今回は第22話を公開!ぜひ見てくださるとうれしいです。
『セクシー?』
「「「ノー!ギャラクシー!!!」」」
会場に巻き起こる歓声、スポットライトを浴びて高らかにお決まりの決め台詞を叫ぶのは大会の司会者、ギャラクシー。その合言葉に負けない声で返答するのは会場にいるたくさんのカードバトラー達もお決まりの返事を返す。
『さぁそれでは高らかに宣言しよう!!!本日!!待ちに待ったチャンピオンシップ全国大会の開催を!!!!』
ギャラクシーの言葉に先程のコール以上の歓声が巻き起こる。そう、今日がチャンピオンシップ全国大会の開催される日。以前に行われたチャンピオンシップ地区予選を勝ち上がった多くの猛者達。だが会場に足を運んだのは参加資格のある猛者たちではない、その猛者達の戦いを一目見たいがために足を運んだ多くの観戦者達、既に大量のカードバトラーに会場は超満員だった。そして勿論会場には参加資格のある川村だけでなく、これから行われるであろう激闘を見るために和人や咲、光やリクトの姿もあった。
「おーい!川村!!」
「あっ、和人。それに咲や光にリクトも」
会場で川村の姿を見るなり声を掛け、それに気付くと川村も見慣れた面々に対し、いつもの様に適当に挨拶を交わす。
「いよいよ全国大会開催だな!俺ずっと楽しみにしてたんだぜ!!」
「楽しみって何を?和人達予選負けだから参加できないじゃん」
川村のストレートな言葉に一瞬グサッ、と心を突き刺されながらも、すぐに気持ちを切り替える様に首を振る。
「そんな事より!今日はお前の試合を存分に応援するぜ!!」
「応援なんかなくても私なら別に余裕だよ?応援って無駄じゃない?」
川村の無駄と言う言葉はまたもグサッと心に突き刺さり、固まってしまうがそれにクスクスと笑いながら……。
「冗談。素直に応援してくれて嬉しいよ。和人達の応援に応えられるよう、全力でバトルするから見ててよね」
「おぉ!!じゃぁ俺は先に観客席の方行っとくぜ!!頑張れよな!試合!」
「あぁちょっと和人待ってよ!それじゃぁ愛実さん、頑張ってね!私も応援してるから!」
一目散にその場を走り去る和人。それを追いかける様に咲もその場を後にし、二人の様子に「あの二人は相変わらずだね」と呟きながら溜息をつき、それにはリクトも光も顔を見合せながら苦笑してしまう。
「まぁいつもの事だ。大目に見てやれよ」
「もう見慣れたけどね。それより聞いたよ?今日の全国大会降りたんだよね?」
「!」
この前の一件でリクトは出場しない事を伝え、全国大会を降りた。その事は既に川村の耳にも入っているらしく、理由を尋ね、質問に顔色を暗くさせつつも、すぐに表情を戻す。
「まぁ俺にも色々あってな」
「ふーん、まぁいいんじゃない?何か前よりいい表情になったみたいだしさ」
「へぇ~、リクトさんも愛実ちゃんも中々いい雰囲気ですね♪」
二人の様子に光はにやにやと笑い、光の言葉を聞くなり思わず表情を赤く染める。
「ちょ、ちょっと!光!!私は別にそういう事言ってる訳じゃないから!!」
「まぁまぁいいじゃないですか、別に照れなくても」
「照れてないからっ!」
「?、さっきから二人何の話してるんだ?」
二人の会話の意味を理解できてないリクトは完全に置いてけぼり状態で、それに思わず光は「リクトさんも案外鈍感ですね」と小さく呟いた。
「それより!さっさとリクトも和人達の後追い掛けたら!」
「何でそんなに必死なんだよ、まぁ確かにその通りだけどな。試合、頑張れよ」
その場から立ち去って行くリクトの後姿を確認し終えると、「光も行くんでしょ?」と尋ねるが、光はまだ少しにやにやと笑っていた。
「でも愛実ちゃんはリクトさんより、やっぱり和人さんの方が?」
