魔法少女と一角獣   作:牡蠣専用鍋

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 こんばんは、牡蠣です。

 祝! UA10000超え!
 多くの方に閲覧して頂き、感謝の極みです。これからも頑張って更新していきたいと思います!


 それでは第17話、始まります。


一角獣達の休日

 あれから数日、放課後にジュエルシード探索とその後に模擬戦でのトレーニングを繰り返していたら、あっという間に週末になっていた。

 しかし探索では人手が倍以上になったにも関わらず、1つも見つける事が出来ていない。残りのジュエルシードの数が11個と、約半分になっているからかなかなか見つからないな。そろそろ探し方を変えるべきだろうか……?

 それと模擬戦に関してだが、流石歴戦の騎士の一言に尽きる。俺となのははヴィータと戦っては墜とされ、シグナムと戦っては墜とされ、タッグを組んで挑んでは墜とされ、挙句の果てには2対1でハンデを貰っても勝つ事は出来なかった。だが墜とされた数だけ得られるモノもあった。闇雲に攻めるのではなく相手の視線や身体の動きに気を配り、それに合わせて攻める事で相手の呼吸を乱すといった戦法等、シミュレーションだけでは学べない多くの事を学べた。

 そうして墜とされながらも成長していく俺となのはを見ていたヴィータ曰く、

 

「テメェらの学習速度は早すぎる。1回墜とす度に動きが段違いに良くなるとかバケモンかっつーの」

 

 らしい。俺達はただ単に反省会や考察をして、お互いを高め合っているだけだというのに、全くもって酷い言われようだ。

 

 そんな事がありつつも日が経ち週末の今日、士郎さんが経営している喫茶店がゴールデンウィークには忙しくなるから、その前の週の休みを利用して温泉旅館へ宿泊するというイベントに誘われていたので、ついでとばかりに八神家の参加も許可を貰って同行していた。

 今回の旅行は高町家の5人、月村家+メイドの4人、アリサとその執事(?)の2人、八神家の5人(ザフィーラは人型で参加)、俺の合計17人という大人数になったのだが15人を超えたおかげで団体の大幅割引が掛かったらしく、高町家の皆さんからは良くやったとお褒めの言葉を頂いた。

 それと流石に人数が多いので、乗用車ではなくマイクロバスを使っての移動になったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

「『伝説の剣』を装備した『炎の剣士』でダイレクトアタックや!」

「あぁ~もう! また負けたぁ!」

「まあまあ、アリサちゃん。次は勝てる…………と思うの」

「な、なのはちゃん、最後の一言は我慢しようよ……」

「ふ た り と も !」

「まぁまぁ、アリサちゃん。今回は私のデッキの回り方が良かっただけや」

「今回『も』、でしょうが! うぅ、アタシのレッドアイズが~」

 

 

 

 

 

 まぁ、はやてもアリサとすずかと仲良くなれたようで何よりだ。……仲良くなる為の道具が少しおかしい気がするが、気にしたら色々と駄目なんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 窓の外を眺めつつ、アリサの執事(もしかしたら専用運転手?)の運転するマイクロバスに揺られる事約1時間。目的の旅館へ到着した。

 

「こんな近場に旅館があったなんて気付きませんでした……」

「ウチも数年前にここを見つけてから、毎年皆で来ているんだよ。来年以降も来ようと思っているから、その時は涼君やはやてちゃん達も一緒に来ような」

「……はい!」

 

 本当にこの人達は……いや、言うのは野暮か。

 

「それじゃあ恭也! ザフィーラさん! 男は荷物運びだ!」

「分かってるよ」

「分かりました」

「ほら、涼君もだぞ」

「はい、もちろん手伝いますよ」

 

 

 

 

 

 

 女性陣には先に休んでもらって荷物を運び、落ち着いた所で全員で先に温泉を楽しもうと浴場に向かった。……ユーノ? アイツは男だ。俺達と一緒に入ったに決まっているじゃないか。後、士郎さんは喫茶店の店長の筈なのに何故全身に傷痕があるのだろうか気になったが、聞いてもはぐらかされると感じたので何も言わずに忘れる事にした。

