バトルスピリッツ激震の勇者   作:ブラスト

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第13話『旅行バトル挑戦!騒然の0バーストデッキ!』

『あっ!もしもし、旅行の意味を含めて、何人かでそっちに行こうって計画してるんだけどいいかな?』

 

まだオープン前のバトスピショップ。店長である知恵は、この日ある相手と電話をしている様子。

 

『絶対あの子たちのいい経験になると思うの。ほんとにありがとう。じゃぁ用意が整ったらそっちに行くから』

 

それだけ言うと知恵は電話を切り、上機嫌な様子で知恵は、バトスピショップ開店の準備をするのだった。時刻は10時。バトスピショップオープンの時間。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!剣龍皇エクスキャリバスでアタック!」

 

いつものようにバトスピショップでバトルしている和人とリクト。今回はリアルバトルフィールドではなく、普通の台座でバトルしている二人。今は第9ターンでお互いのライフは一。和人の場にはディノニクソー、ヴェロキハルパーLv.3、剣龍皇エクスキャリバスLv.2が一体ずつ。リクトの場にはスピリットはノーザンベアードとネクサス雪の結晶樹が一枚ある状態。

 

「フラッシュタイミングでサイレントロックを使用!攻撃はノーザンベアードでブロックして、このバトル終了時、アタックステップを強制終了」

 

「!、ターンエンド」

 

ブロック時効果でコアを一個ノーザンベアードに置いた後、バトルに負けたノーザンベアードをトラッシュに置き、その後サイレントロックの効果でアタックステップを強制終了させられた和人はターンエンドとなる。

 

「俺のターン、スレイウラノスをLV.3で召喚」

 

「!」

 

「メインステップはこれで終了し、アタックステップ!ステイウラノスでアタック。アタック時効果でヴェロキハルパーを手札に戻し、コスト4以下を手札に戻したので回復」

 

「ディノニクソーでブロック!」

 

「回復してるからもう一度アタック」

 

「……ライフで受ける」

 

残り一個のライフをリザーブに移し、和人の負けが決する。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~、負けた負けた」

 

「まっ、お前が序盤で破壊系のマジックカードを序盤に使いすぎたせいだな」

 

「こんなんじゃ全然だな。川村の言うとおり、俺はまだまだ甘ちゃんって事かよ」

 

ため息をつきながら、自分のデッキを確認する和人。チャンピオンシップの決勝戦での敗戦は和人にとってよほど応えたらしく、そのためのデッキ調整をしては、フリーバトルをやっているのだが、中々思うような成果は得られず、悪戦苦闘中だった。

 

「パックでも買ったらどうだ?」

 

「俺お小遣いピンチなんだよ。パック買うならもうすぐ発売される【爆裂の覇道】を購入したいし」

 

「はは、まぁ中々難しいだろうが、精々頑張れよ」

 

「お前の方こそ、全国大会出場するんだろう?そっちの方はどうなんだよ?」

 

「まぁな。一応捗ってはいるが、油断はできないな」

 

「はぁ~~、俺も全国大会出場したかったな」

 

「ともかく今は実力を上げる事だろ?」

 

「おぉ!リクト良かったらもう一回バトル────」

 

”ウィーン”

 

そこへ自動ドアの開く音がし、ふと振り返るとそこには川村の姿があった。

 

「川村!?何でここに?」

 

川村の姿を見ると、和人は驚いたように声を荒げた。

 

「ここに来て悪い?カードバトラーの一人なんだから、カード買ったり、バトルしたり、色々ここを利用する事は多いんだけどね?」

 

「ふ~ん。って!んな事よりここで会ったが100年目、前の全国大会のリベンジマッチ!今こそ挑ませてもらうぜ!」

 

「……断る。甘ちゃんと何度もバトルするほど暇じゃないし、それに今日は全国大会用にカードを買いに来ただけだし」

 

「誰が甘ちゃんだよ!!俺が甘ちゃんかどうか、バトルで判断しろ!」

 

「だから断る。戦ってほしいならまだまだ実力を伸ばす事。これ条件」

 

そんな事を言いながら、川村は物販へと足を進め、適当にパックを手に取り、それをレジに置く。

 

「いらっしゃい!」

 

「どうも知恵さん。これください」

 

「毎度あり。後、川村君、この前の事、誰にも言ってないから安心して」

 

「……あ、ありがとうございます」

 

