遊戯王ARC-V -エンタメデュエリストと紅白の巫女-   作:坂本コウヤ

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どうも皆さん、お久しぶりです。

最近、ニコ動の方で動画制作に現を抜かしております、坂本コウヤです。

まぁ、ようやく動画制作の方も軌道に乗ってきたかなと思ったので、こちらの更新も再開出来たらなぁ、と思って、最新話を半年ぶりに、それも宣伝してから色々と経過したこの時期の投稿させていただこうと思います。

まぁ、確実にあちらも更新する都合上、不定期になる事がほぼ確定しているうえに、もう覚えてくださってる方がいらっしゃるかどうかって感じなんですけど、それでも、どなたか読んでくださっていると信じて・・・。


言葉を前半で積み重ねるのもあれなので、それではどうぞ。
あっ、因みに、今回はデュエルは無しです。


第3章:霊夢覚醒篇
第28話:現実と幻想の同盟! 共同戦線、始動!!


「・・・なるほど。こういうデッキ構成になってる訳ね。」

 

「うん。それで、どうかな?」

 

「うーん、そうねぇ・・・。」

 

太陽が地上へと光を浴びせ始めた朝早い時間、私は昨日色々あって一緒の部屋で寝た遊矢のデッキを、本人と一緒に確認していた。一応、この泊まり会は遊矢と柚子のレベルアップが目的なわけだけど、決闘者(デュエリスト)として肝心なデッキが、本人達のレベルよりも低くては話にならないと思い、昨日のデュエル終了後に朝早くから二人のデッキを見る事を伝えていたのだ。で、私も遊矢も意外と早くに起きてしまった為、先にデッキを見る事になったんだけど・・・。

 

まぁ、結論から先に言うと、コイツのデッキはまさにコイツらしいと言うべきか、使い道のよくわからない見た目重視のカードが入っていた。『EM(エンタメイト)』って、外(コウヤ達のいる)の世界じゃガチの部類に入るらしいけど、元々このカテゴリのモンスター達って、遊矢達の言う『エンタメデュエル』をそのまま体現してる子達だし、効果はともかく、デュエルを見ながら楽しむ事が出来るようにっていうのが伝わってくるモンスター群でもあるのよね。まぁ、コウヤ達のいる世界じゃ、ソリッドビジョンなんてものがないから、カードの見た目なんて気にしてるヤツがいないのも無理ないんでしょうね。だから「殴りたい、この(猿の)笑顔(←最近禁止になりましたw)」なんていう言葉が出るんだろうし。遊矢が聞いたらなんて言うかしら。

 

 

・・・ごめん、脱線したわね。閑話休題。

 

 

 

「先ず一つ言える事は、アンタのデッキがどんな召喚法であっても対応可能、って事なのよね。レベルも大体同じヤツが多いし、そこまで高レベルのモンスターがいないのもあって、比較的シンクロ召喚に幅を持たせることもできるわね。何より昨日獲得したペンデュラム融合のお陰で、全召喚法をマスターする事が可能になったのが大きいわね。」

 

「えっ、そうなの?」

 

「えぇ。融合召喚は他の2つの召喚法と違って、基本的にモンスター名を素材指定していることが多いから、そもそもが汎用的じゃないのよ。まぁ、最近はカップ麺こと『簡易融合(インスタント・フュージョン)』が出たから、誰でも彼でもライフコストを1000ポイント払えば、レベル5以下の融合モンスターをポンと出せるようになっちゃったけど。」

 

「へぇぇ――って、カップ麺?」

 

「うん。イラストがカップ麺そのものだから、そんなあだ名がついてるらしいわ。って、それはどうでもいいのよ。肝心なのは、融合召喚はそうやたらめったら汎用的に使える召喚法じゃないって事よ。ただでさえ『融合』や『フュージョン』と名の付いたカードが必要になってくる上に、素材となれるカードが限定されてるんじゃあね。」

 

「・・・それじゃあ、それを使いこなす素良や、LDSの光津真澄、それと天子は、やっぱりすごいって事なのかな?」

 

