遊戯王ARC-V -エンタメデュエリストと紅白の巫女-   作:坂本コウヤ

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どうも、皆さん!! 2週間ぶりとなります、坂本コウヤです!!

「皆、待たせてごめんね!! フランだよ!! 全く、『投稿スピード上がるかも』とか言ってたのはどこの誰だったっけ?」

私だ。

「お前だったのか、って、そうじゃなくて!! …もう。」

しょうがないじゃん。なかなか意欲がわかなかったり、ヴァンガードやらシンフォギアやらにハマっちゃってさぁ。ハハハ。

「まぁ、人の趣味にとやかく言ったりはしないけど、読者さんに心配はかけないでよ?」

うん。と言う訳で、しばらくまた日を空けてしまって、すみません。まぁもう一個の『ZEXAL』の方はもっと空いているので、そんな事言っても言いきれないんですけど。

さて、今回は予告通り、あややがアカデミアに潜入取材します!! ただ、先に言っておきます。結構僕の想像とか勝手な設定、後少々無茶な展開とかが色々入ってしまっているので、原作と違ったり矛盾する所が今まで以上に出て来るかもしれません。ご了承ください。後、今回結構駄文です。風景描写とかって、相変わらず難しいです。

「前から悩んでるよね、それ。」

うん、まぁ、他にも同じ文章や単語をなるべく近くや似たような場所で使わないようには意識してるんだけど、語彙力とか想像力が足りないせいか、どうしてもねぇ。

「まぁ、そこは頑張っていくしかないでしょ。じゃあ、取りあえず、いつものやる?」

そうだな。それでは皆さん、本日も!!


ゆっくりしていってね!!
「ゆっくりしていってね!!」



第25話:潜入開始! 射命丸文のアカデミア取材録!!

どうも、皆さん!! 清く正しく『文々。新聞』の制作者、射命丸文です!!

 

私は現在、『融合次元』の『アカデミア』という場所にやってきております。何故こんな場所に私がやってきているのかというと、簡単に言えば、幻想郷の賢者である八雲紫様の命令によるものだったりします。

 

『「融合次元」の「アカデミア」、及び、そのトップである「赤馬零王」の調査』

 

 

これが、私が八雲紫様より命令された事です。確かに、私ほどの速さで動け、かつ隠密行動が『単独』で可能な方もそうそういないでしょう。なので、紫様の人選は間違ってはいません。

 

 

ただ、そのため『だけに』動くのも、少々勿体無い気もしますよね。せっかく外の世界で動ける絶好の機会、頼まれた仕事だけやって帰るのは実に勿体無いです! ここはやはり、幻想郷一のブン屋として、何かネタを持って帰るべきでしょう。そうして書いた新聞を発行すればきっと、私の書く『文々。新聞』の読者も、急増すること間違いなしです!!

 

 

 

――まぁ、さすがに変装をするわけにもいかなかったので、インタビューは諦めるしかないかもしれませんが。

 

 

と言う訳で、早速新聞のネタ探し、もとい、『アカデミア』の実状調査といきましょうか!!

 

 

 

◇≡

 

と、最初は意気込んで見たものの――

 

 

「・・・めぼしい情報は、あまり集まりませんね。」

 

 

城の中に侵入してしばらく経ちましたが、(ネタ的な意味での)結果はほぼ収穫なしといえるものでした。

 

私が今いる校庭の一角に来るまでに何人かの人を見かけたり、話しているのを聞いたりしましたが、やれエクシーズが雑魚だの、負け犬だのという会話だったり(少しイラッときたのは内緒です)、生徒同士の成績(ここの感じからして『戦績』だと思いますが)の話だったりと、(ブン屋としての)私からしてみれば、とるに足りない情報ばかりを聞かされて、正直退屈しています。何かもっとこう、面白い話題を提供してくれる方はいらっしゃらないんですかね? 例えばそう、何か面白そうなものが置いてある秘密の部屋とか、ここ特有の七不思議的なものとか、『赤馬零王』の意外な趣味とか――

 

 

「――おっとわりぃ。そろそろ見回りの時間だ。」

 

「おっ、『あの部屋』のか?」

 

「あぁ。全くプロフェッサーの命令とは言え、あんな薄気味悪い部屋には入りたくないんだがな。」

 