この前、川村が女であることを知ってしまった知恵。勿論、知恵はその事を誰にも伝えていない。川村はそれを聞くと少し恥ずかしそうになりながらも、どこか安心したような声で返事をするのだった。

 

「あと、川村君、よかったらちょっといいかな?」

 

「?」

 

「ついでに言うと、リクト君達にも用があるんだけど」

 

「一体なんですか?」

 

「まぁちょっと待ってて。お~い!リクト君!ちょっといいかな?」

 

「「?」」

 

名前を呼ばれ、何事かと思いリクトのその場に行き、興味範囲で和人もその様子を見る。

 

「知恵さん、一体何ですか?」

 

「いや、リクト君と川村君の全国大会出場祝いに、ちょっとした旅行でもどうかなっていうお誘い」

 

「旅行、ですか!?」

 

「そっ、行き先は秘密なんだけど、必ず君達にとって行っておいて方がいい場所だよ?」

 

「例えばチャンピオンが練習に使ってたバトスピショップとかですか?」

 

「う~ん……まぁでも期待してよ。ガッカリするような場所じゃないと思うし」

 

川村の質問に知恵は笑いながら答え、それを聞いて二人ともしばらく考え込み……。

 

「まっ、行かせてください。ぜひ興味があるので」

 

「……じゃぁこっちもお願いします。大会までのレベルアップとしての場になるならぜひ行ってみたいので」

 

リクトも川村も二つ返事で、知恵に言うのだった。

 

「いいな~、川村もリクトもどっか旅行に行けて。俺も行きたいぜ」

 

「ふふふ、そう言うと思って……和人君にも────」

 

「えっ!?いいの!!」

 

「旅行に行けるチャンスがあります」

 

「ズコっ!い、嫌々!チャンスがあるって、どういう事ですか?」

 

「まぁそろそろ来る頃だけどね?」

 

「「?」」

 

その場の全員が不思議に思う中、再び自動ドアが開き、そこから少し多めの客が見え、その中には咲や光など、チャンピオンシップに出場していた面々がいた。

 

「あれ?和人にリクト君?それに川村君もいるなんて、珍しいね」

 

「お前こそ、急にどうしたんだよ?」

 

「私、知恵さんに言われてきたんだけど、私自身もよく状況がわかんなくて」

 

和人に言いながら、咲自身もあまり状況を理解していないようだった。

 

『和人さん、お久しぶりです』

 

「ん?あれ、確か……光だったよな!お前も来たんだ」

 

「えぇ、知恵さんから連絡いただきここに来たんですけど、まさかここで和人さん達と会えるなんて思ってもなかったです」

 

「ふ~ん、でも折角会ったんだ、またお前とバトルしたいぜ!」

 

「はは、機会があればまた」

 

『えぇ~!みんな今日は集まっていただいてありがとうございます!』

 

「「「!」」」

 

突然中央に知恵の声が響き、その場の全員が中央に視界を向けると、マイクを片手に知恵はカードバトラー達に話を続ける。

 

「実は全国大会に出場を決めた川村君とリクト君にお祝いの意味を込めて、ある所へ旅行に行こうと思ってます。行き先は今のところ言えないですが、カードバトラーの経験に大いに役立つ場所だと思っておいてください。そしてその旅行について何ですが、一応旅行はまだ二枠ほど空いてるので、この中でその旅行に私も参加したいって方は要るかな?」

 

「「「はい!はい!はい!」」」

 

知恵の言葉を聞くと、誰もが行ってみたい様子で大きくその場の全員が手を上げる。

 

「まぁ勿論全員行きたい訳だよね。でも空いてる枠は二つだけ。全員を連れていく訳にはいかない。だからそこで!空いてる二枠を決める方法、それは勿論!カードバトラーの私たちなら分かるよね?……そう!勿論カードバトル!今いる16名の中から二人を決めるから、3回勝ち上がった人が旅行行きチケットをGET!いい方法でしょ」

 

知恵の言葉を聞くと、全員デッキを取り出し、意気込んでいる様子だった。

「じゃぁ早速試合を開始するので、最初は一度負けたら即離脱、特別のガンスリンガー形式で試合2度やって、三度目の試合だけバトルフィールドを利用するよ!みんなぜひ頑張ってね!」

 

「じゃぁ今回俺達は、見学って事か」

 

「まぁ他人のバトル見るのもそれはそれで面白いけどね」

 

リクトと川村は椅子に腰かけながら、その様子を眺めるようだった。

 

