遊戯王ARC-V -エンタメデュエリストと紅白の巫女-   作:坂本コウヤ

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どうも!! 最近やっとTFSPを購入しました、坂本 コウヤです!!

「ヤッホー!! 皆大好き、フランちゃんだよ!! っ て、なんて恥ずかしい事言わせてんのよ!!」

ちょ、開幕早々怒らないでよ! ただでさえ本編が 長くなっちまってるんだからさ。

「こんな事言わせた作者さんが悪いんでしょ!! 今度ふざけたら『キュッとして、ドカーン!!』するからね。」

…はい。気をつけます。

「分かればよろしい。で、前書きに戻るんだけど、今回は前回の続き、つまり『ペンデュラムのお兄ちゃんVS衣玖』のデュエルの後篇なんだけど、実はさっき作者さんが言ってた通り、今回本編がものすごく長くなっちゃってるんだ。因みに、どれくらい長くなってるの?」

えーっと、文字数で言うといつもの倍。

「倍?! 何でそんな長くなってるの?」

エー、簡単に言うと、『心理フェイズ』の長さを見誤ってせいで、結果的にこうなった。あとはおそらくgdgd描写&超展開のせい。しかもそんだけ長くなっちゃったせいで、途中から若干力尽きた感が出てるかも。ホントすみません。

「んー、という訳だから、よろしくね。作者さんも、今回は『ペンデュラムのその先』のきっかけの話だからって、結構頑張ってたみたいだから、容赦してね。それじゃあ、今日も――」

ゆっくりしていってね!!
「ゆっくりしていってね!!」


第20話:ペンデュラムのその先へ! 秘術の瞳、開眼!!

幻想郷の一画にそびえ立つ、紅き館――紅魔館。

 

その地下にある『ヴワル魔法図書館』にて、パチュリー・ノーレッジはいつものように、研究の合間に気分転換で読書をしていた。彼女は現在、最近自分の手元に増えた、ドラゴン族の融合モンスター、それも、彼女のデッキのエースである、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』によく似たドラゴンのカードについての研究と、自分の手元にもう一つ増えた新たな力、『セフィラ』についての研究を行っている。

 

 

前者については、未だにそのモンスターの効果、素材、そして名前すらが不明のままで使用不能となっており、いずれにしても、このままでは使い物にならない状態である。せめて素材だけでも分かれば、その召喚が可能になるのだが、それすらも把握できない状況だ。この前紫に持ちかけられた、『デュエルアカデミア』と呼ばれる場所への時空移動も、このモンスターを何とか出来るいい機会かもしれないと思い、引き受けたのだが、直前でレミリア達が、魔理沙の移動した『ハートランドシティ』と呼ばれる場所への移動を決定したせいで、パチュリーは残らざるを得なくなってしまったのだ。

 

パチュリーとしても、紅魔館から責任者に当たるものが全員いなくなるのはまずいと思ってはいる。しかし、謎のカードをそのまま放置し続けるのは、研究者としての彼女にとっては、耐えがたいものではあった。

 

 

しかし、この場所が彼女にとっての家であることもまた事実。よって彼女は、今できる範囲で、そのカードについては研究をしている。

 

 

 

そしてもう一つ、『セフィラ』のカードについてだが、こちらについてはもうある程度調査済みである。

 

 

まず、『セフィラ』と呼ばれるカード達が、『神星樹』と呼ばれる聖なる木の力を、特定のカテゴリのモンスター達が得た結果、生まれたモンスター達だという事。

 

そしてそのカテゴリ達は、霧雨魔理沙の持つ『テラナイト』、永江衣玖の持つ『竜星』、上白沢慧音の持つ『影霊衣(ネクロス)』、茨木華扇の持つ『霊獣』、そしてパチュリー自身が持つ『シャドール』の五つのカテゴリだという事。

 

さらにこの力は、『ある闇の力』に対抗するために生まれた力でもあるということ、である。

 

 

これらから推測するに、この力が突如として、自分達の手元に現れたのは、その『ある闇の力』が出現したことによるものだという事になる。だとすれば、また幻想郷において、新たな戦いの幕が開ける可能性があるという事。今『博麗の巫女』である博麗霊夢と、『セフィラ』の使い手であるものたちが何名か不在のこの状況の中、果たしてその戦乱を突破することができるのだろうか。

 

 

 

そんな事を、気分転換の読書中も考えていたパチュリーは、さすがに疲れてきていると思い、仮眠をとることにした。本来なら眠ることも彼女にとっては必要ないのだが、ここ最近人間臭い生活スタイルをとっているせいか、眠るという事をしないと疲れが取れなくなってきているのだ。これもまぁ、先程の『デュエルアカデミア』への移動を考え、人間らしい生活スタイルを身につけるという訓練を行ったせいだろうとパチュリーは考えていた。しかしまぁ、今更前の生活に戻るのかといわれると、ちょっと「?」がつく。

 

確かに、研究の時間自体は大幅に削られたものの、色々と休憩をはさむ事によって集中力がより増すようになり、さらに毎日の体調自体もある程度良くなってきたのだ。さすがに持病の喘息が完治したわけではないが、ある程度マシなレベルになってきている、と言った方がいいだろう。これは、パチュリーにとっては良い誤算であった。おかげで、毎日がすこぶる調子がよく、ちょっとやそっとの大型魔法を唱えたぐらいで倒れることも無くなり、魔理沙達と同じ、『アクションデュエル』をより楽しむことができるようになった。ただ体力は相変わらずないため、移動は飛行によるものではあるが。

 

とにかく、パチュリーにとっても、ここ2週間程度の訓練はマイナスばかりではなく、むしろプラスの事も多いものであった。よってパチュリーは、今でもこの生活スタイルをとることにしている。魔女らしい生活からはかけ離れてはいるものの、大好きな魔理沙と同じ生活ができるようになったという思いが、彼女のこの思いをよりいっそう強くしていた。

 

 

パチュリーは自分の部屋へ行き、昔は喘息で倒れた時にしか使っていなかっベッドに横になり、しばしの休息を取ろうとした。その時――

 

 

――ギャオォォォォォォン――

 

 

「ッ?!」

 

 

突然、パチュリーの頭の中に、ドラゴンの声が響いた。その声を聞き、彼女は急いで、頭元においてあったデュエルディスクから、一枚のカードを取り出した。それは、彼女の現在のエースであり、彼女が遊戯王、特に『ペンデュラムカード』と呼ばれるカード群を研究するきっかけとなったモンスター、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』のカードであった。

 

 

 

「オッドアイズ…。いったい、何が――、ッ?!」

 

 

彼女が不思議に思って、そのカードを眺めていると、突然カードが光り出し、パチュリーと共に、その姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

◇≡

 

 

ペンデュラム召喚――

 

 

それは、俺がこの世界に、初めて生み出した召喚法――

 

 

そして、俺だけに与えられた、俺だけの特別な力――

 

一時は、沢渡に奪われたりもして、アイツも使ったりはしてたけど、それでも、この召喚に必要な『ペンデュラムカード』は、俺しか持っていない。つまり実質的に、俺だけの力って事になる。

 

 

きっとこれは、神様が俺にくれた、俺だけの力なんだって、そう思ってた――、この時までは。

 

 

 

 

 

「その目で確かめなさい。あなたはまだ、本当の『竜星』の輝きを目にしていません! それをお見せしましょう!! 『神託』の力により、新たな輝きを得た『竜星』達の姿を!! 私は、スケール1の『宝竜星―セフィラフウシ』と、スケール7の『秘竜星―セフィラシウゴ』で、ペンデュラムスケールをセッティング!! これで、レベル2から6までのモンスターが、同時に召喚可能!! 竜より生まれし9つの魂よ!! 神託の翼の祈りに応え、今ここに顕現せよ!! ペンデュラム召喚!! 光り輝け、我が僕の星達よ!! レベル3、『地竜星―ヘイカン』!! そしてレベル5、『魔竜星―トウテツ』!!」

 

 

目の前で、俺とデュエルを繰り広げていた女性、永江衣玖。

 

その彼女が、俺の前でペンデュラム召喚を披露して見せた時、俺の信じていたものは、あっけなく崩壊したのだった。

 

 

 

 

 

◇≡

 

 

 

 

永江衣玖

LP 1500

デッキ枚数 25枚

手札 無し

 

輝竜星―ショウフク

地竜星―ヘイカン

魔竜星―トウテツ

 

竜星の具象化(×2)

補給部隊

 

 

Pゾーン

 

宝竜星―セフィラフウシ(スケール1)

秘竜星―セフィラシウゴ(スケール7)

 

 

伏せ 無し

 

 

 

榊遊矢

LP 1800

デッキ枚数 31枚

手札 無し

 

EM(エンタメイト) アメンボート

 

 

Pゾーン 無し

 

伏せ 2枚

 

 

 

「何、あのペンデュラムモンスターは?!」

 

 

遊矢と衣玖とのデュエル中に、衣玖が突如として出してきた、2体の竜星ペンデュラムモンスターをみて、私は驚いていた。なぜなら以前、衣玖はあんなカードなど持ってはいなかったし、そもそも竜星にペンデュラムモンスターがいること自体、たった今知ったのだから。

 

そんな私の驚愕に、早苗と柚子も同意していた。

 

 

「あんなの私、初めて見ましたよ。」

 

「嘘、どうしてあの人もペンデュラムカードを?」

 

 

柚子のいう事は最もだ。そもそも、衣玖はどこでどうやってあのカードを手に入れたのか。私の知る限り、ペンデュラムカードのあるカテゴリは、パチュリーや遊矢の持つ『EM』と、紫が以前発見し、私が封印した闇の力のペンデュラム、『クリフォート』位しかないはず。なら、あのモンスターはいったい――

 

 

「教えてあげようか。何で衣玖がペンデュラムモンスターを持ってるのか。」

 

 

私達が目の前の疑問に頭を悩ませていると、横から天子が、若干ドヤ顔でそう言ってきた。何かドヤ顔がウザいけど、今はコイツに聞くのがいいかもね。

 

 

「知ってんの、天子。」

 

「当然でしょ。ずっと一緒にいるんだから。」

 

「なら、教えて下さい! どうして衣玖さんがペンデュラムモンスターを持っているのか。」

 

「あれはね、竜星のモンスターであると同時に、『セフィラ』と呼ばれる、特別な力を受けたモンスターたちなのよ。」

 

