魔法少女と一角獣   作:牡蠣専用鍋

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 こんばんは、牡蠣です。

 予告通り、今回は戦闘回です。原作では無い展開、オリジナル展開となっているので注意です。

 この先、原作とは違う展開がちょくちょく入ってくる事を先に宣言します。
 タグにオリジナル展開を追加しました。


 以上の事を把握しつつ、楽しんで頂けるとありがたいです。

 では、どうぞ。


魔法少女と一角獣と時々巨人

 あれから数日の間、時々なのはとユーノも交えてジュエルシードの探索をしていたのだが、一切見つける事が出来なかった。何せ見た目は小さな菱形の青い石なのだ。もしかしたら珍しがって拾ったりする人がいてもおかしくはない。

 フェイトについては、いつでも家に来るといいとは言ったがまさか次の日に来るとは思わなかった。しかも理由はバリアジャケットの格好良さを分かってくれたから。余計彼女の事が心配になってしまった。アルフが理解してくれないとか言っていたが、多分身内なのだろう。まあ身内があんな際どい恰好を気に入ってるんだもんな、そのアルフさんとやらには同情しておこう。まずは恰好自体をどうにかするのではなく、露出から減らしていこうという事で、参考になりそうな絵を渡してあげた。何か間違ったものに目覚めさせてしまった気もするが、危険は無いようだし放っておこう。

 

 そして今、俺、なのは、ユーノの3人は夜の聖祥大付属小にいた。

 

「発動を感知した直後に結界を展開出来て良かった……」

「うん……」

「そうだね……」

 

 校舎の屋上に立つ俺達の前には、実に15mはあろうかという巨大な机と椅子の集合体の巨人だった。

 

「ユーノ、結界の強度を最大に。それと強度を維持しつつ広げられる限界まで広げてくれ」

「わ、分かりました!」

「今回はサポートに参加せずに、結界にだけ集中してほしい。そうすれば俺となのはは心おきなく戦える」

「はい、悔しいですけど、この姿じゃ足手まといになっちゃいますから」

 

 そう言って、ユーノは流れ弾を食らわないように校舎から離れていく。

 

「さあ、なのは。準備はいいか?」

「うん! 練習の成果、見せてあげるの!」

「ああ、期待してる。だけど油断はするな、思わぬところで足元を掬われるからな」

 

 力を付けてきて自信を持つのもいいが、自信がありすぎるのも駄目だという事をしっかりと言い聞かせる。

 

「それじゃあいくぞ! 『ユニコーン』、起動!」

 

 懐のカードが粒子に変換され、俺を包むとサイコフレームが全身を覆い、純白の装甲がフレームを覆うことで『ユニコーン』の展開が完了する。

 

「綺麗……。それじゃあ私たちも! レイジングハート!」

 

≪Stand by ready. Set up.≫

 

 赤い宝石から溢れた光がなのはを包み、次の瞬間には光の殻を破るように杖を一振り、所々にハードシェル装甲を持ち防御力を重視したバリアジャケットに変身する。

 

「相手は巨大だ、足を止めたらペシャンコにされると思え! 互いの位置確認を常に怠るな! 散開っ!」

「はいっ!」

 

 強大な魔力に気付いた巨人がこちらを向き、巨大な腕を振り上げる。俺が左、なのはが右にそれぞれ飛び立った直後、その腕は校舎を叩き潰す。

 

「まずは牽制、相手の様子を見ながらジュエルシードの位置を特定するぞ!」

「なら私からっ! レイジングハート!」

 

≪Divine Shooter.≫

 

「シュート!」

 

 なのはの周囲に展開された射撃魔法、4つの桃色の球体が、トリガーワードによって巨人に殺到する。

 

「上手くいったの!」

「それじゃ駄目だ、一旦離れるんだ!」

 

 命中し爆発するものの一切効いている様子も無く、射撃魔法を放ったなのはへ殴りかかるが、指示を飛ばしていたおかげで危なげなく回避する。

 

「『ハイパー・バズーカ』! 人型を攻撃するときは肘や膝の関節を狙うんだ!」

 