「まぁ、そうね。でも、その中でだと、天子はそこまですごくないわ。あの子の融合モンスターはアルティメット1体だけだし、そもそもの融合ギミックをあの子はそこまで使わないしね。基本的に、融合前の3体による数と質の暴力が、あの子のデッキの本領だから。」

 

「数と質の暴力・・・。確かに、言いえて妙だな。」

 

「でしょ?」

 

 

遊矢が苦笑いしながら返した言葉に、私も苦笑いで返した。いや、ホントあれは数と質の暴力以外の何物でもないからね。攻撃力3000のバニラモンスターが常に3体いる状態が殆どだし、しかもそれを維持するためのサポートカードも結構入ってるっていうね。ホント、あれどうかしてるわよ。毎度相手させられてる鈴仙の嘆きがわかる気がするわ。まぁ、あれ以上の強化がもしあったら、流石に私でも今の状態だときつい気もするわね。(←きました\(^O^)/)

 

 

 

「まぁ、アイツレベルの融合は今のところ出来るみたいだし、これからどうやってシンクロとエクシーズをねじ込むか、ね。」

 

「えっ、エクシーズ召喚も?」

 

「・・・遊矢、アンタ最初の方の私の話聞いてた? アンタのデッキには、比較的同レベルのモンスターがたくさんいるって、さっき言ったばかりでしょ? それと、エクシーズ召喚を行う条件、『同じレベルのモンスターを2体そろえる』っていうのを合わせて考えれば、あとはわかるでしょ?」

 

「あぁ、そっか。つまり俺のデッキは、エクシーズ召喚をするのに苦労がかからないって事か。」

 

「そういう事。しかもこっからがミソだけど、アンタの同レベルのモンスターは基本、ペンデュラムモンスターに多く存在しているわ。この事から、ペンデュラムモンスターがエクストラデッキにたまってさえいればだけど、任意のタイミングでより素早く、より効率よくエクシーズ召喚を行う事が可能である、という事になるわね。」

 

「ペンデュラム召喚で、同レベルのモンスターを2体並べるだけでいいもんな。普通のエクシーズ特化デッキだと、霊夢や志島北斗みたいに、同レベルのモンスターを、それぞれのモンスター効果で呼び出さないといけないし、そのタイミングが基本的に、手札やデッキの状態に依存することになる。その上、モンスター効果を止められでもしたら――」

 

「――出せなくなる可能性が出てくるわね。そう考えれば、ペンデュラム召喚っていう、モンスター効果に頼らない大量展開可能な召喚法を持つ遊矢のデッキは、比較的エクシーズ向きのデッキでもある、ともいえるわね。」

 

 

これはおそらく、私以外のエクシーズ使いが見ても思う事だと思う。ペンデュラムカードが割られる可能性に目をつむれば、基本的に低ステータスの同レベルモンスターを、モンスターやカードの効果に頼らずに大量に展開可能なペンデュラム召喚は、既存のエクシーズ特化のデッキの弱点をある程度克服しているからね。まぁ、代わりに新たな弱点が出来ちゃってるから、一長一短って感じではあるんだけど。特に「ハイハイ奈落」とか言われるペンデュラム使いは泣いていいと思う。えっ、『激流葬』? あれに関しては前からでしょ。というか逆に、武器にもなりうるから、アレ。・・・何か今日、閑話多いけど、作者がはっちゃけてるだけだろうから気にしないで。

 

 

「じゃあ、あとはチューナーモンスターを入れることが出来れば、シンクロ召喚も出来るようになるって事か。」

 

「えぇ。で、遊矢に一つ聞きたいんだけど、抜きたくないカードってある? 特にモンスターで。」

 

「えっ? そりゃ、全部抜きたくはないけど、新しくモンスターを増やすってなると、何かカードを抜かないといけないもんな。」

 

「それは当然ね。で、私としてはこのカバに使い道が見当たらないから抜きたいんだけど――」

 

「――それはだめだ!! ヒッポはアクションデュエルの時に、アクションカードを探すのにすごく頑張ってくれてるし、ペンデュラム召喚が出来ないときには、オッドアイズのリリース要因になるから。」

 