「そう言うな。プロフェッサーの命令は絶対なんだ。それに『あの声』だって、あそこの部屋の換気扇が調子悪いせいでなってただけなんだから、気にすることねぇよ。」

 

「だ、だよな。それじゃあ、また後でな。」

 

「あぁ。」

 

 

――ふむふむ。なるほどぉ、これは面白い話を聴きましたよ。謎の声がする、薄気味悪い部屋。そしてあの話ぶりからして、どうやら定期的にその部屋を学生達が見回っているようですね。・・・これは少し、調査してみる価値がありそうですね(ニヤリッ

 

私は先程声が聞こえた位置を確認し、誰にも感づかれる事なく最速でその場所へと移動した。幸い、その場にはさっきの二人しか見える範囲におらず、しかも運よく死角に入り込む事が出来たので、二人に見られることはありませんでした。

 

 

さて、どちらを追跡するかですが、ここでは下手にモンスターを出す訳にもいきませんしね。・・・あまり博打はする主義ではないんですが、ここは一つ、ブン屋としての勘を働かせてみますかね。長年この道でやってきていますが、こういう勘の働かせ方はあまりしないんですよね。幻想郷だと大抵『絶対何かある』、と見込みをつけていたりするものなので。そういう点では、あちらは退屈しないんですけどね(笑)

 

 

「…では、早速後をつけてみましょうかね。」

 

 

私は死角から一瞬だけ顔を出して引っ込め、姿が確認できた方を尾行する事にした。さて、この先にったい何が待っているのか。――期待してますからね。

 

 

 

◇≡

 

 

「…。この部屋は、いったい…。」

 

 

尾行の末、私はある奇妙な扉を見つけた。先程尾行してきた人が出てきたのを確認し、その部屋へと侵入(外のロックはザルだったのは内緒です)すると、そこには、奇妙な光景が広がっていました。

 

 

 

――コードが大量に繋がった、たくさんの小型の機械。

 

――その機械にセットされた、新旧様々なカード達。

 

――機械につながっている、怪しげな光り方をしているコード。

 

――そして、その部屋の先にある、『97%』と表示された、紅く光る大きな試験管の様なガラスケース。

 

 

 

 

あまり見慣れない光景に、私はしばし、目を奪われていました。しかし、すぐに顔を振って頭を一旦落ち着かせ、冷静にこの状況を考察する事にしました。

 

 

取りあえず、上のヤツの順番に沿って考えていきましょう。といっても、重要なのは二つ目以降ですが。

 

 

 

 

まず一つ目。これは別段特に見慣れない光景である、というぐらいですね。にとりさんの所はもっとシンプルですし、何よりこんな物を大量においていたりしません。大型のでコードが大量に繋がったものなら、見た事ありますけど。

 

 

次に二つ目。これはまず、このカード達に対する法則性のような物を見つけなければいけないんですけど、レアカードだったりそうじゃ無かったりと、色々バラツキがあるんですよね。さて、これにどうやって法則性を見つけるかですが――

 

 

 

「――ぁ…、ハァ……。う…、うぅぅぅ……。」

 

 

――ん、今、何か声のようなもの、それも――

 

 

「…少女の、声? そう言えば、声がどうとかいってましたね。」

 

 

 

彼らが言っていた声がもしこれなのであれば、おそらく当たりを引いたという事なのでしょうが…。それにしても今の声、何か苦しそうな声でしたね。まるで、何かを吸い取られているような、っ?! まさか、この部屋は――

 

 

「『カードの精霊』から、エネルギーを搾取するための部屋?」

 

 

そう言えば、先程のか細い声がした時、見間違いでなければ、かすかに何かが点滅していた気も。あの点滅がもし、精霊のカードが発したものなのだとしたら、この奇妙な部屋にも説明が付きます。しかし、これは思わぬ収穫ですね。ネタというよりも、紫様に報告する事として、ですが。

 

 

となると、早速部屋の様子を激写して、精霊のカード達を解放してあげないといけませんね。先程光ったカードを探す必要がありますね。あれはきっと、まだ精霊としての力を宿しているカードでしょうから、助けておいて損はないはずです。部屋の激写も、ついでにやってしまいますけどね。

 

 

 

 

◇≡(少女激写&探索中)

 

 

 

「…おっ、これですかね?」

 

 

