バトルスピリッツ激震の勇者   作:ブラスト

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第14話『旅行開始!vsロードドラゴン』

 

前回のあらすじ。前回、全国大会出場の枠を決めた川村とリクトはその記念として行き先不明の旅行に連れてもらう事となるが、まだ二枠空いているらしく、旅行を掛けたバトルを行い、残った枠を咲と和人がバトルに勝利して確保。そして旅行に行くこととなった4人はその旅行に出かけたのだが、その行き先とは……。

 

???「作者(ナレーター)、あらすじ解説サンキュー!」

 

お安いご用────って、アンタ誰!?

 

ってか俺ナレーターじゃないし!

 

???「ふふふっ、読者の皆様注目の私が一体誰なのか、それはこの話で明らかになるわよ!」

 

あっ、その喋り方。俺もう分かった。

 

???「作者は黙らんチン!ともかく早速本編どうぞ!」

 

それ俺の台詞……ってもういいや。おふざけが過ぎますが、早速どうぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁみんな、着いたよ」

 

車で移動する事、数時間。どうやらようやく目的地に着いたらしい。目的地につき、川村、咲、リクトは背伸びをしながら辺りを見回す。

 

「あれ?和人君は?」

 

『行け~~カタストロフ~~……最後のライフもらった~……むにゃむにゃ』

 

知恵の言葉のすぐ後に響く和人の声。どうやら寝言らしく、車の中ですやすやと眠っている。

 

「こんな所でも相変わらずだね」

 

「まっ、和人らしいっちゃ和人らしいけどな」

 

呆れたように言う川村に、リクトも苦笑いをする。

 

「はぁ~~、和人起きて!着いたよ!」

 

「にゃっ?」

 

完全に寝ぼけているらしく、知恵や川村は”クスクスッ”と笑いを殺し切れていない。和人の方ではようやく視界がはっきりしたらしく、辺りを見回し……。

 

「ようやく着いたんだ!で?ここどこ?」

 

和人の視界に広がるのは、和人達の街となんら変わりない一般的な街だった。

 

「大丈夫。すぐにそんなこと気にならなくなると思うし、それより君達が行く場所はあそこだよ」

 

知恵が示す先を全員も見ると、そこには一般的なバトスピショップが……。

 

「行き先ってここ何ですか?」

 

「そうよ。まぁ見た目は私達の町にあるバトスピショップとなんら変わらないんだけど、必ず君達のためになると思うよ。まぁ立ち話も何だし、早く入った入った」

 

咲の質問に答えながら、4人をその店に反場強引に入れ、中にはたくさんのカードバトラー達が試合をしている様子。

 

「試合で鍛えろという事か?それなら何もここまで来る必要は……」

 

「試合をするかはともかく、まずは────」

 

『あっ、いらっしゃい。初めて見る顔だけど、君達がここに旅行に来た子達ね?』

 

突然声をかけるのは、金髪の髪の女性。身なりから、恐らくここの店長らしく、彼女の口ぶりから知恵達がここに来る事を知っているらしい。

 

「あの、あなたは?」

 

「あっ、自己紹介がまだだったね。私は如月(キサラギ)ミカ。このショップの店長をやってます」

 

「一応言っとくけど、ミカは私の中学時代のクラスメートよ」

 

「「「えっ!?」」」

 

知恵のさりげない一言に思わずリクト、川村、咲の三人は驚く。

 

「そうだったんですか?」

 

「まぁそんな事はいいじゃない。それより今日来たのは、咲ちゃんにリクト君、それに川村君と……って、確かもう一人和人君だったけ?あの子はどこにいるんだろう?」

 

「和人なら、多分あそこでしょ?」

 

ミカは点呼を行うのだが、その中で唯一和人の姿はない。それを聞いて咲はある方向を見、ミカ達は咲が見ている同じ方向を向くと、そこに新弾である【爆裂の覇道】を見ながら、悩んでいる様子の和人が……。

 

「もしかして、あれが和人君?」

 

ミカの言葉に咲達はコクリと頷く。

 

「ははは、中々面白い子じゃない。あぁいう子見てると、何だかこの街で有名なあの子を思い出すよ」

 

「「?」」

 

笑いながら言うと、ミカは和人の方に歩み寄る。

 

「いらっしゃい。和人君」

 

「えっ?何で俺の名前知ってるんですか?」

 

「私、知恵とは昔からの親友で、君の事ちょくちょく聞いてるの」

 

「へぇ~、ところでお姉さんの名前は?」

 

「私は如月ミカ。このバトスピショップの店長をやってるの。ぜひよろしくね」

 

「ミカさんか、早速で悪いですけどこのパックください!」

 

「はい、毎度あり」

 

パックを購入し、中身を確認する和人。その中にある「ゴエモンシーフドラゴン」というカードに視界を映し、それを見ると和人はいいカードが来たとガッツポーズをし、それを見てミカはますますあの少年に似ていると思うのだった。

 

「いいカードが当たってよかったね。それより君のお友達はだいぶ待ちくたびれてるようだけど」

 

「あっ!そうだった!!じゃぁ教えてくれてありがとう、ミカさん」

 

