遊戯王ARC-V -エンタメデュエリストと紅白の巫女- 作:坂本コウヤ
学校始まってからなかなか執筆活動に割ける時間が少なくなってしまい、投稿ペースもしばらく落ちっぱなしになると思います。あまり長くは待たせたくないのですが、勉強の方もあったりするので、どうかご了承ください。
さぁ、今回はいよいよ霊夢のシンクロについての講義回です!! 第17話にしてやっと初めての授業というね。霊夢、随分待たせちゃってごめん。
まぁ、タイトルが某ドリンクのCMみたいな事になってますが、気にしないで下さい。タイトルにネタ仕込もうと思ったら、これしか想い浮かばなかったんです。
あと、シンクロについての説明の中で、ミスとか「この説明いるんじゃない?」とかがあったら、遠慮なく言って下さい。作者も遊戯王の知識についてはまだまだ未熟なので、所々抜けていたりする場所があるかと思います。KONNMAI語は難しいよ…。
それでは、第17話、楽しんでいってください!! どうぞ!!
P.S.)2015年,4/12 権現坂と霊夢の会話のシーンの権現坂のセリフと、その後の霊夢の地の文を加筆しました。
「そっか。じゃあ別に、LDSの勧誘とか、そういうのじゃないんだな。」
「えぇ。というか、アイツらみたいな、いかにもエリートですよって感じの奴らがいるところなんかに、私が行くわけないでしょ?」
「まぁ、確かに。」
「良かったぁ。てっきり霊夢が、私達から離れちゃうんじゃないかって思って、ちょっと不安だったのよ。」
LDSの奴らが帰り、柚子を慰めてから早苗と『O☆HA☆NA☆SHI(物理)』をし、太陽が空の真上に登り始めたころ。
私は今さっきまで遊矢達に、先程赤馬零児と話していた事について、遊勝塾の事務室で昼食を食べながら皆に説明をしていた。
ご飯は最初、一旦家に帰ってから食べるつもりだったんだけど、
「皆で食べた方がおいしいじゃないですか!」
と、笑顔で早苗に言われてしまったので、『早苗をパシらせる(←ここ重要!!)』代わりに、皆で食べることにした。うん、この早苗が買ってきたお好み焼き、まぁまぁね。て言うか、良く見つけてきたわねあの子。私は別に買って来るなら何でもよかったのに、わざわざ人が店で焼いた奴買ってくるなんて。気を使わせちゃったかも知れないし、後でお礼ぐらいは入っておいてもいいかな。
で、話を戻すんだけど、どうやら皆、私がLDSに行くものだと勘違いしていたようだ。全く、誰があんな得体の知れないヤツの下につくかっつーのよ。そもそも【DD】使いにロクなやつがいないのは、紫でさんざん分かってるし、アイツもそれっぽいところがある。普段は礼儀正しく、頭脳明晰の人当たりのよさそうな感じがしてるけど、その実態は正直そこが知れないうえに、目的のためなら手段を選ばず、犠牲も厭わない、そんな感じがするのよね。そんなヤツの下につくことほど、私の嫌な事は無い。アイツみたいなヤツの下につくぐらいなら、まだ前の生活の方に戻される方がましだわ。
まぁ、皆にはまだ本当の事は話してない。一応皆には、
「何か分かんないけど、私の持つスターダストと『裁きの龍(ジャッジメント・ドラグーン)』の召喚エネルギーとやらを調べたいんだとか。」
って説明しておいた。まぁ、皆がその説明で「?」を大量に浮かべていたのは言うまでもない。私は分かるから、別に説明してあげてもいいんだけど、めんどくさいので「私も分からないから、聞くならあの胡散臭い社長に聞いて」とだけ言った。その時フトシ君に、
「霊夢姉ちゃんって、言い方が時々しびれるくらいキツイよな?」
と言われたのは、また別の話。とにかく、その説明で皆納得してくれたようで、今はこうして楽しく昼食タイムと言った感じだ。因みに、スターダストのカードはもう返してもらった。デュエル中に起こったあの出来事については一応保留と言う事にしてある。
ただ、遊矢がスターダストと一緒にあのカード、『星墜つる地に立つ閃珖(スターダスト・リ・スパーク)』も渡してきたので、それは遊矢に返そうとした(皆の前では「アンタが持っといて」と言った)のだが、「お前が持ってた方がいいだろ?」と、あの人懐っこそうな笑顔で言われてしまい、仕方なくもらってあげることにした。い、言っておくけど、これは『仕方なく』なんだからね、『仕方なく』。私が別に、ほしいって頼んだわけでもないし、アイツが勝手に渡してきただけなんだから。