写真を粗方撮り終え、探し始めて数分後、私は、一枚の弱々しく光るカードを見つけました。どうやら、これが先程声を上げていた精霊の宿っているカードのようですね。さて、どうやって助けるべきでしょうか。こういう機械にはだいたい、厳重なセキュリティが組まれているはずだと思うんですよね。カードを外して警報を鳴らされでもしたら、それこそ困りますし。

 

 

「…ここは、これの出番かもしれませんね。」

 

 

 

そう独り言をこぼしつつ、私はある一つのキュウリ型の機械を取り出しました。それは、以前にとりさんが作っていた『何でもくん』という機械で、曰く『電子機器類に対しては無類の強さを発揮する』んだそうです。ある日たまたま、それを作っている所に遭遇してしまい、ご厚意でいただいてしまったんですよね。いまいち使いどころがなかったので困ってたんですけど、ここはどうやら機械類の類ばかり。ならば、この部屋でこの機械を使うメリットが大ありという事になりますね。

 

 

ならば早速と思い、以前試運転がてら触らせてもらった時の事を思い出しながら、その頭辺りにあるボタンを押してみました。すると、その機械が勝手に変形を始め、最終的に変なコードのついた携帯電話のような形に変形しました。確か、この形態では電子機器類をハッキングし、その機械が正常稼働しているように見せかける、もしくは誤作動を起こさせる事が出来ると言っていた気がします。確か、この伸びているコードを適当なプラグにさせば良いんですよね。といっても、型の合いそうなものが、おっ、ありましたね。

 

 

コードの刺さりそうなプラグは、部屋の奥にあったガラスケースがセットされている機械にあり、そこに『何でもくん』のプラグをさすと、ブンッと一瞬機械が停止し、セットされていたカード達が、鎖から解き放たれたかのようにひらひらと落ちそうになったので、落ちそうになったカード達を神速の速さですぐに手にとりました。

 

その中にあった先程のカードを見てみると、宿っていた精霊が苦しみから解き放たれて安心したのか、安らかに光を明滅させていました。どうやら、このカードがセットされている機械は本当に、精霊からエネルギーを搾取している機械のようですね。そしておそらく、他のカードが、この今光ったカードのような反応を示していないのは、そのエネルギーを、意思表示すら出来ないほどに吸い取られたという事なのでしょう。もしかしたら、中には死んでいるものもいるかもしれませんね。

 

 

取りあえず、これでこの子達を苦しみから解放する事が出来たという事でしょう。さて、ではもうこの部屋からは早々に退散したほうがよさそうですね。さすがに全部なくなっていては、異常に気付かれるかもしれませんし。まぁ、問題はどうやって抜け出すかですが。扉から出て、鉢合わせなんて嫌ですからね。となると、誰かが入ってきた瞬間に最速で抜け出すしか――

 

 

――ガチャッ――

 

 

「ッ?!」

 

 

あやややや、もう来ちゃいましたか。時間経つのが早いですね。…出来れば、荒事は避けたかったんですけど、こうなったら。

 

扉が開くのと同時に私は動きだし、そのまま扉を開けた生徒に当て身を与えて気絶させ、部屋に放り込みました。ふぅ、これでしばらくは気付かれないはずです。ですが、これで赤馬零王の調査に関しては、だいぶ厳しくなりましたね。となると、今の間にさっさと抜け出してしまった方がいいかもしれません。紫様には悪いですが、アカデミア自体については調査で来たので、まぁ御の字としましょうか。さて、ではこんな陰気な場所からはとっとと――

 

 

 

「――がすな!! 追え!!」

 

「お前達は向こうに回れ!! 絶対に彼女を逃がすな!!」

 

 

 

――騒がしいですね。私を追ってる訳ではないようですが。まさか、同業者がいたのでしょうか? そんな情報は聞いていませんが。…どうするべきですかね。放っておくのは簡単ですが。何せそちらに気を取られている間に、私はさっさとこの場からおさらば出来るんですから。ただ――

 

 

 

「放置するには、もったいない気がしますね。」

 

 

――そう。私の中では、そんな考えも浮上してきていた。相手がもし同業者だった場合、赤馬零王に関しての情報を握っている可能性も十分あり得ます。となると、ここで助けておくのは私にとっても得となり、彼女にとってもここから抜け出せるという、正に『win×win』の関係を結べる訳です。ついでに、特ダネになりそうな情報もあれば完璧ですが、まぁそれは高望みというもの。少々リスキーですが、ハイリターンの可能性もあるのなら、賭けてみるべきですね。