「和人君、ちょっといいかな?」

 

「ん?どうしたんですか店長?」

 

和人も準備を始めようとした矢先、知恵に呼び止められる。

 

「和人君、もし良かったらこのデッキ使ってみない?」

 

そういう知恵の手には、一つのデッキが……。

 

「はい?」

 

「強くなりたいのなら、たまには使いなれてないデッキを使うのも修行だよ?」

 

「ちなみにどんなデッキなんですか?」

 

「今確認しちゃ駄目。どんな内容かは対戦で確認してね」

 

「な、何でおれだけそんなシビアなルールなんですか!?」

 

「修行よ修行。もし勝てたらいいものあげるから」

 

「……分かりましたよ。でもどんなデッキでも絶対勝ちますからね」

 

「よし、その意気だよ!頑張って和人君!」

 

早速カードバトラー達は、専用の台座に座り試合を開始していく。和人や咲、光なども試合準備を進め試合を開始していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぜアタックステップ!龍皇ジークフリードでアタック!」

 

「風の覇王ドルクスウシワカでアタック!」

 

「光の覇王ルナアークカグヤでアタック!」

 

バトルに関しても、和人や咲、光など順調に試合を進め、難なく3人とも二回勝ち抜け、そしてあっという間に三回戦へと進む。

 

「じゃぁ最後のバトル、木野咲選手と相崎光選手。次の試合は若槻和人選手と門倉正樹(カドクラ マサキ)選手。まずは最初に試合、両選手お願いしますね!」

 

知恵の言葉と共に、勝ち上がった4名の内の二人、咲と光のバトルが始まる。

 

「宜しくね、光さん」

 

「こちらこそ。チャンピオンシップでも拝見してましたけど、ぜひバトルしてみたいなって思ってました。こういう場で咲さんとバトルできる事嬉しく思います」

 

「はは、硬い挨拶は抜きにして早速試合始めよ。言っとくけど、手加減はしないよ?」

 

「こちらも同じです。ではいい試合を期待してます」

 

「じゃぁ二人とも、コールお願いね」

 

「「ゲートオープン!解放!!」」

 

バトルフィールドへと戦いの場を移し、早速二人は試合を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

「咲と光!どっちも頑張れ~~ッ!」

 

「おいおい、勝つのはどっちか一人だぜ?」

 

「おっ!リクト!!」

 

和人が振り返った先に居たのはリクトだった。

 

「お前の方でも勝ち上がってるみたいだな」

 

「まぁな。絶対勝ち上がって、俺もぜひその旅行に参加したいしな」

 

「まっ、精々頑張れ。応援してるよ」

 

「サンキュー!」

 

「それより、咲もあの光って子もすごい実力者だな」

 

「あぁ。だからまた戦ってみたいんだよ」

 

リクトに言いながら二人はまたモニターに視界を移し、白熱の試合を展開する二人のバトルは間もなく終盤に差し掛かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くよアタックステップ!風の覇王ドルクス・ウシワカLv.3でアタック」

 

「ルナアークカグヤLv.2の効果でリザーブのコア2個をトラッシュに置いてドルクスウシワカをBP2000にする!」

 

「こちらもフラッシュタイミングでストームアタックを使用!不足コストはドルクスをレベル1にして使用。マジックの効果により、ルナアークカグヤを疲労させてドルクスを回復させる」

 

「なっ!?」

 

光の覇王から放たれる黄色いオーラが風の覇王のBPを2000に下げ、脱力したように下を向くも、咲が使ったマジック、ストームアタックの風がブロッカーに残しておいたルナアークカグヤを疲労させ、さらにもう一つの風が力の抜けたドルクスを回復させ、回復したドルクスは鳴き声を上げながら光へと向かう。

 

「ルナアークが疲労したとなると……ライフで受ける!」

 

風の覇王は高速で光に接近し、二本の角を展開されるバリアに突き刺す。

 

「うわぁっ!」

 

ライフ2→1。

 

「もう一度行ってドルクス!」

 

「ここまでですか……ライフで受けます」

 

ドルクスは両翼を力強く羽ばたかせると、竜巻を作り出しその竜巻は光へと接近し、展開されるバリアに直撃する。

 

「うわああああっ!」

 

ライフ残り0。ドルクスの攻撃が幕引きとなり、元の場所へと二人は戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝者は咲選手、これで咲選手は旅行行き決定!おめでとう」

 

