ぜひ今回も読んでくださるとうれしい限りです!
「こいつ、何なんだよ?なぁリクト!お前一体どうしちまったんだよ!?」
フィールド全体を照らすように輝く宝龍。だが、その眩しすぎる光は和人にとって邪悪と感じて仕方がない。
「アブソドリューガ、お前が俺の力だ」
宝石のように輝く身体、獣のように唸るアブソドリューガを満足するかのように見た後、和樹の方に向き直る瞬間、笑みは消え鋭い目付きで和人を睨む。
「(来るッ!)」
「アタックステップ。アブソドリューガ、行け」
“グオオオオオォォォォォ────ッ!”
今一度全体を威圧するかのような猛々しい咆哮。その迫力には思わず和人も呑まれてしまうそうになる。
「ぐっ、アシガリュー!ブロック頼む!!」
咄嗟のブロック判断、槍を構えて攻撃に備えるアシガリューだが、所詮焼け石に水。風圧でフィールドの瓦礫を吹き飛ばしながら迫るアブソドリューガに為す術も無く吹き飛ばされ、消滅させられる。
「ぐっ!」
「ざまぁないな、そんな弱いスピリットじゃアブソドリューガの相手にもならん」
「何言ってんだよ!さっきから!お前がそんな事言うなんてどうしちまったんだよ」
「どうもしない。俺はただ、現実を言ってるだけだ」
とても信じられなかった。和人と同じように、とても楽しそうにプレイしていたリクト。それなのに目の前にいる今の彼の目はとても冷たく、まるで人が替わった今のリクトが、自分達の知っているリクトと同じだとは到底信じられなかった、嫌、信じたくなかった。
「アブソドリューガの効果発揮、このスピリットのバトル時、相手スピリットだけを破壊すればボイドからコアを一個自分のライフに置く」
「!?」
アブソドリューガの咆哮に呼応するかのように光が灯り、リクトのライフが追加する。
「リクト、お前こんな勝負やって楽しいのかよ?」
「何寝ぼけた事を、勝負は常に勝ちか負けかで決まる。勝てば少しは楽しいと感じられるかもしれないが、負けたら結局それまでだ」
「そんな事無い!勝っても負けても、楽しめるのがバトスピだろ?」
「……お前みたいに!」
“ピクッ”、とその和人の言葉に反応を示す様に眉間に皺を寄せ、強く左手を握りしめながら和人を睨む。
「無駄な感情を持っていた性で俺はいつまでも、いつまでも勝てなかったんだよ!」
「えっ?」
「俺は強くなる!そのために不要の物があるなら喜んで捨てる。自分のスピリットに対する情も、お前等も喜んで捨てるさ!」
「!!!」
リクトとは幼馴染であり、どんな時でも優しく、幼い頃からずっと親しく接してくれた大切な友達だった。それなのに、今のリクトの言葉はとても心を刃物で刺された様に、とても痛く、辛いものだった。
「リクトお前本気で言ってんのかよ?」
「だったらどうした?それより俺のターンはエンドだ。お前の番だ」
*
────第8ターン、和人side。
[Reserve]6個→7個。
[Hand]4枚→5枚。
[Field]暗雲差す鬼々島Lv.1(0)、ツインブレードドラゴンLv.2(2)。
「メインステップ!ツインブレードドラゴンをLv.1にして【転召】!」
その身を焦がす程の炎がツインブレードドラゴン包み、炎からキラリ、と光る眼光。
「炎纏いし龍の皇!剣龍皇エクスキャリバス召喚!!Lv.2!」
炎を振り払い猛々しい咆哮を放ち、アブソドリューガもエクスキャリバスを睨みながら大きく咆哮を上げ、二体の龍の咆哮がフィールドに響く。
「召喚時効果!BP6000にまでなるよう好きなだけスピリットを破壊!アブソドリューガを指定だ!」
「…………」
放たれる豪炎がアブソドリューガを包む。だがその豪炎がまるで効いていないかのように簡単に炎を振り払う。
「!?」
「無駄だ!アブソドリューガはどんなネクサス、マジック、スピリット、ブレイヴの効果では破壊されない。まさに鉄壁の龍だ」
「ぐっ!だったら……アタックステップ!エクスキャリバス!【激突】!」
「ラクーンガードでブロック」
エクスキャリバスの突進をまともに受け切れる訳も無く、ラクーンガードは消滅する。