「いつまでそんな話してんのッ!ってか、何で和人の名前が出てくるんだよッ!和人もリクトも両方有り得ないから!!」
「じゃぁ愛実ちゃんはお二人の事どうも思ってないですか」
「!、まぁ和人達には恩があるから、別にどうも思ってない訳じゃないけど」
「へぇ~」
「ちょっ!何にやけてんの!!そういう意味で言ったんじゃないから!!」
「分かってますよ。ちゃんと」
「何を分かってんの!?もういいから、光も和人達の後追うんでしょ?」
「はいはい、応援してますよ!」
光の冗談にすっかり顔を赤く染めながらも、光達のお陰でリラックスでき、気を引き締め直しながら彼女もその場を後にした。
*
まもなく第一回戦の開始時刻となり、試合が始まるなり観客が期待していた以上の強豪カードバトラー達の激闘が繰り広げられ、会場一帯に響く選手への声援と歓声。川村も一回戦を難なく通過し、早くも会場はヒートアップしていた。
「川村一回戦通過おめでとう!」
「ありがとう、やっぱり和人達の応援は一際目立つね」
「どういう意味だよ?」
「ふふっ、ちゃんと届いてたって意味だよ。それより折角和人達も来たんだからフリーバトルでもしてきたら、二回戦はもう少し先だし、和人の事だから見てるだけなんて物足りないでしょ?」
「ハハッ、まぁな!って事で早速フリーバトルしてくるぜ!」
「まったくすぐ行動しやがって、しょうがないから俺も行くよ。あいつ一人にさせとくと危なっかしいし」
頭を掻きながら呆れたようにしているも、それはいつもの事なので苦笑いしながら一旦川村達と別れるが、あまりに多い客足にすっかり和人の姿を見失ってしまう。
「はぁ~……和人の奴、こう言う時だけ異常なまでに早いからな。何処行ったのか」
『あれ?ひょっとして、来道リクトか?』
「?」
後ろから自分の名前を呼ぶ聞き慣れない声、振り返った先には紅髪が目立つ一人の少年、勿論初対面の筈だが、どこかその少年には見覚えがあった。
「お前は?」
「あぁ、やっぱ分からねぇか。俺なんか良くてもうる覚え程度だろ?一応自己紹介するなら、名前は火道アキラ。全国大会出場者だ」
「アキラ!確か関東地区代表の一人だよな。悪い中々思い出せなくて、名前を覚えるの苦手なもんで」
「あぁ誤解しないでくれ、別に気を悪くした訳じゃない。ただ俺は一寸お前と話がしたくてな」
「?」
「一回戦、本当はお前と当たる筈だったんだ。なのに、大会降りたんだろ?お陰で俺は不戦勝で二回戦進出さ」
「……色々あってな」
「まぁ別に詮索しないさ。ただ、俺はあんたと戦いたかったんだよ。それが敵わなくてちょっと残念だったってだけだ」
「悪い。また機会があればぜひこちらこそバトル頼むよ」
「あぁ」
互いに握手を交わすと、その場を互いに後にしようと又歩き出すが……。
「本当に楽しみだったんだぜ?アブソドリューガ使いのリクトと戦えるのをな」
「!」
小さく呟いたアキラのその言葉を決して聞き逃さなかった。咄嗟に「ちょっと待て」と呼び止める様に叫ぶが、既にアキラの姿は人混みの中に消えていた。
「あいつ、なぜこのカードの名前を」
宝龍アブソドリューガ、少なくともこのカードの存在を知っている者は限られる。カードを渡したダイキ、そしてアブソドリューガを使用した時にバトルを行った和人、それを見ていた咲の三人の筈。なのになぜアキラはこのカードの名前を知っているのか、友好的な態度とは裏腹にアキラに対し、背筋が一瞬凍ったようにゾッとした。
『さぁて御待たせしました!二回戦の対戦カードを発表だ!!』
そんなリクトを余所に、突然モニターに映るギャラクシー。高らかに二回戦の対戦を表を発表していき、二回戦の第一試合目から対戦するプレイヤーは火道アキラと川村愛実だった。
「さっきのアイツ一体何者なんだ?」