「どういたしまして。後私の事はミカ姉って呼んでいいよ?その方が言いやすいだろうし」

 

「分かった。じゃぁミカ姉さんって呼びます」

 

そう言いながら、和人もようやく知恵達のもとへ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅い!何やってんのよ!!」

 

「悪い悪い、ちょっと新弾が気になってて」

 

「はぁ~~、まぁ和人らしいけどね」

 

戻って早々、咲に注意され、頭を掻きながら謝る和人。

 

「ところで知恵さん、まだここに来た理由を明白に聞いてないんですけど?」

 

「あっ、そうだったわね。でもそれを説明するのはともかく、もう少し待ってて、それまで皆はここでフリーバトルでもしてたら?」

 

川村の質問に知恵は答え、それを不思議に思いながらも全員、デッキを持ちフリーバトルを行う。

 

「あの子達、皆強そうね」

 

「えぇ。チャンピオンシップでもあの子達は好成績を出してましたよ」

 

「へぇ~、すごいじゃない。中でも川村君だっけ?あの子が一番強そうだね」

 

「流石、元美人過ぎるカードバトラー。見る目は劣ってませんね」

 

「まぁ一応ね」

 

4人がその場から一旦離れた後、ミカと知恵は和人達を見ながら話しあっていた。一方の和人達は、自慢のキースピリット達を扱い、バトルを連戦連勝していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『すげ~、あいつらかなり強いぞ』

 

『俺も負けた。もうあいつら何連勝してるんだろう?』

 

『見た事ない顔だけど、ともかく強いよな~』

 

勝ち進めていくうちに、他のカードバトラー達のひそひそ話が聞こえてくる。その話を聞いたのか、次第に和人達にバトルを申し込むカードバトラーが増えてくる。しかしチャンピオンシップに好成績を残した和人達が簡単に負ける筈はない。次から次へと勝ち進め、4人は連戦連勝だった。

 

”ウィーン!”

 

「あっ、いらっしゃい」

 

『おっす!姉御!』

 

ドアが開き入店したのは、赤いデッキケースを持ち、特徴的なハチマキをつけ、和人達と同年代の少年。その少年は、ミカの事を姉御と呼び、ミカもその少年に面識がある様子。

 

「ハジメ君、いらっしゃい。丁度今ちょっと来客が居るよ?」

 

ミカの言葉からすると、その少年の名前はハジメ言うらしい。

 

「来客?」

 

「ほら、今あそこで連戦連勝中の子達」

 

「へぇ~~、そんなに強いならぜひバトルしてみたいぜ!」

 

そう言った後のハジメの行動は早かった。すぐさまハジメはデッキを構え、そのまま台座へ向かうのだった。

 

「あの子がハジメ君?」

 

「えぇ、陽昇ハジメ。それがあの子の名前よ」

 

「確かに和人君と似た者同士って感じ」

 

「そうだね。まっ、面白そうな事になりそうだけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!また俺の勝ち!!次の人、バトルお願いします!!」

 

『じゃぁ、俺!俺がやります!!』

 

一方和人はまたも勝ち星を上げ、次の対戦相手にバトルを申し込むが、そのバトル相手は陽昇ハジメだった。

 

「俺、陽昇ハジメ。お前すごい強いんだってな!ぜひバトルお願いしたいぜ!」

 

「分かった。ちなみに俺は若槻和人ってんだ。バトルなら受けて立つ!」

 

「そう言う事なら、二人のバトルはリアルバトルフィールドで行ったらどう?」

 

「「!……勿論!!」」

 

そんな二人に割って入るようにミカは言い、それを聞くとハジメと和人は即答で返答し、バトルフィールドのステージへと移動するのだった。

 

「それじゃぁ二人ともコールお願いね」

 

「「ゲートオープン解放!」」

 

二人の言葉と共に、光に包まれ舞台をリアルバトルフィールドへと移すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、和人まだバトルしてんだ?」

 

「はは、それが和人らしいけどな」

 

一方咲やリクト達は、何度も続くバトルに疲れたのか休憩し、モニターをふと見るとそこで和人がバトルを行っているのが視界に入る。

 

「何だか似た者同士って感じなんだけど?」

 

川村は和人の対戦相手を見てふと呟き、それを聞くと「確かに」という風に頷く。

 

 

『あれ?あんちゃんバトルしてる!』

 

『ほんと、対戦相手の方は……初めて見るけど』

 

そんな時ふと聞こえる声、振り向くとそこには同じく和人達と同年代ぐらいの女の子と、その弟だろうか?ハジメの事を「あんちゃん」と呼ぶ子供が居た。

 

「いらっしゃい、キマリちゃんにコウタ君」

 

ミカの言葉から、女の子の名はキマリ、子供の名はコウタと言うらしい。

 

「ミカさんおはようございまーす。って、そっちの人たちは?」

 

「こちらはリクト君に川村君、それに咲ちゃん。今ハジメ君とバトルしてるのは、和人君、彼等は今ここに旅行に来たようなもんだから、よろしくしてあげてね」

 

