前回から2日、結構早く投稿出来ました。
では、第3話をどうぞ。
ジュエルシードを封印し、レイジングハートの格納領域に収納した後結界を解除すると、結界の展開前に既に破壊されていたブロック塀以外が全て元に戻る。やはり技術と言っても魔法と言うだけあって、一体全体どんな仕組みで機能しているのかさっぱり分からない。とにかくここに居るのは状況的に
「さて、落ち着いたところで改めて自己紹介しようか。あの時は『ユニコーン』って言ったけど、それはこの機体の名前だし呼びづらいだろ? だから、えっと……バナージって呼んでくれ、よろしくな」
「バナージさんですね! 改めまして高町なのはって言います、なのはって呼んでください! よろしくお願いします!」
この『ユニコーン』を纏っているのが俺だとバレるのは駄目だと頭のどこかで考えていたので、咄嗟に苗字の
「僕の名前はユーノ・スクライアです。スクライアは部族名なのでユーノと呼んでください。二人とも先程はありがとうございました、このお礼は必ず、必ずします!」
それよりもジュエルシードという魔法技術の産物が魔法技術の「ま」の字も無いこの地球に存在するのか、その原因と思しきユーノに問いかけようと思うが、なのはのような小さな女の子がこんな夜更けに外にいるのは問題しかない。
「とりあえず説明とかお礼とかは後回しにして一旦帰ろう。こんな時間にいつまでも外に出てたら親御さんが心配するぞ。話すだけなら明日でも出来るだろう?」
「はい、それじゃあユーノ君は私が連れて帰るけど……、ユーノ君はそれでいい?」
「はい、僕はそれで構いません。それになのはさんが僕を迎えに来たかったからという言い訳にもなりますし」
なんと知恵の回るフェレットなのだろうか。
「なら俺はなのはを家まで送り届けるよ、帰り道で何かあったら大変だしな。けど、この姿を見られるワケにはいかないから、空から見守るだけだけどな」
「ううん、それでも十分嬉しいです。じゃあ行こうか、ユーノ君」
「はい」
そう言って歩き出すなのはに合わせて、上空20
◇
結果から言えば何事も無く送り届けられたのだが、玄関で待ち構えていたなのはの兄らしき人物が認識阻害魔法を掛け上空にいた俺を見つけ、鋭い殺気とも言える視線をぶつけてきた事だけが予想外だった。一体彼は何者なのだろうか……。それと1度背中を預け合ったからといって、正体を明かさない俺に家の場所を教えてしまうのはよろしくないと思うぞ。もし俺が悪用するような人間だったらどうする。……いや、決して個人情報云々で悪用するつもりは無いのだが。
翌日、戦闘の疲れと『ビーム・マグナム』に細工を施す為、夜更かしをしていたせいで少し寝坊をしてしまったが、学校に遅刻する事は無かった。そして授業中にユーノからの念話が入るが、マルチタスクを使用し対応。途中のなのはの質問にユーノが答えつつ行われた説明内容をまとめると、こういう事らしい。
ユーノは様々な世界の遺跡を発掘する考古学者で、別の次元世界で発掘した21個のジュエルシードを輸送する途中、何者かに襲われ地球に全てのジュエルシードを落としてしまう。それを回収する為この地に降り立ったのだが、レイジングハートと協力するも正規の使用者たる素質を持たないユーノでは扱いきれず、1つ目を封印出来たもののそこで力尽きてしまった。そこでこの地の魔法資質を持つ人に協力をしてもらおうと念話飛ばしたのが昨日の事だったが、まさかレイジングハートを扱える資質を持ったなのはと、魔法関係の案件に対処出来る俺が来るのは全くの予想外だったみたいだ。
聞くところによると協力してもらうのは今回だけで、あとは自分の力で解決しようと思っていたユーノだが、なのはの強い意志と俺の説得によって、この件が片付くまで協力することになった。
そもそもジュエルシードとは、手にした者の願いを叶える
話の中ではもちろん『ユニコーン』をどうやって入手したのか、『ユニコーン』とは一体何なのかという質問があったが、父さんから託された遺産のようなもので詳しい事は俺自身よく分からないと伝えると、なのはは俺の正体に思うところがあるのか素直に聞き入れ、ユーノは遺産なのだからと渋々納得してくれた。