*
────第9ターン、リクトside。
[Reserve]10個→11個。
[Hand]1枚→2枚。
[Field]宝龍アブソドリューガLv.1(1)。
「俺のターン、アブソドリューガをLv.3にアップ。ターンエンドだ」
*
────第10ターン、和人side。
[Reserve]6個→7個。
[Hand]4枚→5枚。
[Field]暗雲差す鬼々島Lv.1(0)、剣龍皇エクスキャリバスLv.2(3)。
「俺のターン、バーストセット!さらにゴエモンシーフドラゴンLv.2、ロクケラトプス、ヴェロキハルパーをそれぞれLv.1で召喚!」
出現したルビーが連続で砕け、一気に三体のスピリットを召喚する。
「これでターンエンドだ」
「ふん、アブソドリューガの効果を警戒し、攻める勇気を失くしたか?」
「何?」
「アブソドリューガLv.2、3効果発揮、相手のアタックステップ時、相手が一度もアタックしなかったので、自分はデッキから二枚ドローできる」
「!?」
「アタックしなかったのは裏目だな」
「くそっ!」
悔しがるも、既にターンエンド宣言をしてしまった和人にこれ以上手はない。しかしそれでも安易にリクトの手札補充を許してしまった事は悔やまれる。
*
────第11ターン、リクトside。
[Reserve]7個→8個。
[Hand]4枚→5枚。
[Field]宝龍アブソドリューガLv.3(5)。
「俺のターン、鳳凰龍フェニックキャノンを召喚!」
「!?」
「召喚時効果だ、ロクケラトプス、ヴェロキハルパー、失せろ!」
颯爽と出現するフェニックキャノン。その出現と共に、フィールドを飛行しながら、ロクケラトプスとヴェロキハルパーを砲撃し、幾つもの砲弾に避け切れず、命中し二体共爆発を起こす。
「ぐっ!」
「
三つのパーツに分離すると共に、分離したパーツはアブソドリューガと合体し、合体スピリットとなり、より大きな咆哮を上げる。
「初めてバトルした時が懐かしいな?あの時と同じように、俺も【激突】させてもらうぞ!行け、合体スピリット!」
「エクスキャリバス!ブロックしてくれ!!」
両者の言葉に、二体の龍は飛び立ち、アブソドリューガはフェニックキャノンのパーツから放つ粒子砲、エクスキャリバスは豪炎を、それぞれぶつけ空中に大爆発が起こる。
「無駄だッ!お前は、もう俺の敵じゃねぇんだよッ!!アブソドリューガ、エクスキャリバス如きとっとと片付けろッ!」
その身に炎を纏わせた突進が爆風を突っ切り、真っ直ぐアブソドリューガへと向かうが、アブソドリューガの強靭な両腕にガッチリ、と受け止められ、そのまま地面へと投げ飛ばし、地面に叩き付けられ、身動きの取れないエクスキャリバスに対し、非情なまでに粒子砲を放ち、直撃を受けたエクスキャリバスは力尽き爆発四散する。
「エクスキャリバス……」
「アブソドリューガの効果、俺のライフ回復だ。それにしても何をそんなに落ち込んでいる?BPの弱いエクスキャリバスが負けるのは当然、それにスピリットが破壊されたのなら、また新しいスピリットを召喚すればいい」
「そんな言い方ねぇだろ!スピリットをまるで道具みたいに!」
「道具じゃないか?使えるか使えないか、スピリットはそれで決まる」
「!、リクト、お前本当にリクトなのかよ?」
「見ての通り、俺は来道リクトだ。それがどうした?」
「違う!お前最初にバトルした時言ってたじゃねぇか、ストライクとかいつか間近で見てみたいと思ったって!俺もお前もずっとスピリットを大切な仲間だと思うカードバトラーだと俺は思ってたんだぞ?」
「……下らん、さっきも言ったろ?勝負は勝つか負けるかだ」
「!、じゃぁ、勝つためならスピリットはどうでもいいっていうのかよ?」
「当然だ。生憎俺は道具に持つ情を持ち合わせていない」
「お前それ本気で言ってるのか?」
「あぁ、文句があるなら証明してみろ?スピリットに無駄な情を持つお前が強いのか?情を持たない俺が強いのかをな」
「……リクト、俺は絶対お前の目を覚まさせてやる!バースト発動!!」