「ありがとうございます。それにしても光さん強かったですね。もしストームアタックを引けてなかったら絶対負けてました」

 

「カウンター用のマジックをヴァリエルで回収しておくべきでした。まだまだ私も甘いところがたくさんあります」

 

「また試合お願いしますね」

 

「えぇ、こちらこそ」

 

お互いの実力を認め、互いに握手するのだった。

 

「さてこうしてはいられません。私はもっともっと強くならないと。じいや!」

 

『かしこまりました。お嬢様、早速他の店のバトスピショップを渡り歩き、パックも適当に箱買いいたします』

 

光が呼ぶと、すぐさま執事であるセバスが駆けつけ、あるリストを持ちながら光に言う。

 

「では皆様これで」

 

それだけ言うと光は外に泊めてある車に乗り、そのまま立ち去って行くのだった。

 

「は、はは……お嬢様。何だか大変そう」

 

「ま、まぁ気にしない気にしない」

 

咲と知恵はただ苦笑いしながらその様子を眺めるのだった。

 

「咲、おめでとう!

 

「あっ、和人見てくれたんだ。ありがとね、和人も早く勝ち抜いてよ?」

 

「おぉ、任せとけ!直ぐに俺も三回目を決めてやるぜ!」

 

『おう!おう!おう!対戦者であるこのワイを前にして、言ってくれるやないかい!』

 

「「!?」」

 

突然の声に振り返ると、そこには関西弁口調で和人達と同年代ぐらいの少年がいた。

 

「確か対戦者の……」

 

「そう!緑の豪剣、門倉正樹とはワイのことや!」

 

「いや、誰も聞いてないけど」

 

何だかツッコミ要素の多い人物に和人は少々苦笑いをしていた。

 

「ワイのデッキが勝利の道を切り開く!悪いけど、ワイの勝ちは確定、そっちの負けも確定や!」

 

「随分自信があるみたいだけど、俺だって負けないぜ!」

 

「はっ、口で言うだけならタダや!でも、ワイは口だけじゃないで!!せやからここまで勝ち上がったからな」

 

「俺だって口だけじゃねぇ!!お前にも勝って、もっともっと強くなるんだ!」

 

「へぇ~、それはオモロイやないかい!いい試合期待できそうやの!」

 

「二人とも!熱くなるのはいいけど、試合を始めて言い?」

 

「おうおう、ギャラリー待たしたらアカンさかい、さっさとやりますか!」

 

「おぉ!勝つのは絶対俺だ!」

 

「さっきも言うたやろ、口だ言うだけならタダってな」

 

「何ィ!」

 

「二人とも、もう一度聞くけどさっさと始めてい・い・か・な?」

 

いつまでも口論を続ける二人に痺れを切らしたのか、少々怒りながらいい、それを見て和人も正樹も背筋に冷たい物を感じた。

 

「「オ、オーフコース」」

 

「じゃぁ始めるよ、ゲートオープン!」

 

「「解放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だか似た者同士の対決だね」

 

試合を決めた咲は椅子に座りながら、その様子を眺めていた。

 

「門倉正樹、まさかあいつもここに来てたとはな」

 

そんな中、リクトもモニターを見ながら、和人の対戦相手である正樹を見て言う。

 

「リクト君、あの人の事知ってるの?」

 

「まぁな。二回戦で俺はあいつと戦ったが、和人のようなバトルスタイルで、手札が回らなかったら敗北してたかもしれない相手だ」

 

「そんなに強いのあの人!?」

 

「あぁ」

 

「そんな強い相手なら、和人君にあのデッキ渡したの失敗だったかな?」

 

「「!?」」

 

そんな時、”ボソッ”と呟く知恵の声が聞こえる。

 

「知恵さん、和人のデッキについて知ってるんですか?」

 

「まぁね。修行って意味を込めて、ある特別なデッキを渡したの」

 

「特別なデッキ?」

 

「うん、それはね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方バトルフィールドでは、互いに4枚ドローし手札を確認する正樹と和人。

 

「うわーーーーっ!またかよ!!!」

 

「な、何や偉いうるさいの!手札事故でも起こったんかいな?」

 

「手札事故じゃねぇけど、ともかく事故に近い手札何だよ!」

 

「どういう事や?」

 

和人の手札にはある物が抜けていた。今の環境、多くのカードバトラーが使うあれが和人の手札には抜けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「和人君に渡したあのデッキ、通称ノットバーストデッキ!」

 

「「!?」」

 