というか、なのはもユーノもまだ9歳と年齢が2桁になっていないにも関わらず、中身は大人なんじゃないかと錯覚してしまう程思考が大人過ぎて非常に納得がいかない。
協力を約束した日の下校時に、ユーノからジュエルシードが発動したとの知らせが入り、現場である神社に向かう。神社の階段前に着くと上った先にある鳥居の下になのはとユーノが居た。
「ここでいいか。『ユニコーン』、起動!」
瞬間、胸ポケットのカードが粒子化し、俺の体が包まれ一瞬で装着が完了する。
「行くぞ、『ユニコーン』!」
マスクの奥のカメラアイに光が灯り、ジェネレーターが唸りを上げて駆動を始める。飛行魔法を展開し、なのはの側に降りると驚きながらも嬉しそうな笑顔を向けてくる。
「バナージさん!」
「やあ、さっきぶり。まだ被害は大きくなってないみたいだな。今度のは……犬を取り込んだのか?」
神社の境内には、黒く巨大化した4足の犬らしき怪物と、飼い主と思われる女性が倒れていた。
「そうみたいです。この様に現住生物を取り込んだ場合、純粋魔力体ではなく実体を持っているので危険度は異相体とは比べ物になりません」
「そうか。……封印方法に変わりは?」
「えっと、ありません。異相体と同じく封印魔法か、強力な魔力での強制封印が有効です」
「それを聞いて安心した。つまりやることは昨日と変わらないってことだな」
言って、左上腕部のハードポイントに『シールド』、右手に『ビーム・マグナム』を装備する。まさかこんなに早くマグナムに施した細工が生かされる事になるとは思わなかったが、昨日の戦闘後すぐに実行した甲斐があるものだ。
「ユーノ、結界を張れるか? 倒れてる女の人がいるんだ。まず俺と怪物を結界に閉じ込めて時間を稼いでいる間に、なのはとユーノはあの人に怪我が無いか見てくれ」
「は、はい!」
「わ、分かりました! けど1人で大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、策もある。でも出来れば早めに合流してくれ」
「分かりました! では結界を張ります!」
咄嗟に頭に思い浮かんだ案を二人に伝えると、素直に行動に移してくれる。大丈夫、時間を稼ぐだけじゃなくて倒してみせるさ。
結界が展開されると僅かな違和感の後、俺と怪物が現実から隔離される。
「よしっ、やるぞ『ユニコーン』!」
気合を入れると『ユニコーン』からも気合十分といった意思が伝わってくる。
グルルルゥ……
怪物の方も戦闘準備は万端のようで、四肢に力を籠め俺の喉笛を噛み千切らんと犬歯をむき出しにして唸っている。
グォウ!!!
長い睨み合いに焦れた怪物は、地面が抉れるほど強く踏み込み突撃してくる。その予想以上の速さに対処が間に合わず咄嗟に構えた『シールド』で受け止めるが、Iフィールドを展開する間も無く体当たりをモロに受け後ろに吹き飛んでしまう。
「ガッ!?」
いくらバリアジャケット代わりの魔力フィールドと機体が威力と衝撃を軽減するとはいえ、ピンポン玉のように吹き飛ばされては敵わず、肺の空気を無理矢理吐かせられる。幸いなことに吹き飛ばされただけで、機体のダメージはなんと
「マグナムは当たりそうにない……なら『ビーム・サーベル』で行く!」
すぐさま『ビーム・マグナム』を収納、右上腕にマウントしてある一見しただけでは武器と分からない四角い筒を手に取り、『シールド』を左上腕から取り外し手持ちの盾として右手に持つ。
「そうだ、ビームじゃなくて魔力で刃を作れるか!?」
聞くと、可能であると機体から返ってくる。
「よし、やってくれ!」
そう言うと俺のリンカーコアの魔力が機体を介し、筒のビーム発生部分を通じて80cm程の魔力刃を形成する。
「やってやるぞ……!」
気合一発、今度は遅れを取らないとばかりにこちらから仕掛けるが、それがいけなかった。いくら速くても動きが直線的であれば攻撃を読むのは簡単だ。俺の攻撃は軽いサイドステップのみで躱され、またもや体当たりで地面に転がされてしまう。機体、身体共にダメージは無いが精神的なダメージとして蓄積され、俺からまともな思考を奪っていく。
「このぉっ!」
八つ当たりじみた攻撃が当たるワケが無く、先程と同じように軽く避けられる……事はなく、振られた『ビーム・サーベル』は怪物の脇腹を抉る。
グギャゥッ!?
