《火星の地球人》だった男のインフィニット・ストラトス   作:匿田 名作

8 / 24
ふぅ、

いつも以上の長大なバトルシーン、骨が折れました。
ではどうぞ!


mvt.7 近づく距離

試合当日。

時が経つのは速いものだと一人考えているとふと織斑に言われたことを思い出した。

 

 

『頼むっ!今度の対抗戦、鈴に一泡吹かせてやってくれないか!?』

 

『別にもとよりそのつもりではあるけど・・・なにかあったのか?

 どうせ織斑のことだから鳳さんにデリカシーないことでも言って、引っ込みがつかなくなったとかくだらないことだろ?』

 

『・・・・・・』

 

 

『おいおい、図星かよ・・・・』

 

『と、とにかく!鈴を何とか倒してくれよぉ!頼むよ・・・!この通りっ!!』

 

『はぁ・・・・・・』

 

 

 

 

何があったのかは深くは詮索しないけど、どうしてまたこんなことを・・・

まぁ、いまさらどうこう言ってられない。

 

「そろそろ対戦相手が・・・って―――――――」

 

 

 

 

初戦の相手は鳳さんだった。

 

いきなりかよ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たわね、スレイン・トロイヤード!」

 

「鳳さん、織斑と何かあったなら本人同士でしっかり話し合わなきゃ解決しませんよ・・・?」

 

「ぅうっさいわね!あんた、粉々になりたいわけ!?」

 

「なぜそうなる・・・」

 

織斑も面倒なのに絡まれてるものだ・・・

はやめに和解できるといいんだけどなぁ・・・

 

「まぁいい、鳳さん。手加減は一切しませんよ・・・ッ!」

 

「望むところよッ!!」

 

 

『それでは両者、試合を開始してください』

 

開始のブザーが鳴る。

それと同時に僕は地面に降り立つ。

まずは遠距離戦を仕掛ける。

 

「あぁあん!もう!!ちょこまかとぉ!!」

 

鳳さんを中心にぐるぐる回りながら、腕のマシンガンを連射する。

ほぼ全弾命中させる。

 

(これならいけるっ!!)

 

そう確信したとたん、鳳さんのISの肩アーマーが展開して急に光った。

瞬時に寒気が僕を襲う。

同時に後方へと吹っ飛ばされた。

 

「今のはジャブよ!」

 

「本命は―――――こっちよッ!!!」

 

身の危険を再度感じた僕は急いで『未来予知』を発動する。

おそらく鳳さんは見えない弾丸で僕を吹き飛ばしたと予想する。

弾丸は見えないから弾丸自体の予測はできない。

が、今僕がいるのは地上だ。

 

 

砂の流れを予測すればいい。

 

 

瞬時に元いた場所を離れ、左へよける。

するとそこはすでに爆風で吹き飛んでいた。

 

 

「面白い武装ですね、鳳さん」

 

「・・・なんであんたは避けられんのよッ!!」

 

そういいながら衝撃砲を連射する。

次々とかわす僕をみて、鳳さんはイライラを募らせた。

 

「それには―――――」

 

そして『ダブルイグニッション・ブースト』を使って、

 

 

 

「答えかねますねッ!!!」

 

 

 

急接近した。

右手を大きく振り上げ、そのこぶしで鳳さんのISを砕かんとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、その一撃は不発に終わった。

 

突如アリーナの遮断シールドを貫通し、入ってきた衝撃波によって攻撃が遮られたのだ。

僕が驚いていると、鳳さんからプライベートチャネルが飛んできた。

 

『スレイン!試合は中止!すぐにピットに戻って!!』

 

状況がますますわからなくなる。

『――――アリーナ中央に熱源、所属不明のISと断定。ロックされています。』

ISからのアナウンスを受けてやっと理解する。

 

 

侵入者だ・・・!

 

 

『スレイン!早く退避しなさい!!』

 

どうする?ここでおとなしく退避するか?

でもそしたら鳳さんが・・・!

 

『私のことはいいから!早く!!』

 

 

 

 

「―――――僕も戦います・・・」

 

『はぁ!!?あなた自分が何をいってるかわk「わかってますッ!!!」・・・!?』

 

 

「僕には守りたいものがあるんです・・・それなのに、こんなところで退いてどうするんですか!?」

 

『――――あーもうっ!わかったわよ!!せいぜい足手まといにはならないでちょうだい?』

 

「わかりました」

 

 

ここでこの侵入者を倒して、僕が姫を守れる人間だと証明するッ!!