まったく読めないアキラ、何故だかこの試合に嫌な予感がした。まもなく始まる二回戦を前に、何を思ったかリクトはどこに向けて走り出した。
*
「ったく!もう少しで試合始まるのに、リクトの奴は何処行ったんだよ!」
「もとはと言えば、和人が勝手に飛び出したからリクト君が追いかけたんでしょ!」
「うぅっ……」
二回戦開始間もなく和人も合流するが、リクトの姿が見えない事に対し、怒る様に聞くが、すぐさま咲の反論に口籠ってしまう。次の二回戦に対する緊張もプレッシャーも今の川村には微塵もなかった。今あるのは、次も絶対勝つという気合と自信だけ。
「まぁ来ないなら来ないで、戻ったら勝利報告すればいいだけだよ」
「その意気だぜ!川村!!」
「頑張ってください愛実ちゃん!」
和人達の応援に手を振りながら答え、これから戦う前にステージへと上がって行き、両者互いに顔を見合わせる。
「戦う前から自信満々みたいだな」
「まぁ自信失くして勝負はできないでしょ?」
「同感だ。さっきの一回戦は不戦勝になってつまらなかったが、お前との勝負は存分に楽しめそうだ」
『それでは両者、コールを!』
「「ゲートオープン!解放!!」」
*
互いにバトルフィールドに舞台を移し、両者最初に引いた4枚の手札を見ながら、第1ターンを前に既に互いの読み合いは始まっていた。
「対戦相手の火道アキラさん、関東の大会では常にトップ。圧倒的な実力で無敗の帝王とも呼ばれているそうで」
モニターを見ながら、いつ調べたのか対戦相手の情報を述べ、「いつ調べたの?」という咲の質問に、光は「相崎家のコネクトを使えば、出場選手全員の情報を調べるのに2分とかかりません」と軽く笑いながら答え、思わずそれには愕然とさせられ、苦笑いするしかなかった。
「光も咲も何難しい話してんだよ?さっさと川村の応援するぜ!」
「ねぇ、和人はさっきの話分かってた?
「全然」
即答する和人の言葉に咲も光も「やっぱり」と呆れる様に小さく呟いた。
*
第1ターン、アキラ先行から始まりノーザンベアードを召喚してターンエンド。続く第2ターン、川村はバーストセットし、ラッコルセアをLv.2で召喚しエンド。
───第3ターン、アキラside。
[Reserve]3個→4個。
[Hand]4枚→5枚。
[Field]ノーザンベアードLv.1(1)。
「俺のターン、ザニーガンをLv.1、ノーザンベアードをもう一体Lv.1で召喚。ターンエンドだ」
────第4ターン、川村side。
[Reserve]2個→3個。
[Hand]3枚→4枚。
[Field]ラッコセルアLv.2(3)。
「メインステップ。ラッコルセアをLv.1にダウンして、ラッコルセアをもう一体、さらにツンドッグゴレムをLv.2で召喚!アタックステップ、ツンドッグゴレムでアタック」
アタック宣言と共に発動するツンドッグの持つ【粉砕】の効果、Lvと同じ数、つまりデッキの上から二枚のカードがアキラのデッキから破棄され、さらに破棄されたカードの中にスピリットカードがあったため、二体のラッコルセアの目がキラリ、と光る。
「スピリットカードが落ちたのでラッコルセアの効果、ボイドからコアを一個自分のスピリットに置く。二体の効果でコア二個をラッコルセアに置いて、一体をLv.2にする」
「ラッコルセアじゃなく、ツンドッグゴレムのLvを上げなくて良かったのか?」
「御忠告どうも、でもこれでいいんだよ」
「そうか、ならノーザンベアードでブロックする。ブロック時効果でコア一個をノーザンベアードの上に置き、レベルアップだ」
自動的にレベルアップし、意気込むように二足方向で立ち上がると、突っ込むツンドッグゴレムに大きな爪を振い、弾き倒して消滅させる。