「!」
「双光気弾!デッキから二枚ドロー、さらにコスト確保で相手の合体スピリットのブレイヴ一体を破壊!フェニックキャノンを破壊だ!!」
発動されたバーストカード、双光気弾。放たれる二つの火弾がアブソドリューガの身体に装着しているフェニックキャノンのパーツに命中し、バラバラと落ちるフェニックキャノンが砕け、ブレイヴを失いアブソドリューガも地面に降り立つ。
「ちぃッ!」
*
────第12ターン、和人side。
[Reserve]8個→9個。
[Hand]3枚→4枚。
[Field]暗雲差す鬼々島Lv.1(0)、ゴエモンシーフドラゴンLv.2(2)。
「俺のターン!千識の渓谷をLv.2で配置!そしてハンゾウシノビドラゴンLv.1で召喚!さらにマジック!三札之術!効果で二枚引いて、三枚目をオープン!」
オープンされたカードは皇牙獣キンタローグベアー。赤のスピリットカードなので問題なくキンタローグも手札に加えられる。
「バーストセット!行くぜアタックステップ!ゴエモンシーフドラゴンでアタック!さらに自身のLv.2効果発揮!フラッシュのタイミングで赤の手札を破棄して、系統「覇王」、「雄将」を持つスピリットを破棄してダブルシンボルに!手札の「オーガドラゴン」を破棄してダブルシンボルだ!」
「ぐっ、ライフで受ける!」
ゴエモンシーフドラゴンの強靭な斧が展開されるライフを引き裂き、一気に二つのライフを削る。
「……ッ!」
[Life]6→4。
「お前も行け!ハンゾウシノビドラゴン!ゴエモンシーフドラゴンの効果で、手札の「アーチャードラゴン」を破棄!よってハンゾウシノビドラゴンもダブルシンボルだ!」
「ライフだッ!」
今度は勢いよく投げつけた手裏剣が展開されるライフに突き刺さり、ライフを削る。
「うぐぐ……ッ!」
[Life]4→2。
「やった!意気に4つもライフを削るなんて、やるじゃん和人!!」
モニターでは、和人の猛反撃に咲もほっとしているが、それとは対照的にダイキの方では……。
「(ちぃ、何をやっているリクト。とっとと片付けるんじゃねぇのか、アブソドリューガの力まで呼び起こす程のお前なら、必ず倒せる筈だ)」
苛立ち気味に押されている様子のリクトを見ながら、ただバトルの行方を見守るのみ。
*
────第13ターン、リクトside。
[Reserve]12個→13個。
[Hand]4枚→5枚。
[Field]宝龍アブソドリューガLv.3(5)。
「……見ていろダイキ、俺は勝つ!和人にも川村にも!」
「リクト?何言って!」
「俺はな、ずっと停滞していた!お前にも川村にも勝てないまま、それ以上強くなれなかった!だが俺は力を手に入れた!やっと上に登れる力を俺はようやく手に入れた!だからこそ俺は勝つ!」
「何言ってんだよ、勝ち負けとか関係ねぇだろ!俺は、今のお前のより前のお前お方がずっと強いと思ってた!」
「何?」
「スピリットは道具じゃない!仲間を信じれば、きっとそれに応えてくれる!だからこそ強くなれるんだ!」
「ふざけるな!そんな無駄な感情の性で!」
「無駄じゃない!!現に俺は、ここまで強くなれた!みんなのお陰で、スピリット達のお陰で!!だから強さのために何かを捨てるなんて間違ってる!!」
「ほざけっ!綺麗事はたくさんだ!お前のバーストは読めてる。一気に勝負を決めてやる!俺のターン、スレイウラノスをLv.3、ミブロックパトロールLv.1を召喚!さらにバーストセット!」
「!」
「アタックステップ、宝龍アブソドリューガでアタック!」
「ライフで受ける!」
アブソドリューガーの口から放たれる雷が和人を襲い、ライフを削る。
[Life]4→3。
「もう一発だ!スレイウラノス行けッ!アタック時効果発揮!ゴエモンシーフドラゴン、失せろ!!」
「くっ!ライフで受ける」
スレイウラノスの効果により白い竜巻が放たれ、竜巻に呑まれたゴエモンシーフドラゴンは手札に戻り、そのままスレイウラノスの突進を喰らう。
「ぐあ……ッ!