「へぇ~、ここに新しいゲストが来た訳か。よしよし!なら4人とも全員、私の世界征服のための手下にしてあげるわ!」

 

「「「世界征服?」」」

 

その言葉に勿論疑問を持つ三人。これが一般の対応だろう。リクトや咲はただ苦笑いしながらそれを聞き、川村は……。

 

「もしかして痛い────」

 

「辞めとけお前は!!」

 

相変わらず自然と毒舌を出す川村。初対面にも関わらず「痛い子」とでも言おうとした川村の口をリクトは慌てて抑える。

 

「きゃあ!」

 

川村は突然の事に動揺し、慌ててリクトの手を振り払う。

 

「『きゃぁっ』て女じゃないんだから」

 

「(しまっ!)……い、いや何でもない!放っておいて!!」

 

「?」

 

顔が赤く染まり、その理由に疑問を持つリクト。どうやらリクトも、和人に負けず劣らず鈍感な様子。一方のキマリ達は、そんなリクト達を放っておき……。

 

「よし、確か咲だったわよね。早速私とバトルやらない?手下に迎えてあげるかどうか見極めてあげる」

 

「お姉ちゃん、無茶苦茶なのは家の中だけにして!社会の迷惑だよ!」

 

「コウタは黙らんチン!」

 

止めようとしたコウタをチョップで黙らせ、若干それに退きかける咲。

 

「あ、あはは……ともかくバトルなら受けて立つよ」

 

一方の和人達の方では、バトルの準備を終え、先行は和人からの様子。

 

「じゃぁよろしく頼むぜ!」

 

「あぁ、いつでも来い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

────第1ターン。

 

「行くぜスタートステップ!」

 

和人先行、ドローステップを終えて手札5枚。コア4個。

 

「恐竜人ティラノイドを召喚!」

 

コアすべてを使用すると赤いルビーが出現と共に砕け、そこから力強い肉体を持ち、恐竜と亜人をたしたようなスピリットであるティラノイドが出現する。

 

「おぉ!懐かしいスピリット!」

 

「さらにバーストセット!俺はこれでターンエンド」

 

「!」

 

和人が伏せた一枚のバーストカード。それにハジメは注目している様子……。

 

 

 

 

 

 

 

 

────第2ターン。

 

「行くぜ!俺のヒーロー達!スタートステップ!」

 

ハチマキを締めなおしながら、スタートステップを迎え、その後のドローステップとコアステップを行い、手札コア共に5つ。

 

「メインステップ!オードランとワンケンゴーを召喚!」

 

「!」

 

赤いシンボルが二つ続けて出現するとそれは砕け、小さな翼をもつ小龍、オードランと頭部に刀を持つ犬のようなスピリット、ワンケンゴーが出現する。

 

「さらにバーストセット!」

 

「お前もバーストか……」

 

「ワンケンゴの効果、自分のバーストがセットしてある時、このスピリットはLv.3として扱う。行くぜアタックステップ!ワンケンゴーでアタック!Lv.2、3【激突】の効果!行っけぇ~~っ!」

 

Lv.3となり、ワンケンゴーのBPは6000。一方のティラノイドはLv.1で2000なのだが……。

 

「ティラノイドLv.1、2、3の効果!自分の場のスピリットが二体以下の時、このスピリットはLv.3として扱う。そしてティラノイドでブロック!」

 

Lv.3として扱われたティラノイドのBPは6000。よってワンケンゴーのBPと並ぶ。バトルの方では、ワンケンゴーの刃を強靭な腕で掴み、それに後退されながらも、ワンケンゴーを押し返して距離を取ると、爪を構えてワンケンゴーに飛びかかり、それを見てワンケンゴーは頭部の刃を振り下ろして迎え撃つと、爪と刃は両者を切り裂き、二体は消滅する。

 

「そんな効果を持つスピリットだったのか」

 

「こっちもいきなり【激突】で来るなんて思ってもなかった」

 

「でもまだまだ俺のターンだ。オードランでアタック!」

 

「ライフで受けるぜ!」

 

ワンケンゴーの次はオードランでのアタック。ティラノイドを失った今、当然ライフで受けるしかない。だがライフで受けると言う事は……。一方のオードランは、和人に向かい、宙返りをしながら小さな炎を和人に放ち、その攻撃を遮断するように現れたバリアに攻撃が直撃すると、ライフが砕かれる。

 

ライフ5→4。

 

「ぐっ、でもお陰でトリガーが引かれた!ライフ減少時でバースト発動!」

 

「!?」

 

カードが飛び、そのカードが和人の手に収まる。発動されたバーストカードは、知恵から渡されたハンゾウシノビドラゴン。

 

「バースト効果!コア一個しか置かれていないオードランを破壊し、このスピリットカードを呼び出す!」

 

バースト効果が発動し、”ダダダッ”と何かが近づいてくる足音が響く。それに動揺し辺りをキョロキョロと見回すオードラン。そして次の瞬間オードランの真下に足が飛び出し、それにオードランは真上に蹴り挙げられる。

 

「勝利を呼び込む忍者ヒーロー!ハンゾウシノビドラゴンをLv.2で召喚!」

 

召喚パフォーマンスと共にハンゾウシノビドラゴンをフィールドに置くと、地面からハンゾウシノビドラゴンが姿を現し、真上に居るオードランに短剣を素早く投げると、それを喰らったオードランは消滅する。

 

「何!?今の何が起こったの?」

 

一方キマリと咲はモニターを見ながらバトルしているのだが、和人が行ったハンゾウシノビドラゴンの効果に驚いている様子。

 

「教えてナレーター!」

 

キマリなら絶対言うと思った。と言う訳で、俺疲れたのでこの人が代わりにナレーターをしてくれます。頼むぜギャラクシー!