…ハァ、何かまた話がそれちゃったわね。と言うか、遊矢の事を考え出すと、何で私、こんなキャラになっちゃうのかしら。おかしいわね。まだ会って高々3日くらいなのに、こんなにアイツのこと考えてるなんて。特別アイツに、何か引かれることがあるわけでもないんだけど。…取りあえず、遊矢の事は後にしましょ。
まぁ、これからの事なんだけど、昼ご飯を食べた後は、修造さんの決定で、いよいよ私がシンクロの講義をするみたい。何か色々あって後回しになってたけど、ようやく私の初めての講義って訳ね。まぁ、私の場合、講義とは程遠い感じになるだろうけど、教えたい事が伝わったらいいかなって感じ。
「そう言えば霊夢。」
私が今日の講義について考えていると、遊矢が後ろから呼んできた。遊矢はもうご飯を食べ終えたみたいで、椅子に座って食べてる私の後ろにいつの間にか来ていた。私は一旦手を止めて、口の中のものを飲み込んでから肩越しに振り返って遊矢に言葉を返した。
「ん~、何、遊矢。」
「今日の霊夢のシンクロについての講義、どんな事を教えてくれるんだよ?」
「秘密よ。それに、たぶんぶっつけ本番みたいな感じになると思うし。大体の流れは決めてるけどね。」
「そっか。改めて、今日からよろしくな。」
「えぇ、こっちこそね。」
私がそう言うと、遊矢は柚子のところに行った。アイツら、本当に一緒にいる事多いわね。幼馴染って、あんなにいっつもベッタリいるものなのかしら。私にはいな、あっ、似たようなのが一人いたわね。アイツの場合はお茶たかりにか、デュエルをしにだけど。今どうしてんのかしらね、魔理沙。アリスに迷惑かけてないといいけど。
「――そう言えば、パチュリーはどうしてるのかしら?」
「ん、どうした霊夢、急に独り言など呟いて。」
「パチュリーさんが、どうかしたんですか?」
私の独り言に反応して、対面して座っていた早苗と権現坂が反応してきた。て言うか早苗、何でアンタまで反応してんのよ。空気読め。
まぁ、権現坂に確認しておきたい事もあるし、一応ここで聞いておきますか。
「いや、何でもないわ。気にしないで。それより権現坂、アンタホントに私の講義受けてくの?」
「あぁ。お前達のデュエルを見ていて、俺ももっと強くなる必要があると思ったからな。」
そうなのだ。実は権現坂が、私のシンクロについての講義を自分も受けたいと言っているのだ。私としては、それだけ強くなりたいんだって言うのが凄く伝わってくるし、全然問題は無いんだけど、ただコイツ、確か他の塾の生徒よね。その辺りは大丈夫なのかしら? 私が勝手に教えたりして。
それについて、一応権現坂には聞いておいた方がよさそうね。
「なるほどね。でもそれ、アンタのところの塾の人達が知っても、問題とかはないの?」
「大丈夫だ。もとより親父は、そういうところまで口出ししてくるような者ではない。むしろ、強くなろうとする事には何も言ったりはせん。それに、万が一反対されたとしても、それはこの男権現坂自身の意志だ。気にするな。」
「そう。なら良いわ。」
どうやら大丈夫みたいね。なら、取りあえず心配しておかなきゃらならないことは特にないかな。ていうか、コイツん家も、親がデュエル塾開いてんのね。私の周り、何かそういうヤツ多くない? ここもそうだし、赤馬のところもだし(あそこはアイツが社長だからノーカンかもしれないけど)。どうでもいいけど。
私は取りあえず、目の前で楽しく談笑している権現坂と早苗を見ながら、今日どうやって講義を進めていくか、新た改めて考え始めた。
◇≡
遊勝塾の講義用の部屋。
そこで、昼食を食べ終えた私は今、机に座っている皆の前に立って、ようやく授業を始めるところだった。さっきまでは私の紹介のために修造さんが立ってたんだけど、今は私一人で立っていて、修造さんは皆と一緒に机に座って私の話を聞こうとしている感じだ。
――ゴ、ゴクリッ――
う~、いよいよ来ちゃったわね。何だかんだあって後回しにされてて、講義をする機会がなかなか来なかったからなぁ。
でも何か、いざ皆の前で講義始めるってなると、意外と緊張するもんね。まぁ、こんなに大勢(余所に比べたら少数なんだろうけど)の前で、何かを教えるっていうのをした事がないからかもしれないけど。慧音、よくこんなのを毎回続けることができるわね。まぁ、その辺はやっていくうちに慣れていくかもしれないし、今は出来る事をやりましょうか。何か困ったことがあったら、修造さんや早苗にヘルプ求める感じで。
「えー、じゃ改めて。今日から皆にシンクロ召喚、及びエクシーズ召喚についての講義をする事になった、博麗霊夢よ。先生とか付けないで、気軽に霊夢って呼んでくれていいから。よろしくね。」
