織斑一夏は男の娘   作:フリスタ

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さて! 2期分スタートします。

と言っても書きためとかしてないんで、遅筆です。よろしくです。




第18話「男の娘と黒い蝶」

 胡蝶の夢。この話は結構不思議なもので、僕なりに簡単に説明すると―――。

 

< うーかれた蝶になって~♪ いーちずな風に乗って~♪ >

 

 って蝶の姿になって遊んでいたはずが、目が覚める。そして、ふと考える。あれ? 今の夢の中で僕は蝶だったな~……ん? いやいや、蝶が僕になったのか? ん~でもどっちにしても答えは出ないよなぁ。でも僕は僕で蝶は蝶。これは分かり切ってるんだけど、それをどうやって証明するのか分からない。

 夢と現実、蝶と僕。違うけど違くない。正しい事や間違ってるとされる事、良い事と悪い事など、そういった様々なモノを区別して生きてる事が多い世の中でも、その区別も絶対じゃないって感じの話し。

 

 でもね、これだけは言える。

 

「お菓子は絶対だよねぇ~うまー!」

『というわけで本日のお菓子は、昨日お休みの日に五反田さん家の蘭さんから頂きましたホワイトロールケーキです!』

 

「ふわふわ~♪ あーんっむ! 蘭ちゃんに感謝感謝~♪」

『それでマスター、落ち着きましたか?』

 

「ん……ぅん。ありがとね」

 

 ……夢を、見たんだ。

 

 夢の中での僕は、箒に鈴にセシリアさんにラウラにシャル。みんなと一緒に黒い蝶の翅みたいな翼を持ったISと戦ってるんだ。最初は黒い揚羽蝶みたいで綺麗だなって思ってたんだけど、戦っていく内に僕と鍔迫り合いになって、僕が刺されてやられた……。そこまでだったらまだ良かった。

 その後、白式がセカンドシフトで雪羅(せっちゃん)になった時に見た世界。青空と白い雲、寝転んでも沈まない海と枯れ木の世界になって、そこで、暮桜(くれざくら)姿の千冬お姉ちゃんと会ったんだ。暮桜はお姉ちゃんが現役IS乗りの頃に使ってたISで、誘拐された時に助けにきてくれた時も当然この姿だった。

 でも……。

 

 僕は自分自身を抱きしめた。震えがまた来たんだ。

 

「……千冬お姉ちゃん?」

 

 僕の声に反応したかのように一気に真黒に染まるその世界。お姉ちゃんだと思ってた暮桜も真黒になって、お姉ちゃんと同じ姿のソレは僕の首を掴んで持ち上げた。絞まっていく首に僕は苦しむ事しか出来なくて……。ただ、怖かった。苦しいから涙が出たんじゃない。ただ、怖くて、悲しかった。

 

 ―――殺してやる。

 ―――殺してやる織斑一夏。

 

「―――お姉ちゃんは、あんなこと言わないよね……」

『はい……しかし、あの姿は織斑千冬に酷似し―――』

 

「せっちゃん!」

『……失礼しました』

 

「ご、ごめん……行こうか」

 

 思い出すと涙ぐんでしまう。

 と、歩き始めた瞬間に影が降って来た。

 ズタンッ!

 

「ここにいたか嫁!!」

 

 影の正体はどこからか降って来たラウラだった。

 

「な、泣いているのか!?」

「え!? ち、違うよ!」

 

 グシグシと袖で強めに拭って僕は何でもないと伝えた。

 

「そ、そうか……起きたらベッドから消えていたから探したぞ」

 

 そう、ラウラはまた僕の部屋に忍び込みベッドに侵入していた。今回は着ていたけど何故かスクール水着だった。

 

「あ、あのねラウラ。やっぱり忍び込むのは犯罪だからね。っていうか何で水着だったの?」

「優秀な副官からのアドバイスだ!」

 

 自信満々に言いのけるラウラに冷静に「上司なんだったら部下は選べば?」って言っておいた。せっちゃんもノーコメントらしい。

 

「それよりもだ。これにお前を誘いたい!」

 

 【夏の終わりに縁日デート】と書かれたチラシを取り出したラウラは今度はどこか自信なさげにしている。わけがわからないよ。でも、ここって確か新しく出来たアミューズメントプールだ。だんだんに誘われたけどISの特訓で行けなかったヤツだ。行けるか微妙な時に調べたら限定カキ氷があるんだよね。トロピカルジュースもあるらしいし。夏休みも明日で最後だし良いかもしれない。

 

「これ行ってみたかったんだよねー」

「そうか! 行きたいか!」

 

 一気に機嫌が良くなったラウラ。コロコロと表情が変わっていきます。

 

『1dayパスポートで6200円ですよマスター』

「う、そうか高いな……6200円もあればあれもこれもできちゃうよ……でも限定カキ氷はここだけだし……」

「クーポンもあるんだ!」

 

「おぉ! えっと、パスがこれで、カキ氷を2杯、トロピカルジュース3杯、別腹で焼きそばが欲しいから……おぉ! がんばれる!!」

「浴衣を着てみたいのだ……お前と……」

 

「あっ! みんなで行けば奢ってくれるかな!?」

 ギンッ!!