 入浴後は全員で昼食を摂り次第各自自由行動となり、士郎さんと桃子さんは夫婦2人で、恭也さんは忍さんと恋人同士で、メイドの2人と執事兼運転手の鮫島さん(名前を教えてもらった)は近くに居ながらゆっくりとしてもらった。なのは達小学生陣と美由希さんと守護騎士は卓球やらマッサージ器やら決闘やらと休みを満喫していた。特に守護騎士達にとって、こういった行楽は初めてだろうという事で、予め全力で楽しむように言っておいて良かった。

 俺? 俺は今……

 

「おや、スズじゃないか! こんな所で会うなんて、ホント奇遇だねぇ!」

 

 アルフと遭遇していた。用事が無い時はサーチャーの魔力供給以外をカットしていたのが仇になったか。ホント何でこんな近くに居るんだよ……。

 

「アルフ……まさか、ジュエルシードが?」

「さっすがスズ、理解が早くて助かるよ」

 

 やっぱりか。となるとこの近くにあるって事になるが……。

 

「ところでフェイトは何処に?」

「あぁ、その事なんだけどさ、スズからも言ってくれないかい?」

 

 聞くと、フェイトはジュエルシード集めに精を出してばかりで全然休もうとしないのだとか。無理しないでと言ってはいるが、ちゃんと休んでるから大丈夫と言って聞かないのだとか。それに加えて俺に手間を掛けたくないからと、連絡もしていないときた。

 はぁ……全く、なのはといいはやてといいフェイトといい、どうしてこう抱え込む子ばっかりなんだよ。しかも俺に相談も無しとは……少し頭を冷やしてもらおうか?

 

「アタシが言っても聞かなくて困ってたんだ。色々面倒そうな奴も出てきたし、ここら辺で一旦ガス抜きくらいしてほしかったから、ホントに頼むよ」

「分かった、俺からも言おう。それにここは温泉があるし、休むのにはうってつけだ」

 

 早速通信をしようと、サーチャーの位置がフェイトの近くにあるのを確認して回線を開く。

 

「アルフ、どうしたの……す、スズ!?」

「やぁ、フェイト、元気?」

「う、うん……私は元気だよ……?」

 

 あ、コレ駄目なヤツだ。つい1週間前には見えた笑顔に力が無い。やはり俺から積極的に関わらないと駄目なんだろうな。ある程度把握はしていたが、ここまで消極的な性格だったとは……。ああもう、何で自分を省みないんだ!

 

「フェイト、俺達の居る場所は今の通信で分かってるな?」

「うん……」

「来い」

「……え?」

「聞こえなかったか? 来いって言ったんだ」

「でもこの近くにジュエルシードが……」

 

 思った通りに渋るか。有無を言わさずに来てもらおうと思ったが、少しだけ譲歩しよう。

 

「探すだけならサーチャーだけでも大丈夫だろ。その周辺に俺のサーチャーを基点にして、いくつかフェイトのサーチャーを設置するんだ」

「わ、分かった……!」

 

 漸く俺の雰囲気の違いに気付いたんだろうな。慌ててサーチャーの設置に取り掛かっている。

 それを眺める事約1分、設置完了みたいだ。

 

「出来……ました」

「よし、それじゃあこっちに来てくれ、少し話がある」

「わ、分か……りました」

 

 …………怒られると思っているのか? とにかく、一旦ここまで来てもらおう。話はそれからだ。

 通信を切ると、アルフが申し訳なさそうにしていたのでフォローを入れる。

 