 

私は、さっきこの部屋まで来た道を戻っていき、声のした方へと移動していった。

 

 

 

 

◇≡

 

 

「確か、この辺りだったはずですが。ん?」

 

 

声のした辺りに来てみると、そこは先程、私があの部屋の場所を聞いた中庭でした。その近くにあった柱に隠れて様子を見ると、そこには大柄な傷だらけの巨漢と、その男と一緒にいる青髪ポニーテールの少女がいました。もしかして、アレが追われている対象でしょうか。みた感じ、同業者にはあまり見えませんが――

 

 

「セレナ様。もう観念して、お部屋にお戻りください。」

 

「断る!! 私は今度こそ、外に出るんだ!! そして、プロフェッサーに私の事を認めさせてやる!!」

 

 

なるほど、あの青髪の少女は『セレナさん』というんですね。にしても、今『様』といいましたか? という事は、彼女は『アカデミア』の人間という事ですか。それも、相当の地位の。…同業者では無かったようですが、もしかしたら、これは当たりを引いたかもしれませんね。となると、助けに来た意味は一応あったようです。さて、どうやって助けましょうか。このままでは、何が起こってもおかしくないですし、邪魔ものを吹き飛ばしましょうかね。

 

 

(数は3人。行けますね…!)

 

 

私は腰から花団扇を取り出し、中庭に飛び出していった。一番私の近くにいた青い服の仮面をつけた男がこちらに気付きましたが、それを無視して私は、スペルカードを発動させた。

 

 

「竜巻『天孫降臨の道しるべ』!!」

 

「「「うわあぁぁぁぁぁ!!!」」」

 

 

私の前に猛烈な突風が起こると、目の前にいた3人の追手を上空へと吹き飛ばしました。それを特に気にする事もなく、私は後ろへ振り返り、追われていたセレナさん達に声をかけた。

 

 

「大丈夫ですか? 怪我とかはありませんか?」

 

「あ、あぁ…。お前、は?」

 

「ただの通りすがりの、新聞記者ですよ。あなた、ここから抜け出したいんですよね?」

 

「っ、聞いていたのか?」

 

「さっきの会話だけ、ですけどね。」

 

 

セレナさんは今の状況がまだ飲み込み切れていないのか、呆然としながら返事を返していましたが、隣にいた巨漢が少しの沈黙の後、私にこう尋ねてきました。

 

 

「その格好…。貴様、外から来たのか?」

 

「ん? えぇ、そうですね。」

 

「なっ、お前、外から来た人間だったのか?!」

 

「はい。」

 

「……。」

 

 

二人は、私が外から来た人間だと聞くと、小声で相談を始めました。おそらく、私の言った事を信用するか否かといった感じなのでしょうが。

 

巨漢とセレナさんはしばらく相談し合った後、セレナさんが私に話しかけてきました。

 

 

「…お前は、外から来たんだな。どうやってここに来たかは知らないが、だったら、私をここから連れ出してくれ!! 私は、こんな所にずっとい続けるのはもう沢山なんだ!!」

 

「…どうして、こんな事をしているのか、理由を簡単に話してもらえますか?」

 

「認めさせたいからだ!! 私の実力を、プロフェッサーに!!」

 

「実力?」

 

「そうだ!! 私には力がある。戦う意思だってある! なのにプロフェッサーは、ずっとここに閉じ込め続けてきた!! だから、外の世界で私の実力を示して、プロフェッサーに私の実力を認めさせてやりたいんだ!!」

 

「…なるほど。」

 

 

実力を認めさせたい、ですか。まぁ、おそらくそれだけ自分の実力に自信があるのでしょう。そして、それを引き出すだけの思いも。…それを生かさないというのは聊か気になりますが、これは少し可哀想ですね。まぁ、元々助けるつもりではありましたし、ちょっと予定が変わりますが、別にいいでしょう。それに、この人からはネタのにおいがプンプンしていますしね。一緒にいれば、面白そうな事がありそうですね。

 

 

「分かりました。そのお願い、引き受けてあげますよ。」

 

「っ、本当か?!」

 

「はい。羽ばたくべき翼が、こんな所でくすぶっているのは惜しいですからね。この射命丸文に、お任せ下さい!!」

 

「…本当に、良いのか?」

 