「・・・なるほどね。まぁ、レベル自体は3だから、シンクロ召喚する時の細かい調整要因にはなるけど、それだったらこの『EMファイア・マフライオ』がいるしね。何より、オッドアイズがペンデュラムモンスターな上に、ペンデュラム召喚で出す事が基本の感じがするし。」

 

 

遊矢の意見に理解はしたものの、私は正直、このデッキとディスカバー・ヒッポの相性はよくないと判断していた。正直な感想を言うと、「このカードは別に要らないカードではない。でもデッキとの相性を考えると邪魔じゃない?」、である。だって、レベル3に他のペンデュラムモンスターがいるなら、正直そっちを利用した方が断然いいし、何よりこのカードをそこまで利用する手段がほぼない。それに、アクションデュエル中の移動手段なら、シルバー・クロウやオッドアイズもいるんだから、あとは遊矢自身がアクションカードを見つけるようにすれば、それで万事解決な気がするのよね。

 

 

「・・・それでも、ヒッポは抜きたくないんだ。事故要因になるかもしれないけど、それでも、俺の大切な、仲間なんだ。」

 

「まぁ、言いたいことはわかるけどね。私にも、そういうカードはいないわけではないし。ただ使うにしても、それの効果はほぼ生かせないと思っておきなさいよ。」

 

「わかってるよ。」

 

「ならいいわ。で、話を戻すけど、どれ抜きたくない? 逆でもいいけど。」

 

「うーん、そうだなぁ。じゃあ、ヒッポ以外だと、霊夢はどれがいいと思う?」

 

「そうねぇ――」

 

 

と、私が遊矢に意見を提示しようとしたその時、コンコンッと、私の部屋をノックする音が聞こえた。入るよう促すと、そこにいたのは、早苗と昨日一緒に寝たはずの柚子だった。

 

 

「あら柚子、おはよう。早苗は?」

 

「おはよう、霊夢。早苗なら、今日の朝食作るって言って、私が起きてすぐ下に降りちゃったけど。」

 

「・・・そう(逃げたわね、あの子。まぁいいか。)。あっ、柚子。今遊矢のデッキをシンクロとかに対応できるように調整してるんだけど、ちょうどいいからアンタも入らない?」

 

「えっ、いいの?」

 

「どうせ後で呼ぼうと思ってたからね。どうせだし、私のデッキも見せてあげるわ。参考程度に。」

 

「分かった。ちょっと待ってて、デッキ持ってくるから。」

 

 

柚子はそういうと、開けていた扉を閉めて部屋へと戻っていった。・・・パッと見た感じ、昨日の事はもう気にしてない感じかしら。まぁ、気にしても仕方ない事を一々引きずっててもよくないでしょうし、早苗が何か言ったのかもね。あとで聞いて――、いや、思い出させてもよくないし、いいか。

 

 

 

その後は、遊矢に私のデッキを見せつつ、柚子が合流してからは、互いのデッキや持ってるカードを広げながら、いろいろ意見を交わしたりして、早苗が呼びに来るまで各自のデッキを調整していた。

 

――余談だけど、早苗が来た時にいやらしい笑みを浮かべていたので、アイアンクローを本気でかましてやった。遊矢達に止められはしたけど、後悔はしてない。

 

 

 

 

◇≡

 

 

「・・・ここね。」

 

「あぁ。」

 

「はい。」

 

 

家で朝食を食べ終えた私達は、遊矢達もつれて、昨日赤馬零児と交わした約束を果たすため、LDSの本社へとやってきていた。本当なら、遊矢と柚子はフラン達と一緒に待っていてもらう予定だったけど、どこから情報を仕入れたのか、赤馬零児が連れもつれて来いと今朝通信で言ってきて、結果、家に二人で置いておくわけにもいかず、連れてくる事になってしまったのだ。

 

 

「うわぁ、大きい。縦の大きさだけなら、紅魔館より大きいかも。」

 

「・・・気に入らないわね。まるで天空まで伸びようとしてるみたいで。」

 

