夢のようだった   作:ふたなり2

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可愛いあの子

 

授業が終わってのホームルームで学級委員の優美子の可愛い声が教室に響く、

いつ迄も聞いていたい…そんな感じでまどろんでいたら優美子の声が大きく近付いて

いたのに気が付いた。

 

 

どおやらホームルームが何時の間にか終わっていたらしい。

 

 

「聡志君、朝は本当にありがとう…。ちょっと見直しちゃった。」

 

 

「いっ、いゃあ~別に、いっ、いいよぉ~。」

 

 

「ううん、とってもカッコよかったし…そのぉ…いつかお礼がしたいな。」

 

 

「へっ、いいって、いいって。」

 

 

「あのぉ…、これ私のアドレス…、よかったらメール頂戴ね…。」

 

 

「えっ、俺に?…、うっ、うん、あっ、ありがとう。」

 

 

「うん、じゃあ…さよなら、今日はパパが迎えに来てくれるからって。」

 

 

「じゃあ、さっ、さよなら…」

 

 

そう言うとホンノリ薄紅色になった頬が一段と可愛くみえた…

 

 

彼女の形のいい唇から最後の言葉を聞くのがやっとで俺はボーっとしていた。

あの子はクルッと教室の外へ友達に軽くウインクしながら帰って行ったのだった。

 

 

俺はしばらく遠巻きに優美子の姿がなくなる迄、何故かカカシのように

突っ立っているだけ・・・

 

 

そばで見ていた裕也から背中をパーンっと思いっきり叩かれて気がついた!

 

 

「やったじゃねえか~!あの子、お前に完全にデレだよぉ!」

 

 

「チッ、チゲーよぉ~!」

 

 

「何いつてやがる、顔が真っ赤だぜ!」ニヤニヤ

 

 

まぁ、いいからと俺の肩に長い腕を巻き付けながら散々冷やかすのであった。

帰りには裕也の奴、俺に前祝いだと言ってマックをオゴらされた。

それもビックマックのセットをだ!でも、前々から俺が優美子の事を

好きなのを奴も知っていたから心から喜んでれている様だし、おごったのが全然、

惜しくなかった。もっと食べないかと思ったほどだ。

 

 

放課後、マックでパク付きながら相変わらず俺は裕也のAKBの人気投票予想を

聞いていたのだが、今日は違っていたのだ。何故かって?

決まってるだろう!優美子にメールを出したいからだ!

いつもなら裕也のまゆゆがいかに素晴らしいか、指腹を抜きどう挽回するか

ハラハラドキドキ聞いているのだが今日はそれどころじゃあない。

 

 

裕也の奴、話題のクマムシの話をまだしたそうだったが珍しく俺から

話を切り上げチャリンコを走らせたのだった。

 

 

家に帰って来てから失敗した事に気がついた。それは…優美子に自分のアドを

教えなかったからだ!ヤベェ~ミスったぁ~と思っても後の祭りである。

ヘタレの俺は何を書いていいか分からず、出来ればメールを逆に貰いたかったのである。

 

 

それでも無い頭を絞りに絞ってかんがえたさぁ。そしてこれが今から優美子に出す

メールの内容だ!

 

 

俺 「今日は散々だったね、でも怪我が大した事無くてよかったよ。チャリンコ乗る時は

気を付けてね。( ´ ▽ ` )ノ」

 

 

どぉだ、凄いだろ!えっ、これだけってか?いいだろ、あんまり最初から飛ばせないし

オイラの頭じゃあこれが、精一杯なのさ。フンっ、ほっといてくれ!

 

 

早速、優美子のアドを登録してとメール送信したのだった。

 

 

携帯のボタンを何度も確認して間違えなく送信したか確認をしたさぁ

優美子からの返信は10分位してからだった。物凄く長い時間に感じたし

一瞬、二度とメールが来ないんじゃあないかと心配しまくりだった。来た内容は…。

 

 

優美子「今日は俺君に助けて貰わなかったら私、泣いてたよ。本当にありがとう。

これからもよかったら友達になって下さい」

 

 

キターっ!!♪───O(≧∇≦)O────♪ってなになに?

 

 

「こんな俺でよければ、こちらこそよろしくね!(^_-)-☆」

 

 

「うん、明日また学校でね!おやすみ~(#^.^#)」

 

 

「じゃあ、おやすみ」

 

 

最後は男らしく決まったと思ったぜ!まるで馬鹿だけど、いいじゃん!

モテる男はツライって、あ~頭から湯気が出る。その日は一睡も出来なかったのは

言うまでもないよね。

 

 

次の朝は暑かったけど、サドルは重く感じなかった。そりゃ多少は眠いけど

屁とも思わないよ、だってそりゃ「優美子」に会えるからに決まってるじゃん!

朝のホームルーム前に優美子がこっちにやって来た。

お決まりの裕也といつもの雑談中の時である。

 

 

「おはよう!」ニコ

 

 

ほのかなシャンプーの香りが鼻腔をくすぐる。こいつは朝から俺を殺す気か?

 

 

「あぁ、おはよう。」

 

 

「よぉ~す!」ニパッ

 

 

俺がロボットみたいな返事をしている隣でいつもの調子で裕也の奴が爽やかに

挨拶をしてた。優美子が踵を返し女子の友達の所へ小走りに行ってしまうのを

何となく面白くなく感じていたのだった。

 

 

授業が終わって今日は部活がある日なので走って部室に駆け込んだ。

俺は野球部でレフトをやってるけど…そうだよ、みんなが考えてる通りの

補欠だ。もうすぐ3年になるしレギュラーになるため頑張ってんだけど、

パッとしなくて…いいんだよ、頑張るんだから。

 

 

裕也の奴はバレーボール部に所属していて長身から繰り出すスパイクは

素人目にも凄くて何でも高校級らしい。そんなんだから取巻きの女生徒の

応援がグランドの奥側にいる俺の所まで聞こえる。

 

 

何時もの事だから余り気にしていない。時折聞こえる声援をバックに

ジリジリとくる暑さに耐えながら球が飛んで来るのをひたすら待つだけである。

 

 

テスニコートの方では優美子が3年の先輩とラリーの真最中だった。

テニススコートから飛び出したカモシカの様な綺麗な脚が綺麗で

まぶし過ぎる位でクラクラする。ちよっと前に3年の先輩が優美子に

付き合って欲しいと申し込んだらしいがアッサリと断わったのを

風の便りに聞いた。

 

 

 

噂によると3つ位年上では子供ぽくてダメらしい…ってか、俺じゃあ全然ダメしゃん!

と思ったけど今は違う自信がある!彼女は俺の内面を見てくれたんだと

思っていた。

 

 

 

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