「何度も言わせないで下さい。無駄な返答をしている時間はないんですから。」

 

 

私は巨漢の人にそう言いながら、1枚のカードを取り出して壁にかざした。すると、そこに紫様の開く『スキマ』が発生しました。それを二人は、不思議そうに見ていました。

 

 

「…これは?」

 

「私達が、各次元を移動するように使っているものですよ。これを通れば、『スタンダード次元』に行けますよ。」

 

「スタンダードに、だと?」

 

「はい。さぁ、急いで下さい。追手が来るかもしれませんし。」

 

「…信用しているぞ。バレット!!」

 

「はい!」

 

 

セレナさんと巨漢の人、バレットさんは、私がカードで発生させた『スキマ』へと飛び込んでいった。それを見た私も、その『スキマ』に急いで飛び込み、『アカデミア』を後にした。

 

 

 

◇≡

 

 

「…逃げられた、だと?」

 

「はい。申し訳ありません。妙な侵入者に、邪魔をされてしまいまして。」

 

「……。」

 

 

アカデミアの頂点に君臨する男、『赤馬零王』は、今し方追っていたセレナが、突如現れた謎の侵入者と共に、『アカデミア』から逃げおおせたという報告を受けていた。彼女の従者であるバレットが何もしなかった所を見るに、彼もこの脱走に1枚かんでいるようだが、問題はその侵入者の方だ。

 

報告によると、その侵入者は突如横から乱入し、謎の物体(動きが速すぎて、視認できなかった模様)で突風を巻き起こして追手を退散させ、さらにカードを使って穴のような物を生み出し、そこからセレナとバレットを逃がし、自分もその穴に飛び込んでいった。そしてその後、穴は何事も無かったかのようにすぐに閉じたとの事。

 

 

(報告を受けた、もう一つの次元…。もしや、そこの住人だとでもいうのか?)

 

 

つい最近、赤馬零王は奇妙な調査報告を耳にしていた。それは、今まで統一しようとしていた4次元のほかにもう一つ、新たな次元が存在していたという事。そしてその次元は、『スタンダード次元』と表裏を一体とするかのように存在しているとの事だった。もし、その次元の住人がこの次元に来ていたのだとしたら、そう考えていると――

 

 

「プロフェッサー!!」

 

 

研究者の一人が、部屋の中へと息を切らせながら走り込んできた。何事かと思い尋ねると、その口から報告された事に、赤馬零王は表情に出ないまでも、心の中に動揺が走った。

 

 

研究者の青年が報告した事。それは、進行した『エクシーズ次元』の人間達から奪い、エネルギーを搾取し続けていた『精霊のカード』達が、根こそぎ無くなっていたという事であった。

 

 

◇≡

 

 

「…ふぅ、何とか戻って来れましたね。」

 

『スキマ』をくぐりぬけた私達は、『スタンダード次元』にある『舞網市』という名前の都市の、とあるビルの上にいました。都市の名前は、あらかじめ紫様から聞いていたので知っているだけです。

 

一方、一緒に出てきたセレナさんは、初めて来た場所の光景に少し見とれていました。

 

 

「ここが、スタンダード…。」

 

「はい。…綺麗な、場所ですよね。」

 

「…そうだな。バレット、お前はどう思う?」

 

「どう、と言われましても。私には、そういう感性はあまりないので。」

 

「そうか…。」

 

 

そんな会話をしていると、私のディスクから着信音が流れました。隣にいた二人には何事かと言う視線を向けられましたが、私は「ちょっと失礼。」といって、彼らから少し離れてディスクの画面を見ると、そこには『八雲藍』と書かれていました。…そう言えば、付いたら逐一報告しろと言われてましたね。となると、出ない訳にはいきませんね。

 

 

「はい、藍さん。清く正しく、射命丸です。」

 

『随分遅かったな、文。悪いが、こちらから駆けさせてもらったぞ。』

 

「すみません、ちょっと色々ありまして。」

 

『そうか。まぁ、無事ならそれでいい。で、今報告できそうか?』

 

「…それがその、ちょっと面倒な事になってまして。」

 

『面倒な事?』

 

「はい…。実は、怒らないでほしいんですけど、向こうでちょっと、人を二人程助けてしまいまして。で、今一緒にいるんですよ。」

 

『何だと?!』

 

 

私がセレナさん達の事を話すと、予想通り、藍さんは声を荒げました。まぁ、普通そういう反応しますよね。

 

