織斑一夏は男の娘   作:フリスタ

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今回は完全に忘れてたヤツです。
セッシーと鈴がラウラにやられた後の話になります。

本編にはラストで影響するところがありますが、スルーでもOKです。

かなり短めですがどーぞ。




番外編2「男の娘の夢?」

 

 

 

 第3アリーナのバリアを破壊した件は不問とした。

 

 そう、今行われているマッサージによってだ。

 

「うわ……凝ってるね~。やっぱり先生の仕事大変なの?」

 

「んぅ……気にするな。それが仕事と言うモノだ」

 

「でも驚いたよ。ISの武装って生身で持てるんだね?」

 

「鍛えてはいるからな。あの程度の防御ぐらいは出来る」

 

 コイツは本当にマッサージが上手い。

 

 家に帰った時は必ずしてくれていたからな。

 

 少しばかり昔の事を思い出すな……。

 

 

 

 

 あれは初めてマッサージをしてくれた時の事だったか。

 

 両親が私達を棄て、私はお金を稼ぐと言う事に正直なところ四苦八苦していた。しばらくしたら束の話に乗ることにしたが、当時はお金は無かった。

 

 そんな私を見かねてなのか、コイツは家事全般をするようになった。

 

 そんな事をやる年齢でもないだろうに。

 

 少ないながらに与えていた小遣いは溜めて料理の本を買ったらしい。

 

 疲れて帰った家にはいつもコイツの笑顔と温かい料理があった。

 

 時には駅まで迎えに来ることもあったな。

 

 キョロキョロと行き交う人の中から私を探しているコイツの姿を鮮明に思い出せる。たまに後ろを振り向いていることから「通り過ぎてないよね……あ、今の! あ、違うや……」と探しているのが見て取れた。

 

 コイツの笑顔に何度救われたか。

 

 たまに自分の不甲斐なさを嘆いている様だが、バカバカしいな。

 

 全く……私にはよく出来た弟だよ。

 

 家に帰ってやることも出来ない日が続いた時は不安は感じなかったが、

 

 自分の中の寂しさは常に感じていた。

 

 

 

 

 ふと、更に深く思い出す。両親がいなくなった直後の頃だ。

 

 蝶を追いかける純真無垢なコイツは、

 

 私が作った花冠を頭に乗せて、読書をしている私の元へとやってきた。

 

<どうした。もう疲れたのか?>

 

 コイツは落ちていた金属製の輪っかを拾ってきてこう言った。

 

 そのリングは指輪のつもりだったのだろう。

 

<一夏ね、お姉ちゃんのお嫁さんになるぅ~♪>

 

 ブハッ!!

 

<……! ……ぇちゃん!>

 

 

 

 

 

「……ちゃん! お姉ちゃん! 大丈夫!? お姉ちゃん! あ、起きた!」

 

「ぅん……な、何だ? 嫁か……?」

 

「な、何の話? それよりも、枕が血だらけで……のぼせてたの?」

 

 私の鼻血で枕は殺害現場と化していた。

 

「あぁ……すまない。長風呂と酒でこうなったのかも知れんな……」

 

 いや、明らかに一瞬落ちた時に見た微かな夢の所為だろう。

 

 誤魔化し切れたかは分からないが、自室に戻らせた。

 

 あれから少し大きくなったぐらいで、アイツは変わらないな……。

 

 アイツがもし仮に近い将来、

 

『これが僕の彼女~。ね~ハニ~♪』

 

 などと言って誰かを連れてきたら私は耐えられるだろうか?

 

「……いや、私より強い者でないと一夏は任せられんか」

 

 

 

 




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