取りあえず初めての授業なので、皆の前で軽く挨拶をした。すると、皆から拍手が返ってきたので、ちょっと戸惑っちゃったけど、早苗が声に出さないように「お辞儀して下さい。」とアドバイスしてきたので、そうするものなのかと思いながら軽くお辞儀をしておいた。はぁ、お辞儀なんてホント数える事しかやったことないから、随分久々な気がする。最近何かでやったかしら。
それはどうでもいいとして、これはもうこのまま講義を続けていきましょうかね。あっ、でも先にあれだけ先に確認しておこうかしらね。
「さて、じゃあこのまま今日はシンクロの講義に入っていっても良いんだけど、まず初めに、皆がどれくらい『シンクロ召喚』について知っているか、ちょっと確認がてら、何人か当てて質問していくわね。あっ、勿論、後でちゃんと詳しい説明はするから、自分の分かってる範囲で答えて頂戴。」
『はい!!』
「うん、良い返事ね。じゃあまず、そうねぇ。一番先頭にいるし、タツヤ君から聞いてみようかな。」
私がそういうと、一番前の席にいたタツヤ君が起立して答えた。
「はい。シンクロ召喚って言うのは、チューナーとそれ以外のモンスターのレベルの合計を、エクストラデッキにいるシンクロモンスターのレベルに合わせて召喚する方法、だよね。」
「そうよ。良く分かってるわね。んじゃあ次、その隣のフトシ君。」
「え~っとぉ、確か、シンクロモンスターは、メインデッキのカードと違って、白いんだよな。」
し、白? えらくアバウトな言い方するわね。まぁ、間違いじゃないけど。かぶらないように言ったのかしら。
「まぁ、そうね。ん~と、次誰にしようかしら。」
まぁこれ、昨日話をした柚子や、元々シンクロ使ってる早苗に聞いても意味ないから、それ以外の子に聞いてみたいわね。流れ的にアユちゃんでもいいけど、ちょっとさっきから余裕ぶっこいてるヤツが一人いるから、そいつに聞いてみるか。アユちゃんはその後でもいいしね。
「よし、素良。そんだけ余裕ぶっこいてるなら、当然答えられるわよね。融合使いだから関係ないって言う言葉は無しよ。」
「え~、実際問題僕関係ないし。それにシンクロなんてd――」
「御託は良いからさっさと応える。」
「でもぉ。」
「焦らす様なら、後で『O☆HA☆NA☆SHI(物理)』しますけど?」
満面の笑み(目だけは笑ってない)で素良に顔を近づけながらそう言ってやった。すると、さすがにこれにはビビったのか、素良もおとなしく従ってくれた。
「わ、わかったよ! 答える、答えるから。えっと、シンクロ召喚っていうのは、僕が使う融合召喚と違って、チェーンを組まない特殊召喚、なんだよね?」
「そう。全く、分かってるなら初めからそう答えなさい。次回からそうやって引っ張ったら。」
と、私はそこで言ったん言葉を区切り、グイッと素良の顔に自分の顔を近づけ、素良にだけ聞こえる音量でこう言った。
「問答無用で『O☆HA☆NA☆SHI(物理)』するから覚悟しときなさい。」
「…は、はい。」
素良は私の言葉を最後に姿勢を正した。ふぅ、全く融合使いだからって、聞かないでいい話は全然するつもりはないんだけど。どうもアイツは他の召喚方法を少々見下してる感じがするわね。本人はそんな気はないんだろうけど、ああいう態度を取られたら、こちらも実力行使に出ざるを得ないからなぁ。まぁ、取りあえずこれで素良は講義中は真面目に受けてくれるでしょう。
さて、次はアユちゃんに聞こうかしらね。
◇≡
ヒィ~~、やっぱり霊夢さんは怒らせちゃいけませんね。素良君、あなたは今命拾いしましたよ。危うくあなたは無駄な命を散らす所でしたから(経験者は語る)。
にしても、怒りの対象になってない他の人達にまでプレッシャーを与えるって、何なんですかね、霊夢さん。ほら見て下さいよ。横にいる遊矢君や柚子さん何か、冷や汗ダラダラじゃないですか。よっぽど怖かったんでしょうけど――、えっ、私ですか? 怖かったに決まってるじゃないですか!! さっき『O☆HA☆NA☆SHI(物理)』されたばっかなんですよ、1、2時間くらい前に!! 天子さんや幽香さんでもない限り、アレ怖くないとかいう人いないですから。
まぁ、その当の本人は、今笑顔で皆の持ってるシンクロについての知識を確認していってますがね。今はどうやら、アユちゃんに聞いてるみたいです。
「それじゃアユちゃん、シンクロについて、他に何か知ってる事はある?」
「う~ん、タツヤ君やフトシ君が言ったことぐらいしか、分からないかな?」