「『セフィラ』?」

 

「えぇ。以前あの紫もやしの引きこもりに聞いたんだけど、何でも『セフィラ』って言うのは、『ある闇の力』とかいうヤツらに対抗するために、『神星樹』っていうヤツの神託を受けて生まれたモンスター達らしいのよね。」

 

 

まぁ、ちょっと難しかったから私もだいぶ端折ってるけどね、と言って、天子は説明を終えた。

 

紫もやしってことは、パチュリーから説明を受けたのね。確かに、あの子結構回りくどい説明をしたりするときあるから、アイツのバカ脳じゃ処理しきれないのも無理ないわね。それにしても『ある闇の力』に、『神星樹』。どっちも聞いたことない言葉ね。少なくとも今わかったのが、あのモンスターが、その『ある闇の力』って言うのに属するヤツらを倒すために、『神星樹』って言うのが神のお告げを特定のモンスター達に与えた結果生まれたモンスター達だという事。

 

そして、パチュリーがそれだけ研究しているという事は、おそらくパチュリーもそのカードを持っている。という事は、カテゴリ単位で複数に跨って、その『セフィラ』と呼ばれるモンスター達は存在している事になる。という事は、このモンスター達はその力の一端ってことね。

 

 

あぁそうそう。余談になるけど、『神託』って言うのは『神のお告げ』って意味があって、私達みたいな巫女とかにたまに与えられたりするものなの。私はあんまそういうのないけど、早苗とかだと経験あるのかしら。まぁ、アイツは人の身でありながら神だから、そういうのは無いのかもしれないけど。

 

 

「神託、ですか。という事は、あのモンスター達には、神の力が宿っていると。確かに、微弱ですが神力を感じます。」

 

「えっ、早苗そういうの分かるの?」

 

「はい。実は私も、本当は巫女なんですよ。今はラフな格好してますけど。」

 

「そ、そうなんだ。」

 

 

うんやっぱり微妙な顔されてるわね、アイツ。因みに服は、昨日の夜帰って来てから速攻で洗って早苗が自分で乾かしてた為、夜に私の予備の巫女服を貸すだけで何とか事足りた。今日の分は、今こここんな事になってるけど、裏でリーズ達がせっせと寝泊り用の準備をしてくれてるんだとか。

 

 

まぁそれはどうでもいいとして、取りあえず一つ目の問題は解決したわね。でも、もう一つ問題が残ってる。それは――

 

 

 

「そんな・・・。何で…。どうして…。ペンデュラムは、俺だけの…、俺だけが持ってる…、力じゃ……。」

 

 

 

――衣玖のペンデュラム召喚を見てから、ずっとあんな調子でいる遊矢だ。確かに、自分だけの力だと思っていたものが、突然目の前で否定されたら、そりゃあぁもなるわよ。でも、今はデュエル中。それをずっと気にしていられるほど、衣玖は甘い相手じゃない。

 

 

 

「いきますよ! 私はここで、『輝竜星―ショウフク』の効果を発動!! 1ターンに1度、自分のフィールド上のカード1枚と、自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を選択して発動できます! フィールド上で選択したカードを破壊し、墓地で選択したモンスターを特殊召喚します!! 私は『魔竜星―トウテツ』を選択して破壊し、墓地から『水竜星―ビシキ』を、守備表示で特殊召喚します!!」

 

 

水竜星―ビシキ

☆2

水属性,幻竜族/効果

DEF 2000

 

 

「さらに、破壊された『魔竜星―トウテツ』と、『竜星の具象化』の効果を1枚だけ発動!! 具象化の効果により、デッキから『地竜星―ヘイカン』を攻撃表示で、そしてトウテツの効果で、デッキから『闇竜星―ジョクト』を守備表示で特殊召喚します!!」

 

 

地竜星―ヘイカン

☆3

地属性,幻竜族/効果

ATK 1600

 

 

闇竜星―ジョクト

☆2

闇属性,幻竜族/チューナー/効果

DEF 2000

 

 

「さぁ、もう一度お見せしましょう! 私は、レベル3の『地竜星―ヘイカン』、レベル2の『水竜星―ビシキ』に、レベル2の『闇竜星―ジョクト』をチューニング!! シンクロ召喚!! 再び現れなさい!! レベル7、『邪竜星―ガイザー』!!」

 

 

邪竜星―ガイザー

☆7

闇属性,幻竜族/シンクロ/効果

ATK 2600

 

 

 

「またあのモンスターが。」

 

「相変わらず、物量に任せて押してくるわね。しかもあいつ、ヘイカンとビシキを素材にしたせいで、罠の効かない戦闘破壊耐性持ちのめんどくさいヤツになってる。」

 

 

再び現れたガイザーを見て、柚子が顔に浮かべていた不安の色をよりいっそう濃くしていた。遊矢程ではないにせよ、衣玖がペンデュラム召喚したことについて、少なからずショックを受けているのは確かだろう。

 

だけど実際、そういう表情になっても仕方ないほど、今のデュエルの状況はやばい状況だった。事実、今出てきたガイザーの状態を簡潔に説明すると、『遊矢の切り札である「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」を上回る攻撃力を持ち、且つそいつが罠の効かない戦闘破壊耐性持ちの、相手の効果の対象にならないリクルーター』である。これを聞いただけでも、いかに今のこいつがめんどくさいモンスターであるかがわかると思う。それを、あんな状態の遊矢がどうにかできるとは考えがたい。よしんばどうにか出来ても、そこから後に繋げられるかどうか。

 

 

「『邪竜星―ガイザー』のモンスター効果発動!! 先程も使ったので説明は省きます! 私の場に残っているヘイカンと、あなたの場の伏せカード1枚を破壊します!『荒牙流星弾(こうがりゅうせいだん)』!!」

 

 

先程もオッドアイズを破壊するのに使ったガイザーの効果を使い、衣玖は自分のフィールドにいたヘイカンを、ガイザーにドッジボールの球よろしく遊矢の伏せカードに向かって投げつけた。すると、伏せカードにあたった途端ヘイカンが爆発し、伏せカードもろともその身を散らせた。その破壊されたカードを見ながら、遊矢は弱々しく口を開いた。

 

 

「あっ、『ドロー・マッスル』が…。」

 

 

『ドロー・マッスル』。ってことは、あの伏せカードは蘇生系のカードみたいね。アメンボートで2回攻撃を防ぎ、その後墓地のスパイク・イーグルを蘇生させることで、『ドロー・マッスル』による戦闘破壊耐性をつけつつ、手札を補充するつもりだったのね。でもこれで、その望みが絶えてしまった。ただ、あのカードが蘇生系だと思うから、たぶんこのターンはしのげるだろうけど。

 

 

「なるほど。そのカードでこの状況を耐え凌ごうとしたのでしょうが、目論みもこれで崩れましたね。さて、もう先程から何度も発動させているので説明は省きますが、破壊されたヘイカンと残った具象化の効果、そして『補給部隊』の効果を発動します。まずは『補給部隊』の効果で、デッキからカードを1枚ドローし、そしてヘイカンと具象化の効果で、デッキに残った最後の『水竜星―ビシキ』と、2体目の『魔竜星―トウテツ』をそれぞれ特殊召喚します!」

 

 

永江衣玖

手札 0→1枚

 

 

水竜星―ビシキ

☆2

水属性,幻竜族/効果

DEF 2000

 

魔竜星―トウテツ

☆5

闇属性,幻竜族/効果

ATK 2200

 

 

 

「ここでトウテツ、という事は、これはもう数と火力で、圧倒する感じですかね。」

 

「でしょうね。ビシキの代わりにジョクトを出して、もう1体ガイザーを作ってもいいんでしょうけど、元々殴れる回数は変わらないし、それにガイザーの効果はもう使っちゃったから、あの伏せカードやアメンボートをもう一度効果で壊そうとすることはできない。となると、火力を増やした方が楽でしょうからね。仮にトドメは出来なくても、あの数で攻撃されたら、フィールドには何も残らないでしょうから。」

 

 

おそらくいや、このターンで衣玖は絶対に決めたいんだと思う。だからこそ、遊矢のライフを確実に削りきるために、あの布陣にしたんでしょう。遊矢のフィールドに、1枚もカードを残さないようにするために。

 

 

「遊矢…。」

 

 

私達の会話を聞いていたからでしょうけど、柚子が遊矢の名前を、消え入りそうな声で呟いているのが、微かに聞こえた。ここまでされたら、幾ら幼馴染のあの子でも、この勝負で遊矢にほぼ勝ち目がない事も、分かり始めているのかもしれない。でも、それでもきっと、認めたくないんでしょうね。私だって、まだアイツが負けるって完全に諦めてるわけじゃないし、諦めたくもない。でも、何となくだけど、今回ばかりはどうしようもない気もする。衣玖がペンデュラム召喚をした時点で、遊矢の戦意はほとんど削り取られてる。さっきも言ったけど、あんな状態じゃ例えデュエルを続行できたとしても、まともなプレイングが出来るとは思えない。何とかして、アイツの戦意をほんの少しでも回復させてやれれば。

 

 

そんな風に遊矢の事を考えていると、急に衣玖が、また遊矢に何かを語り始めた。

 

 

「…もう、戦う気力を無くしましたか。あっけないものですね。あなたのデュエルにかけていた思いは、その程度のものなんですか。」

 

「違う!! 遊矢は――」

 

「あなたには聞いてませんよ、柊柚子さん。これは彼の問題です。友達であろうと、踏み入る事は許されません。」

 

「…。」

 

「さぁ、どうなんですか。」

 

「……。」

 

「沈黙は肯定の意、ととってもよろしいですか?」

 

「ッ?! …違う、…俺は――」

 

 

弱々しくも何かを言い返そうとする遊矢。でもその言葉を、衣玖は真っ向から否定した。

 

 

 

「違いませんね。何故なら、本当に違うというのなら、あなたのように卑屈になるのではなく、もう少し建設的な考えができていて、先程までの自分の考えが、奢りであったという事を素直に認められるはずです。今のあなたは、現実から逃げている。逃げたがっている。ペンデュラムは自分だけの力だという、そんな幻想の中に閉じこもって、現実をまるで直視しようとはしていない!」

 

「…俺が、俺の思いが、奢りだって?」

 