「まぁ、私達天界の者からすれば、見ていてあまり気持ちのいいものではないですね。しかし、外の世界の建築物が、いつの間にこれほど巨大化していたとは・・・。」

 

 

一緒に来たフラン、天子、衣玖は、初めて見るLDSの本社ビルの大きさに、各々色々な感想を述べていた。ただ、天界に住んでいる二人にとって、この建物は気に入らない部類のものだったみたいだけど。

 

 

「取りあえず、ここで立ち往生してても仕方ないし、中に入りましょうか。」

 

「そうですね。たぶん、受付に迎えの人ぐらいはいらっしゃる筈ですし。」

 

「そうね。ていうか、赤馬が迎えをエントランスに寄越してるって言ってたし、いるでしょうね。」

 

 

私は全員へ目配せすると、皆頷いてくれた。それを確認してから、私達は中へと入っていった。

 

中に入ると、そこには紅魔館のエントランスと同じか、それよりも広めな空間が広がっていて、中央の受付の上には、巨大なモニターが設置されていた。そして、私達が入ってきたのを見て、一人の男が近づいてきて、話しかけてきた。

 

 

「おい、そこの君達。」

 

「ん?」

 

「・・・榊遊矢、それに柊柚子まで。」

 

「遊矢達の事を知ってるの? って事は、アンタが赤馬が言っていた、『中島』って人?」

 

 

私が確認すると、『中島(?)』は溜息をついて、眼鏡(というかサングラスか、あれ)の位置を戻して口を開いてきた。

 

 

「・・・社長から聞いてはいたが、本当に敬語を話さないんだな。目上の人や初めて会う人には、敬語を話すよう習わなかったのか?」

 

「悪いわね。そんなのを習う前に親が死んじゃったし、何より私、学校に通ってないからね。」

 

「・・・まぁいい。社長室まで連れていく。ついてこい。」

 

 

中島は私達を先導するように奥へと歩を進めていった。遊矢と柚子には待っていてもらおうかとも思ったけど、沢渡の一件がまだこっちで片付いたことになっているかが確かめられて無い為、一緒についてきてもらう事にした。

 

 

ついていった先には大きな扉があり、中島がそれの近くにあったスイッチを押すと、扉が開いて、狭い空間が現れた。早苗にこっそり教えてもらったが、これは『エレベーター』ってものらしく、外の世界の人々は、高い建物ではこれを使って上下を行き来することが日常的だそうだ。天子達がその時、また苦い顔をしてたけど、私としては、ずいぶんと便利な世の中になったと思った。正直能力があるとはいえ、自力で飛んで上まで行くのはめんどくさいのよね。これ、似たようなの幻想郷に作ったら、天界とかにも行きやすくなると思うんだけど。

 

 

エレベーターに乗り込むと、早苗が言っていた通り、私達のいる空間が、上へと上昇を始めた。初めて味わう感覚に、フランや私は危うく感情が表に出そうになったけど、遊矢達の前であることを思い出して、何とか我慢した。で、エレベーターの中だけど、中島は終始私達とは目を合わせず、黙り込んでいた。まぁ、感じ的にアイツの付き人的な奴だろうから、たぶん私達の事も知ってるんでしょうね。だとしたら、異質な感じのする私達に対して、いわゆる畏怖の念を抱いてるのかしら。ここにさとりでもいれば、もっと正確にわかるんでしょうけど。

 

そして、エレベーターが上昇をやめると、電子音と扉が開き、中島が空間の外へと歩を進め始めた。それについていくように、私達も順に歩を進めていった。

 

 

因みに、エレベーターを出てから赤馬がいる部屋までの道中、柚子と遊矢は終始キョロキョロしたり、互いにこの廊下のここがどうとか話していた。まぁ確かに、遊勝塾に比べたら随分と立派な感じがするけど、あそこの雰囲気にこれは似合わないと思うわよ。・・・まぁ、敵情視察のつもりなら、別に構わないけどね。

 

 

 

◇≡

 

 

「・・・この中で社長がお待ちだ。」

 

エレベーターからの長い通路を歩き終わり、一際大きい扉の前まで来ると、中島がそう言った。私は、もう一度皆に視線を向け、一度頷きあってから、扉を開いた。ただ、遊矢と柚子は扉を開ける寸前、中島が行く手を遮っていた。