「素直でよろしい。それじゃ、これから覚えていこうね。」
「うん!!」
へぇ、霊夢さんって、意外に年下に甘いんですね。年上ばかりの幻想郷じゃあ、この光景はなかなか見れないですから、ちょっと新鮮ですね。まぁ、それを褒め言葉と受け取ってくれるかは、本人の気分次第でしょうが。
「さて、後もう一人ぐらい聞いときたいかな。んじゃ最後は、そうねぇ。うん、決めた! 遊矢にしめてもらいましょうか。」
おっ、最後は遊矢君ですか。まぁ妥当ですかね。先程霊夢さんのスターダストを使った経験もありますし、最後に指名するとしたら、彼がちょうど良いと思いますよ。
「分かった。って言っても、俺もあんまり分かってる事は無いかな。しいて言えば、シンクロ召喚しようと思ったら、融合と違って、素材をフィールド上に並べなきゃ出せない、って思ったんだけど。」
「へぇ、よく見てるじゃない。確かにそうね。例外はいるけど。」
「えっ?」
「まっ、今の遊矢の解答は概ね正解ね。最後に言った例外については、今気にしなくていいから。」
「う、うん。」
霊夢さんはそういうと、教壇の辺りに戻っていきました。それにしても遊矢君、よく見てますね。今回のLDSのエリート3人とのデュエルの中で、もしかしたら色々と学んだのかもしれませんね。特に彼は、今から霊夢さんが教えてくれるシンクロ召喚の使い手である、刀堂刃君とデュエルしたのが大きいのでしょうが。
「さて、じゃあ時間の事もあるし、早速講義の方に入っていきましょうか。」
おっと、ようやく講義がスタートするみたいですね。さてさて、霊夢さんがどんな風に皆にシンクロ召喚を教えていくのか、楽しみです。
◇≡
うん、皆思ってた以上にシンクロ召喚の事は分かってるみたいね。これはもしかしたら、結構サクサク進めちゃっても大丈夫かも。まぁアユちゃんみたいに、まだあんまり分かってない子もいるだろうし、取りあえず、今日は基礎からでいいかな。
「今日は始まって最初の講義だし、基礎からやっていきましょうか。分からない事があったら、遠慮なく手を挙げて聞いてくれていいからね。」
『はい!!』
私の言葉に、皆がしっかりした返事で答えてくれた。うん、これなら大丈夫ね。
「よろしい。それじゃあ、始めていきましょうか。じゃあまず、シンクロ召喚で召喚する、シンクロモンスターについての説明ね。」
私はそう言って、デュエルディスクのエクストラデッキから、スターダストのカードを取り出して、皆に見せた。
「これがシンクロモンスターのカードね。さっきフトシ君が言ってくれた、この白いモンスターカードをエクストラデッキから召喚するのを、シンクロ召喚って言うの。まぁ、これはちょっとおおざっぱな説明だけどね。あぁそうそう、後ろの方にいる柚子とか権現坂とか、見えにくかったら言ってね。見せにいくから。」
危ない危ない。危うく後ろの方にいる柚子達を放置するところだった。それはさすがに、教える側として最低の行為よね。
「大丈夫よ、霊夢。ちゃんと見えてるから。」
「こちらも大丈夫だ。もとよりアクションデュエルで、目の方は鍛えられているからな。」
「俺も大丈夫だ、霊夢ちゃん。気にせず続けてくれ。」
ふぅ、どうやら皆、ちゃんと見えてるみたいね。なら、このまま続けましょうか。
「よし、じゃあ次に、このシンクロモンスターを召喚するために必要なモンスター、チューナーモンスターについて。これはさっきより色々なモンスターがいるけど、一番分かりやすいのは、私のデッキの『ライトロード・アサシン ライデン』かしらね。」
そう言いつつ、私はまたデュエルディスクにセットされてるデッキからライデンを取りだし、皆に見せると、一番前にいたタツヤ君が口を開いた。
「見た目は普通の効果モンスターだね。」
「そうね。でもほら、種族とかが書いてある所に『チュ-ナー』って書かれてるでしょ。これが、チューナーモンスターである、一種の証みたいなものなの。この文字が書いてるモンスターは、基本的にチューナーモンスターと考えて問題ないわ。」
「じゃあそこに『チューナー』って書かれてたら、効果モンスターじゃなくても、それ全部チューナーモンスターってことなのか?」
フトシ君が気になったのか、手を挙げて質問してきた。
「良い質問ね。これは皆も覚えておいてほしいんだけど、そのモンスターの種族が書いてある所に『チューナー』と書かれていれば、それはチューナーモンスターよ。効果モンスターであることが多いから、基本的に見逃しがちになるんだけど、通常モンスターで『チューナー』って書かれてるヤツらもいるから、デッキに入れる場合は注意してね。他に質問はある?」