「ツンドッグゴレムの召喚時効果、このターンの間、【粉砕】、【大粉砕】を持つスピリット全てはBPを比べて破壊された時、疲労状態で戻る」
消滅した筈のツンドッグゴレムが再びフィールドに戻るが、疲労状態のためこれ以上は動けない。
「ターンエンド」
────第5ターン、アキラside。
[Reserve]2個→3個。
[Hand]3枚→4枚。
[Field]ノーザンベアードLv.2(2)、ノーザンベアードLv.1(1)、ザニーガンLv.1(1)。
「俺のターン、ノーザンベアード一体をLv.1にダウン。そしてザニーガンをもう一体召喚、さらにマジック!ラッシュドロー」
「!」
「デッキから二枚ドロー、さらにデッキから二枚オープンし、その中の【連鎖】を持つスピリット、又はブレイヴカード一枚を手札に」
オープンされたカードはダークディノニクソーと【連鎖】を持つぺガシオーネ。
「ペガシオーネを手札に加え、ダークディノニクソーはデッキの上に戻す」
「ザニーガンといい、赤のマジックと言い……赤と白の混合デッキってところかな?」
「まぁな、続けるぞ?セイバーシャークをノーザンベアードに
消滅するザニーガンと入れ違いにフィールドに現れるセイバーシャーク、即座にノーザンベアードと合体すると、粒子の刃を掲げながら力強く吠える。
「セイバーシャークの召喚時効果、このターンの間俺のスピリット全てのブロック時効果、アタック時に発揮させる」
「悪いけどその召喚時効果貰うよ!バースト発動!!」
セイバーシャークの召喚時効果発揮の瞬間を決して逃さない。高らかなバースト発動宣言と共にオープンされたカードは鉄の覇王サイゴードゴレムのカード。
「へぇ……」
「召喚時効果を発揮させた合体スピリット、セイバーシャークとノーザンベアードのコスト合計分、よってデッキから8枚破棄させてもらうよ!」
8枚ものカードがデッキから破棄され、その中に一枚でもバーストカードがあればサイゴードゴレムをノーコスト召喚できる。だが、破棄されたカードの中には一枚のバースト効果を持つカードは存在しなかった。
「!?」
「残念、8枚も破棄すりゃ1枚ぐらいはバーストカード破棄できると思ったろ?生憎だが、俺のデッキには一枚もバーストカードは入れてない。バースト発動してもらったとこ悪いが、サイゴードゴレムの召喚は不発だ」
「ちぃっ!」
バースト召喚の条件を満たしていない場合はトラッシュに送られる。やむを得ずサイゴードゴレムをトラッシュに送り、完全にバーストのない今はアキラにとってチャンスだった。
「アタックステップ、ノーザンベアードでアタック。合体スピリットの効果でブロック時効果をアタック時に発揮。よってコア一個を置き、Lv.2だ」
「攻撃はライフで受けるよ!」
鋭い爪の一双が展開されたライフを斬り裂き、ライフを砕く。
「ッ!」
[Life]5→4。
「さっきツンドッグゴレムをLv.3にしなかったのは、油断させてサイゴードゴレムを召喚し、一気に勝負を決めるつもりだったからだろう?」
「!」
「だがサイゴードゴレムの召喚は失敗。いきなりお前の作戦は崩れちまったわけだな」
「それが?また次の一手を考えればいいだけさ!」
「その次の一手を考えられる暇、あるのか?次は合体スピリットでアタック、こいつもアタック時でボイドからコアを一個置き、レベルアップ」
「フラッシュタイミング!秘剣燕返!!」
「!」
「効果で合体スピリットのブレイヴ一つ、さらに効果発揮後コスト三以下のスピリット一体!よってセイバーシャークとアタック中のノーザンベアードを纏めて破壊する!」
突っ込む合体スピリットの前に突如として青い燕の形を模した斬撃波が放たれ、それは一瞬で合体して居るセイバーシャークとノーザンベアードを纏めて斬り裂くと、爆発四散させる。
「やるな、ターンエンド」
