織斑一夏は男の娘   作:フリスタ

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今回は結構加筆修正しました。1000文字近く?



第12話「天才科学者と男の娘」

 わしゃわしゃわしゃ……ゴシゴシゴシ……ザパァァァァッ

 

 うーみーは広かったなー おっきかったなー♪

 

 かき氷は 美味しいしー 頭痛いー♪

 

 ザパァァァッ かぽーんっ

 

『ノリノリですねマスター』

「うん。やっぱり温泉って良いよね~温泉に入りながらかき氷食べたいよ~」

 

 臨海学校。それはカキ氷パラダイスなのでした。ベンベンッ♪

 

 あっ! でもでも! 最近は頭が痛くならないカキ氷があるらしいよね。天然水カキ氷だったかな? あれもいつか食べてみたいんだよねぇ、誰か連れてってくれないかなぁ。

 

「さてさてぇ、晩御飯は何かな~? デザート付くのかな~? 楽しみだな~」

 

 さっき通った大広間で皆そろって晩御飯だそうでして、テーブル席と座布団で用意されてました。うんうん、留学生も多いからね、御配慮ご苦労様です。

 

「デザート何かな~? プリンかな~? ゼリーかな~? 杏仁豆腐かも!? 楽しみだな~。我慢できない! 上がろう!!」

『駄目ですよ。あと30数えてから出てください』

 

 えー……。

 

長い時間を掛けていつものようにドライヤーで9割ほどまで髪を乾かすと僕は浴場を後にした。いつも使ってるドライヤーと違うから時間が掛かるんだよね。旅行の嫌なところの一つだよね。ドライヤーの出力問題だ!!

 

「ここは一つアレだね。吸引力の変わらないたった一つの―――」

『―――それは掃除機ですマスター』

 

 そして、大広間で僕を待っていたのは、プリンでもゼリーでも、ましてや杏仁豆腐でもなかったのです。

 

 なんて事だ!! デザートが無いじゃないか!! この旅館はどうなっておるのかね!! 海は近く景色は絶景。露天風呂は最高。しかしデザートが無い。ぬぅ~……。一週間後またここに来てください。僕が最高のデザートを食べさせてあげますよ。……何で食べさせなきゃいけないんだ? 一人で食べるよ! おたんこなす!!

 

「一夏どうしたの?」

 

「デザートが無いの! 一大事だよ! ……まさかシャル。デザート食べちゃったんじゃ……」

 

「ははは、流石に一人で全員分食べるのは出来ないんじゃないかな~?」

 

 ジトーっとシャルを見るが、嘘を吐いているようには見えない……真犯人はどこにいるんだ?

 

「織斑きゅ~ん。お刺身だよ~。はいアーン」

「あーずるーい。織斑きゅんに私も食べさせたーい!」

「私も私も~!!」

 

 ワサビ乗っかってる!? 刺身ライドオンWASABIだよ! いじめだ!! これいじめだよ!!

 

 ダンッと強烈な勢いで襖が開けられる。そこには怒った千冬お姉ちゃんが。

 

「お前達は静かに食事をする事は出来んのか!?」

 

「お、織斑先生……」

 

「織斑、いちいち面倒を起こすな。静めるのが面倒だ」

 

「わ、分かりました……」

 

 あるぇー? 僕は何もしてなくない?

 

「しかし、お前がここにいてはまた騒ぐだろう……織斑はこっちで食べろ」

 

 ……あるぇー?

 連行された僕は千冬お姉ちゃんと一緒に晩御飯を頂くことになりました。僕が座布団に座ると、お姉ちゃんは部屋の冷蔵庫から何かを取り出して座布団に座った。

 

「旅館のメニューだとデザートはなかったからな」

 

「んぇ? あっ! 杏仁アイスだ~!! いっただきまーす!」

 

 ぺちんっ

 

「食べ終わってからだ」

 

「……はい(さすりさすり)……お姉ちゃん」

 

「何だ?」

 

「えへへ……アイスありがとう」

 

「……あぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side セシリア】

 

 一夏さんの部屋。一夏さんの部屋~……。ん? 鈴さんに箒さん、ラウラさんにシャルロットさんも……部屋の前で固まって何をしていらっしゃるの?