「そうです。あなたは、誰一人として持っていなかった『ペンデュラム召喚』という召喚法を生み出した。ですが、あなたはその召喚法を『初めて生み出した』だけにすぎません。それがいったい何時、あなただけの力だと決まったんですか?」

 

「そ、それは…。」

 

「その時点で、あなたが奢っていた確たる証明になるんですよ。あなたは、自分が新しく作り出した、だからこそ自分だけの力だと勝手に決め付け、挙句他にペンデュラム召喚を行えるものが出たら、それを信じたくない、認めたくないからその現実から目を逸らそうとしている。これを逃げと言わず、何というんですか!」

 

「っ!? うるさい!! 逃げたってしょうがないだろう?! だって、今まで自分だけが使えると思っていた召喚法を、他の人が使ってるのを見て、何とも思わないヤツがいるわけないだろう!!」

 

 

遊矢はそういうと、普段頭に付けているゴーグルをかけ、目元を皆から見えないようにした。自分が泣いているという所を、見られたくないかのように。

 

 

だけどその動作を見た瞬間、私の身体は、反射的に動いてしまった。デュエル中はなるべく、プレイの妨害になるからと思って割り込むのは止めてたけど、私の中で、瞬間的に沸き起こった感情が、私の身体を遊矢のもとへと突き動かしていた。衣玖が何か口開いて何か言おうとしたのが見えたけど、構うもんですか。

 

 

「遊矢!!」

 

 

私は、アイツの目の前で名前を呼び、一瞬呆けた瞬間をねらってアイツのゴーグルを引っぺがし――

 

 

 

 

 

――バシーンッ――

 

 

 

 

 

――右手で容赦なく、アイツの頬を引っ叩いた。

 

 

 

「うわっ!!」

 

「遊矢!?」

 

 

 

平手を撃たれた遊矢は、昼間の時の柚子と同じように、地面に倒れ込んだ。その様子を見て、柚子が驚いていた。て言うか、アンタ昼にくらったのに何驚いてんのよ。

 

でもすぐにこちらを睨めつけて、文句を言おうとしていた。

 

 

「っ、霊夢!! いきなり何す――」

 

「バカッ!!」

 

「ッ?!」

 

 

だけど私は、遊矢の睨めつけや文句を全く意に介さず、アイツの胸倉を掴んで間近で怒鳴りつけた。

 

 

「このバカ遊矢!! 今アンタがやるべきことは、そんな風にウジウジする事じゃないでしょう?! ちゃんと今を見て、前を向きなさいよ!! こんなゴーグルなんか付けてないで!!」

 

「っ、お前に、霊夢に何が分かるんだよ!! 今の俺の気持ちの、何が!!」

 

「分かんない!! 分かんないわよ!! 私は、アンタじゃないから! だけど、察してやることぐらいは出来るわよ!! アンタが、『ペンデュラムは自分だけのものだ』って、思ってたって言うのは分かったわ。それを目の前で衣玖に否定されて、無茶苦茶ショックなのも、見てて察することぐらいは出来る! だけど、それで今のこの状況が変わるの? 変わらないでしょう?! だったら――」

 

「だったら前を見て、現実を受け入れろってか?! そんな事、簡単にできるわけないだろう!! 今までずっと、自分だけの力だと思っていたものが、急にそれは違うって否定されて、それを簡単に受け入れられるほど、俺は強くないよ!!」

 

 

そういう遊矢の目には、涙がたまっていた。私はアイツに怒鳴りながらも、柚子の時とは違って、遊矢の気持ちを慮ろうとしていた。だけど、私の思っていた以上に、衣玖のペンデュラム召喚は遊矢の心には相当響いていたようだ。

 

それに、確かに遊矢の言い分もわかる。アイツ自身、どこか心が弱い面があるってことも、ここ2、3日一緒にいただけでもよく分かった。だから、遊矢がそう簡単にこの状況を受け入れられないとも思った。だけど、コイツは一つだけ、勘違いしてる。

 

 

「強くないのは、私達だって同じよ! 受け入れたくないって思ったのは、アンタだけじゃないわ!! 私や柚子、それに早苗は少なくとも、この状況を最初は受け入れられなかった!! でも現実に起こっている以上、そこから背を向けても、あなたの求めるものは何もないわ!!」

 

「っ、俺の、求めるもの…?」

 

「そうよ。あなたがデュエルの中で、何か求めてきたものはあるでしょう? それは決して、認めたくない現実から目を背けて、見つけられるものではないわ!」

 

 

私はそこまで言い切って、一旦口を閉じた。ほんの少しだけでも、遊矢に私の言った事を考えさせたかったから。このままデュエルを続けるより、こういう事を今させた方が、きっと、今後のためにもいいと思う。

 

遊矢は、しばらく無言のまま涙をこらえて、私から視線をそらしていたけど、すぐにこちらに視線を戻してくれた。私は掴んでいた胸倉を離し、遊矢の両肩に手を当てて優しく問いかけた。

 

 

 

 

「…あなたの、求めるものは何?」

 

 

 

「…俺は、俺はデュエルで、皆を笑顔にしたい。父さんみたいに、エンタメデュエルで、皆を。」

 

 

 

 

 

 

そう答える遊矢の声は、まだほんの少し弱々しかったけど、だけど、明確に自分の思いを伝えたいという気持ちが、確かにこもっていた。それを聞き、私はアイツを優しく抱きしめ、背中をさすってやった。

 

 

 

「なら、ちゃんと前を向きなさい。皆を笑顔にしたい、楽しませたいって言うなら、あなた自身がちゃんと、前を向かなきゃ、ね?」

 

「…うん。」

 

「それと。」

 

「?」

 

「『泣きたいときは笑え』、でしょ?」

 

「…あぁ。ありがとう。おかげで少しだけ、目が覚めたよ。」

 

「そう。ったく、アンタにしても柚子にしても、世話が焼けるんだから。特にアンタは。」

 

「はは、ごめん。」

 

 

そうやって、まるで長年連れ添ってきたような会話を、周りを気にせず話していると、突然せき込むような声が聞こえた。

 

 

「あぁ、んんーー!! 霊夢さん、そろそろ元の場所に戻って頂けませんか? さすがに空気の読める私でも、時間には逆らえませんので。」

 

 

「えっ? あぁごめん、衣玖! つい勢いで。」

 

 

 

声のした方を振り向くと、遊矢のデュエル相手である衣玖が、真顔でこちらを見ていた。さらにちょっと視線を動かすと、何やら小声でフランと早苗が会話をしていた。あと、何か知らないけど柚子が顔を真っ赤にしてハリセンを握っており、そのハリセンの下には、天子が幸せそうな表情でのびていた。まぁ、ギャラリーがどうしてそんな状況になってるのかはこの際どうでもいいわ。

 

 

私は急いで遊矢から離れ、衣玖に謝った。

 

 

「全く、気をつけて下さいね。まぁあなたが動いてくれたおかげで、こちらから言う事は無くなってしまったんですが、結果的に良かったかもしれませんね。うまい具合に立ち直ってくれたみたいなので。」

 

「…そうね。遊矢、後はもう、大丈夫よね。」

 

「霊夢…。あぁ、俺はもう、大丈夫だ。」

 

「そう。じゃあ、後は頑張りなさいよ。」

 

「あぁ!」

 

 

その返事を聞いたのを最後に、私は急いで、元いた場所に戻った。全く、公式戦だったらこれ妨害行為よね。今度から気を付けないと。

 

 

で、戻ったのは良かったんだけど、隣にいた早苗が、耳元でとんでもない事を聞いてきた。

 

 

 

「霊夢さん。」

 

「ん、何、早苗?」

 

「霊夢さんってもしかして、遊矢君の事好きn――」

 

 

その言葉の最後を聞かずに、私は早苗に、容赦のないかかと落としをくらわした。全く、なんて事言いだすのよ。私が遊矢を好きですって? いやいや、ない。絶対ない! だってまだ、出会って高々2日か3日よ。そんな短期間で、アイツの事が好きになるわけ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――好きに、なるわけ、ない、わよね? そうよね?

 

 

 

でも、何だろう、この気持ち。好きじゃないって否定しようとした途端、急に胸が締め付けられるような気がした、この気持ちは。そう言えば、昼間も何か、こんな感じの気持ちを感じたわね、いったい、何なの? この、もやもやした気持ちは。

 

 

 

 

 

 

◇≡

 

 

 

いったった~。全くもう、霊夢さん、相変わらず容赦なさすぎです。頭かち割れるかと思いましたよ。

 

 

私が霊夢さんに、遊矢君の事が好きなんじゃないかなぁと思って聞いてみたら、最後まで言い切る前にしばかれましたね。でも、その後ほんの少しだけ怒ったふうに息を漏らした後、一瞬顔が曇りましたね。という事は、心のどこかで『好き』という気持ちはあるけれど、その気持ちを『好き』と認識出来ていないのかもしれませんね。恋愛経験がないと、この辺りはちょっと分かりにくいんですけど。えっ、私ですか? それは、私だって乙女ですから、小さい頃に好きだって思った男の子とかぐらいは、普通にいましたよ。

 

にしても、この短期間で霊夢さんを落とすとは。遊矢君、いったいどんな言葉をかけたんですかね? ちょっと気になります、個人的な興味として。

 

 

 

まぁそれはさておき、その肝心の遊矢君ですよね。霊夢さんのおかげである程度立ち直ってますけど、この状況を乗り切る事は出来るんでしょうか。

 

 

「待たせたな、ごめん。」

 

「いえいえ。持ち直してくれたのなら、それでいいんですよ。さっきまでの状態のあなたを倒した所で、意味なんてありませんから。では、ターンを進めましょうか。時間もギリギリなので。バトル! まずはトウテツで、『EM アメンボート』を攻撃!!」

 

「アメンボートのモンスター効果、発動! このカードを守備表示に変更する事で、モンスターの攻撃を無効にする!!」

 

 

EM アメンボート

ATK 500→DEF 1600

 

 

 

よし、まずは一撃凌ぎましたね。これ後一撃は耐えられますが、残りの二体を『ドロー・マッスル』抜きで凌ぐとなると、どうするんでしょうか。

 

 

「ですがその効果は、攻撃表示でなければ発動できない。2度目はありません! ガイザーでアメンボートを攻撃!!『啀眦滅波(がいさいめっぱ)』!!」

 