そう皆に聞いてみると、今のところ質問はないのか、皆首を横に振っていた。
「今のところは無い感じかな。じゃあいよいよ、シンクロ召喚自体の説明に入っていこうかしら。修造さん、プロジェクター使わせてもらってもいいですか?」
「あぁ、いいとも! 存分に使ってくれ!」
よし、修造さんからの許可も出たし、早速使わせてもらおうかな。えっ、何で私が現代機械の名前を知ってるかって? そんなの勿論、早苗に教えてもらったからに決まってるじゃない(講義前に)。さすがに機械の名前も知らないんじゃねぇ。
ただ、どれをどう使えばいいのかまでは教えてもらってなかったので、早苗と柚子に手伝ってもらう事にした。ハァ、これからはこういうものの知識も増やしていかなきゃいけないのね。めんどくさいけど、いつも頼るわけにもいかないしね。
そして数分後――
「ふぅ、お待たせ! ごめんね、皆待たせて。早苗達もありがとう、手伝ってくれて。」
「いえいえ。必要な時は、いつでも手伝いますよ。」
「私も。困ったことがあったら、頼ってくれていいから。」
「ありがと。それじゃ皆、今からさっき説明しようと思ってた、シンクロ召喚自体についての説明をするわね。まずはこれを見て。」
そう言って私は、プロジェクターに入力、だっけ、それをするための機械(名前は忘れた)のカメラの下に、2枚のカードを置いた。
「これは、今からシンクロ召喚をしようとしてるフィールドだと思って。まず、一枚はさっき見せたチューナーモンスター、『ライトロード・アサシン ライデン』ね。もう一枚は、私のデッキのチューナー以外のモンスターの中でもよく使うレベル4の効果モンスター、『ライトロード・ビースト ウォルフ』よ。これで一応シンクロ召喚に必要なカードはそろってるから、シンクロ召喚と言いたいけど、さて、ここで問題! このモンスター達を使って出せるシンクロモンスターのレベルは幾つかしら。」
これはもう算数レベルのヤツなので、速攻で解いてほしいところだけど、おっ、柚子早いわね、手を挙げるの。
「はい柚子、答えは?」
「8、よね?」
「その通り。まぁこれは簡単よね。これが分かってないと、次の段階進めないから。皆は分かった?」
皆に聞いてみると、当然とばかりに頷いていた。中にはフトシ君みたいに「当然だぜ!」とか、声をあげてた子もいた。
「さて、じゃあ次に、このシンクロ召喚をする上での大事なポイント、『素材指定』について話をするわね。まずは、この二つのシンクロモンスターのカードを見て。このカード達にはそれぞれのモンスター効果以外にも違いがあるんだけど、それが何か分かるかしら。」
私が皆に見せたのは、先程から見せているスターダストと、『ライトロード・アーク ミカエル』のカード。さて、皆は分かるかしら。
「えぇっと、レベルが違うのは分かるんだけど、他はどこが違うんだぁ?」
「うぅむ、レベル以外となると、他にはどこが違うのだ?」
「僕はもう分かったけどね。」
「私もですね。」
「えっ、素良と早苗はもう分かったの?」
「当たり前じゃん。だって融合でもシンクロでもエクシーズでも、そこが分からないと召喚出来ないんだから。」
「そうですね。これが分からないと、エクストラデッキからモンスターを出すのは無理ですからね。」
うん、さすがは素良と早苗ね。まぁアンタ達は速攻で分かってもらわないと困るんだけど。アンタ達今までどうやって融合とかシンクロしてたのってなるし。
「エクストラデッキから出すモンスターに共通する事? そんなのあるの?」
「えぇ~、全然分からないよぉ。」
「う~ん、あれ? そう言えばあの二体、[ドラゴン族,シンクロ/効果]って書いてある所の下に、何か書いてるよ。」
「本当だ。えっとぉ、スターダストの方は『チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上』って書いてあるぜ。」
「だが、あっちの『ライトロード・アーク ミカエル』の方は、『チューナー+チューナー以外の光属性モンスター1体以上』と書いてあるな。」
おっ、ようやく皆気付いたわね。じゃあそろそろ、そこの説明に行きましょうか。