 

ギャラクシー「OK、まずは効果説明!ハンゾウシノビドラゴンのバースト効果は、相手のフィールドのスピリット/ネクサスの色1色につき、コアが1個しか置かれていない相手のスピリット1体を破壊する。よってさっきコアが一個しか置かれていなかったオードランが破壊され、この効果が発揮した後、ハンゾウシノビドラゴンはバースト召喚される。それがこのハンゾウシノビドラゴンの効果、みんな分かったかな?」

 

「さすがギャラクシー。そのナレーションなら作者はもう不必要ね」

 

酷ッ!?ってかそれとこれとは別だろ!!

 

「あの、キマリちゃん、過度のメタフィクションは読者の皆様に失礼だよ」

 

「おっと、これまた失礼!じゃぁバトルの続きしよ?」

 

「切り返し早っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方の和人達のバトルは……。

 

「すっげぇ!それがハンゾウシノビドラゴンのバースト効果か!」

 

「あぁ、俺の新しい仲間だ」

 

「お前、結構強いな。でも俺は負けない、とりあえずターンエンドだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

────第3ターン。

 

「じゃぁ俺のターン、行かせてもらうぜ!」

 

「あぁ来い!」

 

和人のターン。手札4枚、コア6個。

 

「メインステップ!バーストセット!そしてハンゾウシノビドラゴンをLV.1にダウン。そしてリザドエッジ、続けてツインブレードドラゴンを召喚!」

 

オードランと同じ大きさで、背中に刃を持つリザドエッジと二本の剣を持つ竜、ツインブレードドラゴンが現れ、ハンゾウシノビドラゴンとツインブレードドラゴンの二体は咆哮を上げる。

 

「アタックステップ!ハンゾウシノビドラゴンでアタック!」

 

「ライフで受けてやるぜ!」

 

ハンゾウシノビドラゴンは一気に駆け抜け、ハジメに向かって大きめの手裏剣を構え、それを勢いよく投げつけると、展開されるバリアに突き刺さり、ハジメのライフを削る。

 

「ぐっ!」

 

残りライフ4。

 

「よっしゃぁ!」

 

「へっ、まだまだこれから!俺のライフが減ったから、バースト発動!」

 

引き金が引かれ、そのオープンされたカードは英雄龍のカード!

 

「!?」

 

「行くぜ!真っ赤なヒーロー、爆裂召喚!英雄龍ロードドラゴン!Lv.2で暴れまくるぜ!」

 

天から桃が降りてきたかと思うと、その桃に切れ目が入り、その中から英雄龍ロードドラゴンが姿を現し、地面に降り立つとハンゾウシノビドラゴンに負けないくらいの咆哮を上げる。

 

”グオオオオオォォォォォ──────ッ!”

 

「ロードドラゴン!強そうなカードだな」

 

「これが俺の相棒!今日もよろしく頼むぜ!」

 

それに応えるかのようにロードドラゴンは再び咆哮を上げる。一方の和人は、これ以上の攻撃は無理だと考え、ひとまずターンを終える。

 

 

 

 

 

 

 

 

────第4ターン。

 

再びハジメのターン。メインステップまでの準備を終え、手札は3枚、コアは7個。

 

「一気に畳み掛けるぜ!バーストセット!そして、ロードドラゴンをLv.1にして、大きなヒーロー豪快召喚!皇牙獣キンタローグベアー召喚!」

 

赤いシンボルが砕けると、炎が噴き出し、そこから威風堂々に歩くのは、斧を持ったスピリットである皇牙獣キンタローグベアー。強力な咆哮を上げながら、和人を睨む。

 

「召喚時効果!BP4000以下の相手スピリットを二体破壊!よってリザドエッジとツインブレードドラゴンを破壊するぜ!」

 

出現と共に、召喚時効果を発揮し、背中の車輪のような物を回しながら熱風を放ち、リザドエッジとツインブレードドラゴンを吹き飛ばし、破壊する。

 

「その召喚時効果でバースト発動!」

 

「げっ、またかよ!!」

 

トリガーが再び引かれ、そのカードはゴエモンシーフドラゴン。

 

「今日手に入った俺の新しい仲間。早速デッキに入れて良かったぜ!」

 

「こいつのバースト効果って……」

 

「その説明は、頼むぜギャラクシー!」

 

ギャラクシー「効果説明!ゴエモンシーフドラゴンは、相手の召喚時効果発揮後でバースト発動となり、そのバースト効果は系統:覇王/雄将を持つスピリットが居れば召喚可能。そして和人の居る場で、その系統を持つのは……」