 

 

「・・・ちょっと、邪魔しないでよ!」

 

「そうだ! 赤馬零児との話なら、俺達にだって関係が――」

 

「残念だが、君達は別室で待機してもらう。社長からそう言われてるんだ。」

 

「そんな!?」

 

 

中島の言葉に、遊矢達は納得がいかない顔をしていた。ただ、私達4人には、その命令の意図を瞬時に察せられた。おそらく赤馬は、私達の住む『幻想郷』についての話をするつもりなんだろう。だからこそ、他次元の存在を知らない遊矢達がいた場合、その話が出来なくなると考えてるんでしょうね。まぁ、実際遊矢達がいた場合、私達も色々と話はしにくいんだけど。そう考えてると――

 

 

「・・・なら、私もその別室で待機させてもらうわ。」

 

「・・・総領娘様がそうおっしゃるのであれば、私も。」

 

「天子、それに衣玖も…。」

 

「じゃあ、私も待ってようかな?」

 

「フランさんまで?」

 

 

突然、天子と衣玖とフランが、遊矢達と一緒に別室で待機してると言い出した。当然、中島の方はその意見に納得していなかったが、元々ここに来る約束をしていたのは私と早苗だったのだから、部外者の自分や衣玖も別室で待機するべきだと天子がいい、渋々三人を、遊矢達と一緒に別室へと連れて行った。

 

 

「・・・よかったんでしょうか、天子さん達。」

 

「さぁね。でも、これで話はスムーズに進みそうね。私とアンタだけなら。」

 

「まぁ、もし天子さんがいたら、平気で突っかかっていって、話が進まなそうですけどね。」

 

「でしょ?」

 

 

私は早苗と少し言葉を交わすと、扉のノブをガチャリと回して、中に入った。すると、そこにいたのは――

 

 

「あら、やっと来たわね霊――」

 

「『亜空穴』!!」

 

「ひゃあぁぁぁ!!」

 

 

――ガシッ――

 

 

「――おいおい、久々の再開にしては、ずいぶん楽しそうじゃないかい?」

 

「っ、萃香?!」

 

 

紫めがけて瞬間移動で放った蹴りを片手で受け止めている萃香を見て、私は驚きながらも、宙返りして床に着地した。…どうして萃香がここにいるのかはともかく、まさかここにもコイツが来てたとはね。

 

 

「なんでまたアンタがいるのよ、紫。」

 

「それを言うなら、何であなたも私を見る度に、親の仇みたいにスペカやスキルをぶつけようとしてくるのかしら、霊夢?」

 

「自分の胸に聞きなさい・・・。」

 

「ナンノコトカシラー?」

 

「・・・ハァ。とにかく、何でアンタが赤馬の部屋にいるのよ。それも萃香と一緒に。」

 

 

溜め息をつきながらも、私は紫にこの状況の説明を求めた。部屋をサッと見てみたが、赤馬本人はいないし、部屋には私達4人だけ。早苗もさっきまでは苦笑いしてたけど、赤馬がいないことに気づいたからか、怪訝な表情をしていた。

 

 

「あぁ、それは――」

 

「それは、私の方から説明しよう。」

 

 

紫が説明をしようとしたその時、部屋の奥の方から赤馬零児が出てきた。…どうやら、部屋の中では一応待ってはいてくれてたのね。

 

 

「昨日ぶりね、赤馬。部屋にいないから騙されたかと思ったわよ。」

 

「すまない、社長室と繋がっている部屋に少し移動していたのでな。で、その二人が何故いるか、だったか。」

 

「そう、それ。話し合いの前に、まずそれを教えてもらわないと。」

 

「・・・いいだろう。と言っても、伊吹萃香に関しては、君も身に覚えがあるんじゃないか?」

 

「・・・・・・、あっ。」

 

 

赤馬に言われて最初は思い出せなかったものの、昨日萃香と会った時の事を思い出して、私は何でここに萃香がいるのか分かった。

 

 

(そういえばこの建物、何か穴を直した後みたいなのがあったわね。まさか、ここまでとんできてたっていうの? ・・・ないと思いたいけど、こうなってるって事は――)

 

 

私が思い至った結論。それは、家からこのLDSのビルまで、私が投げとばした萃香がとんできていたという事だ。普通はありえないはず、なんだけど。・・・でも、それしかないわよね。って事は、私のせい?