「悪く言ったら時代に取り残されたデッキって事」

 

「そ、そんなデッキであの相手に勝てるんですか?」

 

「バーストがないとなるとかなり不利だぜ?」

 

「バーストがないと言っても、決して劣っているデッキではないよ」

 

「えっ?」

 

「バーストは確かに強力だけど、バーストをセットする分、手札を消費しやすくなる。だからバーストなしデッキと言っても、決して悪いとは言い切れないよ」

 

「本人はデッキの内容知ってるんですか?」

 

「ここまで二回も使用したから大体は知ってると思うけど、バーストが一枚もないなんて多分知らないだろうね」

 

リクトの質問に知恵は笑いながら言い、どんな試合になるのかを三人は必死に注目する。

 

 

 

 

 

 

 

 

────第1ターン。

 

「へっ、手札事故かなんか知らんけど遠慮はせぇへんで!ワイからの先行!スタートステップ!続いてドローステップや!」

 

正樹先行のターン。スタートステップ後、デッキからドローし五枚となる。

 

「メインステップ!早速バーストセット!そしてカッチュウムシをレベル2で召喚!!」

 

エメラルドが砕け、カブトムシのようなスピリットがカッチュウムシ現れ、出現と共に鳴き声を上げる。

 

「これでワイのターンはエンドや。先行は最初アタックできへんけど、次ターンでガンガン行かせてもらうで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

────第2ターン。

 

続く和人のターン。コア、ドローステップを行い手札、コアは5個となる。

 

「俺のターン!ヴェロキハルパーをLv.2、オードランをLv.1で召喚!」

 

赤いルビーが砕けると、小型のスピリットであるヴェロキハルパーとオードランの二体が現れる。

 

「行くぜ、ヴェロキハルパーでアタック!」

 

「しゃぁないの。ライフで受けたるわ!」

 

ヴェロキハルパーは一気に駆け抜け、展開されるバリアに連続で足の爪を振り下ろし、ライフを砕く。

 

「ぐっ!」

 

ライフ5→4。

 

「ヴェロキハルパーLv.2の効果で1枚ドロー!」

 

「ふん、こっちも行くで!ライフが減ったからバースト発動!!」

 

「来るか!」

 

バーストカードのトリガーが引かれ、その発動したバーストが正樹の手に収まる。

 

「ワイの発動させたバーストはグラントベンケイ!バースト効果により相手の手札を一枚破棄!さぁ、手札増えたとこで悪いけど、一枚破棄してもらうで」

 

「ぐっ、悪い、トラッシュに行ってくれ」

 

「これで+-0やの。で、これでターンエン──」

 

「まだだ!オードランでアタックするぜ!」

 

「アタックするんかいな、それやったらライフで受けたるわ!」

 

続くオードランのアタックに対しても、ブロックはせずライフで受ける。

 

残りライフ3。

 

「俺はこれでターンエンド」

 

「おいおい、フルアタックって、バーストあるならまだしもバーストない状態で普通するか?」

 

「いいんだよ。これが俺の戦略だ」

 

「はっ、まぁ攻め込んでいくそのスタイルはワイも好きやけどな。次のワイのターンやらせてもらうで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

────第3ターン。

 

正樹のターン。手札3枚→4枚。 コア7個。

 

「いくでメインステップ!まずはバーストセット。そしてカッチュウムシをLv.1にして、もう一体のカッチュウムシを召喚」

 

再びバーストをセットしてカッチュウムシを呼び出す。しかしこれだけでは終わらない、さらに正樹は手札の一枚を構える。

 

「そろそろ行ったるで!豪剣振るう緑の猛者!!独眼武神マンティクス・マサムネを召喚!」

 

召喚パフォーマンスを決めながら、キースピリットであるマンティクス・マサムネにコアを置くと、大きめのエメラルド出現し、そのエメラルドに一本の刃が飛び出したかと思うと、そのままエメラルドを内部から砕きマンティクス・マサムネが姿を現す。

 

「不足コスト確保でカッチュウムシ一体を破壊して召喚完了。どうや!これがワイのエース!マンティクス・マサムネや!そして一気にアタックステップ!マサムネ!豪剣振るえ!!」

 

「うっ、ライフで受けるぜ!」

 

「マサムネのアタック時効果発揮、ボイドからコア2個をリザーブに置いて、メインアタック!」

 

マサムネは二本の刀を構えると、展開されるバリアに二本の刃を交差させて切り裂き、ライフを削る。

 