「そうよ。実はシンクロモンスターを召喚する場合、ただレベルを合わせれば出せるって訳じゃないの。実は、今フトシ君と権現坂が口頭で言ってくれたテキストが、このモンスター達をシンクロ召喚する上での『素材指定』になるの。例えばスターダストの場合、チューナー1体とそれ以外のモンスターが1体以上いて、そのレベルの合計がであれば、どんな組み合わせでも出せるの。逆に『ライトロード・アーク ミカエル』の場合、チューナーが1体いても、それ以外のモンスターが全て光属性でなければ、レベルの合計が7でもシンクロ召喚できないってことなのよ。」
私がここまで説明すると、皆はなるほど、と言った感じに頷いてくれた。その中で、柚子が一人手を挙げていたので、声をかけた。
「どうしたの、柚子。」
「さっき、素良と早苗がエクストラデッキから出すモンスターに共通する事って言ってたんだけど、もしかして、融合モンスターやエクシーズモンスターでも、そういうのがあるの?」
「えぇ。表記の仕方は違うけど、その二つにも『素材指定』って言うのはあるわ。中には特定のモンスターの名前や、カテゴリを指定してくるモンスターもいるから、皆も覚えておいた方がいいわよ。」
「うん。ありがとう。」
ふぅ、どうやら悩みは解決できたみたいね。もう後教え忘れてることないわよね、たぶん。まぁ今日は基礎編のつもりだし、何か抜けてるところがあったら、後で言えば良いかしらね。
「よし、じゃあ皆、今日はここまで。次回は今日の復習をやって、その後『エクシーズ召喚』の基礎編をやろうと思ってるから、そのつもりでね。それと、他に何か個人的に聞きたい事とかあったら、私のところに来てくれたら色々教えてあげるわ。それじゃあ、今日の講義は終わり。最後まで聞いてくれて、ありがとね。」
『ありがとうございました!』
かくして、私の初めてのシンクロ召喚についての講義は、無事に終了したのだった。
◇≡
「ハァ~、疲れたぁ。意外と体力使うもんね、教えるのって。」
「お疲れ様です、霊夢さん。」
「あぁ早苗、お疲れ。どうだった、私の初めての講義は。」
「私的には良かったと思いますよ。皆もあの後、次が楽しみだって言ってましたし。」
「そう。良かった、個人的にちょっと不安だったのよ。上手く教えることができたのかって。」
講義が終わって一段落つき、私は今、事務室で座って休んでいた。何でまだ遊勝塾にいるのかと言うと、ちょっと遊矢と柚子に教えたい事と、後は遊矢とあの時の話をするためだ。ただ、ちょっとさっきの講義で結構体力を消費したので、二人が明日休みであることを確認して、私の家で今日と明日、泊まり込みで教えることにした。そのため、今は二人が戻ってくるのをここで待ってる感じだ。
まぁ最も、柚子の方は修造さんから許可もらってるからともかく、遊矢の方は大丈夫かしら。あっちがアウトだと、個人的に困るんだけどね。
それはともかく、今日無事に講義が上手くいって、次が楽しみって言ってたって早苗から聞いて、ちょっと安心した。もし皆に上手く伝わってなかったらって思うと、怖かったしね。
そんな私のほっとした表情を見て、ソファの後ろから私の顔を覗き込んでいた早苗が「フフフッ。」と笑った。
「何よ。」
「いえ、霊夢さんにも意外な一面があるんだなって思って。」
「…私にだって、不安に思うことぐらいあるわ。怖いって、思う事もね。幻想郷じゃ、それを博麗の巫女って肩書きで押し殺して、ただ強がってるだけよ。」
「そうなんですか?」
「えぇ。本当は私、結構臆病なところだってあるのよ。ただもうなんて言うか、強がることに慣れちゃったのよね。それに能力のおかげもあって、相手からのプレッシャーって言うのをあんまり感じにくいし。」
「……。」
「でもね、そんな私でも、自分の内側から突然湧き上がってくる、言い様もない恐怖って言うのには抗えなくて。それが、私が考えている中で、一番怖いもの。そればっかりは、どうしても克服できなくてね。おかしいでしょ? 自分以外から受ける恐怖は怖くないくせに、自分の中から湧きあがってくる恐怖は怖いなんて。」
「…全然、おかしくなんて無いですよ。」
そういうと、早苗は私の前に回り込んで急に抱きしめてきた。
「えっ、ちょっ、早苗?」
「何か、こちらに来てから、霊夢さんには驚かされてばかりです。いつもみたいに凛とした、かっこいい霊夢さんの時もあると思ったら、急に純情な乙女になったり、子供に甘くなったり。その上今度は、怖いものが無いと思ってた霊夢さんにも、怖いものがあるって。もう、今日の霊夢さんを見てたら、今までの霊夢さんのイメージがだだ崩れですよ。」