[Life]3→2。
ライフを減らされながらも、衝撃に耐えきり目を見開く。
「バースト発動!」
「なっ!?キンタローグじゃないのか?」
「マジック!烈光閃刃!BP3000以下のスピリット全て破壊だ!」
「!?」
周りに広がる光の刃が和人のハンゾウシノビドラゴンとリクトのミブロックパトロールを共に切り裂く。
「ハンゾウシノビドラゴン、ごめん。でも必ずお前の犠牲は無駄にしない!コストを支払ってメインの効果を発揮!自分のトラッシュにある赤のスピリットカードを手札に!」
「!」
「俺が加えるのは、当然、龍の覇王ジークヤマトフリードだッ!」
「一回目の攻撃でバーストを発動しなかったのはカウンター狙いのためか……まぁいい!ターンエンドだ!」
*
────第14ターン、和人side。
「俺のターン、ネクサス千識の渓谷Lv.2効果で、俺は二枚ドロー」
[Reserve]11個→12個。
[Hand]3枚→5枚。
[Field]千識の渓谷Lv.2(2)、暗雲差す鬼々島Lv.1(0)。
「メインステップ!行くぜリクト!ロクケラトプスLv.1で召喚。そして!赤き剣を振いて全てを征す覇王!勝鬨上げてフィールドに降り立て!龍の覇王ジークヤマトフリードを召喚!」
突如として雷雲が立ち込める空、その雷雲を引き裂いて姿を現す龍の覇王。鳴り止まない雷鳴と彼の雄叫びがフィールドに轟く。
「ジークヤマトフリード!」
疎むかのような目で睨み、そんなリクトの様子に和人は拳を握りしめる。
「相棒、リクトの目を覚まさせてやろうぜ!」
和人の言葉に「任せろ」と言わんばかりに剣を掲げながら、力強く吠える。
「バーストセット!ジークヤマトフリード!行けぇッ!アタック時効果、バーストセット中このスピリットのBP以下の相手スピリットを破壊!」
「アブソドリューガには効かないぞ!」
「分かってる!だから俺が指定するのはスレイウラノス!」
剣に炎を込め地面に勢いよく突き刺すと、地面から炎が噴き出し、噴き出す炎の直撃を受けスレイウラノスは爆発四散する。
「まだだッ!ジークヤマトフリードでアブソドリューガに指定アタック!」
「!?」
「アブソドリューガは悪魔で破壊される効果を無効にするだけ。指定アタックや激突の様な効果は防げない!」
「ぐぐぐ……ッ!!」
「行けぇッ!相棒!!」
振り下ろす刃をガッチリと受け止め、至近距離で電撃を放つが、ヤマトも火炎放射でそれを相殺し、爆発が巻き起こり。巻き起る爆風から飛び出るアブソドリューガだが、それをヤマトが逃さない。アブソドリューガの尾を掴むと共に、地面に向けて勢いよく投げつけ、空中で何とか体勢を立て直すも、急降下し猛スピードでアブソドリューガへと迫り、離れていた距離を一瞬で縮めると刃を振り下ろし、ヤマトの後ろでアブソドリューガは大爆発を起こす。
「あ、アブソドリューガが……」
「あんなスピリットお前らしくない!目覚ましてくれ!リクトッ!!」
「…………」
アブソドリューガの破壊と共にリクトの中で何かが事切れ、体の力が急に抜け落ちたように、その場に思わず座り込んでしまった。
「リクトッ!?」
「あ、あぁ……すまない。何か突然力が入らなくて」
「だ、大丈夫かよ?」
「心配ない、むしろスッキリした感じだ」
「じゃぁ、目が覚めたのか?」
「……まぁ何て説明したらいいのか、自分の意識はあったけど、アブソドリューガを手にした時から、体に妙な力が入り過ぎていたというか、何も見えていなかったというか」
「何だよそれ?」
「まぁ今はどうでもいい、お前の言葉!しっかり届いてた。届いていたのに耳を傾けようとしなかった。周りが見えなくなってしまいそうになるほど」
「へっ、気にすんなよ?それより!まだバトルは続いてるぜ?」
リクトに一体何があったのか、今はそれを知らない。だが、それでもいつものように表情の柔らかくなったリクトに、数も安心したようににっこりとした笑みをリクトに向ける。