「くっ、アメンボート。だけどこの瞬間、俺は罠カード『EMリバイバル』を発動する!! このカードは、自分フィールド上のモンスターが戦闘、または効果で破壊された時、手札、または墓地からEMを1体特殊召喚出来る!! 戻って来い、スパイク・イーグル!!」

 

 

EM スパイク・イーグル

☆2

風属性,鳥獣族/効果

DEF 900

 

 

蘇生罠で戻してきましたか。アメンボートの方が良かったのかもしれませんが、これで取りあえず、このターンは凌げますね。

 

 

「戻してきましたか。ですが、場にモンスターは残させません! いきなさい、『輝竜星―ショウフク』!! スパイク・イーグルを攻撃!! 『蚣蝮雷轟(こうふくらいごう)』!!」

 

羽を閉じて防御の体制をとっているスパイク・イーグル目掛けて、トドメとばかりにショウフクが口から雷球をとばして破壊しました。

 

ですがまぁ、これでこのターンは凌ぎ切りましたね。ですが代わりに、場が完全にがら空きになっていて、手札も1枚もないとは。あの流れでこれを言うのも何ですけど、もう勝負あったと言った感じじゃないんですか? だって今の遊矢君には、って、あれ? 今ちょっと、遊矢君が笑っていた気が――

 

 

「気が付いたかしら、遊矢の表情に。」

 

 

――遊矢君が笑っているように見えたその時、隣にいた霊夢さんが、先程私にかかと落としをした時とは打って変わって、笑顔でそう聞いてきました。

 

 

「え、えぇ。でも、あんなに追い詰められているのに。まさか、諦めてないんでしょうか。」

 

「でしょうね。ここで逆転してこそ、とか考えてるんだと思うわ。」

 

「ですが、遊矢君のデッキに、そんなカードありましたっけ?」

 

「さぁね。でも、アイツなら、何か出来そうな気がするのよ。昼間の刀堂戦の時みたいな、とんでもない逆転劇をね。」

 

 

霊夢さんは優しく微笑み、遊矢君の方を見ながら、そう言っていました。その言葉はきっと、本心から出ているものなんだろうなと、直感的に思いました。やっぱり、霊夢さんは遊矢君の事が――、おっと、これ以上考えるとまたしばかれそうな気がするので、止めておきます。

 

 

さぁ、もう衣玖さんに出来ることはほとんどありませんから、次の遊矢君のターン、彼がどんな行動をするかによって、このデュエルの勝者は決まると思います。願わくば逆転してほしいところですが、どうなりますかね。

 

 

 

 

◇≡

 

 

ふぅ、何とか上手く繋がったかな。ホント、アレ以上モンスターを増やされなくて助かったよ。もし今以上にモンスターがいた場合、絶対に捌ききれなかったからな。

 

 

「凌ぎ切りましたか。その状況になっていたら、普通なら諦める所ですが。」

 

 

今目の前で相対している相手、衣玖が俺にそう言ってきた。まぁ確かに、手札が0で場もあれじゃ、さすがに諦めそうになるけど――

 

 

「普通の事してちゃ、盛り上がらないだろ? それに諦めなければきっと、希望は見つかるからさ。」

 

「希望、ですか。」

 

「そうだ。ここで普通に諦めたら、それこそエンターテイナー失格だ。あの場はまだ、希望が持てたしな。」

 

「ですがこの状況、明らかにどう見ても、絶望的としか言いようがありませんが。」

 

「…確かに、この状況は絶望的だ。諦めなくても、希望なんて無いのかもしれない。だけどそれでも、俺は絶対に諦めたくない! 今この場で、応援してくれている霊夢達のためにも、絶対に諦めるわけにはいかない!!」

 

 

俺はそう強く言いきり、さっき落ち込んでいた時とは違って、力強く衣玖を見据えた。衣玖は俺のその眼に、ほんの少しだけ驚いていたが、すぐに微笑を浮かべて、こんな事を言い始めた。

 

 

「フッ、さすがはペンデュラムの創始者、というべきなのでしょうか。その力強い瞳、霊夢さんが惹かれてしまうのも、何となくわかりますね。」

 

「えっ? それってどういう――」

 

「その応えは、今から私の言う事と合わせて、あなたが自分で見つける必要がありますね。もっとも、今から私が言う事は、あなただけでは厳しい可能性もありますが。」

 

 

衣玖はそう言って、自分の場にいる2体のペンデュラムモンスターをそれぞれ見た。急に霊夢の名前が出てきたから何かと思ったら、今度はペンデュラムモンスターに目を向けて。いったい、何の話をするつもりなんだろう。

 

 

 

「…あなたは、『今のペンデュラム召喚』が、この召喚法の完成形だと思いますか?」

 

「今の、ペンデュラム召喚が?」

 

「私は、そうは思いません。なぜなら、このペンデュラム召喚というものは、無限の可能性を秘めているからです。手札やエクストラデッキから、大量のモンスターを呼び出すことができるという事は、それだけ場のモンスター達を用いて、様々な召喚法に繋げられるという事ですから。例えばアドバンス召喚のリリースをペンデュラム召喚で確保したり、シンクロやエクシーズに必要な素材もまた、ペンデュラム召喚で確保することができます。そして手札に『融合』があれば、エクストラデッキに表側表示でおかれたペンデュラムモンスター達をペンデュラム召喚する事で、そのモンスター達を融合の素材にする事もまた可能です。」

 

 

衣玖の言う、ペンデュラムの可能性。それは確かに、このペンデュラム召喚というものがなければ、専用の構築をしない限り、とても手間のかかるものが多い。

 

例えばアドバンス召喚は、場に素材の数がそろってても、通常召喚権を使っていたらそのターンには出せない。シンクロ召喚でも、霊夢や刀堂が素材をあれだけ簡単に場に揃えることができていたのは、モンスター達の効果を使って、特殊召喚をしていたからだ。もし、その場でその効果を発動出来なかったり、その特殊召喚を妨害されていたら、それは出来なかった事だと思う。志島がやっていた(霊夢もやっていた)エクシーズ召喚だってそうだ。あの盤面が整えられたのも、モンスター同士のシナジーによるところが多い。それを阻害されたら、幾ら霊夢達でもどうしようもないだろう。

 

また、光津や素良が使っていた融合召喚についても、『融合』というカードが必要なのは勿論だが、素材となるモンスターは基本的にフィールドか手札にいないといけないみたいだから、つまりこれも、手札が『融合』以外にないと、これもどうしようも出来なくなる。それらの素材をペンデュラム召喚を用いて揃えれば、簡単に出来るんじゃないかって事を、衣玖は言ってるんだろう。

 

 

「つまり、ペンデュラム召喚を使った融合、シンクロ、エクシーズ召喚とかが、まだ先にあるってことか。」

 

「その通りです。私はそれを、『ペンデュラムのその先』、と総称していますが。」

 

「ペンデュラムの、その先…。」

 

「あなたならば、必ずその全ての境地に辿り着くことが可能だと、私は考えます。私のデッキと比べて、あなたのデッキはまだ幾らでも、進化の余地を残しているはずですから。」

 

 

 

笑顔を浮かべたまま、衣玖は俺にそう言った。その表情は、さっきまで俺を追い詰めていた人と同一人物だと思えないほどに、穏やかな表情だった。

 

そして、衣玖の言う進化の余地っていうのはたぶん、俺のデッキがまだ、融合、シンクロ、エクシーズのどれかに特化したりしてなくて、さらにそれらのどの召喚法も、俺が身につけていない事を言っているのだろう。だからこそ、それらを身につければ、より俺のデッキは進化できると言いたいんだと思う。そしてその果てにこそ、『ペンデュラムのその先』があるんだとも。

 

 

(出来るのか、俺に。『ペンデュラムのその先』に、そこに到達する事が。)

 

 

ほんの少しだけ、迷いが生じる。正直、本当に俺に、融合やシンクロ、エクシーズを使いこなす事が出来るのかって不安もあるし、それが出来ても、『ペンデュラムのその先』に到達出来るかどうかは、また別の話だ。しかもそれらは、ペンデュラムを持っている俺達じゃないと見つけられない。実質、手探りで見つけていかないといけないものだ。それを俺は、果たして見つける事が出来るのか?

 

 

「「遊矢。」」

 

 

そんな風に不安になっていた俺に、幼馴染の声と、俺を泣きながらも叱ってくれた女の子の声が同時に聞こえた。二人とも、声が同時に出てしまったのがおかしかったからか、ちょっと苦笑いしてたけど。その後すぐ、霊夢の方が柚子に手で「先にどうぞ。」って身ぶりして、柚子が先に、俺に向かって口を開いた。

 

 

「遊矢、月並みな言い方かもしれないけど、遊矢ならきっと、ううん、絶対に出来るわ! 私や霊夢、皆もあなたが、『ペンデュラムのその先』を見つけるために、力を貸すわ! それに、遊矢なら出来るって、私、信じてるから!!」

 

「柚子。」

 

「そうよ、頑張りなさい遊矢!!あなたなら絶対に、『ペンデュラムのその先』へ行くことができるわ!! 何てったって、この私が手伝ってあげるんだから!! それに、幼馴染の女の子にこんな事言われて、やり遂げなかったら男失格よ!!」

 

「霊夢も。…ありがとう。俺、絶対に辿り着いて見せる!! 『ペンデュラムのその先』に!!」

 

 

いつも俺の傍で、ずっと一緒にいてくれた、少々お節介なところとかもあったり、時にはいきなりハリセンで叩いてくる事もあるけど、何だかんだいいながら、俺の事を気にしてくれる、幼馴染の柚子。

 

そして、最近になって、俺と一緒にいるようになった、クールなように見えて感情豊かで、(自意識過剰かもしれないけど)俺の事をよく気にしてくれる、不思議な雰囲気の少女、博麗霊夢。

 

 

そんな二人からの声援を受けてか、さっきまで少し迷っていた俺の心も、今は凄く澄んでいた。人の言葉とかが、時にその人の心を大きく動かすことがあるって聞いたことがあるけど、本当にそうなのかもしれない。

 

決意を新たに、三度衣玖と向き合う。すると衣玖は、黙ってこちらを微笑みながら見ていたのを止め、先程までの厳しい面持ちに表情を変化させた。

 

 

「では、無駄話はこれぐらいにして、デュエルを再開しましょうか。といっても、私にできる事はもうないので、カードを1枚伏せ、ターンエンドです。」

(今伏せたカ-ドは『竜星の凶暴化』。これならどんなに高火力のモンスターで来ようと、今の遊矢さんのデッキで勝てるモンスターはいません。この勝負、私の勝ちです!)