 

「覇王の系統を持つハンゾウシノビドラゴン。よってゴエモンシーフドラゴンが召喚可能!!」

 

「くっ!」

 

「行くぜ、勝利勝ち取る盗賊ヒーロー!ゴエモンシーフドラゴンを召喚!」

 

ハンゾウシノビドラゴンの時とは打って変わって、”ドンッ!”とゆっくりとした、それでいて力強い足音が聞こえ、和人の後ろからゴエモンシーフドラゴンが姿を現すと、地面に降り立ち力強い咆哮を上げる。和人の場にはハンゾウシノビドラゴンとゴエモンシーフドラゴン、ハジメの場にはロードドラゴンとキンタローグベアー。フィールドに揃う赤の4体のヒーロー。その光景はとても凄まじく、ヒーロー達は各々の対戦相手を睨みつけている。

 

「……俺のターン、エンドだ」

 

ハジメの方では、攻め込めないと踏んだのかターンを終える。

 

 

 

 

 

 

 

 

────第5ターン。

 

和人のターン。手札2枚、コアは7個。

 

「メインステップ!ネクサス、暗雲差す鬼ヶ島を配置し、マジック!エクストラドローを使用、2枚引いた後3枚目をオープン。赤のスピリットカードなら、手札に加える」

 

オープンされたカードはディノニクソー、よってこれを手札に加える事が可能。

 

「さらにバーストセットし、ハンゾウシノビドラゴンとゴエモンシーフドラゴンをLv.2にアップ!」

 

二体はレベルアップと共に力強く吠え、武器を構える。

 

「アタックステップ!ゴエモンシーフドラゴンでアタック!ゴエモンシーフドラゴンの効果、自分の手札を一枚破棄し、自身をダブルシンボルとして扱う」

 

「キンタローグベアーでブロック!」

 

ライフを一気に二つ削られるのはさすがにキツイと考えたのか、キンタローグのブロックを宣言し、キンタローグとゴエモンシーフドラゴンは互いに背負う斧を構え、それを振り下ろす。何度もぶつかり合う二本の斧、だが次第にキンタローグの方が押され、弾き飛ばされたキンタローグに火炎放射を浴びせ、キンタローグは消滅する。

 

「どうだ!」

 

「まだまだ!相手による自分のスピリット破壊でバースト発動!双光気弾!デッキから二枚ドロー。さらにロードドラゴンの効果、自分の発動したバーストがコスト5以下なら、BP9000以下の相手スピリットを破壊、ゴエモンシーフドラゴンを破壊だ!」

 

ハジメも負けてはいない。ロードドラゴンの眼が光り、咆哮を上げるとゴエモンシーフドラゴンは吹き飛ばされ、破壊されてしまう。

 

「!、やるな。ターンエンド」」

 

 

 

 

 

 

 

 

────第6ターン。

 

メインステップまでの準備を終え、ハジメの手札は5枚。コアは8個となる。

 

「俺のターン、オーガドラゴンを召喚!効果発揮により、デッキから3枚オープン」

 

オープンされた3枚のカードは爆裂十文字、ドスモンキ、キジトリア。オーガドラゴンの効果は、オープンされた中にバーストカードがあれば、手札に加える。よってこの場合、爆裂十文字を手札に加えられ、残りはデッキの下に戻す。

 

「よっしゃぁ~!上がってきたぁ~~ッ!」

 

「喜んでるとこ悪いけど、バースト発動!」

 

「!?」

 

「マジック、双翼乱舞!バースト効果発揮で二枚、さらにコストを支払って二枚、合計四枚ドロー」

 

ハンゾウシノビドラゴンをLv.1にして不足コストを代用し、手札が一気に増える和人。手札が増え、喜びに浸るがハジメはそれに恐れない。

 

「なら俺もバーストセット、そしてロードドラゴンをレベル2に、アタックステップ!オーガドラゴンでアタック!」

 

「ライフで受けるぜ!」

 

オーガドラゴンの炎を受け、残りライフは3。

 

「ぐっ……」

 

「ターンエンドだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

────第7ターン。

 

和人のターン。スタートステップとコアステップを終え、次にドローステップを行うが……。

 

「来たッ!!流石は相棒!!」

 

コアは9個、手札は7枚に増え、ドローしたカードはキーカードの様子。

 

「!?」

 

「メインステップ!バーストをセット、そしてハンゾウシノビドラゴンをLv.1にダウンし、ディノニクソーを二体召喚!」

 

「(来るかっ!?)」

 

「行くぜ、これが俺の相棒!炎纏いし龍の皇、剣龍皇エクスキャリバスをLv.2で召喚!」

 

「おぉ!!」

 

「転召の効果で、ハンゾウシノビドラゴンを破壊!」

 

ハンゾウシノビドラゴンが炎に包まれ、その炎の中に影が現れたと思うと、その炎を振り払い、エクスキャリバスが姿を現す。

 

「すっげ!すっげ!!これがお前のキースピリットなのか!」

 

「あぁ、お前がロードドラゴンを相棒って言うように、俺にとってこいつが相棒。続けるぜ、エクスキャリバスの召喚時効果で、オーガドラゴンを破壊!」

 