「!」
「さっきまでがどうとかもう関係ねぇよ、まだバトルは続いてる。それだけだ!」
「……あぁ!だからこそ俺は、お前に勝ちたい!俺のスピリット達と一緒にな!」
「来い!!」
「行くぞッ!バースト発動!」
「!?」
オープンされたカードは、覇王の名を持ち、なおかつXレア級のスピリット、魁の覇王ミブロック・ブレイヴァー。その発動条件は白のスピリットの破壊がトリガーで、アブソドリューガの破壊で条件を満たし、召喚可能。
「ミブロック・ブレイヴァー!!!」
「行くぞ和人!白く輝く太刀持つ誇り高き武人、魁の覇王ミブロック・ブレイヴァーLv.3で召喚!」
華吹雪を切り裂き、颯爽と姿を現す白の巨人、ミブロック・ブレイヴァー。これ以上和人に手はなく、ターンエンド宣言。
*
────第15ターン、リクトside。
[Reserve]13個→14個。
[Hand]2枚→3枚。
[Field]魁の覇王ミブロックブレイヴァーLv.3(5)。
「あれだけ酷い事言ったのに、まだスピリット達は俺に応えようとしてくれてるんだな」
このターンで引いたカードに、口元を緩ませながらも、先程まで言っていた自分の主張に罪悪感を覚え、それに対し和人は……。
「お前が信じりゃスピリット達も応えてくれる。スピリット達が応えてくれたら、今度はお前が応えてやる番だぜ、リクト!」
「……あぁ!この勝負絶対に俺が勝つ!行くぞ、白銀の龍!月より出でよ!月光龍ストライクジークヴルムをLv.3で召喚!!」
“ギャオオオオオオォォォォォ────ッ!”
勇ましい咆哮を響かせながら、フィールドへと降り立つ。
「アタックステップ!ストライクジークヴルム、行けぇ!」
「ロクケラトプス!ブロック頼む!!」
突っ込むロクケラトプスの角をガッチリと掴み、その大きな体を軽々と持ち上げると、地面へ叩きつけ爆発が起こり、その勝利に意気込むように雄叫びを上げる。
「防いだか、でも次こそは決めて見せる!ターンエンド!」
「なら次が俺のラストターンってわけだな!絶対このターンで決めないとな!」
*
────第16ターン、和人side。
[Reserve]7個→8個。
[Hand]3枚→5枚。
[Field]龍の覇王ジークヤマトフリードLv.3(5)、千識の渓谷Lv.2(2)、暗雲差す鬼々島Lv.1(0)。
「メインステップ!千識の渓谷をLv.1にダウンして、ゴエモンシーフドラゴンをLv.3で再召喚!さらにバーストセット!」
「!」
「アタックステップ!ジークヤマトフリードでアタック!ゴエモンシーフドラゴンの効果で、手札のキンタローグを破棄してジークヤマトフリードをダブルシンボルに!さらにバーストセット中のアタックで、ミブロックブレイヴァーを破壊!!」
猛スピードで迫るヤマトを迎え撃とうと構えるも、ヤマトの渾身の居合斬りに倒れ、爆発四散する。
「ジークヤマトフリードのアタックでストライクジークヴルム回復!ブロックだッ!」
迫り来るジークヤマトフリードに電撃を放ちながら迎撃していくが、ヤマトフリードには通じない。攻撃を避けていき、そのまま一気に刃を振り下ろし、紙一重で避けきられるも、強烈なタックルを喰らわせ、ストライクヴルムを後ろに弾き飛ばす。
「フラッシュタイミング!コテツティーガを【神速】召喚!さらに
「!」
林を駆け抜けて、フィールドへ赴く一頭の虎、コテツティーガ。その身を変化させ、ストライクに合体すると鞘に収まりし刀を引き抜き、刀を掲げより強力な咆哮を上げる。
「まだまだこれからだ!行け!ストライクジークヴルム!!」
「負けるな!ジークヤマトフリードッ!!」
“”グオオオオオオオオォォォォォ────ッ!!“”