 

 

永江衣玖

LP 1500

デッキ枚数 20枚

手札 無し

 

輝竜星―ショウフク

邪竜星―ガイザー

水竜星―ビシキ

魔竜星―トウテツ

 

竜星の具象化(×2)

補給部隊

 

Pゾーン

 

宝竜星―セフィラフウシ(スケール1)

秘竜星―セフィラシウゴ(スケール7)

 

 

伏せ 1枚

 

 

 

衣玖は、さっき『補給部隊』の効果で引いていたカードを伏せてターンエンドした。あの伏せカードが何かは気になる。その上、相手の場には攻撃力が2000以上のモンスターが3体、そして1900のモンスターが1体。そして、そのどれかが破壊された場合、すぐにあの永続罠、『竜星の具象化』2枚と永続魔法、『補給部隊』の効果が発動し、さらに破壊したモンスター達も、後続を呼ぶことができる効果を持っている。この状況を打開するには、あのカードを引くしかない。引くしかないけど――

 

 

 

(肝心の、打点が足りないか。こんな時、衣玖の言っていた、『ペンデュラムのその先』って言うのが使えたら――)

 

 

『なら、私が手伝ってあげようかしら。』

 

 

「えっ?」

 

 

 

突然、俺の耳に聞き覚えのない、女の子の声が聞こえた。その途端、辺りの景色が変化し、俺がペンデュラム召喚を行う時に出現する巨大なペンデュラムと、あの不思議な模様が空と地面に浮かび、青色の光に包まれた不思議な空間になっていた。

 

 

「ここは、どこだ?」

 

『ここは、あなたの深層心理の世界。そして――』

 

 

まただ。また聞き覚えのない声が。くっ、いったい誰が――

 

 

そう思っていると、目の前に紫色の髪を伸ばして、その先をリボンでまとめた、ゆったりした服装の、神と同じ紫色の目をした少女が、俺の目の前に現れた。

 

 

 

「――私がオッドアイズに導かれ、呼びこまれた場所よ。」

 

 

 

 

◇≡

 

 

ふぅ、やっとこの深層心理の世界の持ち主(言い方としては間違ってないはず)と会話ができるわ。さっきまではこの場所、陰鬱で暗い場所だったのだけど、急にあの巨大なペンデュラムが光った途端、こんな景色になったのよね。

 

まぁそれはともかく、目の前の少年、榊遊矢は困ってるみたいだし、自己紹介ぐらいはしておきましょうか。

 

 

「初めまして。私はパチュリー・ノーレッジ。パチュリーでいいわ。あなたと同じ、『二色の眼の竜を操る者』よ。」

 

「あ、あぁ。ご丁寧にどうも。俺は榊遊矢。遊矢でいいよ。その、よろしく。」

 

「榊遊矢、ね。こちらこそよろしく。」

 

 

私達は互いに、軽く挨拶を交わし、握手をした榊遊矢については、前からオッドアイズの使い手のペンデュラム使い、それも、私と同じ『魔術師』のペンデュラムカードを使う少年という事で話は聞いていたけど、まだ結構幼い感じね。まぁ、そんな事はどうでもいいけど。

 

そんな榊遊矢が、私に当然聞いてくるであろう質問を投げかけてきた。

 

 

「そう言えば、さっきパチュリーは、オッドアイズに導かれてここに来たって言ってたよな。それって、どういう――」

 

「言葉どおりの意味よ。私もあなたと同じで、二色の眼の竜、オッドアイズを持っているの。」

 

 

私は、自身をこの場所へと導いた1枚のドラゴンのカードを、榊遊矢に見せた。すると彼は、とても驚いた顔をしていた。

 

 

「それは、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!? そんな、何で君がそのカードを?!」

 

「何で、って言われてもねぇ。私にも分からないのよ。色々研究とかをしている内に手に入ったカード達と違って、この子はある日突然デッキに入ってたから。」

 

「ある日突然入ってたって、そんな非現実的な事、信じられるわけないだろう?」

 

「あら、非現実的な方法で『ペンデュラム召喚』を生み出したあなたが、それを否定するの? カードの書き換えなんて、デッキにある日見知らぬカードが入ってるのと同じぐらい非現実的な事象だと思うのだけど。」

 

「うっ、そ、それは確かに、そうかもしれないけど。」

 

「それに、さっき外での話をここで聞いてたけど、あの永江衣玖って人が言ってたじゃない。『変化というのは、いつ、どこで起こるか分からない』って。つまり極論になるけど、私の身に起こった事も、あなたの身に起こった事も、変化という観点からみれば結果的には一緒なのよ。」

 

 

そこまで言い切り、私は一度口を閉じた。この話を聞いた後の彼の反応を、ちょっと見たかったからだ。

 

榊遊矢は私の話を聞いて、先程あの竜宮の使いから言われた事を思い出しているのかもしれない。そうする事で、今聞かされた話を自分なりに納得させようとしてるのかもしれない。

 

しばらくの静寂の後、彼は口を開いた。

 

 

「…今はまだ、完全には納得できない。でも、嘘をついてるって感じもしないし、それに、さっき衣玖に言われた事を考えたら、そういう事もあるのかもしれない。だから、取りあえずは信じるよ、パチュリーの事。」

 

「そう。話が早くて助かるわ。」

 

 

納得は出来てないけど、こちらの事を一応は信用してくれたみたいね。竜宮の使いのあの言葉が影響しているんでしょうね。ダシに使った私がいうのもなんだけど。

 

 

「でも、何でパチュリーのオッドアイズは、ここに君を導いたんだろう?」

 

 

疑問が一つ解決したからか、榊遊矢が別の疑問を口にした。これは確かに私も最初は分からなかった。だけど彼がオッドアイズの所持者で、そしてまだ、融合もシンクロもエクシーズも出来ないと分かり、私がここに導かれた理由がようやく理解できた。

 

 

「おそらくだけど、きっとあなたのオッドアイズが、新たな力を求めようとしているのかもしれない。」

 

「俺の、オッドアイズが?」

 

「えぇ。そして、そのオッドアイズの思いが、私のオッドアイズと何らかの共鳴を起こし、私をここに導いたんだと思うわ。あくまで仮説だけど。」

 

「モンスター同士の共鳴? そんな事、普通に起こるのか?」

 

「あり得る話よ。まぁ、その話をし出すと長くなるから、その話は省かせてもらうわ。今重要なのは、あなたの深層心理の世界に、私が導かれた事。その理由はおそらく、あなた達がさっき言っていた、『ペンデュラムのその先』を手にするきっかけとなるためだと思うわ。」

 

「『ペンデュラムのその先』を?」

 

「えぇ。私はオッドアイズ使いであると同時に、融合使いでもあるから。だからオッドアイズの融合体を呼び出す事も出来るわ。勿論、ペンデュラムを介さないで、だけどね。」

 

 

ここら辺に関しては誤魔化しておく必要がある。もし融合を使う時に、彼に代わって表に出なければならなくなったら、色々と霊夢達に迷惑をかける心配がある。実際には『ペンデュラム融合』どころか、『ペンデュラムシンクロ』も『ペンデュラムエクシーズ』も出来る。でもここでそれを暴露した場合、霊夢達の知り合いとバレた時に、彼女達は『ペンデュラムについては、榊遊矢に会うまでは知らなかった』と嘘をついているだろうから、色々と矛盾が生じる。そうなると、霊夢達がもうこれ以上この世界にいられなくなる可能性だって浮上してくる。それはきっと、本意ではないはずよ。今はまだ、それを暴露する時ではないはずだわ。

 

 

「じゃあもしかして、力を貸してくれるのか、パチュリー。」

 

 

榊遊矢は私の言葉を聞いてか、期待のこもった声を発していた。別に私としては、断る理由もない。それに、私の現在の相棒と同じドラゴンを使う、この子の成長のきっかけになるっていうのも、面白いかもしれないわね。

 

 

「えぇ。ペンデュラムのその先へ行くために、私が力を貸してあげるわ。榊遊矢。その代わり、私が手を貸すからには、このデュエル、必ず勝つわよ。」

 

「…あぁ、勿論だ!! ありがとう、パチュリー。」

 

「お礼なんていいわ。私としても、新しい融合の境地の誕生に立ち会えるんですもの。悪くはないわ。」

 

 

まぁ、私はその境地を知ってるし、出て来るモンスターは私と同じでしょうけどね。

 

 

「そっか。あれ、でもどうやったら、ここから元に戻れるんだ?」

 

 

 

おっと、そう言えば戻る方法を彼は知らないのよね。でもまぁ、深層心理の世界といっても、所詮は精神世界の一つ。なら、戻り方はきっと同じはず。

 

 

「それなら、心配しないで。私と手をつないで、それから眼を閉じればいいわ。」

 

「えっ、それだけで戻れるの?」

 

「その通りよ。だって、ここはあなたの深層心理の世界よ。あなたが望めば、そのまま元に戻れるはずだわ。目を閉じろって言ったのは、単に精神的に一番集中できるはずだと思ったからよ。後私と手をつなげって言ったのは、私もあなたの表層意識に出るためよ。」

 

「ひょ、表層意識?」

 

「表に出てる意識ってことよ。まぁ、基本あなたに言葉とかは合わせるわ。だけど、融合に関してはあなた、使った事がないでしょ? だから私があなたの身体を動かして、身体と感覚に覚え込ましてあげる。」

 

「わ、分かった。」

 

 

戸惑いながらも、榊遊矢は私と手をつなぎ、そのまま静かに目を閉じた。それに合わせ、私も目を閉じた。すると、自然と私達の身体が浮かび上がっていく感覚に襲われた。たぶん、このまま榊遊矢の身体に、私の意識が乗り移ったような状態になるんでしょうね。まぁ、初めての経験だけど、何とかなるでしょう。

 

 

 

さて、前回はちょっとアレだったから、今回こそあの子の出番といきましょうか。さぁ、久々のデュエル、いくわよ、ルーンアイズ!!