 

「どうなさいましたの?」

 

「シッ」

 

 4人とも部屋に聞き耳を立てているようですわね……部屋は……一夏さんと織斑先生の部屋……。そして、部屋から洩れてくる声。

 

<どうした一夏、緊張しているのか?>

 

<だ、だって久しぶりだし……痛くしないでね?>

 

<では、ここに寝ろ>

 

<う、うん……。ひゃっ! こ、怖いよぉ……そんなに奥まで……>

 

<少しは我慢をしろ……ほら、もう一度行くぞ?>

 

<ひゃんっ!>

 

<ふふん、大きいぞ一夏。大分溜まってるじゃないか。自分ではやらんのか?>

 

<そ、そんな自分でなんて……>

 

<気持ちいいだろう? ふぅっ>

 

<んぅっ!! はぁはぁ……それ駄目だよぉ……>

 

 

 

「ここここ、これは一体何ですの?」

 

 と言いつつ、私も部屋にへばり付く様に耳を傾けましたわ。普通のドアだったら大丈夫だったと思うのですが、これが日本のフスマという扉だったために、倒れてしまいましたわ。

 

 頭をあげて中の状況を恐る恐る確認すると、そこには織斑先生の膝の上に頭を置く一夏さんの姿が……。

 

【Side out】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで、僕とお姉ちゃんの前には箒・セシリア・鈴・シャル・ラウラの5人は正座をさせられている。何してるんだろうかこの人たちは……お姉ちゃんに何か用があるんだろうけど。

 

「全く、何をしているかバカ者が」

 

「膝枕で耳かきだったんですかぁ……」

 

「しかし良かった。てっきり―――」

 

「ラウラ、って言うか皆か、何だと思ったの?」

 

「それは勿論男女のムグッ……」

「べ、別に」

「特にナニというわけでは……」

「お、ほ、おほほほほ……」

 

 んぅ? 何だろ? ダンジョン? ゲームやってると思ったのかな?

 

「おい一夏、ちょっと飲み物を買ってこい」

 

「んぇ? うん……お、お菓子は良いでしょうか?」

 

「……一つだけだぞ?」

 

 うーやたぁー!!

 

 おーかしーおーかしー♪ 土産物のお饅頭とか試食あるかな~ぬふふふ~♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side 千冬】

 

 いつものバカ騒ぎをしない5人を見つつ、私はビールを煽った。まぁいい。そろそろ本題に入るか。こいつらの中に一夏を落とした奴がいるのか確認をせねばならん。

 

「で、お前ら。あいつのどこが良いんだ?」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「まぁ確かに、あいつは役に立つ。家事も料理も中々だし、マッサージも上手い。付き合える女は得だな。マイナスイオン的な何かが発生され癒し効果もあるし、何よりマスコットの様に小さい。(ちっちゃくないよ!)どうだ、欲しいか?」

 

 む、途中で一夏の声が聞こえた気がしたが気のせいだろう。それよりもこいつらの反応。

 

「「「「「くれるんですかっ!?」」」」」

 

 ふっ、この反応で分かった。まだ特定の仲には誰も成れていないな。

 

「やるかバカ」

 

「「「「「え~っ?」」」」」

 

「女ならな、奪うぐらいの気持ちで行かないでどうする。自分を磨けよガキども。分かっているかと思うがあいつは鈍感だ。ちょっとやそっと押した位じゃ何も気付かない奴だ―――――」

 

【Side out】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゴっマっ団子~♪ Yeah~♪ 饅頭のあっとのぉ苦いお茶がぁ怖いけどぉ~♪ それはそれ~これはこれ~♪ お茶を用意して味わうのだ!! いざ!ゴマ団子決戦の地へ!! 僕は……負けない!! 味わいつっくっす~♪

 

 脳内でテキトーな歌と状況設定を考えながら部屋に戻る。……あっ!! もしかしてこのゴマ団子みんなも食べるの!? ぼ、僕だけの戦いだよ!? さ、参加は認められないよ!!