二体の咆哮がフィールドに呼応する。刀と刃、二つの剣がガキィ、ガキィ、と斬り合う金属音が何度も響く。一気に片をつけようと、渾身の大振りを放ち、それに弾かれながらも体を反転させ、反転した勢いを付けた刀を振いヤマトを押し返していき、一気に片をつけようと、両者飛び上がると同時に渾身の力を込めた刀と刃を振い、“ガキィ!”と一際大きな金属音が響き渡り、そのまま地面へ降り立つ両者。だが、ヤマトの持つ刃が“パキィ”、と大きな音を立てて砕けると共に、地面へと倒れる。
「コテツティーガの効果発揮!このスピリットのバトル時、相手スピリットだけを破壊すれば相手のライフ一つをリザーブに!」
ストライクの目が緑色に光ったかと思うと、和人のライフが砕け散る。
「ぐっ!」
[Life]2→1。
「勝った!!」
完全に勝負は決したと、確信したリクトではあったが、まだ和人は諦めていない。
「まだだ!スピリット破壊でバースト発動!!」
「!?」
「五輪転生炎!!」
「な、にッ!?」
「このバースト発動時に破壊されたスピリットを再召喚!もう一度闘うぞ!相棒ッ!!」
五角形の炎の輪から、再びジークヤマトフリードが現れ、刃を掲げながら雄叫びを上げる。
「コストを支払ってフラッシュの効果!系統「覇王」を指定!指定した系統のスピリットのBPを+4000だ!」
「ぐぅっ……!」
「もう一度アタック!ゴエモンシーフドラゴンの効果で手札の赤のスピリットカード、ドラグクリシュナーを破棄して、ダブルシンボルに!!」
「こっちもヤマトのアタックで、ストライクヴルムは再回復!!」
「構わねぇ!!ヤマトフリードの効果でストライクジークヴルムに指定アタック!!」
再びぶつかり合う二体の龍、猛スピードで刃を振いながら迫るヤマトを後ろに後退されながらも何とか刀で受け止める。
「これが俺のラスト一枚!フラッシュタイミングで爆覇炎神剣を使う!!」
「!!」
「マジックの効果でヤマトにアタック時、BPを比べ相手スピリットだけを破壊した時、相手ライフ一つをリザーブに置く効果を与える」
バトルの方では、強烈な一振りでストライクの刀を弾くと、開いた右腕の拳をストライクの腹部に叩き込んで、そのまま空へ放り投げると同時に、翼を大きく広げ、咆哮を上げると即座に大きな翼を羽ばたかせて飛び立ち、真上のストライクジークヴルムを一気に切り裂き、コテツティーガは爆発寸前のストライクジークヴルムから間一髪分離すると同時にフィールドに降り立ち、空中でストライクジークヴルムは大爆発を起こす。
「……ここまでか」、
「最後のライフを砕け!相棒ッ!!!!」
爆風を突っ切って、リクトの目の前まで迫り、展開されるライフに刃を振り下ろす。
「……完敗だ、和人」
最後のライフが砕け、勝負が決する。
*
「負けちまったか、リクト。まぁお前の強さは本物だった。アブソドリューガが目覚めた時点で当初の目的は完了だったしな。それより、少し気になる事を調査しに行くか」
「?」
勝負を見届け終えると、その場から悠々と立ち去って行くダイキ。その影が一瞬見え、誰かいたのかと不思議に思う咲ではあったが、すぐに気のせいだと捨て、戻って来た和人の勝利を祝うだけだった。
「やったね、和人」
「あぁ!相棒達のお陰だよ、それにリクトも元に戻って安心だぜ」
「迷惑かけたな……」
苦笑いしながら答えると、どこか寂しげに表情を変え……。
「俺、決めた。全国大会は俺降りる事にするよ」
「「えっ!!?」」
突然の言葉に一瞬二人共、固まった。「なぜ」と尋ねるよりも先にリクトは口を開いて言葉を続けた。
「自分のスピリットも最後になってようやく信じたぐらいだ。こんな調子じゃ俺はやっぱりまだまだ何だ」
「リクト……」
「でも安心しろ、今日は逃すって言うだけだ。来年には必ず今より実力を磨いて!強くなって、スピリット達と共に!勝利を取る!!」
そう決意したリクトの表情には、先程まで動揺していた和人達も安心できた。
「期待してるぜ!リクト!!」
「あぁ、まぁ今年は精々川村の様子でも見してもらうかな?」
それだけ言ったのに、彼ら三人もまたその場を後にして行った。
そして全国大会も開催までいよいよと言う所まで迫っていた。