「うっ!」

 

残りライフ4。

 

「続けてカッチュウムシ!お前も行かんかい!」

 

カッチュウムシは飛び上がると、猛スピードで和人へと向かう。オードラン、ヴェロキハルパーが疲労し、自分を守るスピリットがいないため、この正樹のフルアタックを和人はライフで受けるしかなく、カッチュウムシの突進がバリアへと直撃する。

 

「ぐわっ!」

 

残りライフ3。

 

「これでワイはターンエンド!」

 

 

 

 

 

 

 

 

────第4ターン。

 

和人のターン、手札は4枚、コアは8個。そしてリフレッシュステップを行い、疲労しているオードランとヴェロキハルパーが回復する。

 

「メインステップ!俺もそろそろ大型スピリットを呼び出すぜ!」

 

「ふっ、まぁコアも溜まってるし、この局面で出すのが普通やろな」

 

「へっへ!早速行くぜ!!」

 

ここまで低コストスピリットやマジックばかり引いている和人だが、ここでようやくエーススピリットを引き、それを見ると和人はそのカードに手を掛け、そして叫ぶ。

 

「炎と雷を纏いし龍!熱き炎で激突せよ!!雷皇龍ジークヴルムを召喚!」

 

呼び出したスピリットは雷皇龍。フィールドに置くと、和人の背後からジークヴルムが姿を現し、そしてフィールドに降り立つと同時に咆哮を上げる。

 

”グオオオオオオォォォォォ────ッ!”

 

「これがお前のキースピリットか!」

 

「へへ、行くぜアタックステップ!ジークヴルム!行けぇッ!」

 

「しゃぁない!ライフで受けたろうやないか!!」

 

ジークヴルムの炎が展開されるバリアにに炸裂し、その衝撃はよほどなのか思わず後ろに跳ね飛ばされる。

 

「ちぃっ……やるやないか!でもライフ減少時でバースト発動や!再びグラントベンケイ!!」

 

残りライフが2になるも、和人の手札を一枚破棄させ、その後効果に従いグラントベンケイは手札に戻る。

 

「(このターン、相手のスピリットは疲労状態、俺のスピリットは2体。フルアタックすれば勝ちだけど、ここは相手の様子を見た方がいいかな?)」

 

そう言いながら、攻撃をやめようとするが、前に川村と試合をした事を思いだす。

 

「(……いや、下手に後手に回るより、ここは一気に攻めた方がいい!)オードランでアタック!」

 

「ハッ!ぬるい奴やの~、ワイの手札から!マッハジーを【神速】召喚するで!!」

 

「!?」

 

さっきのマンティクスマサムネの効果で置かれたリザーブのコアを使用し、マッハジーを出現させる。

 

「オードランはマッハジーが止めたる!」

 

そしてマッハジーは向かって来るオードランを迎え撃ち、光速の体当たりを炸裂させるとオードランは消滅する。

 

「!?」

 

「はっは!!まだまだ甘いわ」

 

「……くっ、ターンエンド」

 

 

 

 

 

 

 

 

────第5ターン。

 

正樹、手札2枚。コア11個。

 

「はっは!これでワイの勝ちは決まったな!ワイのターン。今度もバーストセット!そしてマッハジー、マンティクスマサムネをLv.2にしてヤンオーガをLv.2で召喚!」

 

ヤンオーガが出現し、正樹の場に居る4体のスピリットは力強く吠え、鳴き声を共鳴させる。

 

「アタックステップ!マンティクスマサムネ、行ったらんかい!」

 

「ライフで受ける!」

 

マンティクスマサムネは和人へと突っ込み、二本の剣を何度も振り下ろし、展開されるバリアを叩き壊し、ライフを砕く。

 

「うわっ!!」

 

残りライフ2。

 

「続けてヤンオーガ!ゴー!!」

 

「これもライフ!」

 

マンティクスに続いて、ヤンオーガも駆け出し、バリアに突進するとライフを砕く。

 

「っ!」

 

残りライフ1。

 

「これで終いじゃ!カッチュウムシ、ガラ空きのフィールドを突き進め!!」

 

このターン、和人の場に居るスピリットは全て疲労状態。この攻撃により、和人の負けが決定しまう──────。

 

 

 

 

 

 

 

 

────しかし、和人の眼はまだ諦めていなかった。

 

「フラッシュタイミング!サジッタフレイムを使用!」

 

「!?、まだ奥の手があったんかいな?」

 