…そっか、確かに、早苗や幻想郷の人達にとって、私は異変を解決するもので、幻想郷を護る最後の砦も様なもの。それをきっと、心のどこかで理解していた私は、今まで弱音とかを吐くような事は人前ではしなかった。だからこそ、皆困った時は私に頼りに来たんだ。私なら安心して任せられる、困ったら最後は私に頼ればいいって。
でも私はきっと、心のどこかで誰かに頼りたかったのかも。だけど強がって、無理して、自分の本音を出すような事は一切しなかった。その反動が、今の私なのかもしれない。ここなら、私が博麗の巫女だって知ってる人は言わずもがな、私の事を知ってる人もいない。そう心のどこかで安心したが故に、今まで表に出る事のなかった感情が、今徐々に表れ始めているのかも。
だとしたら早苗にとって、それは私のイメージを1日で壊すのには、十分すぎるものだったんだと思う。何より、向こうでもしばらく会ってなかったんだもの。尚更、私の変化に驚いてるんでしょうね。
「…悪かったわね。イメージ壊すような事して。」
「いいえ。むしろ、良かったと思ってます。何より、霊夢さんが私達と何も変わらない、普通の女の子なんだって分かって、私凄く嬉しいです。」
「…ハァ、私向こうでいったいどういう評価だったのか、ちょっと気になってきたけど、まぁ、何か壁みたいなのを感じられてたって言うのは分かったわ。」
「霊夢さん…。」
「…早苗、向こうに帰っても、私、アンタを頼ってもいい?」
私がそういうと、早苗は何も言わずに、私をもう一度、今度は優しく抱擁してきた。きっと、「良いですよ。」ってことなんだと思う。一瞬、胸の大きさにちょっと嫉妬しそうになったけど、抱きとめられた暖かさが、そんな負の感情も包み込んでくれた。
「…ありがとう。」
「…まだ何も言ってませんよ。」
「全く、分かってるくせに。」
「ハァ、霊夢さんにはかないませんね。良いですよ。幾らでも頼って――」
くれていいですよ、と早苗が言おうとしたその時、事務室のドアが勢いよく開かれた。
「霊夢、ごめん!! 遅くなっ、た……。」
「もう、遊矢!! そんなに慌てなく、て、も……。」
「「アッ……。」」
――その後、数秒くらいの沈黙と、互いの硬直状態が起こったのは、言うまでもない。
て言うか遊矢、空気読みなさいよ。
◇≡
「全くもう!! ちょっとは空気読みなさいよね。」
「ごめん、悪かったって。だって、あんな事になってるなんて思わなくてさぁ。」
「ごめんね、霊夢。悪気はなかったのよ。ただちょっと、ねぇ。」
「そ、そうですよ。タイミングが悪かっただけなんですから。機嫌直して下さい。」
「…ハァ、もう良いわよ。あそこであんな事してた私達も悪いし。」
夕日が爛々と、高層ビル街の舞網市を照らす夕暮れ時。
私達は今、遊勝塾で合流した遊矢達と共に、私の家に向かって歩いていた。
勿論さっきの事務室での事もあって、私達はしばらく、黙って顔をそらしながら歩いていた。ただ、遊矢が私に謝ってきたので、恥ずかしさが一気にこみ上げて来て、さっきの会話の一番頭のセリフをはいたのだ。それからは流れどおりって感じね。
それにしても、何であのタイミングで入ってくるのよ遊矢。まぁ、悪気が無かったのは分かるけど、せめてノックくらいしなさいよね、もう。過ぎた事だから、これ以上は愚痴愚痴言わないけど。
まぁ、そんなこんなで話しながら歩いていると、結構早く家にはついた。着いたのはいいんだけど――
「――何で鍵が開いてんのかしら。」
「なんか、部屋の明かりもついてますね。」
そう、今は本来、私と早苗しか住んでいないはずの家に、何故だか知らないけど誰かが不法侵入しているという、あり得ない事態が起こっているのだ。それも、ご丁寧に鍵を開けっ放しで。
しかも、その不法侵入してる輩の声が外にまで聞こえているのだが、どう聞いても私の知ってる声にしか聞こえないのだ。そう思い出すと、途端に何でこうなってるのか容易に想像が付き始めた。
「ハァ、取りあえず私が中の様子確かめて来るから、3人ともちょっとここで待ってて。早苗、遊矢達をお願いね。」
「分かりました。」
「霊夢、気をつけてな。」
「空き巣とかだったら、すぐに逃げてね。」
「その可能性は極めて低いと、思うけどね。」
そう言って私は扉を開けて家の中に入り、声の聞こえるリビングに向かって、歩を進めていった。
どうも、お疲れ様――
「デストローーーイ!!!」
――うわっ、フラン?! 何故後書きに?! ま、まさか自力で境界破壊を?!!
「細かい事は気にしなーい気にしなーい。」
「ごめんなさい、出番、出番ってうるさくて。こっち預かってもらえないかしら。」
…えっ、パチェさんマジッすかそれ?!