藍さんは電話の向こうで、思い切りため息をついて、呆れた声で通話を続けました

 

 

『…文、お前というヤツは。本当に面倒な事をしてくれたな。』

 

「すみません。ただ、その助けた人達、セレナさんとバレットさんと言うんですけど。その内のセレナさんが、どうも相手にとっては結構上の地位の人のようで、外に抜け出す機会を見計らってたみたいなんですよ。で、付き人のバレットさんと一緒にいる所を――」

 

『助けた、と?』

 

「はい。」

 

『…分かった。まぁ、助けた理由は真っ当なものだったから良しとしよう。だが、事が事だな。紫様の指示を仰ごうにも、あの人は今手が離せない状況だ。』

 

「そうなんですか?」

 

『あぁ。珍しく、あの人も動いてくれている。そういう訳で、仮ではあるが、一応何かあった時には私が判断を下せる立場ではあるんだが…。』

 

 

藍さんはそういうと、考え込むように黙り込んでしまった。まぁ確かにこの状況、藍さんの独断で決められる範疇を超えてますよね。うーん、どうするべきでしょうか。そう考えていると、後ろからセレナさんが私のディスクをとり、同じように話し始めました。

 

 

「お前か? コイツをアカデミアに送り込んだのは。」

 

「ちょっ、セレナさん?!」

 

『ん、その声は…。もしかして、君がセレナか?』

 

「あぁ。…何故名前を知っている?」

 

『文が教えてくれたからな。何だ、自己紹介はしていないのか?』

 

「そんなものはしていない。」

 

 

あぁ、そう言えば、自己紹介もまともにしてませんでしたね。暇がなかったと言えば、そこまでなんですけど。…後でしましょうかね。

 

 

 

『そうか。では改めて。私は八雲藍。そこにいる射命丸文を、「アカデミア」へと送った八雲紫様の、まぁ、付き人と言ったところだ。で、そこにいるのが、君達を助け出した、射命丸文だ。』

 

「助けてもらったのではない。ただ『アカデミア』から出るのに、利用しただけだ。」

 

『利用した、か。まぁ、そういう事にしておこう。で、セレナ。悪いが、文に代わってもらえるか?』

 

「私ではだめなのか?」

 

『あぁ。君達の事以外にも、彼女に伝えなければいけない事があるからな。』

 

「…分かった。」

 

 

そう言って、セレナさんは私にディスクを返してくれた。私は、返してもらったディスクを再び耳にあて通話を続けた。

 

 

「はい、今代わってもらいました。」

 

『文、お前に連絡する事がある。尤も、これはその二人が来る前から決まっていた事なんだが。』

 

「何ですか?」

 

『悪いが、お前にはもう少し、そのスタンダード次元に止まっていてもらいたいんだ。紫様が戻るまで。』

 

「はぁ、構いませんが。」

 

『暇なら、今お前がいる舞網市では、近々「舞網チャンピオンシップ」というものが開催されるそうだ。それに参加するといい。』

 

 

『舞網チャンピオンシップ』、ですか。それは面白そうですね。そう言えば確か、霊夢さんもこちらに来てるんですよね。大会とかが好きな彼女の事ですし、参加してくるかもしれませんし。

 

 

「分かりました。では、そうさせて頂きます。」

 

『済まない、不便をかける。後でそちらに、舞網市での拠点の場所をメールで送る。しばらくは、そこで生活してくれ。勿論、彼女達とな。』

 

「はい、では。」

 

『あぁ。報告書を、後でメールででも送ってくれ。お疲れ様。』

 

 

それを最後に、藍さんからの通話は切れました。そして、しばらくするとメールが届き、セレナさん達に簡単な自己紹介と説明をしてから、私達はその場所へと移動しました。

 

 

 

 

これからまた、どんな生活が待ち受けているのか、楽しみですね。しばらくの間は、退屈しないで済みそうです。

 

 




どうも、お疲れ様でした!! いかがだったでしょうか?