 

 

 

 

 

 

敵のISは姿からして異形だった。深い灰色をしたその機体は腕が異常に長く、つま先よりも下まで伸びている。

しかも首がなく、片と体が一体化しているような形をしている。

何よりも特異なのが、僕の機体と同じ、フル・スキンだった。

 

「貴様、何者だ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「答えないなら無理矢理に吐かせるまでッ!!」

 

『スレインくん!?鳳さん!?早く戻ってきてください!!』

 

山田先生が僕らに呼びかけるが今回ばかりは無視する。

今考えることは、目の前の侵入者の排除。

 

「僕の邪魔を・・・・するなぁあアアアアアアアアッ!!!!!」

 

僕は感情のままに侵入者のISに突っ込む。

すると敵は高出力のビームをタルシスめがけて連射する。

だが、

 

 

全部見えるッ!!

 

 

持ち前の機動力でレーザーをすべてよけきり、敵本体へ攻撃を加える。

この身が燃え尽きるほどに熱く、速い拳をを何度も何度も何度も何度も叩き込み続ける。

 

敵の装甲はもうすでにひしゃげて、使い物にならないような鉄塊になっていた。

それでもなお、攻撃を続ける。

 

そして止め、

至近距離で『ダブルイグニッション・ブースト』を発動させる。

そしてこぶしを前に突き出し、慣性に任せて強烈な一撃を食らわせる。

 

「はぁああああああアアアアアアアアッ!!!」

 

もうもはや原型をとどめることができなくなったISは、無残にそこに転げる。

 

『ちょっと!?スレイン!!あなたやり過ぎよ!!?

 搭乗者がただじゃ済んでいないわよ!!?』

 

「鳳さん、あれは無人機です。

 通常の人間が乗っていたらありえない動きや、機械的な挙動。

 何よりあれの中からは生体反応がありませんでした

 焦らせてしまってすいません・・・」

 

でも僕は恐らく、人が乗っていても同じことをしていただろう。

長らく出会うことがなかった安寧の地、IS学園が危険にさらされるのだ。

そう思うと今でもはらわたが煮えくり返る思いだ。

 

それに・・・

 

 

これだけ強かったら、アセイラム姫はきっと―――――

 

 

 

 

不意に通信が入る。織斑先生からだ。

 

『トロイヤード、よくやった。

 ・・・といいたいところだが、お前は教師の命令に違反した。

 反省文くらいは覚悟しておけ』

 

織斑先生は僕にプライベートチャネルでそれだけ言った。

・・・そうだ、僕は命令違反を犯してしまった。ヴァ―スのころだったら反省文だけでは済まなかっただろう。

 

でも・・・いまは、もう疲れたから・・・

やすませて・・・く、れ・・・―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――レイン・・・スレイン、スレイン!!

 

 

 

 

誰かが僕の名前を呼んでいる。

眠たい体を無理矢理起こし、相手を見る。

 

清香さんだ。

 

清香さんは僕を見て涙を目いっぱいに浮かべている。

 

「清香、さん・・・そんなかなしそうな顔、しないで・・・」

 

「もうっ!!こっちは心配したんだからね!!?」

 

そうだ、僕はあんな無茶苦茶な戦いをして清香さんまで心配をかけてしまったのか・・・。

つくづくダメなやつだなぁ・・・僕は。

 

「ごめん、清香さん。でもありがとう」

 

「え・・・?」

 

「僕のためにそこまで思ってくれて・・・」

 

僕は純粋にうれしかったんだ。

だれかにこんなに心配してもらうのは、今までに一度もなかった。

アセイラム姫ですらこんなに僕のことを思ってはいなかったろう。

 

「うれしいよ、清香」

 

「ふぇえ!!?」

 

・・・呼び方を変えただけでそんなに驚かれるとは。

 

「もしかして元の呼び方のほうがよかった?」

 

「そ、そそそ、そんなことはないけど・・・・・・えぇ~・・・?スレインがついに私のことを・・・」

 

「えっと、清香?」

 

「な、なな、なんでもない!なんでもないからぁ・・・」

 

さっきからせわしいな・・・

あ、そういえば・・・

 

「清香、たしか明日は日曜日だったよね。

 だから・・・さ、その、なんだ?いっしょに出かけないか・・・?」

 

「え!?いいの!!?やったぁあ!!」

 

つくづく表情の起伏が激しい子だ。

僕はそういうの、嫌いじゃない。

 

「それじゃあ、明日の10時くらいからにしようか」

 

「うん!楽しみにしてるよ!スレイン!!」

 

そうして夜は更けていく。

 

 

 

 




どうでしょうか?

またいつも通りに、誤字、変なところ、思うところがありましたら感想まで!
ではでは!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。