「!」

 

オーガドラゴンの足元に炎が立ちこめ、それにより破壊されてしまう。

 

「行くぜ!アタックステップ!エクスキャリバスでアタック!【激突】だぁっ!」

 

「ぐっ……ロードドラゴンでブロック!」

 

ハジメのワンケンゴーと同じく、エクスキャリバスも激突を持つ。それによりロードドラゴンはブロックを余儀なくされ、背中に挿してある刀を取り出し、向かって来るエクスキャリバスを迎え撃つが、ロードドラゴンのBPは6000、対するエクスキャリバスのBPは8000。当然このままでは、エクスキャリバスが勝利するが……。

 

「フラッシュタイミング!五輪転生炎!系統「覇王」を指定、よってロードドラゴンのBPは10000にアップだぁっ!」

 

「なっ!?」

 

BPが逆転し、ロードドラゴンは刀でエクスキャリバスを弾き返し、一気に切り裂こうと刀を振り下ろすが、それをエクスキャリバスは何とか避ける。しかしそれも時間の問題、このままではエクスキャリバスがやられてしまう……。

 

「こっちもフラッシュタイミング!五輪転生炎!不足コストは……エクスキャリバス自身から確保、系統「古龍」を指定」

 

「!」

 

本来ならエクスキャリバスをLv.2にした状態で使用したいのだが、リザーブにコアはなく召喚したばかりのディノニクソーを犠牲にしたくはない。やむを得ずエクスキャリバスをLv1にして、マジックの効果であるBP4000プラスを加算すると、エクスキャリバスのBPも10000となる。バトルの方では、ロードドラゴンの刀を避け、エクスキャリバスは火炎放射を放ち、ロードドラゴンも同じく火炎放射で迎え撃つが、両者の力は互角。そしてお互い火炎放射を止め、エクスキャリバスは翼を大きく広げ、ロードドラゴンに突っ込み、ロードドラゴンも刀を構えて迎え撃ち、互いに攻撃を繰り出すと、二体は大爆発を起こす。

 

「!、ロードドラゴン!!」

 

「ぐっ……エクスキャリバスが……!」

 

ハジメも和人も、キースピリットの破壊は応える。しかしそれでもまだバトルは継続中、何とか気を取り直して和人はディノニクソーで攻撃させる。

 

「ライフで受ける!」

 

ディノニクソーは回転しながら、背中のチェーンソーのような物をぶつけ、展開されるバリアを切り裂き、ハジメのライフを砕く。

 

「ぐぅっ!」

 

ライフ4→3。

 

だが、ライフが減った事はライフ減少につながる。痛みに耐えると、ハジメは笑みを浮かべ……。

 

「バースト発動!!」

 

「!」

 

そのバーストカードは、ロードドラゴン。否、それは爆炎によりパワーアップしたロードドラゴンバゼルのカードだった。

 

「爆烈、爆勝ち!爆炎の覇王ロードドラゴンバゼル!Lv.2で爆進召喚!」

 

火柱が立ちこめ、そこから翼が出現したかと思うとロードドラゴンバゼルが姿を現し、力強く唸りを上げる。

 

「これが爆炎の覇王……ぐっ、ターンエンド!」

 

 

 

 

 

 

 

 

────第8ターン。

 

「行くぜ、俺のターン!」

 

ハジメのターン。手札2枚→3枚。コア10個。

 

「上げてくぜ!メインステップ、バーストセット!そしてワンケンゴーを召喚して、ロードドラゴンをLv.3にアップ!!」

 

フィールドを整え、レベルが上がった爆炎の覇王は今までのどのスピリットよりも大きい咆哮を上げる。

 

「来い!」

 

「爆炎の覇王ロードドラゴンバゼルでアタック!Lv.2、3アタック時効果!自分のバーストカードをオープン、発動条件が『相手のこのスピリット/ブレイヴの召喚時効果発揮後ならバースト発動!」

 

オープンされたバーストカードは、爆裂十文字。よってバースト発動となり、爆裂十文字の効果が発揮される。

 

「BP6000以下のディノニクソーを破壊!さらに自分のバーストが発動したので、ロードドラゴンバゼルは回復!」

 

爆炎の覇王によるラッシュはまだまだ止まらない。ディノニクソーを破壊するだけに留まらず、赤いオーラを纏い回復する。

 

「ライフで受ける!」

 

「回復してるから、もう一度アタックだ!」

 

ロードドラゴンバゼルによる斬撃が展開されたバリアに直撃し、間髪いれずに二度目の斬撃が炸裂し、ライフは残り1まで削られる。

 

「ぐあっ!!」

 

「決めろ!ワンケンゴー!」

 

「やられるか!フラッシュタイミングでサジッタフレイムを使用!」

 

「おいおい、よくテキスト見ろよ。それBP合計5000になるよう好きなだけ破壊するマジックだから、BP6000のワンケンゴーには……」

 

「心配ご無用、ネクサス暗雲射す鬼ヶ島の効果で、マジック、スピリットの効果で破壊するBPを+1000。よってサジッタフレイムでワンケンゴーを破壊することが可能!」

 