 

 ラウラは今度は怒りだして、いつも持ってるナイフを僕の顔の横に投げてきた。

 

「ふんっ!!」

「な、何で怒ってるのぉ……」

 

 

 ラウラは行ってしまったけど、僕の手元にはチラシとクーポンが残った。うーん。一人で行っても目的は達成できるけど、やっぱり人数がいた方が可能性が上がる。そりゃもう色んな可能性が上がる。

 うーん今日行くとなったらドタバタして楽しめそうにないし、明日一緒に行ってくれる人をちょっと探してみるか。

 

 

 あづーいー。ものの数分で溶けて行く。やっぱ建物内で探すべきか。あ、箒なら剣道場にいるかも……っと、あの高そうな車は!

 

「セーシーリーアーさーん♪」

「い、一夏さん! 一週間ぶりですわね。ごきげんよう(もしや、私をわざわざ出迎えに)」

 

「セシリアさんこれ! これ明日行こう!」

「まぁ! 一夏さんとお出かけですの? このセシリア・オルコット万全の準備をさせていただきます!」

 

 やった! 万全の準備だって! これで一人ゲット!

 あーしかし暑いなー。一度部屋に戻ろうお姉ちゃんに貰ったアイスを食べよう。聖剣スイカバーだよ!

 

「って何でないの!?」

『昨日食べてましたよね?』

 

「誰が!?」

『え、マスターが……』

 

「え?」

『え?』

 

 んーーーーー。ここに居てもスイカバーは返ってこないか……。仕方ない。部屋も近いし鈴いるかなぁ。

 

 

 

「――というわけで鈴ー鈴ー!! 開けるよー!!」

「ちょっ…ま…!」

 

 ガチャっと開ければ鈴は部屋にいた。ってアイス食べてる!!

 

「キャーーー!!」

「って危ない!! 何で殴ってくるの!?」

『マスター、鳳さんは水着姿で恥じらっています』

 

 ISを右腕だけの部分展開して殴りかかってくる拳を何とか避けて部屋を出る。

 

「水着? そんなことよりアイスだよ!」

 

 ガチャ

 顔だけ外に出すように鈴はドアを開けた。

「そんなことよりアイスですってぇ……」

「アイスーアイスーあーつーいーよーアイスーちょーだーいーりーんー出来ればスーイーカーバーーー」

 

「わ、分かったわよ。ちょっと待ちなさいよ!!」

 

 1~2分して再びドアは開けられ、招き入れられた。涼しい。クーラーの効いた部屋素敵。

 

「で? 何しに来たの?(夏休みも終わりだし一回もデートに誘ってくれないし)」

「うぅ、スイカバーじゃなかった」

 

「怒るわよ。食べてるじゃない」

「さっきも怒ってたじゃん。これはこれ! スイカバーはスイカバーだよ。はいこれ」

 

「何よこれ? ……これって!!」

「明日行かない?」

 

 

 ―――シッシッシ。これで2人目確保。さっきシャルとラウラは出かけて行っちゃったの見かけたから……あ、箒だ。剣道場行ってみよう。

 

「というわけで箒ー箒ーあれいない」

「なっ……ちょっと待て!」

 

 あ、シャワーも完備してるんだっけ。奥の部屋にいるらしい。

 

「な、なんだ?」

「む、お菓子とか持ってないか……あ、これに明日一緒に行かない?」

 

 チラシを差し出して返答を待つ。

 

『いや、マスター。箒さん今裸ワイシャツですよ? 裸ワイシャツ。濡れた髪にしっとり肌』

「だから何さ? そんなことよりアイスだよ」

『アイスは先程消化しましたよね』

 

「あ、箒、急だったし無理しなくていいからね」

 

 ぬっふっふ。もう2人確保してるし。

 

「行ってもいいぞ!!」

 

 おぉ! 3人目ゲット! 色々可能性アップだー。

 

 

 

 

 ごはんも食べ終わり、明日に備えて少し早いけど寝ようとしたところで思い出した。シャル達も誘おう。ここまで来たらみんなで行こう。4人も5人も6人も良い方にしか変わらないよね!

 

 

コンコン

「はーい。どーぞー」

 

「やっほー……ぉ? おー? 猫さんだー」

「ぁう、ぁう……」

「い、一夏……」

 

「(猫って)可愛いよねー」

「そ、そう!?」

「そ、そうか、お前がそう言うのならたまに着てやらんでもない」

 

「そ、それで何?」

「あ、これ明日どうかな?」

「むっ……」

 

 ラウラは不機嫌顔に戻ったけど、そりゃそうだ。元はラウラから来たチラシだもんね。でもシャルが行こうと言うとラウラも行くと言ってくれた。

 完璧な布陣だ! セシリアさんにはカキ氷。鈴にはトロピカルジュース。箒には焼きそばと思ってたけど、ラウラとシャルが増えたからカキ氷とトロピカルジュースがもう一杯ずつ手に入るぞ!!

