第一話:問題児との邂逅
さとり達が地上に降り、これからどうするかを考えていると、先ほど落ちていったであろう金髪の少年がこちらに話しかけてくる。
「とりあえずあんた達は?名前ぐらいは教えてくれよ」
それに同意するようにお嬢様のような少女がさらに問う。
「あなた達は飛べるようだけど、ならなぜ助けてくれなかったも聞きたいわ」
もう一人華奢な少女もいるが、彼女はこちらを眺めているだけだ。
「それはいいけどよ、その前にお前らの名前も教えてくれよ」
青年が言う、すると三人は自己紹介を始めた。
「俺は逆廻十六夜、十六夜でいいぜ」
「私は久遠飛鳥、私も飛鳥でいいわ」
「春日部耀、好きに呼んで」
彼らの自己紹介を聞き、さとり達も返す。
「私は古明地さとり、帽子をかぶっている方は妹のこいしです、助けなかったのは流石に追いつけなかったからです」
「こいしだよー、よろしくねー♪私は気づかなかったから、ごめんね」
「あたいは火焔猫燐、お燐でいいよ、お空が落ちていってびっくりしてさ、それに今は車が無いから持ち上げられなかったんだよ」
「私は霊鳥路空、お空って呼んでね、私は落ちてたから無理でした」
「俺は神泉鏡也、鏡也でいい、助けなかったのはお前らが既に落ちた後に気付いたからだ」
全員が自己紹介と助けなかった理由を答え終えると、さとりは自身についている目玉の様な物を使い、十六夜、飛鳥、耀の心を読もうとする。
「(……………)あれ?十六夜さんの心が読めない?飛鳥さんは?(……………)嘘、読めない、耀さんは(……………)駄目ですか…鏡也、少しこっちに」
「どうした?もしかして、あいつらの心が読めないとか?」
余りにも的確な質問でさとりが黙り込む。
「大丈夫だろ、俺も読めねえし」
鏡也がさとりの方を向くと、先ほどまではなかったさとりと同じだが色が違う目玉が現れている。
「読めないなら読めないでいいさ、それより、あいつらは
"アレ"に気付いてるみたいだな」
アレ、と言われ、さとりも向こうの草むらを見る。
「(うわぁ……なんだか問題児ばっかり見たいですね…それに呼んだ数よりいくらか多いみたいです……ですが多いに越したことは……)ですか…呼ばれてないのなら帰らせて欲しいのですが…」
それを聞いた十六夜らがさとりの方に近づき、質問する。
「お前も"アレ"には気付いてたんだな、それと、なんだ今の、まるで」
心を読んでるみたいだなと言おうとした瞬間。
「そうだよー、お姉ちゃんは覚だもん、心を読めるんだよー♪」
楽しそうにこいしが答える。
「ただお前らの心は読めないがな」
と鏡也が付け加える。
「と、とりあえず出てきてもらいません?」
「うにゅ、そろそろ動きたいよ」
お燐とお空が言うと、飛鳥が少し苛立たしく草むらの方へ話しかける。
「全員アナタに気付いてるわよ、観念して出てきたらどう?」
それを聞いて観念したらしく、草むらからうさ耳の生えた少女が現れる、それを見て全員は理不尽な招集を受けた腹いせに殺気を込めた冷ややかな視線を向ける。
「や、やだなぁ皆様、そんな狼見たいな怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます、そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いてはいただけませんか?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「めんど」
「いいですよ」
「わぁ〜、ウサギさんだー!」
「うん、ん?」
「さとり様以外聞く気ゼロですか…」
「アッハ、取り付くシマも無いですね♪」
降参のポーズをとる黒ウサギ、しかしその眼は冷静に八人を値踏みしていた。
「(肝っ玉は及第点、この状況でNOと言える勝ち気は買いです、まぁ、扱いにくいのが…)難点…ですか」
え?と黒ウサギがさとりの方を向く。
「すみませんね、心を読ませていただきました、とりあえず話だけでも聞きましょう、箱庭について説明してくれるそうですよ」
それを聞いて黒ウサギが顔をパァと明るくする。
「あ、ありがとうございます!それでは説明をさせていただきますが、よろしいですか?」
その後箱庭について説明を受けた、その最中で。
「俺たちは元の世界に帰れるのか?」
という鏡也の質問に対しては。
「申し訳ありませんがNOです、なんらかのギフトがあれば移動することは可能ですが…」
そう言われさとり達は少し落胆するが、黒ウサギのコミュニティについての内容はさとりが読み大体理解したので、目標を達成したら帰る方法を探す、と言う事で地霊殿の面々は納得した。
「それでは箱庭に向かいます、皆様ついてきてくださいね!」
そう言い黒ウサギが先導する中各々が後をつく、その最中十六夜とこいしがいなくなったりしていたが、こいしに関しては何時もの事だ、と放置した。