「!」

 

天から炎の矢が降り注ぎ、それは通常時以上の威力でワンケンゴーも必死に避けていくも、次第に避けきれずに破壊されてしまう。

 

「ターンエンド」

 

 

 

 

 

 

 

 

────第9ターン。

 

和人のターン、スタートステップ後、コアステップを終えてコアは12個。

そして続くドローステップ……。

 

「(相手のスピリットは全て疲労。俺の場にはディノニクソが一体だけ。勝つためには、後二体のスピリットが必要……)」

 

今和人の手札にあるのは、斧武のアポロディノスと焔龍の城塞都市が一枚ずつ。このターンで、スピリットカードを引けるかどうかが、とても重要になるこのターンだが……。

 

「頼む……!来い!!」

 

目を瞑ってカードをドローし、ゆっくり目を開けながら引いたカードを確認する。そのカードは、「激神皇カタストロフドラゴン」のカードだった。

 

「!……来てくれたのか、相棒!!」

 

そのカードを加え、リフレッシュステップを行い、疲労しているディノニクソーを回復させた後、メインステップを行う。

 

「斧武のアポロディノスを召喚!そして!!」

 

「!」

 

和人が手をかける一枚。それを見てハジメも勿論それが並みのスピリットでないことは承知していた。

 

「大地揺らせ!天に羽ばたけ!激神皇カタストロフドラゴンを召喚!!」

 

アポロディノスの効果でコスト6となり、さらに軽減シンボルから差し引いたコスト3を支払ってカタストロフドラゴンを召喚し、フィールドでは赤いシンボルが出現し、それが砕けると中から何かが現れ、それは龍の形を形成し、カタストロフドラゴンの姿となる。

 

“ギャオオオオオオォォォォォ─────ッ!”

 

「これがキースピリットか!」

 

「どうだ、これが俺の仲間だ!お前の爆炎の覇王にも劣ってないぜ」

 

「あぁ、確かにすげぇ……でも俺達は負けない!」

 

「それはこっちの台詞だ!アタックステップ!アポロディノス、ディノニクソーでアタック!」

 

「ライフで受ける!」

 

アポロディノスの斧とディノニクソーのチェンソーが同時に決まり、展開されるバリアを破壊し、一気にライフを二つ削る。

 

「ぐっ!」

 

残りライフ1。

 

「このフルアタックで決めさせてもらう!カタストロフドラゴン!行っけーーッ!!」

 

フィールド全体を揺らう咆哮、カタストロフドラゴンは巨大な翼をはばたかせながらハジメへと向かう。だが、まだハジメは諦めておらず……。

 

「諦めないぜ!これが俺のラスト一枚!マジック、甲龍封絶波を使用!」

 

「何!?」

 

「マジックの効果により、ロードドラゴンバゼルを回復!そしてブロックだ!!」

 

リザーブに残っているコア全てを使用してのマジック。手札一枚だけだと油断していた和人にとって、このマジックの発動にとても動揺を隠しきれなかった。バトルの方では、カタストロフドラゴンとロードドラゴンバゼルがぶつかり合う。二体の龍の激突、そのバトルはモニターを見ていた観客も興奮するほど凄まじい。カタストロフドラゴンはロードドラゴンバゼルが振り下ろす刃を何度も受け止め、弾き返すと強大な火球を飛ばす。しかしロードドラゴンバゼルは背中にあるジェットのような物を噴出させて、空へと舞い上がってそれを避け、一気に降下するとともに刃を構える。カタストロフドラゴンは迎え撃とうと火球を幾度となく放ち、狙いは全てバゼルに直撃……の筈だが、その火球は全てバゼルの刃によって真っ二つにされ、バゼルは一気に距離を縮めると、バゼルの振り下ろした一閃がカタストロフドラゴンに炸裂し、その威力に耐え切れず大爆発を起こす。

 

「カタストロフ!!!……ぐっ、ターンエンド!」

 

 

 

 

 

 

 

 

─────第10ターン。

 

続くハジメのターンだが、恐らくこれがラストターン。疲労しているロードドラゴンバゼルが回復し、ハジメはメインステップを行わず、そのままアタックステップに入る。

 

「これで最後だ、決めろ!ロードドラゴンバゼルッ!!」

 

「……ライフで、受ける」

 

バーストに伏せてる天翔龍刃覇も、手札にあるネクサスカードももはや意味がない。覚悟を決め、じっとバゼルを見つめ、バゼルは一気に和人へと接近し、刀を振り下ろすと、最後のライフを砕き、決着となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい試合だったぜ、またバトルしような」

 

「あぁ、でも次戦うときは負けない。必ずリベンジだ!」

 

バトルを終え、ハジメと和人はがっちりと握手し、バトルの試合で新たな友情が芽生えたのだった。

 

「あんちゃん!バトルお疲れ様!いい試合だったね」

 

「おぉ、コウタ!見てくれたのか!」

 

試合を終えるなり、ハジメの下へ駆け寄るコウタ。しばらく始めと会話した後、今度は和人の方へ向い……。

 

