとおもえば・・・

 

「いえ、僕はそんな。イケメンだなんて、もったいない言葉ですよ」

 

「謙虚さというのは時に人に大ダメージを・・・」

 

こいつは織斑とは全く違うノリだよな・・・

 

「わ、私はその謙虚さ結構好きですよ?」

 

五反田・・・だと混ざっちゃうな・・・

蘭さん・・・?だと少しなれなれしすぎる気も・・・

 

「妹さんにそう言ってもらえると助かります」

 

「おいそれ暗に俺に言われても助からねーって言ってねぇか?」

 

気のせいだ。

 

「い、妹さんなんてやめてください・・・私のことは蘭でいいですよ」

 

「え・・・えと・・・うーん・・・

 わ、わかりました。蘭さん」

 

やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい・・・

清香のことは名前呼びになれたんだけど・・・

 

「えぇい!女の園にいるにも関わらず、人の妹を落とすのはこの顔か!?

 この美形のイケメンフェイスなのか!!?」

 

んな!?わけのわからないことを・・・

 

「おい、うるせぇぞ弾!!」

 

「す、すんませんしたっ!」

 

店主で、彼のおじいさんである五反田厳さんに一喝をうけて静かに椅子の上に正座&敬礼。

 

「あ、そろそろ僕も戻らないとです」

 

「そうなんですか?あ、だったら最後にアドレスの交換だけ・・・」

 

「あぁ、そういうことでしたら・・・」

 

ケータイ、僕のはスマホで蘭さんのメアドを入力。

そのまま空メールを送信。

 

「暇があったら是非連絡入れてくださいね!」

 

「はい、こちらもお待ちしてます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同刻、

 

 

 

 

 

「座標ポイント100.29.387にて異常値が発生

 僕がカタフラクトで見てきます」

 

今日この時間、僕はまさかこんなことに巻き込まれるとは思わなかっただろう。

 

「座標にて、時間の流動が不規則であることを観測、そのままα定数を代入、演算・・・・・・これは・・・

 

 ――――ッ!!?」

 

謎の異空間に吸い込まれていく。

真っ黒の空間。

僕の左目を使っても何が起きているか演算不可能。

 

 

『伊奈帆!?伊奈帆ーーー!!!』

 

 

それがこの世界で聞いた、最後の通信だった。




・・・猛烈なスタートを切ってしまいました(;;)

どーすんだよぉおおお・・・←作者の心境

文字数もなんだか今回多いうえ、最後に回収しきれるかわからないくらいの特大フラグを立ててしまうしまつ・・・



・・・い、いつも通り、誤字、変なところや思うところがありましたら感想まで!

では!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。