 

 部屋に戻ると、何故か正座に耐えかねて崩れ倒れている数名と、お姉ちゃんが『いかにあいつは素晴らしいか』と言う事について話していた。『あいつ』って言うのが誰かは分からないけど、お姉ちゃんが認めるぐらいだから、うーん……束さんとか? IS作った人だもんね。そりゃあ凄いんだろうな~。

 

「あっでも本当だ! 出てるよマイナスイオン的な何か!」

「わ、私は前から気付いていましてよ!」

 

 マイナスイオン? 的な何か? どこから出てるんだろう? 僕見てる?

 

「ちょっと一夏こっちきなさいよ!」

「いや待て! 嫁は私の隣に来るべきだ! 夫婦だからな!」

「誰が夫婦だ。一夏こっちに来い」

 

 あっ僕の買ってきたゴマ団子狙ってるんだね!? そりゃマイナスイオン的な何かも出るってもんだよね。理解はしたけどあげないもん! 奥で手招きしてるお姉ちゃんの方に行こう。

 

「ふっ、精進しろよ小娘ども」

 

 なんだろう? お姉ちゃんが上機嫌だ。なんだかこっちも気分良くなるよ。よしゴマ団子いっこあげ……あげ……。

 

「気にせず食べろ」

 

 わーい♪

 

 

 

 

 

 次の日の早朝。昨日残しておいたゴマ団子を炭酸飲料で消化していく。風が語りかける。うまい! うますぎる! じゅうま……あ、違う商品だ。

 

「っと、箒?」

 

 縁側で箒は庭の一部を見つめている。そこには小さい木の立て看板と、ウサギの耳っぽく見える金属製の何かが見える。看板には『ひっぱってください』と可愛く書かれている。

 

「あれ? ねぇ、これってもしかして……」

 

「知らん。私に聞くな」

 

「え、行っちゃうの? ほっといていいの~?」

 

 箒は行ってしまう。だってこれは……。ほっとけないよね~……。

 

 僕は庭に下りて、ソレを思いっきり引っ張った。なんとか金属製のウサギ耳は抜けたんだけど、そこには何もなかった。でも、空から巨大なニンジンが降って来た。庭の土を抉り、突き立つニンジン。

 

『にはは! ふふ、あはははは!』

 

 中からであろうその笑い声は懐かしく、ニンジンは真っ二つに割れた。

 

「引っ掛かったねいっきゅん! ぶいぶい!」

 

 別に引っ掛かったわけじゃないけど。空からだとは思わなかったな。

 

「ぶいぶい~♪ 束さん久しぶり~♪」

 

「うんうんお久だね~本当に久しいね~♪ 変わらないね~良い抱き心地♪」

 

 束さんも相変わらずのようです。抱き締められ息も出来ないし身動きが取れないので背中をポンポンと軽く叩いてあげる。これがハグ終了の合図なのです。

 

「む~、ハグタイムが短いぞ~。ところでいっきゅん。箒ちゃんはどこかな?」

 

「けほっけほっ、どっか行っちゃいました~」

 

「そっか。でもこの箒ちゃん探知機ですぐに見つかるよ。じゃあねいっきゅ~ん。また後でね~♪」

 

『あれが、私達ISの産みの親。篠ノ之 束……なのはママ?』

「うん。箒のお姉ちゃんなんだよ、って誰それ?」

 

 

 

 

 

 

 岩肌ゴツゴツの崖下。遊びだけじゃないんだね臨海学校。

 

「よし、専用機持ちは全員集まったな」

 

「ちょっと待って下さい。箒は専用機を持ってないでしょう?」

 

「そ、それは……」

 

 確かに。僕の擬音の師匠は専用機を持ってない。そこにお姉ちゃんが割って入る。

 

「私から説明しよう。実はだな――――」

 

 と更にそこへ割り込んでくる遠吠えが聞こえる。

 

「やぁぁぁぁぁぁっほぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~っ!!!」

 

