《火星の地球人》だった男のインフィニット・ストラトス 作:匿田 名作
読むのは楽しいですけども・・・
そんなこんなで、第三話。どうぞ!
「えーと、1030号室はどこかな・・・」
今日の昼に言ったことがいまだに頭を離れない
・・・
『このスレイン・トロイヤード、自分と自分の知人の名誉をかけてセシリア・オルコットに決闘を申し込むッ!!!』
もちろん面倒事になるのは予想道理ではあるのだが、そこに都合とはいえ織斑まで混ざるのは少し心外だった。
まぁ仕方のないことだけど・・・。
それにしても織斑は1025号室、僕が1030号室っていうことは、
ルームメイトがいない、ひどければ女性の方ということだ。
・・・オルコットさんが相手だったら廊下で寝よう、とひそかに思いながら・・・
「あ、ここが1030号室か」
少しだけドキドキしながら入る。
僕だって男だ。女性の方と相部屋なんて緊張するにきまってる。
「えーと・・・失礼します」
自分の部屋なのに失礼しますというのも変な話だが・・・
・・・あれ?誰もいないみたいだ。
ということは一人部屋?
・・・若干複雑な思いを抱えながら荷物を整える。
今日は疲れたから早めにシャワーを浴びることにした。
こんなにのんびりシャワーを浴びたのは久々だった。
ヴァ―スにいたころはこんなにはのんびりしていられなかっただろう。
ふと右手のブレスレットに目がいく。
『タルシス』・・・和名を『廻時』というらしいが、過去、一度助けられた。
もっとも、手遅れだったけど・・・。
・・・暗いことを考えるのはよそう。
今は少しでも前を向いていかないと・・・
あーっと、ボディーソープを入れ忘れた・・・
僕としたことがうっかりしていた。
「シャンプーは入れたはずなんだけどな・・・」
疲れてるのかボディーソープだけ忘れていたようだ。
取りにいかないと・・・
目の前のお風呂のドアを開ける。
すると・・・
「え・・・・す、スレイン・・・くん・・・?」
「相川・・・さん・・・・・?」
バスタオル一枚の相川さんが目の前にいた。
「で、理由を聞かせてもらおうか」
僕は相川さんに風呂場での真意を問いただしていた。
「えーと・・・先にルームメイトの人がお風呂に入ってたから、コミュニケーションの一環として一緒に洗いっこしようかなー・・・なんて・・・」
「・・・はぁ
そもそもこんな狭いシャワールームで洗いっこなんてできないから・・・」
「てへへ・・・――― ごめん・・・
って、謝るのは私だけじゃないでしょ!?」
「それは・・・まぁ・・・・・・はい、すいません」
初日からこんな問題ばかりで大丈夫かと疑問ではあるけれど、まぁとりあえず今日一日が幕を閉じた。
そんなこんなであっという間に当日。
別に僕は織斑みたいに特訓はしていない。
ただ普通通りにカリキュラムを淡々とこなしてはいたけども・・・
戦闘はまず最初に僕とオルコットさんが、次に織斑とオルコットさんが、最後に僕と織斑の順番で行われる。
最初からオルコットさんと戦えるのはこちらとしても好都合。へたな言い訳はされないからな。
僕は一人でコックピットに向かう。
周りには必要最低限の作業員しかいない。
僕がそう希望した。
僕がこの戦いで背負っているものは大きい。
かの地球とヴァ―スの戦いの被害者であるアセイラム姫の名誉すら背負っている。
あの女を倒し、屈服させてこその火星騎士というもの。
「スレイン・トロイヤード。タルシスで出るッ!!」
一瞬で展開を済ませ、大空へと飛び立つ。
そこには光を思わせるような『白』があった
その高貴な騎士を思わせる流麗なフォルムが、日の光に照らされて一層輝いて見える。
機体のところどころにはアルドノアの余剰エネルギーを放出する穴がついている。
ISにしては珍しいフルスキンタイプで、アンロックユニットもない。
そんな特徴的な外観は観衆の目をくぎ付けにするのには十分だった。
「逃げずにきましたね・・・」
「あたりまえですわ!素人相手に負けるほど、私も落ちぶれていませんわ!」
「では、参りますッ!!!」
試合開始の合図が鳴ると同時に、僕はまず上空へと一気に加速する。
すると今さっき僕がいた場所にレーザーが通過した。
「初撃をよけたことはほめましょうか?」
「こんなのは造作もないです・・・」
そののちに次々とレーザーを連射してくるオルコットさん。
そのレーザーをすべて持ち前の機動力だけでよけきるタルシス。
右、左、右・・・次々と打ち込まれるレーザーは僕には止まってすら見える。
(これなら・・・!)
そう思った矢先、オルコットさんのISからビット兵器のようなものが射出される。
「なかなかやるようですわね。なら、これはかいがですかっ!?」
ビットの数は四機。
オルコットさんも最初から本気を出すようで、立体的な連続射撃を仕掛けてきた。
前後上下左右全方向からレーザーの雨が降り注ぐ。
この攻撃は相当な実力者でもよけるのは難しいだろう。
普通のISじゃあまず無理だ。
そう、普通なら。
僕はワンオフ・アビリティーを発動させる。
とたんにレーザーの雨が分離し、先駆して僕に降り注ぐような錯覚に陥る。
しかしこれはただの残像、タルシスの『予測』
そう、僕のISのワンオフ・アビリティーは『未来予知』
・・・その方向なら・・・
「見えた」
僕は体をブースターで一気に半回転させ、倒立状態にする。
その状態で予測に頼りつつ下からの砲撃をよけ一気に下降。
すれ違いざまに一機、下のビットを撃破すると同時に上空から来るレーザーを砲撃で相殺する。
相殺しきれないレーザーもあるが、無視して再び上昇。
当然予測も使いながらだからレーザーがどこに来るかもわかる。
身体を横に傾け軽くよけながらビットをもう一機落としに行く。
(彼女の全方位射撃は下からが手薄なのか・・・)
「な、なにがおこっていますの!?」
二機目を破壊し終わった後、三機目、四機目を両腕に着いたマシンガンで撃ち落とす。
それぞれビットの銃口を狙って。
「そんな・・・ビットが・・・一瞬で・・・・・・」
オルコットさんが狼狽した一瞬のスキをついて一気に急接近。
純粋に直線的に突進を仕掛ける。
「・・・ッ! かかりましたわねっ!!」
オルコットさんが叫ぶ。
一瞬戸惑ってしまったが迷わず『未来予知』を使用する。
「ビットはもう二機ありましてよ!」
残像は二つ。
形からしてそれは―――
「それももう見えているッ!!」
ミサイルビット。
僕は急下降し、地面に着地する。
急な旋回で体にGがかかるがそんなことは気にしない。
足を地につけて正確に狙いを定める。
狙いはオルコットから射出されて刹那の『ミサイル』ビットだ。
ミサイルは着弾時に相手を爆風で吹き飛ばすための兵器だ。
故に中には相当量の爆薬が詰められている。
「・・・アセイラム姫の分です・・・ッ!!!」
ミサイルは爆散し、セシリアのSEを全損させた。
『勝者、スレイン・トロイヤード』
僕の戦いが幕を閉じた。
どうでしょうか・・・?
戦闘描写、変な表現、誤字等々でいろいろありましたら、
いつも通り感想までお願いします。
ではでは!