 

 

 

◇≡

 

 

 

「ん?」

 

 

何だろう、今遊矢の感じが、ちょっと変わった気が。

 

衣玖のターンが終わり、ようやく遊矢のターンに回ってきた。遊矢は引きたいカードが引けるように願っているのか、さっきまで目を閉じていた。でもその眼が開かれた瞬間、さっきまでの遊矢とは何か違う雰囲気が漂っていた。まるで、何かが遊矢の中宿った様な――

 

 

 

 

「俺の――」『私の――』

 

『「タァァァァァン!!!」』

 

 

榊遊矢

手札 0→1枚

 

 

あれ、今何か、二人分声が聞こえたけど。それに、今聞こえた遊矢以外の声、もしかして、パチュリー?

 

いや待って待って。そんな事ってある? て言うか、何で遊矢の中にパチュリーが? 紫の仕業、ではないだろうし。くそっ、さっきの事もあるし、今は柚子がいるから下手な事が言えない。ここは黙って見ているしかないわね。

 

遊矢はいいカードが引けたからか、笑みをこぼしていた。そして、少しの静寂の後、こくりと一人で頷いてから、引いたカードを発動させた。

 

 

 

「俺は魔法カード、『マジシャンズ・カード』を発動!! このカードは、自分フィールド上にカードが1枚もなく、手札がこれ1枚の時にのみ発動できる!! その効果により、俺はデッキから、相手フィールドに存在するカードの数分だけ、ドローする事ができる!!」

 

 

 

「「「「……ハアァァァァァァァァァ?!?!?!?!?!?!」」」」

 

 

遊矢が発動したカード、『マジシャンズ・カード』の効果を聞き、私も含めた観客勢(柚子を除く)が、一斉に驚愕の声を上げた。これはさすがの私でも声を上げるわ。

 

だってあのカードの効果、自分の場ががら空きで手札がアレ1枚だったら、相手のフィールドにあるカード(表裏関係無し)の分だけドロー出来るんでしょう?! 何あれ?! 大量展開してくるデッキが相手だったら、ただのチートドローカードじゃないの!!

 

そしてその考えは、他の3人も共通だったようで。

 

 

「あのカードってつまり、相手フィールドのカードが多ければ多いほど、ドローするカードが増えるってことですよね?!」

 

「相手依存ではあるけど、この状況じゃただのアドの塊じゃないの?!」

 

「衣玖の場にはペンデュラムゾーンのカードと、伏せカードも含めて10枚あるから、10枚ものドローですって?! インチキ効果もいい加減にしなさいよ!!」

 

 

三者三様色々な言い方をしていた。天子に至ってはもはや叫び声になってた。まぁ、叫びたくもなるわよね。10枚もドローされたら、ねぇ。『活路の希望』でも、そんなドローの仕方見たことないわよ。しかもそれが、活路と違ってノ―コストなのがチートさに磨きをかけている。よくあんなカードを作ろうと思ったわね。

 

そしてさっき言った通り、遊矢はデッキから10枚のカードをドローした。

 

 

榊遊矢

手札 0→10枚

 

 

「そして、今ドローしたカードを、俺は相手に見せなければいけない。俺がドローしたカードは、これだ!!」

 

 

ドローしたカード

 

星読みの魔術師

ペンデュラム・ターン

EM ハンマーマンモ

EM トランプ・ウィッチ

EM ヒックリカエル

時読みの魔術師

EMピンチヘルパー

EMコール

ドタキャン?!

金満な壺

 

 

星読みと時読みが来たか。まぁこの状況で、オッドアイズを呼び出した所で、どうしようもない気が。

 

でも、これだけドローしたんだから、何かしらのコンボはあるはず。そして私の推測では、パチュリーが遊矢の中にいる事で、本来遊矢では出来ない事ができるようになってるかもしれない。どうなる事やら。

 

 

 

 

◇≡

 

 

 

よし、星読みと時読みが手札に加わった。これなら、オッドアイズを呼ぶことが――

 

 

『わざわざその2体を使わなくても、今回は簡単にオッドアイズを呼べるわ。というか、出来れば星読みは使わないで。融合素材にするから。』

 

 

俺がドローしたカードを見て、星読みと時読みをセッティングしようと考えていると、突然パチュリーが隣からそんな風に言ってきた。あの後俺がデュエルを再開すると、彼女はまるで背後霊のようにずっと傍にいるのだ。どうやら、霊夢達には見えてないみたいだけど。て言うか、今融合素材にするって言ったか?

 

 

(いやパチュリー、融合モンスターって、『融合』のカードがないと出せないだろう。それぐらいは俺にだってわかるよ。それに、ペンデュラム召喚て言うのは、スケールの間の数値のモンスターしか出せないんだ。星読みと時読みを使わずに、どうやってオッドアイズを出すって言うんだよ?)

 

 

俺が当然のように疑問を口にすると、パチュリーはある3枚のカードを順に指さし、そのカード達をよく見ろと言った。そのカード達というのは、『EM ヒックリカエル』、『EM トランプ・ウィッチ』、そして『ペンデュラム・ターン』の3枚だった。ヒックリカエルはともかく、残りの2枚は初めて見るカード達だった。そしてその効果を読み、パチュリーがさっき言っていた意味を理解し、そして、それに気付いたパチュリーにすごく驚いた。

 

 

(パチュリー、お前凄いな! 俺でも、ペンデュラムを使いこなすのに時間がかかったのに、このわずかな時間で理解するなんて。)

 

『仕組みさえ分かれば、後は単純なカードの組み合わせでコンボは成り立つものよ。それにあなたと違って、カードをあなたが公開していた時に、効果はある程度読ませてもらったから、導き出せたのよ。そのスケールの間のレベルのモンスターしか出せないっていうのは、今初めて聞いたけどね。』

 

(でも、このカードを使えば――)

 

『その制約もない。おまけに、あなたの新しい仲間のおかげで、融合カードなしでの融合も出来るわ。後はもう、分かるわね。』

 

(あぁ、サンキュー!)

 

 

俺はパチュリーに、礼を言うと、早速それを実行しようとした。すると、またパチュリーがこんな事をたずねてきた。

 

 

 

さて、ペンデュラム召喚の時に口上とかはあるかしら?』

 

(えっ、コウジョウ?)

 

『そう、口上。さっき永江衣玖がペンデュラム召喚をした時の様な口上はあるのかって聞いてるの。』

 

(い、一応あるけど。)

 

『なら、それに合わせるわ。』

 

 

えぇっと、今の会話の何が重要だったのかは分からないけど、とにかく、さっきアドバイスされた事をやらなきゃな。時間的な問題もあるしな。

 

 

「俺は、スケール3の『EM ヒックリカエル』と、スケール4の『EM トランプ・ウィッチ』で、ペンデュラムスケールをセッティング!!」

 

 

俺がデュエルディスクの端にあるペンデュラムゾーンに2体のEMをセッティングすると、デュエルディスクに『PENDULUM』の文字が浮かび上がり、その2体が、青い光の円柱の中を昇っていき、、魔術師たちの時同様、ある一定の高さまで登ると静止して、その下に『3』と『4』という数字が出た。

 

そして、今セッティングした2体のスケールを見て、柚子と早苗が驚いた声を上げていた。

 

 

「ちょ、ちょっと遊矢?! その2体じゃ、間の数字がないから、ペンデュラム召喚できないじゃない!!」

 

「そうですよ!! さっき『マジシャンズ・カード』で引いたカードの中には、魔術師の2体があったじゃないですか!! どうしてそれを使わないんですか?!」

 

 

二人が言う事は最もだ。俺だってパチュリーに言われるまでは、そう思ってたから。でも、このセッティングしたからこそ、これを使う意味が出て来る。

 

 

「確かに、このままじゃ間の数字がないから、ペンデュラム召喚は出来ない。だけど間がないのなら、それを広げてやればいいだけだ! 速攻魔法、『ペンデュラム・ターン』発動!! このカードは、ペンデュラムゾーンに存在するペンデュラムモンスターのスケールを、エンドフェイズまで1から10の任意の数値に変更することができる!! 俺はこの効果で、『EM トランプ・ウィッチ』のスケールを、4から10に変更する!!」

 

 

EM トランプ・ウィッチ

Pスケール:赤4→10 青4→10

 

 

「なっ、スケールを変動させる魔法ですか?!」

 

「なるほど。だからあえて、星読みと時読みを使わなかったわけね。使わなくても、スケールを変更できるそのカードがあるから、どっちみち、オッドアイズは出せるものね。」

 

 

相対していた衣玖が驚愕の声を上げ、逆にこっちの様子をずっと見ていた霊夢は、納得したように頷いていた。全く、霊夢もパチュリーと一緒で、理解するのがホント早いよ。凄いというか、何というか。

 

さて、舞台は整った。さぁ、もう一度行くぞ!!

 

 

「『ペンデュラム・ターン』の効果でトランプ・ウィッチのスケールが10に変わったことにより、レベル4から9のモンスターが同時に召喚可能!!」

 

(いくぞ、パチュリー!)

 

『えぇ!』

 

 

『「揺れろ、魂のペンデュラム!! 天空に描け、光のアーク!! ペンデュラム召喚!! 現れよ、俺の(私の)モンスター達よ!! てふだからレベル5、『星読みの魔術師』!! レベル6、『EM ハンマーマンモ』!! そしてエクストラデッきより、レベル4『EM ペンデュラム・マジシャン』!! 最後にレベル7、雄々しくも美しき、双色の眼!!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」』

 

 

 

星読みの魔術師

☆5

[Pスケール:赤1 青1]

闇属性,魔法使い族/ペンデュラム・効果

ATK 1200

 

 

EM ハンマーマンモ

☆6

地属性,獣族/効果

ATK 2600

 

 

EM ペンデュラム・マジシャン

☆4

[Pスケール:赤2 青2]

地属性,魔法使い族/ペンデュラム・効果

ATK 1500

 

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

☆7

[Pスケール:赤4 青4]

闇属性,ドラゴン族/ペンデュラム・効果

ATK 2500

 

 

 

再び俺の場にオッドアイズが現れ、その二色の眼を俺に向け、首を軽く上下させてきた。さっき深層心理の世界でのパチュリーの話を聞いた後だと、その顔はどこか、『俺はいつでもいけるぞ』と、言っているような気がした。

 

俺も、そんなオッドアイズの頷きのような仕草に頷き、パチュリーのいる辺りに目を向けた。

 

 

(パチュリー、いけるか?)