 

 

「気付いたようだな。」

 

「・・・納得はいかないけど、ね。でも萃香はわかったけど、紫は何でいるのよ?」

 

「それは、私の方から説明するわ。」

 

 

私が質問をすると、赤馬が口を開く前に紫が話し始めた。それによると、理由は二つあるそうで、その一つは、どうやらこっちでの私達の召喚反応が、こっちの機械達に大幅な負担をかけている事がわかったらしく、その為、紫がわざわざ、それを改善出来るにとりを連れてこちらまで来たのだそうだ。一応、補修の方は昼頃に終わるらしいけどね。

 

 

「そうだったの。なんか悪いわね、私達のせいで計器類に影響与えちゃって。」

 

「いや。君たちの召喚反応が、我々の予想をはるかに超えていたという事の証拠だろう。他次元の決闘者(デュエリスト)の召喚反応には耐久値が追い付いていた所を鑑みると、余程君達『幻想次元』の決闘者(デュエリスト)のレベルが高い、という事がわかる。」

 

「自分達からすると、そうでもないんだけどね。まぁ、『No.(ナンバーズ)』みたいな特別なカード達もいるって考えると、よっぽど私達の所って特殊なのかな、とは思うけど。――それで紫、もう一つの理由は?」

 

 

赤馬の話に相槌をうちながら、私は紫にもう一つの理由を尋ねてみた。紫は赤馬と同じで、腹の底が読めないヤツではあるけど、それでもまだ、赤馬よりは信頼できる存在だ。何だかんだで、こっちに有益な情報を送ってくれる事もあるし、何より付き合いが長いのもあるんだろうけど。

 

 

紫は赤馬に視線を向けると、互いに頷きあってから、口を開いた。

 

 

 

「私がこちらへ来たもう一つの理由。それは、アカデミア打倒のため、そして、幻想郷より持ち去られた、『煉獄の悪魔』のカード達を取り返すため、赤馬零児と、ひいてはこのスタンダード次元と同盟を結ぶためよ。」

 

 

――紫が厳しげな表情で発したその言葉に、私達は表情には出さなかったものの、衝撃を覚えたのだった。

 

 

 

 




どうも、いかがだったでしょうか。

うん、この半年間暇を見つけて書いていた関係か、色々文章がアレでですけど、ごめんなさい。勘が戻るようにはしたいですけど、果たして昔のレベルに戻すのにどれくらい時間がかかるか・・・。

さて、では後書きまで来ましたので、まずは一言。


今までお待たせしてしまい、本当にすみませんでした。いや、これ以前も更新が滞った時にいったので、あまりもう真剣みがないかもしれませんが、それでも謝らせてください。以前、動画を投稿したての頃に、こちらの投稿を待ってくださってる方もいると聞いて、正直早く何とかしなくてはと思っていたのですが、どうしてもこちらのモチベーションが回復せず、皆様にもご迷惑をおかけしてしまったと申し訳なく思っています。

一時期、このアカウントを閉じる事も考えたのですが、この作品を中途半端な形で投げ出すの出来ればしたくないという思いもあって、結局ここまで引きずってしまう形となってしまいました。ごめんなさい。

で、これからのここでの僕の活動なのですが、まず、去年までのペースは今のままだと無理かもしれません、と言うか無理だと僕自身思っています。

まぁ理由としては、二足の草鞋ならぬ三足の草鞋をを始めてしまったからです。まぁ、簡単に言えば動画制作も始めてしまった都合上、こちらに割く時間もそれなりに減るという事ですので、本当に身勝手な理由なのですが、そこはご了承ください。

では、この作品を今でも読んでくださってる方がいると信じて、これからも不定期ですが、がんばっていきたいと思います。それでは!!
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