 

 

 

 ―――翌日。

 

「おーい。ごめーん待ったー? 僕は今来たとこー」

 

 ギランッ!

 一気に睨みの視線が僕に集中する。何で怒ってるの!?

 怒られる可能性が上がってるんだけど……。

 

「ってバカァ!!」

「期待した私がバカでしたわ!!」

「乙女心を弄ぶなんて最低の行為だよ!!」

「嫁失格だな!!」

「……まぁこんな事だろうとは思っていたが……」

「「「「「フンッ!!」」」」」

 

「暑い中外で待たせてごめんてばー」

『違います』

 

 

 

 本当に何で怒ってるか分からない。だってプールに着いたらもう機嫌が良いんだもん。せっちゃんは、『女心ですよ女心』なんて言って来るけど、この綿アメの様に分かりやすかったら良いのに。

 

「んー甘い♪」

 

 これ? これはさっきのほほんに貰った。結構IS学園の人が来てるらしい。

 

「一夏さーん! さ、行きましょう! みなさん先に行ってしまいましたわ!」

「え!? 酷い!」

 

 ってわけでセシリアさんとプールに突撃します。激流に流されたりして楽しかったけど、流された先にはセシリアさんはいなくなっていて……。

 

 仕方ないから屋台コーナーで1回目のカキ氷タイムに入ろうとしたら。

 

「何をしているバカ者」

「あ、千冬お姉ちゃん!」

 

 職員の休日という事でお姉ちゃんも山田先生とここにきてたらしい。うー頭キンキンするー♪ あ、これ? これはお姉ちゃんに買ってもらった限定カキ氷です。むっふー♪

 

「やっと見つけたぞ」

「こんなとこにいたんだね」

 

 箒とシャルが現れた。「酷いよ先に行っちゃうなんて!」と怒れば、セシリアさんに騙されていたらしい。カキ氷を食べ終わった後にウォータースライダーを楽しんだりして楽しい時間は過ぎて行った。

 

「「「「セシリアはエロいなー」」」」

「え、エロくありませんわー!!」

 

 クラスメイトに弄られてるセシリアさんと合流して、みんなでトロピカルジュースを飲む。最高の夏休みだ!!

 

「そろそろ良い時間だな」

「行くわよ一夏」

 

「んぇ? もう帰るのー?」

「何を言ってる。これからではないか」

「チラシ見せてきたのは一夏さんではないですか」

 

「チラシ? あ! 焼きそばだ!」

「「「「「違う(いますわ)(うよ)!!」」」」」

『浴衣ですよ』

 

 

 

 ―――たこ焼き屋にて

 

「オクトパスを食べますの……?」

「で、デビルフィッシュはちょっと……」

「何でさ! 303カッコいいじゃん!!」

「アンタは少し黙ってなさい。ラウラほら美味しいわよ」

「おぉ、これは中々」

「日本の伝統料理だぞ」

 

 

 

 ―――カキ氷屋にて

 

「一夏さ~ん♪ あーん」

「あ、イチゴ味だ! あーん♪」

「こらー!!」

「あーん僕のカキ氷ー!! 鈴! 何で邪魔するの!!」

「一夏~こっちはメロンだよ~」

「わーい!」

「こ、こっちはブルーハワイだぞ!!」

 

 

 

 最後に小さな花火セットで〆て夏休みは終わりとなった。

 

「あ、焼きそば食べてない!!」

 

 しかし、時間も時間で屋台は閉店しており、カップ焼きそばを買って自室で目玉焼きを作り、マヨネーズでスペシャル焼きそばで食べるのだった。

 

「一夏さんの手料理ですわ……♪」

「目玉焼きしかないわよ」

「人数分焼くのツマンナイから半分はオムにしたよー」

「ど、どっちにしよぅ……」

「嫁としての自覚が出てきたな!!」

「しかし、一夏。焼きそばにはこだわるのだな」

 

「そりゃあ、焼きそばは別腹じゃん」

「「「「「(そんなデザートみたいな感覚……)」」」」」

 

 おいしー。オムにする時は少しだけ出汁を混ぜるといいよねー。目玉焼きの時は黄身が楽しめるし。

 

 

 ドンドン!

「おりむー! 良いにおいがするよー!! 分けてー!! お菓子あげるからー!」

「しょーがないなー。『ブラック』」

「『サンダー』」

 

 ガチャ

「入室を許可する! いやー焼きそば食べそこなってさー」

「じゃーお肉焼いて入れよーよー。」

 

 そして、収拾がつかなくなり、カップめんパーティーが幕を開けた!!

 

 そして、数分後に千冬お姉ちゃんに怒られて解散となった。

 

 明日からまた学園生活です。

 

 

 






シリアスさが一瞬見えた気がするけど一気に散る空気。
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