「来たらまず最初に温泉に入ってもらおう。何をするにしてもお湯に浸かって一息吐かないと、出来る話も出来なくなるからな」

「本っ当にありがとねぇ」

「気にするなって。フェイトの事を心配しているのはアルフだけじゃないんだ」

「ああ、そうだったね。それじゃあアタシはフェイトを迎えに行って、温泉に入ってくるよ。スズはどうするんだい?」

「俺は友達の家族と来ているから、一旦戻るよ。何も言わずに長時間居ないと心配させるからな。また後でな」

「また後で……ああそれと、フェイトの邪魔になりそうな魔力を持ったチビッ子が居たから、もし会ったら気を付けなよ」

「あ、ああ、分かった」

 

 まさかなのはとすれ違っていたとは……危ない所だった。

 

 

 

 

 

 

 なのは達の所へ戻ってから40分程過ぎたあたりで、アルフから風呂から上がって部屋に落ち着いたと念話が入り、今から行くと返したところで、厄介な事にシャマルに気付かれてしまった。やはり補助のエキスパートには隠し事は出来ない。ここは逆に事情を伝えて協力してもらおう。

 

「なるほどねぇ。なのはちゃんは分かるけど、涼君がその子に拘る理由が分からなかったけど、今の話を聞いて納得したわ」

「上手くすれば俺達の側に引き込めると思うんだけど、今俺が『ユニコーン』だって事がバレると面倒なんだ」

「要は口止めでしょ? 皆には黙っているから大丈夫よ」

「助かるよ。それにしても……」

「ん、何かしら?」

 

 浮気現場を目撃した某家政婦みたいだという思考が漏れているのは……。

 

「い、いや、何でもない」

「そう? なら私は戻るわね。フェイトちゃんの説得、頑張ってね!」

「お、おう」

 

 もしかしなくても、シャマルはこの数日で昼ドラに嵌ってしまったのか? 出歯亀根性が見え見えなんだよなぁ……。

 とにかく、気を取り直してフェイト達の所へ行こう。……先に売店で何か買ってからだな。

 

 

 

 

 

 

 教えてもらった部屋に入ると、俺の姿を見た浴衣姿のフェイトが一瞬嬉しそうにした後申し訳なさそうに正座をし、それを見たアルフは苦笑して俺を迎える。

 

「細かい事は抜きにして、俺が何を言いたいか……分かるな?」

「はい……」

「そうか、なら……こうだ」

「? ……あうっ!?」

 

 額にデコピンをお見舞いすると、ちょっと赤くなった額を抑えて涙目になる。悪いとは思ったが、ちゃんと分からせてやらないとな。

 

「痛いか? だけど、フェイトが無理をして心配を掛けた俺とアルフの心はもっと痛いんだ」

「ご、ごめんなさい……。でもジュエルシードを早く集めないと」

「まだ言うか」

 

 俺の周りに集まる子の特徴に頑固ってのも追加だ。本当にもう……。

 

「集めるなとは言ってないんだ。少しでいいから休めと言ってるんだ」

「でも、休んでる間にあの白い2人が集めてるかもしれないし……」

 

 やはり俺達と敵対関係になった事が原因か。なら、ここから切り込めば何とかなるか?

 

「そこまで思い詰めるなら、何でわざわざ敵同士だって言ったんだよ」

「だって、なのはって子の肩に乗ってた使い魔が駄目だって言ったから……」

「そこでもっと話し合えば、戦わずに済んだんじゃないのか?」

「そうだけど……。すぐ後にスズとは通信が切れるし、白い一本角の人は様子がおかしくなるし、それどころじゃなくなっちゃったんだもん」

 

 あぁ、そういえばそうだった! うっかり失念していた……。あの後フェイトを宥めるのに苦労したじゃないか。

 

「その事に関しては、本当に済まなかったと思っている……。とりあえずもう一度だけでも話し合わないか? ちゃんと話し合えば向こうも分かってくれる筈だ」

「確かにアイツらは協力してくれとは言ってたけど、信用出来るのかい?」

「出来ると思う。理由は簡単だ。あの3人は町に被害を及ぼさない為に協力してほしいと言っていた。という事はこちらから話し合いの席に着けば、少なくとも話は聞いてくれる」