「!?」
俺自身当たった事に驚き怪物を見ると、四肢に緑色の鎖が絡みついているのに気が付いた。
「すいません! 治療に手間取ってしまいました!」
「ごめんなさい! バナージさん、大丈夫ですか!?」
なのはがバリアジャケットを纏いデバイスモードのレイジングハート片手に、ユーノを肩に乗せ飛んでくる。見るとユーノの手元の魔法陣から4本の鎖が伸びている。どうやら怪物の動きを止めたのは彼らしい。
なのはとユーノを見て、味方のピンチに颯爽と駆けつけるシチュエーションなんて、まるで主人公みたいだなんて感想を抱く。調子に乗っていたさっきまでの俺の行動を思い出し、酷く情けない気持ちになる。
「すまない、俺は大丈夫だ。援護助かる、素早くて困っていたんだ」
悔しくてつい強がって声を返してしまう。先程までの俺を見ていない2人は、いかにも余裕のありそうな俺の態度に頼もしそうな視線を向けてくる。これ以上その視線に晒されるのが嫌で、今も切られた脇腹の痛みに
「ユーノは拘束魔法を使えるのか」
「はい、これでも結界魔導師ですから、サポートは得意なんです!」
「それは頼もしい。なら俺がアイツを引きつける、ユーノがさっきの鎖で拘束、なのはがトドメの封印。これでいこう。2人はこれでいいか?」
「はい、大丈夫です!」
「分かりました! 頑張ります!」
捲し立てるように言うと、視線がさらに頼もしそうなモノになる。それがまた嫌になり、話を打ち切って攻撃を仕掛ける為『ビーム・サーベル』を構えると、2人もそれに倣う。
「やろう、レイジングハート!」
≪All right. Master. Mode Change. Cannon Mode.≫
「それじゃあ僕は木の上から拘束します!」
なのはは地上でデバイスを砲撃形体へ移行し魔力の充填を始め、ユーノは少し離れた所の木に登りいつでも魔法を発動出来るように待機する。そんな素直に従う姿を見せられてはいつまでも不貞腐れてはいられない。一度深呼吸をして気持ちを入れ換え、集中力を極限まで高める。この時は気付かなかったが、装甲の隙間から赤い光が漏れ出ているのを2人は見ていたそうだ。
「…………仕掛けるっ!」
地面から数cmだけ浮いた俺はブースターから青炎を吐き出し、怪物との約10mという距離を一瞬で埋める。接近時、俺から見た怪物の左側の地面に『頭部バルカン砲』を撃ち込む。俺の魔力で精製、機体で加工された青白い弾丸は、秒間5発の早さでこめかみに2門ある銃口から交互に発射され、狙い通り地面を抉る。それに釣られた怪物は予想通り本能的に左側、俺から見て右側に飛ぶ。前後に飛ぶ可能性はあったが、さっきまでの俺の攻撃からして軽く横に避ければ大丈夫だと思っているだろうということもあり、全ての条件がそろう。
「うおおおぉぉぉ!!!」
雄叫びと共に僅かに右に軌道修正、すれ違い様に『ビーム・サーベル』を閃かせ、怪物の頭から尻尾に掛けて真一文字を刻む。
グギャァァァァァ!!!!????
先程以上の痛みに凄まじい悲鳴を上げ、警戒も忘れのたうち回る怪物。
「ユーノ!!」
「はい! チェーンバインドッ!!」
待機していたユーノに指示を出すと待っていましたとばかりに緑色の魔法陣を展開し、そこから発生した魔法陣と同色の鎖は怪物の四肢をがっちりと拘束する。
「なのは! っ!?」
最後の一撃を任せた彼女の名前を呼ぶが、俺もユーノも自分の役目を終えて一足先に安心していたのが仇となってしまう。なんと怪物は自身を拘束する鎖ごと充填中で動けないなのはに突撃を仕掛けたのだ。
「え、えぇっ!? も、もう少しなのにっ!」
「なのははそのまま封印の準備! ……俺が止めるっ! 『ビーム・マグナム』!」
両手に持っていた盾と剣を投げ捨てマグナムを呼び出す。素早く照準、射線上に怪物以外が居ないことを確認し引き鉄を引く。銃口にエネルギーが収束し、更にその前に魔法陣が展開される。これこそが『ビーム・マグナム』に施した細工であり、威力が減少する代わりに魔力ダメージへと変換するというものなのである。魔法陣をくぐり魔力に変換されたビームは昨日と同様、強烈な衝撃と共に怪物の腹を貫き地面にその体を縫い付ける事に成功する。
「トドメだぁっ!! なのはっ!」
「なのは!!」
今度こそは間違いも油断も無い。俺とユーノはなのはに託す。
「バナージさんとユーノ君が作ってくれた舞台、失敗するわけにはいかないの!! レイジングハート!」
≪Divine≫
充填が完了する。
「バスタァァァァ!!!」
杖の先から溢れた光は、狙いを外すことなく怪物に命中、ジュエルシードを強制封印する。光が通った後に残ったのは、暴走から解放された子犬とジュエルシードのみとなった。その青色の宝石をレイジングハートに収納することで漸く全てが終わる。
「や、やった……」
「ああ、成功だ……」
「バナージさん、ユーノ君……やったの!!」
今回も無事に封印を出来た事を称え合う俺たち。後始末なんかもあるが、それよりも今は事が終わった安堵感に浸ることにする。
ジュエルシード探索2日目、現在の回収数……3個。終わりはまだまだ先らしい。これからどうなることやら……。
如何でしたか?
表現力やら文章力やらが足りなくて、上手く文章に変換出来ないのがもどかしいです。
これからも頑張って更新していきたいと思います。
ではまた次回も、よろしくお願いします。