 生物相手には殺傷の可能性があり使えないが、ただの物体なら問題なくダメージを与えられる事からバズーカを展開、砲身がスライドし身の丈ほどの長さになる。弾種は破壊力を重視して炸裂弾を選択。まずは機動力を削ぐ為、右膝の裏に狙いを付け引き鉄を引く。腹に響く発射音と共に放たれた無誘導弾は狙い通り膝裏に命中し、片膝を突かせる事に成功する。

 

「なのは! 威力は低くてもいい、右肩にバスターだっ!」

「う、うん! レイジングハート、イケるよね?」

 

≪No problem. Shoot bullet. Ready.≫

 

 その音声と共に、なのはの左手の平に魔力が急速充填される。

 

「シュート!」

 

 どうやらあの射撃魔法は威力、照射時間は少ないが、代わりに衝撃力を重視した一撃らしい。それが2、3秒程度で撃てるのだから恐ろしい。その一撃は立ち上がろうと右手を突いていた巨人の肩に命中する。一瞬とはいえ力を籠めていたであろう腕が動かなくなれば、更に体勢を崩すのは目に見えている。予想通り、右半身を重点的に攻められた巨人は校庭に倒れ伏した。

 

「今だ! デカいのを撃て!」

 

 俺はバズーカの残りの弾、4発全てを撃ち込む。

 

「うん! ディバイーン!」

 

≪Buster.≫

 

 ん? 充填時間が恐ろしく早くなっている気が……。とにかく、炸裂弾の爆発と直射砲をモロに浴びる巨人が少し哀れに思えてきたが、生憎ここで手を緩める程優しくはない。

 

「涼さん、このまま一気に封印しちゃおう!」

「待てっ、今攻めるのが一番危険なんだ! うわっ!?」

「きゃあっ!?」

 

 少し離れていた所から様子を見ていたなのはが、封印魔法を使うため近付いていってしまう。それを止めようとした瞬間巨人の内側から突風のように魔力が吹き荒れ、油断していたなのはは魔力の風に煽られ飛行魔法の制御を失い吹き飛ばされてしまう。構えていたおかげで被害の少なかった俺は、彼女を抱き留めつつすぐさまその場を離れる。

 

「ごめんなさい……」

「怪我は無いか?」

「う、うん。大丈夫」

「ならいいんだ。こういった失敗は次に活かせばいい。まだ戦闘は終わってないんだ、やるぞ!」

「ありがとう、涼さん……」

 

 まだやり直しは効くんだ。なら後は行動あるのみ。

 

「さっき魔力が心臓の辺りから出てたの、分かるか?」

「うん、という事はあそこにジュエルシードがある……」

「その通り。だけどあの巨人は机と椅子の塊で出来てるから、それを取り除いてジュエルシードを露出させてからでないと封印は難しい」

「でも私のディバインバスターなら、それを抜けるかもしれないの」

「ああ、だから封印の流れはこれまでと同じだ。俺が突破口を作ってなのはが封印。これでいくが問題はあるか?」

「ううん、大丈夫。今度こそやってやるの!」

 

 頼もしい返事が聞けたところで話し合いを終わらせる。巨人が立ち上がり突風が収まると、どことなく怒りを感じる。よくもやってくれたなと言った具合か。

 

「じゃあ頼んだぞ! 『ビーム・マグナム』! 『シールド』! 『ビーム・サーベル』!」

 

 右手にマグナム、左上腕に盾、左手にサーベルをそれぞれ展開し、突撃する。なのははその場から離れ、砲撃の充填を始める。

 

「俺は……ここだっ!」

 

 なのはの魔力に釣られそちらに向かおうとした巨人を足止めする為、声を張り上げて腹にマグナムを撃ち込み、すれ違い様にサーベルで脇腹を切り裂く。目の前の障害を真っ先に排除することに決めた巨人は、周囲を飛び回る俺を捕まえようと躍起になって腕を振り回す。

 

「くっ、三次元戦闘はキッツいな……」

 

 いくらシミュレーションで訓練したとはいえ、それを現実に反映させるのは難しい。もっと速く、もっと鋭く、もっと、もっと……動け!! 応えろ、『ユニコーン』!!