「和人兄ちゃんも結構強かったね。エクスキャリバスにカタストロフドラゴン、みんな強そうで、格好よかったよ!」

 

「ありがとな。でもまだまだ俺の相棒はこんなもんじゃない!もっともっと強くなって、仲間達も今以上の力を発揮できるようにして見せるさ」

 

コウタに向かって、和人は笑いながらそう言うのだった。

 

「御二人さん、試合お疲れ様。にしても和人に咲だったわね、あなた達、中々いい腕してるじゃない。ぜひ私の手下にならない?」

 

一方同じく試合をしていた咲とキマリも決着をつけたらしく、ハジメ達の下へ歩み寄り、キマリは咲と和人を見ながらそう言う。

 

「巽家の恥だからいい加減やめてよ……って言っても聞く訳ないか、それよりお姉ちゃんは咲姉ちゃんと試合してたんでしょ?どっちが勝ったの?」

 

「当然、あたしが勝ったわよ」

 

「えっ!?」

 

キマリの言葉を聞いた和人は慌てて、咲の方を見るが、咲は苦笑いしながら……。

 

「まぁね、結果は私の負け。キマリちゃんにコア外しを中心に責められて、風の覇王のトリガーがずっと引けないまま、最後はカオティックセイメイにやられちゃった」

 

「咲が勝てないなんて、結構強いんだな」

 

「当然!世界を手中にする私が負けるわけないでしょ」

 

「「まだ言ってる……」」

 

和人への返答を聞いて、コウタもハジメも呆れたように呟くのだった。

 

『ようやく試合終わったみたいだね』

 

そんな時突然聞こえる声、ふと振り替えるとそこには川村の姿が……。

 

「おぉ、川村!って、リクトは?」

 

「リクトなら、あんたと同じく【爆裂の覇道】を購入してくるって、どっか行っちゃったよ。にしても、中々いいバトルを見さしてもらった」

 

和人の質問に答えた後、ハジメと和人を見ながらそう言う。

 

「へぇ~、アンタ川村ってのか、俺、陽昇ハジメ。よろしくな」

 

「川村劉。よろしくね」

 

「へぇ~~、アンタが川村劉ね、よし!早速だけどあんたも手下になりなさい」

 

「さっきも思ったけど、痛す────」

 

「わぁーっ!ストップストップ!」

 

また毒を吐こうとした川村を今度は咲が止める。川村に遠慮という文字はないのだろうか?

 

「はは、何だか川村って、チヒロと似てるな」

 

「そうだね。どことなくそんな感じ」

 

「?、チヒロ……もしかしてそれって……!」

 

ハジメやコウタの言葉を聞いて、川村は眼の色を変えたようにそれを聞こうとするが、突然”ウィーン”とドアが開き、ある三人組が入店する。一人は、大きな体格が自慢の男。もう一人は川村と同じく帽子をし、綺麗な顔つきをした美少年。そして三人目は、威風堂々とした様子でリーダー的存在のような人物。川村はそれを確認すると、慌てて帽子を下げその三人からなるべく目線を外そうとする。だが、その時の川村の顔は一瞬だったが、咲や和人にはかなり赤く染まっているように見えた。

 

「川村さん?どうしたんですか?」

 

「べ、別に何でもない。気にしないで」

 

「今日はずいぶん賑やかなようだな」

 

「きっと兄ぃが来たからですよ」

 

威風堂々とした男は辺りを見回しながら言い、それを見て大柄な男はその男を「兄ぃ」と呼び、どうやらとても慕っている様子。

 

「いらっしゃい。コブシ君、チヒロ君、テガマル君」

 

ミカはその三人組の名前を呼びながら、挨拶をし、三人もそれに応え軽く礼をする。ミカの言葉から、大柄な男性の名はコブシ。帽子をつけた美少年の名はチヒロ、最後にリーダー的存在の男の名はテガマルと言うらしい。

 

「テガマル……!!そうか、そう言えばこの町だったんだ!」

 

テガマルという言葉を聞くと、咲も川村と同じく動揺しながら言う。

 

「テガマルって奴の事、何か知ってんのか?」

 

「和人知らないの?カードバトラーの間ではちょっとした有名人。どんなカードも使いこなす神の手の持ち主、それが棚志テガマル。名前ぐらい聞いてそうな物だけど」

 

「よく気づいたね、咲ちゃん!」

 

「「知恵さん!」」

 

振り返った先には知恵の姿が……。

 

「旅行でここに来たのは、テガマル君達のバトルを見学なんかをさせるためにここに連れてきたの。はっきり言って、テガマル君の実力は和人君たち以上、だから上級者のバトルは絶対いい経験になると思ってね」

 

「そうだったんですか……」

 

「ともかく早速見学してきたら?」

 

知恵が指さす先には、既にバトルを開始しているテガマル達。どうやらテガマルと戦い合いと言うカードバトラーはかなりいるらしく、ガンスリンガーのような行列ができている。後で知ったのだが、テガマル、コブシ、チヒロの三人組はテガマル組と呼ばれているらしい。和人達も早速そのテガマル達のバトルを見学するのだった。

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