「えぇ。ゲスト扱いでも何でもいいから、取りあえずそっちでしばらく預かっといて。よろしく~。」
えぇ~。な、何か分かんないけど、と、取りあえず、今回はゲストキャラとして、フランちゃんが参加するみたいです。
「よろしくね。」
よろしく、フラン。それじゃあまぁ、こっちじゃ恒例になりつつある今回の振り返りみたいなやつ、いこっか。
「うん! 今回、何か霊夢最初の方で、あの遊矢っていうペンデュラムの子の事、凄く気にしてる感じだったね。」
心の中でだけだけど、ツンデ霊夢状態になってたしね。これもフラグの一環かな、どうかな、って感じですね。
で、あの後の権現坂が言ってた事なんですけど、まぁあくまで僕の推測です。原作だと刃に弟子入りしてまでシンクロ召喚を使えるようになってるんで、そういう感じだと思っただけです。推測って言ってるのは、僕が単純にそういう話をしてるところがあったっけなぁって言うのが思い出せなくて、どこかでそういう話をしてたのかすらも怪しかったので、そう言ってるだけです、はい。
「ごめんねぇ、こんな適当な作者で。じゃあ次! 霊夢のシンクロ講義のシーン…、うん、まぁ分かっちゃいたけど。」
うん、思ったより描写が難しかった。デュエルシーンとか普段だったら、もう少し動きがあるから描写しやすいんだけど、講義のシーンって皆ほとんど座ってるか、当てられて話すところ以外描写しにくいって言うかね。後は今視点になってるヤツの考えてる事とか位しかないって言うか。
「ふぅん。て言うか、霊夢やっぱり怖いね、怒らせると。」
霊夢は怒らせてはいけない。怒らせたら最後、鬼巫女による『O☆HA☆NA☆SI(物理)』という末路以外、道は残されてないから。ところでフラン。
「ん、なぁに?」
霊夢とレミリア、怒ったらどっちの方が怖い?
「そんなの、勿論霊夢に決まってるじゃない!! お姉さま何か、怒ったって全然怖くないもん。」
と、言う事だそうです。姉としての威厳はどこへ行った、レミリアェ…。
「まぁそれはどうでもいいとして、あの講義のシーンの中で足りないと思った所とか疑問点、その他何かあったら、色々書いてくれていいからね。」
よろしくお願いします!! 今後も講義シーンは書くことがあると思うので、参考までにシンクロ以外の事でも何かあったら書いて下さい!
「よろしくね! じゃあそろそろ、次回予告いっちゃおうか!!」
ホイ! さて次回!! 霊夢の家にいつの間にか来ていた来客!! 果たして、その正体とはいったい?!
そして、前回名前すら一度も出てこなかったあの謎の人物の正体が、ついに明らかに!! その正体とは!! 乞うご期待下さい!!
「う~ん、確かキーワードとしては、『女性』って言うのと、『右腕に包帯』って言うのが出てたよね?」
あぁ。さぁいったい誰なんでしょうねぇ? 分かったって方は、まだこの前言ってた次回のゲストに出すキャラとかのリクエストもやっているので、是非書き込んでみてください!! 面白かったら採用しますので。
ただ、次話の執筆タイミングの事も考えて、リクエストの受け付けは今日から3日間だけにします!! それだけはよろしくお願いします!!
「あぁ、他にも、何か気になったことがあったら、書いてくれて全然良いからね!! アッ、勿論リクエストに私を希望してくれてもいいからね!!」
おっ、ここぞとばかりにアピールしてきたな。まぁ、出す数は特に指定してませんしね。一人とは言ってませんし。別にいいか。
それじゃ、次回も――
「ところで作者さん。」
――ん、何、フラン。もう終わるところなんだけど。
「最近、何かまた別のもの書き始めてるとか聞いたけど。」
ギクッ、な、何故それを。
「あのスキマから聞いたよ。何でも『ゾイド』とか言うヤツと『艦これ』のクロスオーバー小説書こうとしてるとか何とか。」
うっ、ま、まぁね。だけど、シリーズ系はたぶんこれ以上はあげないつもりだよ、今のところは。俺のキャパシティ的にもヤバいし。
「進行状況は?」
まだ一話執筆中。
「ふ~ん。まぁ私は別にいいけど、あんまり読者を待たせるようなら『きゅっとして、ドカーン!!』しちゃうからね。」
は、はい。善処します。という訳で、最近またゾイドなるものに嵌まりだしてしまって、書きたい衝動に駆られて今執筆しているものがあります。シリーズとしてはあげないかもしれないし、あげるかもしれないです。まぁ、ここ読みに来てる方は投稿時間以外は関係のない話だとは思いますが。
では、ちょっと最後関係ない話が混じってしまいましたが、終わりにします!!それでは、次回もお楽しみに!!
「またね!! バイバ~イ!!」
遊矢&霊夢「「お楽しみは、これからだ(これからよ)!!」」