 

「ウオォォッ!!」

 

 盾が邪魔、収納。撃つ、撃つ、切る、撃つ、切る、撃つ。

 

「もっと、もっとだ!!」

 

 弾切れ、収納。右手にもサーベル。加速、加速、加速。ひたすら切り刻む。ひたすら、ひたすら……。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

「りょ、涼さん……?」

 

 勢い良く飛んで行った涼さんの様子がおかしい。最初はただ速く巨人の周囲を飛び回ってかく乱していただけだったのに、少しすると両手に光る剣を持って、身体から赤い光を撒き散らしながら残像が出るくらい速く動いてるの。頼もしいっていえば頼もしいけど、何故かとても怖い。涼さんが涼さんじゃなくなってしまうんじゃないかって思ってしまう。

 

「涼さん!!」

 

≪Master.≫

 

「っ!」

 

≪彼が心配なのは分かります。ですが、今あなたは封印を任された立場です。期待に応える為には、あのジュエルシードを封印するべきです≫

 

 レイジングハートに言われて気付く。そうだ、今は戦ってる最中なんだって。なら早く封印して元に戻ってもらうの!

 

「レイジングハート!!」

 

≪All right. Divine Buster Plus. Ready.≫

 

「チャージ完了!!」

 

 魔力をいっぱい注いで、遠くからでも封印できるくらい強いディバインバスターの準備が終わる。

 

「涼さん! 撃ちます!! ディバイィィン!!」

 

「バスタァァァァァ!!!!」

≪Buster.≫

 

 巨人目がけて、前よりもかなり太く大きく溜められた魔力が飛んでいく。それに気付いた涼さんは一瞬で遠くまで離れる。その直後、巨人の胴体をまるごと呑み込む。十秒程照射し続けた魔力が収まると机や椅子は崩れて、その場には強制封印されたジュエルシードがポツンと浮いていた。

 

「やった! 封印成功! あ、涼さん!」

「はぁっ、はぁっ……ここは……? っ! 封印は!?」

「成功したの!」

「そ、そうか。ふぅ……、終わったか」

 

 良かった……。もの凄く激しく動いてたからとても疲れているみたいだけど、あの嫌な感じはもうしない。

 

「ユーノ君!」

「やったね、なのは!」

 

 う、なんかその言い方嫌なの……。

 

「結界、もう解除しても大丈夫だぞ」

「あ、はい!」

 

 結界が解除されると、壊された校舎や机、椅子が何も無かったかのように元に戻る。何度見ても凄い魔法なの。

 

「今回は疲れたな……」

「うん……」

「はい……」

 

 それでも大きな被害もなく封印出来たから、これぐらいの疲れなんてどうってことないの。

 

「さあ、早く帰らないとな。なのはは明日、アリサとすずかとサッカーの試合観に行くんだろ?」

「あ! 明日の準備しないと……」

「認識阻害掛けてやるから、飛んで帰りな」

 

 言って、認識阻害、見えにくくなる魔法を掛けてくれる。

 

「ありがとう! ユーノ君、行こ。それじゃあ、またね!」

「今日もありがとうございました! また!」

「ああ、またな」

 

 手を振って別れて、飛んで帰る。今日は疲れたけど、訓練の成果が身についていってる実感がして、充実感もあるの。さて、明日に備えないと!

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 今日の戦闘は大変だった……。途中から速く動いて敵を切り刻む事しか考えられなかった。サイコフレームの元となった『サイコミュ』が、俺の意思を受け取った結果があの戦闘中の異常とも言える動きなのだろう。

 

「痛い……」

 

 鬼神の様に動けば、あまり鍛え上げているとは言えない俺の身体に反動が来るのは当たり前だ。とにかく、今日はもう帰ろう。身体を休めないと……。

 

 

 

 

 ジュエルシード、封印成功。現在の所持数はなのはが4つ、フェイトが1つ。この先できっと、なのはとフェイトはぶつかるだろう。その際、どうなるかは分からない。フェイトには彼女なりの集める理由があるのだろうから、もしかしたら協力出来るかもしれないし、出来ないかもしれない。だから今は、目の前の出来事を1つ1つしっかりと解決していこう。そう目の前の……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 フェイトよ、何故俺の家にいるんだ……。




 如何でしたか?

 出来るだけ恰好良く書こうと努力した結果がこれです。全然格好良くないじゃないか! とも思われるかも……。

 何とか面白いものに仕上げられるよう努力します。

 今回あまり語れる事は少ないので失礼します。


 ではまた。
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