「チッ…まぁいい、ようこそ白亜の宮殿へ、ゲームマスターとしてお相手しましょう…あれ?このセリフ言うの初めてかも」
「知るかよ、とっとと始めろクソガキ」
面白くもなく楽しそうでもない、その状況が鏡也には耐えられない、その為口調が徐々に荒くなる。
「クソ…いいさ、やってやる…目覚めろ!アルゴールの魔王!!」
ルイオスが首のチョーカーを外し叫ぶ、すると白亜の宮殿に共鳴するように甲高い女な声が響き渡った。
「ra……Ra……GEEEEEYAAAAAAAaaaa!!!」
それはもはや人の言語で理解できるものではなかった、冒頭こそ謳うような声であったが、それさえも中枢を狂わせるほどの不協和音だ。
「ハッ!やっと来たか魔王様!」
「うるさい」
「そうね」
「耳が痛いぜ…」
「まあまあ、やりましょうか」
「そうですね」
「しゅっぱーつ!」
「あたいも頑張りますよ!」
「うん!私もー!」
しかしその叫びであろうと彼らは怯みもしない、耀や飛鳥は腰が引けていたりするが、十六夜や幻想郷の住人にしてみれば、狼の遠吠えにすぎない。
「ごめん、ちょっと無理かも、耳やられた」
「どこか休めるとこを、私は春日部さんを見てるわ」
「あいあい、んじゃやりますか」
そして黒ウサギやジンに飛鳥と耀を任せ、他の面々が準備をする。
「十六夜には悪いがアルゴルは貰うぜ」
「仕方ねぇな、今回は譲ってやるよ」
十六夜は拳を構えルイオスの方を向き、鏡也達はスペカを用意する。
「名無し風情が!身の程を知れ!行け!アルゴール!」
ルイオスの命令でアルゴールが突進してくるのを合図に、十六夜はルイオスへ跳躍し、鏡也達はスペカを発動した。
「呪精《ゾンビフェアリー》」
燐が最初に発動する、妖精のような形をした幽霊がアルゴールへ向かう、それらが当たると爆発しアルゴールの動きが遅くなる。
「行くわよ、廃線《ぶらり廃駅下車の旅》」
煙が晴れると次は紫のスペル、いつもより一段大きいスキマを開くと、錆び付いた列車が走ってくる、そしてアルゴールに列車がぶつかりアルゴールが後ろに飛ぶ、それを確認して霊夢と魔理沙が畳み掛ける。
「境界《二重弾幕結界》」
「恋符《マスタースパーク》」
霊夢と魔理沙のスペル、霊夢が二重の広範囲弾幕をぶつけ、魔理沙がレーザーを撃つ、するとアルゴールの呻き声が聞こえ、拘束具が幾つか外れる。
「な、なに?」
「ちょっとまずいかもな!」
魔理沙と霊夢が空を飛び後ろへ下がる、すると代わりにさとりとこいしが歩いてくる。
「想起《テリブルスーヴニール》」
「無意識《弾幕のロールシャッハ》」
二人の弾幕で再び突進してきたアルゴールのスピードが徐々に収まる。
「鏡也、お空、任せましたよ」
「頑張れ〜」
「はい!」
「おう」
呼ばれて返事をする、するとお空の右手についている制御棒が鏡也にもついている、そして二人がスペルを宣言する。
「「爆符(再現)《ギガフレア》!」」
二人の周りから警告音が鳴り響く、三回ほど鳴り終えると、制御棒から真っ赤なレーザーが二本、発射された。
「あいおわり」
鏡也がそう言うと、煙が晴れ、地面が抉れた先、壁に埋まったアルゴールが見えた。
「な…アルゴールが!?」
「よそ見してていいのかよ!」
横から十六夜とルイオスの声が聞こえる、それを確認してから。
「さてと、終わったわね」
「そうね」
「疲れたぜ…」
霊夢と魔理沙、紫が話しかけてくる。
「おう、お前らはこれからどうすんだ?」
「とりあえずは幻想郷に戻るわ、あんまり開けていると結界が怖いから」
「そうね、それじゃね〜あと、また呼んでくれれば来るわよ〜」
紫の気の抜ける様な声と一緒に霊夢と魔理沙の二人もスキマで帰っていった。
「おーい、終わったぞー!」
こちらで話をしている間に十六夜達はゲームをクリアしていた、大の字で倒れているルイオスを見たところ安定の勝利だったと見える。
「んじゃ、俺らも帰りますか」
「Yes!帰ったら祝勝会なのですよ!」
「次のゲームは私達も活躍するから、期待しててね」
「うん、私も」
「この調子なら次になにが来ようと楽勝だな!」
十六夜の最後に掛けた一言で全員がゲームのクリアを再理解して、気絶したレティシアを受け取り、本拠へと戻るのだった。
ギフトゲーム:FAIRYTALE in PERSEUSクリア