 

『愚問ね。いつでもいけるわ。じゃあ悪いけど、身体を借りるわよ。』

 

(あぁ。)

 

 

パチュリーは俺と軽く言葉を交わした後、俺の身体の中に溶け込むように入ってきた。すると、身体に少しだけ違和感が生じ、すぐに治った。どうやら、無事に俺の身体と一体になったみたいだ。あらかじめ聞いてはいたけど、あんまり気持ちのいいものじゃないな。

 

 

『それはこっちも一緒よ。それと、今のあなたと私はほぼ一体となってるから、考えてる事は筒抜けよ。気をつけなさい。』

 

(…分かった。じゃあ、改めてよろしくな。)

 

『分かったわ。融合召喚の感覚、その身に叩きこんであげるわ。』

 

 

パチュリーはその言葉と同時に、俺の身体を動かし始めた。俺はそれに逆らわないよう、その動きに身を任せた。

 

 

 

 

◇≡

 

 

うん、身体は問題ないわね。こういう時、本来の身体の持ち主が、時々拒絶したりする事があるらしいけど、今回に限ってはそういう事はないみたいね。

 

問題がない事は確認できたし、さて、早速やりますか。

 

 

 

『「『EM トランプ・ウィッチ』の、ペンデュラム効果発動!! 自分のターンのメインフェイズに1度だけ、自分フィールド上のモンスターを使って、融合召喚を行える!!」』

 

 

「「「エェェェェェェェェ?!?!?!?!」」」

 

 

「ゆ、遊矢が融合召喚?!」

 

「まだ習ってもいない召喚法を…。」

 

「遊矢君が、どうして融合召喚を?」

 

 

霊夢と早苗、そしてピンク色の髪の少女、確か柚子って言ったかしら、が、私(榊遊矢)が融合召喚をするという事に、驚いていた。まぁたぶん、霊夢と早苗は私の存在に気付いているだろうし、あれはたぶん演技でしょう。特に霊夢はそんなに驚いている感じもないから、あれは演技で間違いないわね。大変ね、あの子も。

 

まぁ、あの子がこれ以上演技しなくても済むように、さっさと済ませましょうか。さぁ、ここからが本番よ!!

 

 

『「俺が(私が)融合するのは、レベル7の『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』と、レベル5の『星読みの魔術師』!! 神秘に輝く二色の眼よ、天空を見定める深遠なる力操りしものよ!! 秘術の力で今一つとなり、ここに新たな輝きを生み出さん!! 融合召喚!! 現れよ、レベル8!! 秘術の力宿す眼持ちし魔天の龍!! 『ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」』

 

 

ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

☆8

闇属性,ドラゴン族/融合/効果

ATK 3000

 

 

『ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』。私が初めてペンデュラム融合を使って見つけた、オッドアイズの派生形態。本当はこの前の霊夢とのデュエルでも使いたかったのだけど、あの盤面と手札じゃ、呼び出すことができなかった。だから、今回こそは出番を与えてやりたかったのよ。もっとも、このルーンアイズは私のルーンアイズではなくて、榊遊矢のルーンアイズだけどね。(口上は私のだけど)

 

 

(凄い…。これが、『ペンデュラムのその先』!!)

 

『そうみたいね。』

 

(そうか! ありがとう、パチュリー!!)

 

『お礼は、このデュエルに勝ってからにしてくれるかしら。まぁ、この盤面で負けるつもりはないけど。』

 

 

布陣自体は整った。後はヒックリカエルの効果を使って、トウテツの攻守を入れ替えれば、盤面は完成する。

 

 

『「『ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』は、融合素材に使った魔法使い族モンスターのレベルによって、相手フィールド上のモンスターへの攻撃回数が決定する!! 素材に使った『星読みの魔術師』のレベルは5!! よって、3回の攻撃が可能となる!!」』

 

「こちらへの3回攻撃ですか。ですが、それでは私のライフは削りきれませんし、すぐにシンクロ素材をそろえて、反撃することができますよ。」

 

『「それもちゃんと織り込み済みだ(織り込み済みよ)!!『EM ヒックリカエル』のペンデュラム効果発動!! 1ターンに1度、表側表示モンスターの攻守を入れ替える!! その効果で俺は(私は)、『魔竜星―トウテツ』の攻撃力、守備力を入れ替える!!」』

 

「何ですって?!(くっ、ですが凶暴化を使えば、これぐらいは問題ない。)」

 

 

魔竜星―トウテツ

ATK 2200→0

(DEF 0→2200)

 

 

ふぅ、これで完璧。後はあの伏せが攻撃宣言時に発動可能なものでなければ、この勝負は私達の勝ちね。

 

 

『「バトルよ!! まずは『EM ハンマーマンモ』で、『水竜星―ビシキ』を攻撃!! この瞬間、ハンマーマンモのモンスター効果が発動!! このモンスターの攻撃宣言時、相手フィールド上の魔法・罠カードを全て手札に戻す!!」』

 

「攻撃宣言時に発動する、バウンス効果ですか?!(しまった、凶暴化が発動できるのは、ダメージステップの開始時。攻撃宣言時では発動できない。これではトウテツが。)」

 

 

 

ハンマーマンモが攻撃する前に、両前足を上げて衣玖の場の伏せカードを吹き飛ばした。どうやら伏せのカードは攻撃宣言時に発動できるカードではなかったからか、衣玖の場にあった魔法・罠カードとペンデュラムゾーンのペンデュラムモンスター達は、衣玖の手札へと戻っていった。そして、伏せカードを戻された衣玖は、悔しそうに顔を歪めていた。

 

 

永江衣玖

手札 0→6枚

 

 

 

『「これで、こちらの攻撃を妨害できるカードも、リクルートコンボの中核をなすカード達も手札に帰った!!いけ、『EM ハンマーマンモ』!!『いただきマンモー』!!」』

 

 

ハンマーマンモが、その鼻先にあるハンマーを振り上げ、ビシキに叩きつけた。ビシキはそのハンマーに押しつぶされ、そのままペシャンコになって目を回しながら、消滅した。…なんか、消え方が可愛かったわね。

 

 

「…ビシキの効果を発動させた所で、もう勝負はついてますか。仕方ありませんね。今回は、私の負けです。最後は大技で、きっちり終わらせて下さい!」

 

 

ビシキを破壊された衣玖は、私の場と自分の場を身比べ、自身の負けを悟ったのか、こちらに笑みを浮かべてきた。たぶん、この竜宮の使いも私については気付いているでしょうけど、あえて突っ込まないのね。フッ、まぁいいわ。ならお望み通り――

 

 

『大技で決めるわよ、榊遊矢!!』

 

(あぁ!!)

 

『「いっけぇ、『ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!! 衣玖の場の全ての竜星モンスターに、攻撃!!『連撃のシャイニーバースト』ォォォ!!」』

 

 

ルーンアイズが私達の指示と同時に飛びあがり、背中の円形のパーツの内側に、三角形の電流を走らせながら、その頂点から1発ずつ、光の奔流を打ち出した。それらは全て、衣玖の場の竜星モンスター達をうちぬき、大きな爆発を起こした。

 

 

ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

ATK 3000

 

 

輝竜星―ショウフク

ATK 2800

 

邪竜星―ガイザー

ATK 2600

 

魔竜星―トウテツ

ATK 0

 

 

永江衣玖

LP 1500-(3000-2800)-(3000-2600)-(3000-0)=-2100

 

 

 

winner 榊遊矢

 

 

 

 

 

「くぅっ…、ふぅ。」

 

 

さすがにアクションデュエルではなかったので吹き飛びはしなかったものの、衣玖はその場から、少しだけ押されていた。やっぱり凄いわね、オッドアイズの力を持ったモンスター達は。私達のような存在でなくても、現実に干渉できるほどの力を与えてしまうのだから。

 

さて、この状態も疲れるから、さっさと解いちゃいましょうか。身体にかかった負担とかで、この子が倒れちゃうかもしれないけど、まぁ霊夢達が上手くやるでしょう。それに――

 

 

――ギャオォォォォォォン――

 

 

――私の相棒が、どうやら私を元の世界に帰そうとしているみたいだしね。お別れも無しに帰るのは忍びないけど、時間がないみたいだし、しょうがないわね。

 

 

じゃあね、榊遊矢。またいずれ、どこかで会う事になったら、その時はデュエルしましょうね。

 

 

 

 

◇≡

 

 

「っ、遊矢!!」

 

 

デュエルが終わった途端、遊矢が急に倒れ出したのを見て、霊夢さんが慌てて遊矢君の元に駆け寄り、間一髪のところで抱きかかえました。私達も、倒れた遊矢君の元へと駆けより、心配そうに顔を覗き込みました。すると、抱きかかえられた遊矢君が目を覚まし、周りを不思議そうに見回していました。

 

 

「遊矢、大丈夫?」

 

「ん、あれ、霊夢。それに、皆も。俺は――」

 

「デュエルが終わった後に、急に倒れたのよ、アンタ。たぶん慣れない融合召喚なんかを使った反動のせいだろうけど。」

 

 

天子さんがぶっきらぼうながらも、遊矢君の倒れた理由を推測して、言ってくれました。おそらく、従者である衣玖さんが負けた事に、少なからずショックを受けてるんでしょう。何だかんだ言って、あの二人も仲いいですからね。

 

 

「融合? …そっか。俺、出来たんだな。『ペンデュラム融合』が。」

 

「全く、びっくりしたわよ。急に融合召喚なんかし出すんだから。でも、無事でよかった。」

 

 

遊矢君がちょっと放心気味ながらも、嬉しそうにつぶやき、それを聞いた霊夢さんが呆れながら、それでも笑いながら、遊矢君を優しく包み込むように抱いていました。それを見てか、私の隣にいた柚子さんが、複雑そうな表情をしていました。まぁ、普通は幼馴染がそういう事をする場面ですよね。でも、しょうがないですよね。先に遊矢君の元についたのは柚子さんではなく、霊夢さんでしたから。

 

 

まぁ何にせよ、取りあえず無事にこのデュエルが終わってよかったです。一時はどうなるかと思いましたけど、遊矢君に大事がなくて、良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、ここで終われば、ちょっとgdgdな描写もあったけど、『イイハナシダナー。』で終わるはずだったんですけどね。

 

 

 

 

 

 

◇≡

 

 

 