 崖から滑り降り、その勢いを利用して飛来してくる女性。篠ノ之 束さんだ。

 

「ちぃぃぃちゃぁぁぁぁん!! やぁやぁ会いたかったよちぃちゃん! さぁさぁハグハグしよう! 愛を確かめよ―――!!」

 

 その飛来物を千冬お姉ちゃんは片手だけで受け止め、そのままアイアンクローで抑えつけている。あぁ、懐かしい光景だ。

 

「うるさいぞ束」

 

「相変わらず容赦のないアイアンクローだね!」

 

 そんなアイアンクローを解き、束さんは岩陰に隠れる箒の下へ下がった。

 

「じゃじゃーん♪ やぁ!」

 

「どうも……」

 

「にっひっひ~久しぶりだね~こうして会うのは何年ぶりかな~? 大きくなったね箒ちゃ~ん。特におっぱいがッブ!!」

 

 箒はいつの間にか装備していた木刀で束さんを突き放した。

 

「殴りますよ!?」

 

「殴ってから言った~! 箒ちゃん酷い~! ねぇいっきゅん酷いよね~?」

 

 同意を求められても……大きくなった事を誉められてただけだし……大きく……。

 

「酷いよ箒!! 自分だけ大きくなってずるいよ!!」

 

 

 束さんはお姉ちゃんに言われて面倒くさそうに簡潔な自己紹介をした。

 

「束って……」

「ISの開発者にして天才科学者の……」

「篠ノ之 束……」

 

「ぬっふっふ~♪ さぁ! 大空をご覧あれ!!」

 

 すると

 

 キュピーン☆

 白銀の何かが降って来た。

 

「僕これ知ってる! 映画で見たよ! 変形したりしてビーム撃ってくる敵でしょ!? コアがあるんだよね」

 

「一夏、この前の映画じゃないんだから。ラ○エルじゃないよ……あっ」

 

「この前の映画……?」

「あんた抜け駆けしたの!? 「あっ」ってなによ!?」

「抜け駆け禁止って言ってじゃありませんか!」

 

「そ、そんなことより! 紅いISだよ!!」

 

 白銀の立法8面体は束さんのリモコン操作によって紅いISが現れた。

 

「じゃじゃーんっ! これぞ箒ちゃん専用機こと紅椿~! 全スペックが現行ISを上回る束さんお手製だよ~♪ なんたって紅椿は天才束さんが作った第4世代型ISなんだよ~!」

 

 

 そこからは驚きの連続だった。速いし、刀一振りで雲は散らすはで―――。

 

「凄いんだね~第4世代って~」

『マスター。私も第3世代以上のスペック、技術が使用されているので第4世代と言えます』

 

 ……マジッすか!?

 

『はい。セカンドシフトすれば更に飛躍的な性能向上が期待できます』

 

 おぉ~……僕の願いが叶うかもしれないのか。

 

 

「た、大変です!! 織斑先生ー!! これを!」

 

 携帯端末をお姉ちゃんに渡す山田先生。何があったんだろうね?

 

「特命任務レベルA。現時刻より対策を始められたし――――テスト稼働は中止だ! お前達にやってもらいたい事がある」

 

 特命任務? レベルAって凄いのかな? SとかSSSとかもあるのかな? 確かだんだんはG級とか言ってた気がするよ。

 

「はぁはぁはぁ……あれ? こちらの方は?」

 

「はぁ……篠ノ之 束だ」

 

「えぇぇぇええぇっ!?」

 

 

 




感想は随時受付中です。


耳かきのシーンはお気に入りです。アニメでは【一夏が千冬にマッサージ】だったのですが、一夏がヤラレル側を書きたかったがためにこうなりました。大変失礼いたしました。後悔はしてません。少しだけ加筆したシーンです。まさかまだ進化するとは思いませんでした。


マイナスイオン的な何か発生装置は単純に加筆しました。繋ぎが欲しいと思って書いたのですが、繋ぎにもならず結局そーゆー効果しかありませんでした。少し反省です。
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