「これによりBP合計5000になるまで、カッチュウムシとマッハジーを破壊する!」

 

天より降り注がれた炎の矢、カッチュウムシとマッハジーに幾つもの矢が命中し、二体は爆発試算する。

 

「くそったれ!これでターンエンド!」

 

「どうだ!反撃し返してやったぜ!」

 

「けっ、勝負はまだわからんやろ」

 

和人に言う正樹。しかしこの時の正樹の言葉は決して負け惜しみなどではなかった。

 

「(はっ、このターンで決められんへんかったのは、意外やったけど、次のターンでワイの勝ちは見えとる。なんせワイの手札には『氷河零氷斬』があるからな)」

 

自分の手に持っているキーカードを見ながら、正樹はうっすら笑みを浮かべていた。

 

「(次のターン、絶対あいつはまたライフを狙いに来る。だけどカウンターでこのマジックを使用して、疲労しているヤンオーガとマンティクスマサムネを回復。これで奴の攻撃を防ぎきる。そして次のターンのアタックで俺の勝利は確定!)」

 

自分の考える戦略で勝利が見える。正樹はそれがとても嬉しい様子で笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

────第6ターン。

 

「(このターンで決めなきゃ、恐らく次はない。だとしたらこのターンが正念場だ!)」

 

コアステップを行いコアが11個となるとデッキを見、上の一枚に手を掛ける。

 

「ドローステップ!」

 

呼吸を整え、真剣な顔つきでそれを見ると勢い良くそのカードを引き、手札枚数は2枚。

 

「!、やっぱ来てくれたようだぜ!!リフレッシュステップで自分のスピリットを回復させて、メインステップ!ジークヴルムをLv.2にアップ。そして一気に行くぜ」

 

和人は手札の一枚を持つ。

 

「紅蓮の炎を司る龍!熱き炎でフィールドを焼き払え!太陽神龍ライジング・アポロドラゴンを召喚!」

 

「!?」

 

和人がこのターンでドローし、呼び出したカードはこのデッキの切り札的スピリット。

 

そのカードを場に出すと、突然地面が盛り上がり、そこから炎の渦のような物が発生し、その中央にはライジングの姿があり、渦を吹き飛ばすと地面に降り立つ。

 

”グオオオオオオォォォォォ────ッ!”

 

Xレアだけあってその咆哮は雷皇龍以上!フィールド全体に響く咆哮上げ、自分の対戦相手である正樹を睨む。

 

「今日はよろしく頼むぜ、ライジング!」

 

和人の言葉を聞くと、ライジングは「任せろ」と言わんばかりにもう一度咆哮を上げる。

 

「来るかっ!」

 

「行くぜアタックステップ!ライジングアポロドラゴンLv.1、Lv.2、Lv.3の効果。星龍を持つ自分のスピリットは相手のスピリットに指定アタックが可能!」

 

今和人の場に居るのは、ヴェロキハルパー、ジークヴルム、ライジングの三体。この中で系統:星龍を持つスピリットはジークヴルムとライジング。よってライジングの効果は自身とジークヴルムが該当する。

 

「雷皇龍でアタック!指定対象はヤンオーガ!」

 

「へっ、ヤンオーガでブロック。止めたれ!」

 

「これで終わりじゃない、ラスト一枚!フラッシュタイミングでニーベルングリングを使用!」

 

「何やとッ!?」

 

・ニーベルングリング『効果説明』

名前に「ジーク」を持つスピリットが相手のスピリットだけを破壊した時、破壊したスピリットと同じ系統を持つ相手スピリットを全て破壊する。

 

「こいつで決める!ジークヴルム!!一気に決めろぉッ!」

 

バトルの方では、羽根を羽ばたかせながら向かうヤンオーガに対し、雷皇龍は自身に炎を纏わせての特攻で、両者は激突する。だが、勝負の結果は火を見るよりも明らか。激しく起こる爆発、その爆風から飛び出してくるジークヴルムはバトルに勝利。

 

「ニーベルングリングの効果発揮!破壊したヤンオーガと同じ系統『殻人』を持つスピリットを全て破壊だ!」

 

雷皇龍の猛攻はヤンオーガを破壊するだけに留まらない。爆風から飛び出した雷皇龍はそのまま火炎放射を放ち、マンティクス・マサムネは二本の刃でそれを受け止めるも、その威力にいつまでも耐えられず、刃ごと炎に包まれ大爆発を起こす。