「バトル!! 『炎王神獣ガルドニクス』で、ダイレクトアタック!! 『紅蓮天翔-フェニックス・フレアドライブ-』!!」

 

 

炎王神獣ガルドニクス

ATK 2700

 

 

LDS制服組A(モブ)

LP 1300-2700=-1400

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 

ふぅ。ちょっと手こずったか。まぁ、こっちのデッキは久々だったしな。しょうがねぇかもな。

 

 

まぁ取りあえず、目的の物だけでももらっといて、この場はズラかりますか。

 

 

 

「えぇっと、バッジ、バッジっとぉ…、おっ、あった。」

 

 

さっきまでデュエルをしていた男の襟元を探すと、目的のものが見つかった。それは、『LDS』とかかれた、金属製のバッジだった。

 

 

 

「ふぅ、取りあえずこのバッジがあれば、LDSのヤツに見えるんだろ。たく、何でこんな回りくどい方法で接触しなきゃ――」

 

 

「お前もLDSか?」

 

「ん?」

 

 

私がバッジを服の襟元辺りに嵌めながら愚痴をこぼしていると、如何にも『不審者』ってヤツが、ドスの利いた声を発しながら出てきた。まぁドスの聞いたって言ったけど、実際のところ無理して低い声を出してる感じだったけど。

 

にしても、ホントに食い付いてきたな。まぁ、こっちから探す手間が省けたから、結果オーライってところかな。とはいえ、いきなり決め付けられたのは、ちょっと腹立つなぁ。素直には絶対に答えないでおいてやる。

 

 

「だとしたら、どうする?」

 

「決まっている!!」

 

 

そう言って不審者はデュエルディスクを構え、私にこう宣言してきた。

 

 

「俺とデュエルだ!!」

 

 

へぇ、デュエル、ねぇ。この感じからして、穏便な感じではなさそうだ。さっきのヤツじゃちょっと不完全燃焼だったし、こういう雰囲気のヤツ相手になら、別に本気でやってもいいだろう。実際、楽しませてはくれるだろうから。

 

 

「いいよ。そのデュエル、受けてやる。」

 

 

私はもう一つの、私の本気のデッキを取り出しデュエルディスクにセットしてあったデッキと交換し、ディスクを構えた。そして、いつもこのデッキを使う時の決まり文句みたいなのを、口にした。

 

 

 

「私を、満足させてくれよ。」

 




どうも、お疲れ様です!! いかがだったでしょう か!!

「うん、長かったね。しかも削れそうな感じの 雰囲気の場所は無かったね。分けるとかいう考 えはなかったの?」

それも考えたんだけど、話数のカウントがめん どくなるなぁって思ってさ。

「ならもうちょっと考えようよ。」

…はい。んじゃまぁ、恒例のアレに入りますか。

「そうだね。て言うか、冒頭のパチュリーの シーン見てて思ったんだけど、名前がまだ分 かってないあの融合のドラゴンはパチュリーが 持ってるんだね。」

未だにダベリオン達みたいな持ち主が見つかっ てないだけじゃなくて、そもそもそいつ自身の 実態が分かってないからなぁ。だからパチェさ んが持ってるって感じかな。

「ふぅん。で、『セフィラ』の説明の時に出て きた『ある闇の力』って何?」

これはネタバレになるからなぁ、下手な事は言 えん。だけどまぁ、元ネタ知ってる人は知って るかもしれませんね。

「て言う事らしいから、一部の人には伏せ時に すらなってないかもしれないね。ごめんね、作 者さんがその辺りの表現が下手くそで。」

僕の脳ではこんな表現しか思いつかなかったで す。すみません。まぁそれは置いといて、遊矢 がちょっと原作の時より落ち込んでますが、 まぁあれはたぶん、赤馬とやっていた時とは状 況が違うからだと思って下さい。

「社長さんとやってた時は遊勝塾がかかってた けど、今回は完全に何のしがらみも無しにデュ エルしてた時に、赤の他人さんの衣玖にペン デュラムされたから、落ち込みが原作より酷 かったって事?」

まぁ、簡単に言えばそう言う事。

「ふぅん。という事らしいから、皆了承してお いて。じゃあ次に行くけど、衣玖何か今回厳しくない? あのペンデュラムのお兄ちゃんに対して。」

ん~、俺的にはあんなもんじゃないかなって思ったんだけど。遊矢が最初に『ペンデュラムは俺だけが使える』って言うのを強調してたから、それを正そうとしてたんじゃないかなって。

「そうなの?」

うん。まぁ、結局美味しい所は霊夢に持っていかれたけどな。

「霊夢とあのお兄ちゃん、会ってからたった3日とは思えないくらい仲が良いよね。これじゃ【幻奏】使いのお姉ちゃんの立場が(^_^;)」

柚子は霊夢ほど大胆にどついて怒ったりしないと思うんだよな。ハリセンでよくしばいて怒ってるけど、シリアスの場面だと、遊矢を心配してか、そういうことはしてないし。逆に霊夢は、遊矢の事がたぶん、目が離せないんだと思う。最初の出会いがあんなのだったし、その後も素良の一件やLDSとの事もあって、色々と心配してるんじゃないかな。後はまぁ、遊勝塾に入るきっかけになった、あの時の遊矢の言葉、まぁ、正確には遊矢のお父さんの言葉だけど、それを遊矢から聞いて、おっと、これ以上は後のネタバレも含むので、言えませんね。

「もう半分言ってる気もするけど。まぁいいや。で、次だけど、凄い今更なんだけど、何でパチュリー出したの?」

えーっとな、ただ単純に融合召喚をしちゃったら、それはちょっとあっさりし過ぎだろうって思って、そう言えばパチェさんオッドアイズ使いだったなって思いだして、じゃあオッドアイズ同士が共鳴してパチェさんが遊矢とゼアルみたいになれば、ルーンアイズ出せるんじゃねって思ったから。パチェさん魔法使いだし。だいぶ超展開になっちゃったけど。

「まぁモンスター同士の共鳴って言うのは、原作でもあったからわかるけど、それで次元の壁を飛び越えて、違う人間の真相心理の世界に入るって言うのはなかったよね? 前のエクストラのカードが勝手に出張って言うのも大概だと思ったけど、これはさすがに遊戯王でもそうそうないことだよ。」

だ、大丈夫。今回のパチェさんみたいな事例はこれが最初で最後だろうから。

「本当にぃ~(ジト目)」

ほ、本当だって!

「・・・ハァ、まぁいいよ。取りあえず信じるから。じゃあ最後、アレ誰なの? 今までの中で、あんなキャラ出てきたっけ?」

さぁ、どうですかね。まぁ、次回で早速正体明かすから、それまで楽しみにしてて。

「わかった! こんなところかな。」

かな。あぁそうそう、融合の時にいきなりトランプ・ウィッチにしたのには理由があります。

「あぁ、あのシーン? 私は単に、あのお兄ちゃんのデッキに融合のカードがないからかなって思ったんだけど、他にも理由があるの?」

うん。まぁ一昨日発売されたVジャンプ買って読んで、オッドアイズのシンクロ体が次のストラクで出るとか、新しい融合体が次のパックで出るとかかいてあったから、こいつらを権現坂の回までに出せば、ビーストアイズは権現坂の回で出せるんじゃねって思って。後、ビーストアイズは他のオッドアイズの融合体と違って、融合無しでも出せるじゃん。初出はそれで出そうかなって思ったのも理由の一つかな。

「何か、今度のストラクとパックのお陰で、だいぶ話が変わりそうだね。」

大まかな話は変えるつもりはないけどな。じゃあそろそろ、次回予告いきますか。

「そうだね。ちなみに今回、地の文は私だから、期待しててね!」

だそうです。後、次回予告の前に、軽くオマケがまたあるので、よかったら見ていって下さい。

また、いつも通り感想・批評・質問・誤字指摘等々受け付けておりますので、よろしくお願いします!! それでは!!


次回もお楽しみに!!
「次回もお楽しみにね!!」



おまけ:本編後の霊夢達

※いつも通りのおまけです。良かったら見ていって下さい。

※いつも通り台本形式です。苦手な方はご注意下さい。

※時間はあの早苗の最後の地の文の後です。


これらを踏まえた上で、読んでください。それでは、どうぞ!!



おまけ:本編後の霊夢達


霊夢「ところで遊矢、衣玖。」

遊矢「ん、何、霊夢。」

衣玖「何でしょうか。」

霊夢「アンタ達、このデュエルの本来の目的、覚えているかしら?」(ゴゴゴゴゴッ)

遊矢&衣玖「「あっ・・・。」」

霊夢「これって確か、遊矢が強くなれるための特訓だったわよね? 結果的にまぁ、予想以上に強くなってくれたから、そこについては何も言わないけど、(般若を浮かべながら)何カシラ、アノ初手ノ動キハ。特ニ遊矢。」

遊矢「えっ?! あっ、え、えっと、あの、その、何て言うか、その――」

鬼巫女「ン、何ダッテ? ヨク聞コエナインダケド?」

遊矢「だ、だから、あの、その――」

霊夢「ゆーうーや。」(満面の笑みを浮かべながら)

遊矢「は、はい。」





鬼巫女「覚悟ハ出来テルワネ!?」



遊矢「ちょっと、待ってくれ霊夢!! 頼む、命だけは、アーーーーーーッ!!!!!!」




柚子「ねぇ、早苗。あれ、止めなくていいの?」

早苗「柚子さんこそ、助けなくていいんですか?」

柚子「・・・助けられると思う?」(ガクガクブルブル)

早苗「・・・ですよね。」(ガクガクブルブル)

早苗(やっぱり霊夢さんは、この世で一番怒らせてはいけない人ですね・・・。)



次回予告(地の文:フランドール・スカーレット)

ペンデュラムのお兄ちゃんと衣玖のデュエルが終わり、霊夢と柚子ってお姉ちゃんのデュエルがスタートした。

一方その頃、別の場所では、ある戦いの火蓋が、切って落とされようとしていた。


???1「さぁ、私を満足させてもらおうか。」

???2「貴様を満足させるつもりなどない!! 革命の火に焼かれて散れ!!」

???1「焼かれた程度じゃ死にはしないさ。だって私は、不死鳥だからね。」


次回、『遊戯王ARC-V -エンタメデュエリストと紅白の巫女-』。

『激突する焔! 反逆の翼VS煉獄の不死鳥!!』


お楽しみは、これからだよ!!
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