 

 俺の言葉を聞いて少し悩んだアルフは、明確な反対をしなかった。どうやら反対はしないが、最終的な判断はフェイトに任せるみたいだ。

 

「私は……出来ればあの子達とは戦いたくない……。でも、ジュエルシードは譲れない」

「なら、その想いをぶつければいい。何も言わないで、自分の中だけで思っていたら何も変わらないんだ」

「スズ…………うん、そうだよね。決めつけてるだけじゃ駄目だって、独りよがりじゃ駄目だって言ってたもんね。次にあの子達と会った時、頑張って話してみる」

 

 よかった……、なんとか渡りをつけられたぞ。後は、おそらく……いや、確実に今日の夜、なのはの側で対峙した時が勝負だ。戻ったら話し合いの最中に邪魔の入らないよう、守護騎士達全員に話をつけておこう。

 

「よしっ、次にやる事は決まったな! この話はここまでだ。フェイト、頑張れよ。困ったらすぐに俺かアルフに頼って良いんだからな」

「うん、ありがとう、スズ。アルフもね」

「お礼なんていらないよ。アタシはいつでもフェイトの味方さ!」

「うん……うん!」

「それじゃあ少し遅くなったけど、お昼にしよう。まだ食べてないだろ」

 

 頷く2人に、来る前に売店で買ってきたペットボトルのお茶とお弁当を渡す。温めてから来たが、冷めてなくて良かった。

 

「生姜焼き弁当とカツ丼弁当だ」

「おおっ、肉! 貰っちゃってもいいのかい?」

「どうぞどうぞ」

「あれ、スズは食べないの?」

「俺はもう食べたからな。気にせず食べてくれ」

 

 

 

 

 

 

 2人が弁当を食べるの傍で取り留めもない話をしながら寛いでいると、気が付けば1時間も過ぎていた。

 

「俺はそろそろ戻るよ。ジュエルシードを見つけたら連絡してくれ。多分だけど、あの子も来る筈だ」

「! 分かった、見つけたらすぐに連絡する」

「おう、それじゃあまたな」

「うん、また」

「またね」

 

 

 

 

 

 

 皆の所へ戻ると卓球大会を開催していたのだが、すずか対ヴィータとシグナム対美由希さんの対決が白熱しすぎて、戻って来た事に気付かれなかった。幸運と言えば幸運なんだが…………解せぬ。

 最終的に温泉に来たメンバー全員での卓球大会に発展したが、荒れに荒れた大会は結局大人組が優勝を争ったそうだ。早々に負けた俺を含めた子供組は、部屋で決闘大会を開いていたのだが、こちらもこちらで大変だったとしか言えなかった……。

 

 

 

 

 

 

 夕食を食べた後再び温泉に入り、早めに寝る事になった。そして全員が寝静まった夜の11時頃、ジュエルシードの反応を感じ取った。仮眠として浅い眠りについていた意識が覚醒し、魔導師としての思考に切り替わる。

 

(全員、感じたな?)

(『うん!』)

(『はい!』)

(よし、それじゃあ今回は俺となのはが前に出る。シグナムとヴィータは緊急時の戦力。ユーノとシャマルは結界の展開、維持。ザフィーラとはやてはここを動かないでくれ。……行動開始!)

(『了解!』)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 準備は万端、フェイトの方も話し合いの方向に意識を持っていけた。後は上手く説得するだけだが、この纏わりつくような『感覚』は一体……。警戒だけは怠らないで、いつでも全員に指示を飛ばせるようにだけはしておこう。




 作者的に、なのはは『青眼の白龍』、はやては守護騎士をモチーフにしたファンデッキ、すずかは『ヴァンパイア』軸(まんま)、アリサは『真紅眼の黒竜』デッキ(凡骨並感)かなぁ、と。……はい、完全に脱線しました、すいません。



 今後とも『魔法少女と一角獣』をよろしくお願い致します。

 それではまた次回で。
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