「そういえば……いつもはあたしが迎えに行く側なのに、何で今日はあんたが迎えに来たのよ」
いきなりにこからそんな質問が来る。
「別に……単なる気まぐれだよ」
「嘘つきなさい。気まぐれであんたが眠気を押さえて迎えなんかに来るわけないでしょ?」
「うっ……」
「幼馴染みなんだからそれぐらいわかるわよ……で?何で今日は迎えに来たの?」
「……昨日、いつもいつも迎えに来られるんじゃなくてたまにはあなたが迎えにいきなさいってお袋に言われたんだよ……おかげで眠いったらねぇぜ……」
「はぁ、そんなことだろうと思ったわ」
「うるせぇな……」
「あれ、そういえば白峰君は?」
「あぁ……悠一は先に行ってるってよ」
白峰悠一とは2人の中学からの友達である。
なんというか……ギャルゲーのギャグ担当みたいな男だ。
「あ、もうそろそろ着くわね」
「そうだな……まだ時間は余裕あるし……よかったよかった」
「高校初日から遅刻なんて笑えないものね」
「遅刻魔のレッテルを張られちまうよ」
「そうね~。あ、あれ白峰君じゃない?」
悠一は白い髪の毛なのだが、遠くから見てもあの白い髪の毛は目立つ。
「お~い!翔也~!にこちゃ~ん!」
そう叫びながら翔也たちのほうへ近づいてくる。
「なにやってたんだよ~しばらく校門の前で待ってたんだぜ~」
「待ってるぐらいなら最初から一緒に登校しろバカ」
「おい親友に向かってバカはないだろバカは~」
「親友?」
「真顔で親友?とかいうなよ!いくら俺でも泣くぞ!」
「勝手に泣けバカ」
「うえ~んにこちゃ~んこの俺を慰めてくれ~」
「いや、ちょっと……」
にこが翔也の後ろへと下がり、さらにへこむ悠一であった。
「そういやクラス分けはどうなってた?」
翔也は悠一にそう訪ねた。
「あぁ~俺たちは全員同じクラスだったぜ~!」
「ちっ……」
「おい!何で舌打ちしたんだよ!?」
「……してないよ?」
「嘘つけ!」
「うるせぇ早く教室行くぞにこ」
「あ、うん」
教室に向かうため翔也はにこをつれて歩き始めた。
「おーい!おいてくなよー!」
悠一がそう叫んでいたが、翔也は気づいてない振りをした。
……結局ついてきたが。
そんなこんなで教室の前についた。
「ここか……」
「そうみたいね」
「んじゃとっととはいろうぜ~」
「そうすっか……行け悠一」
「なんで!?」
「うるせぇ早く行け」
「……わかったよ」
ガラガラと音を鳴らしてドアが開く。
ドアを開けた瞬間、空いている席が目に入った。
空いている席は3つ。
「……俺たちが最後みたい」
「……早く座ろう」
「……そうね」
そういうことで3人は席に向かい座った。
わかる人がいるかはわからないが、
入学初日の教室はかなりしーんとした雰囲気だ。
この教室も例外ではなく、かなりしーんとした雰囲気である。
(き、きつい……男は俺と翔也しかいないし……とか思ってんだろうな悠一は……)
翔也は心の中でそう思っていた。
そのときの悠一の心の中はというと……
(き、きつい……男は俺と翔也しかいないし……)
であった……