「いやぁ、今回えらいオリ要素が入ってたね。『アカデミア』ってあんな事やってるの?」

いや、分かんないけど、あのOPとかで映る光った壺みたいなヤツとか見てたら、何かありそうな気がしてさ。それに、まだ1体も喋るモンスターの精霊みたいなヤツらも出てきてないし、あるとしたらこの辺りかなって。まぁ、あの部屋で得たエネルギーを何に使うかって言われたら、ちょっと説明に困るんだけどさ。

「あるとしたら、強いカードの生成、とかですかねぇ。」

「あぁ、かもねって、うわぁ!? 鴉天狗、あなたいつの間に?!」

「ん、最初の方から、この場所にはいましたよ。」

あぁ、紹介が遅くなっちまったな。今回の後書きの特別ゲスト、射命丸文だ。

「皆さん、どうもこんにちは!! 今回話の主役として登場させて頂きました、射命丸文です!! 以後お見知りおきを!!」

「全く…。来るなら来るって先に言っておいてよ作者さん。」

ハハハ、わりぃわりぃ。それでは改めて、本日の後書きはこの3人でやっていきたいと思います。よろしくお願いしますね。

「よろしくね!! じゃあ初めから見ていきたいんだけど、そんなに気になる事は、特になかったかな。」

「まぁ、強いて言えばだいたいが紫様からの事前情報と大して変わらなかったので、面白くなかった事ぐらいですかね。」

「…それはあなたの視点から、でしょ?」

まぁ、実際その辺りの射命丸の動きを描写しようにも、たぶんダラダラつまらない文が続きそうな気がしたから、おもっくそカットしたんだけどな。

「その結果がアレと。まぁ、確かにもう分かりきってる事をダラダラ書かれても、ねぇ。」

「まぁ、そういう説明等を求めている読者からしたら、『何でカットしたんだ?!』って講義が来そうですけどね。」

その時はその時だ。

「それもそうですね。にしても、私が言うのも何ですが、まさか彼女をこんな早期に出すとは。」

そうだな。ただ、一つ言えることとしては、今後はしばらく小出しにしか出していかないから。さすがに遊矢達と接触させる訳にはいかないからな。ユート達レジスタンス組は言わずもがな、だけど。

「確実にヤバいね、それは。って事は、鴉天狗達の出番はしばらく無しな感じ?」

んー、機会があれば書くかもしれないけど、しばらくは無しかな。今回の話も、コイツらが一応こっちに来てるよって事を知らせたかった話だし。

「あ~、なるほど。ですが、私がいる事が分かっている事で、何かメリットとかってあるんですか?」

んー、強いて言えば、情報戦でのアドバンテージ。それと、融合次元のメンバーであるセレナとバレットが万が一霊夢達と接触してしまった場合のパイプ役になれる事とか、かな。

「確かに、両方とも今の鴉天狗にしかできない事だよね。」

「後者に関してはこの話なかったら、全く訳分からん事になりますしね。」

「うんうん。あっ、そう言えば鴉天狗。」

「ん、何ですかフランさん? 後、そろそろ普通に名前で呼んで頂けると嬉しいんですけど。せめて射命丸でもいいですから。」

「え~、メンドクサイ。」

「…名前で呼んで欲しいって頼んで、『メンドクサイ』なんて言われたの、初めてですよ。」

まぁまぁ、フランには後で俺から言っとくから。でフラン、聞きたい事ってなんだ?

「あぁ、うん。ほら、あの何か、変な部屋で唯一反応してた精霊のカードがあったじゃん。アレ、何のカードが反応してたのかなって。」

「あぁ、アレですか。それは――」

おっと、そこはちょっと伏せといてほしいな。今後出す時にポンと出して、その時に説明入れたいから。

「え~…。」

「まぁ、作者さん権限ですから仕方ないですよ。諦めて下さい。」

「むー、仕方ないなぁ。じゃあ、そろそろ次回予告に行く?」

そうだな。あっ、射命丸。最後の挨拶、お前も参加していきな。

「あっ、良いんですか? ありがとうございます。では、遠慮なく。」

あぁ。それでは皆さん!!

「「「次回もお楽しみに!!」」」


次回予告(地の分:八雲藍)


文「いやぁ、無事に帰って来れましたよぉ。」

本当に、無事に帰ってきてくれてよかった。アリスみたいに、戻ってこなかったらどうしようかと思ったぞ?

文「えっ、アリスさん? 何かあったんですか?」

あぁ。…これは紫様と、私は知らない事なんだが――


次回、『遊戯王ARC-V -エンタメデュエリストと紅白の巫女-』


『シンクロ次元の人形遣い』


お楽しみは、これからだ!
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