短いです
拙いです
これからもです
作者NARUTO最近読み始めました。名前とかはウィキで調べたりです。
その昔、妖狐ありけり
その狐、九つの尾あり
その尾、一度振らば、山崩れ津波立つ
これに困じて、人ども忍の輩を集めけり
僅か一人の忍、これを封印せしめ一人の赤子に託す
その忍、四代目火影を冠する者なり
その赤子、名を―――
「それじゃ、ナルト。僕はもう出るよ。試験頑張ってね」
「任せろってばよ! 俺ってば絶対に合格してやるから!」
一軒の家に、二人の金髪あり。顔立ちは二人共似通っており、佇まいや雰囲気も既視感を覚えるように見える。
それもその筈、彼らは親子である。片や火の国木の葉隠れの里担いし四代目火影を冠する者――波風ミナト。片や、その面影を垣間見せ狐の様な髭を象徴としている天真爛漫な男児――波風ナルト。
九尾襲来の事件から幾らかの年月が経ち、木の葉隠れの里は一時の平穏を迎えていた。
こことは違った世界では在り得たかもしれない"ナルト"との状況とは多少の差異があるということはナルト本人が気付いていた。
(ここは"NARUTO"の世界ではない)
家を出て行くこの世界での己の父を眺めつつ、ナルトは心の中で呟いた。この心中から察せられるように、このナルトは"ナルト"としての意識を持っていない。
(言わば、転生者もしくは憑依者)
但し、原作知識など皆無のという点を心中の言葉に付け加える。机の上に置いていたコップに牛乳を注ぎながら、自分が”ナルト”ではないという意識に気付いた頃の事を思い返してみる。
最初は、戸惑いだった。朝起きて鏡を見てみたら見覚えがあるようでない顔が映し出されて驚いたのがキッカケだった。よく見て考えてみた結果、これは昔友人が読んでいた"NARUTO"と呼ばれる少年漫画の主人公の顔ではないだろうかという事に辿り着いたのだった。
いくら読んでいないとはいえ、あれだけ有名な漫画なのだ。それとなくあらすじくらいは知っている。
知っている筈だった。それはナルトの背後に現れたもう一人の金髪の男によって掻き消される。そう、"ナルト"の父と見られる男の存在によってだ。
"ナルト"に両親はいない。そうナルトは知っていた。しかし突然消されるその事実。
「あの時はビックリした。けど、バレずに済んで良かった」
牛乳片手に一人呟く。
あの時は慌てて自分の部屋に戻り、一日閉じ籠もって状況を思案しまくったものだ、と懐かしそうにナルトは目を細めた。父にはかなり心配されたが、いつも通り"ナルト"として戻ってその心配を杞憂にさせた事が良かったのである。
それから二年、ナルトは"ナルト"として生きてきた。そこで分かった事がいくつかあるのだ。
まず、木の葉の住民の接し方。これは、原作より緩和されている。それは四代目火影生存が鍵であるのが間違いないだろう。しかし、ナルトを"九尾"として捉える人達も多くその被害は四代目火影の支持率にも影響されていた。しかし、今までの功績や圧倒的カリスマによってないといっても正直変わりない。
そして次に、友好関係。奈良家を含めたいくつかの秘術及び血継限界を含めた家系との関係は概ね良好となっている。これも、戦時中の戦友である”奈良シカク"や"秋道チョウザ"と友人である四代目火影の存在が大きい。さらに、今亡き母である"うずまきクシナ"と彼女の生前友好があったという"うちはミコト"は度々母親代わりとお節介を焼きに来て、その結果"うちはサスケ"とは交流を持つようになった。
父一人の生存によって原作との乖離が激しいとナルトは思う。しかし、元よりナルトは原作を知らぬ身。大して乖離に影響がある訳ではないので今を楽しく厳しく生きていこうと思っているのだった。
しかしここで、問題が発生するのである。
「まさか、俺に忍としての才能がないとは……」
原作の"ナルト"もあまり優秀な生徒ではないと聞いたことがあったが、四代目火影という天才の父の才能を持ち、その父の教えを請える状態だとも言えるのに一向に伸びない忍としてのスキル。
そもそも、現代人としての常識がある故にチャクラについての理解が及ばないのが全ての元凶だったのだ。
故に、体術と忍具の扱いが伸びる一方で忍術や幻術……そして所謂チャクラコントロールなるもののスキルは芳しくない結果を生み出していた。
そういう意味での失望感を里の住民はナルトに見せてくる方が九尾の懸念より多いといっても過言ではない。
四代目火影であり父である波風ミナトは気にすることはないと言ってくれるのだが、如何せん精神も子供よりになっているのかコンプレックスとして捉えていた。
そして今日。アカデミーと呼ばれる忍者学校の卒業試験の日。これまで一生懸命修行をしたのだが、分身の術は最低一人しか出来ない始末。
ここで落ちたら父の顔に泥を塗ることになる。ナルトは絶対に失敗できないと牛乳を一気に飲み干し、アカデミーへと出発した。
感想待ってます