 

「マンティクスーーッ!!」

 

「行くぜ、ヴェロキハルパーでアタック!」

 

「ら、ライフ!!」

 

ヴェロキハルパーも雷皇龍に続いてアタックを仕掛け、一気に駆け出すと、雷皇龍を踏み台に高く飛び上がり、ヴェロキハルパーは落下を利用した強烈な両足蹴りを展開されるバリアに叩き込む。

 

「がはぁッ!」

 

残りライフ2→1。

 

「残りライフはあと一つ!」

 

「ぐぐぐっ!ライフ減少時で発動、グラントベンケイ!」

 

三度目のグラントベンケイ。だが、今の和人の手札は0。グラントベンケイの効果は不発で、ただ手札に戻るだけ。これでは和人の攻撃を止める事はできない。

 

「ち、ちくしょう!ヤンオーガとマンティクスが破壊されてなければ!!!」

 

「一気に決める!ライジングアポロドラゴンでアタック!これで終わりだぁーーっ!」

 

「わ、ワイが……ちくしょう!ライフで受けたる!!」

 

ライジングの豪炎が展開されるバリアを破壊し、最後のライフを砕く。

 

「うわああああ!負けたーーーーっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝者は和人選手、おめでとう!」

 

「やったぜ~~っ!これで俺も旅行行き決定!」

 

バトルに勝利し、和人はガッツポーズをしながら高らかに言う。

 

「まさか……ワイが……おい!確か若槻和人とかいったな!」

 

「!?、あ、あぁ。そうだけど」

 

突然正樹に言われ、動揺する和人。よっぽど負けたのが信じられないのか、少々正樹の声は僅々としている。

 

「今回はワイの負けや。けど必ずリベンジしたる!それまで精々腕磨いとけ!」

 

意外と素直な様子で、正樹はそう言うとその場から立ち去って行った。

 

「あぁ、期待してるぜ」

 

正樹の後姿を見送りながら、そう呟くのだった。

 

「和人、お疲れ様!」

 

「やったね。これで和人も旅行行き決定」

 

「おっ!リクトに咲、見てくれたのか」

 

『コレで旅行行きメンバーはこの4人に決定か』

 

「「!?」」

 

振り返ると、そこには川村が……。

 

「旅行先でも騒がしくなると思うと、何だか、ため息が出るよ」

 

「へっへ、そいつはともかく!もっともっと強くなって俺は絶対もう一度お前と戦うからな」

 

「まっ、一応期待はしておくよ」

 

「和人君、勝利おめでとう」

 

川村と話す中、突然知恵から声をかけられる。

 

「あっ、デッキ返さないと……にしてもそのデッキ、バースト少なくないですか?俺1試合もバーストカード引けなかったし」

 

「そりゃそうだよ、0バーストデッキだし」

 

「そうなんですよ、0バーストデッキだから、一枚もバーストが────って、それどういう事ですか!?」

 

知恵の言葉に和人は思わずノリツッコミ。対戦の中、バーストカードが少ないことには気づいていたが、まさか一枚も入ってないとは思ってもみなかっただけに動揺は大きかった。

 

「バースト環境の中でバーストを使わずに勝利するのは和人君自身の経験に大きく役立つと思ってね。思った通り、十分な成果があったと思うよ?」

 

「あの時は俺も必死でしたし」

 

「ともかく、今回のバトルは見事に和人君の勝ち。その勝利祝いとして、このカードを上げる」

 

「えっ?いいんですか!?」

 

知恵から手渡され、そのカードを確認する和人。そのカードはハンゾウ・シノビ・ドラゴンのカードだった。

 

「このカード!」

 

「ハンゾウシノビドラゴン。そのカードはきっと君の役立つカードだと思うよ。今後もぜひ実力を伸ばして言ってね」

 

「知恵さん。ありがとうございます!」

 

「さて、4人決まったし、早速だけど旅行場所に行こうか」

 

「あっ、私ずっと聞きたかったんですけど、結局旅行場所ってどこなんですか?」

 

「そうね……少しぐらいなら教えてもいいかな?行き先は夢見町って場所よ」

 

「「「夢見町?」」」

 

4人ともその場所を聞いて、頭に?を浮かべていた。

 

「さぁどんな場所かを考えるのは後後、とにかく!早速みんなでレッツゴー!」

 

4人は表へ出ると、いつの間にか用意してあったバスに乗り、旅行場所である夢見町という町に行くのだった。

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