────第6ターン、川村side。
[Reserve]2個→3個。
[Hand]1枚→2枚。
[Field]ツンドッグゴレムLv.2(2)、ラッコルセアLv.2(3)、ラッコルセアLv.1(1)。
「ラッコルセアをLv.1にしてマジック!ハンドリバースを使用!!」
手札を破棄し、その後相手と同じになるだけデッキからドローする緑マジック。手札に残る柱岩の海上都市のカードを破棄し、4枚のカードをドローしていく。
「バーストセット!アタックステップ!ツンドッグゴレムでアタック!!粉砕の効果で二枚破棄!」
破棄したカードの中にスピリットカードがあるため、再びラッコルセアの効果が発揮される。
「ラッコルセアの二体の効果で、コア二個!今度はツンドッグゴレムの上に置いて、Lv.3に!!」
「攻撃はライフで受ける」
「さらにラッコルセアでアタック!」
「そいつもライフだ」
二体続けての攻撃が展開されるライフを破壊し、ライフを削って行く。
「!」
[Life]5→3。
「ターンエンド」
────第7ターン、アキラside。
[Reserve]8個→9個。
[Hand]4枚→5枚。
[Field]ノーザンベアードLv.2(2)、ザニーガンLv.1(1)。
「ノーザンベアードをレベルダウンしピナコチャザウルスを召喚、さらにネクサス、黄昏の暗黒銀河を配置」
準備完了と言わんばかりに、彼は小さく「行くぞ」と呟き、その言葉に思わず身構えさせられる。
「太古の地響き響かせろ、凶龍爆神ガンディノスを召喚!」
火山が噴火するかのように、爆発するかのように大きな音を立てながら地面が割れ、土煙を巻き上げ、煙を振り払い、ガンディノスがその姿を現す。
「!」
「アタックステップ、ガンディノスでアタックし【強襲】発動。黄昏の暗黒銀河を疲労させて回復、さらにアタック時効果発揮でLv.2のラッコルセアを破壊、破壊により一枚ドロー」
尻尾を地面にたたきつけ、反動で大きな巨体が宙に飛び上がらせ、一気にラッコルセアを踏みつぶし、ガンディノスの足元で爆発が起こる。
「破壊だけじゃなく、【強襲】なんてやってくれるね!」
「【強襲】は青のスピリットだけがもつ訳じゃないって事だ」
「……そう、でもそっちのアタックをトリガーにバーストを発動させてもらうよ!!」
「!」
「バースト発動!コジロンドゴレム!!」
伏せていたコジロンドゴレムのカードがオープンされ、召喚条件である【粉砕】を持つスピリット、ツンドッグゴレムが場にいるため召喚可能。
「ツンドッグゴレムをLv.2にダウンして、コジロンドゴレムを召喚!!」
大きなサファイアを内側から何度も斬り裂くと、コジロンドゴレムが現れ、刀を構えながら迫るガンディノスを睨む。
「バースト召喚されるとわな、それで?ブロックするのか?」
「……嫌、ライフで受ける」
だが突っ込むガンディノスの攻撃を止めようとはせず、川村の宣言にガンディノスは目の前に立ち塞がるコジロンドゴレムをジャンプで軽々と飛び越えると、大きな巨体の突進を展開されるライフに激突させ、叩き壊す様にライフを砕く。
「うあッ!!」
[Life]4→3。
「ターンエンドだ」
*
「ねぇ何でさっき愛実さんはコジロンドゴレムでブロックしなかったの?バースト召喚は完全に相手の意表をついてたし、ブロックすれば返り討ちにできたのに」
「それはアキラさんが配置したネクサスのせいでもありますわ」
「?」
モニターの外では、先程のプレイイングに対する疑問を光がまるで先生になったように答える。
「確かにコジロンドゴレムLv.3のBPは9000、ガンディノスLv.1のBPは6000、ですが黄昏の暗黒銀河は自分のアタックステップ、「地竜」を持つスピリットをBP+3000。つまり今のガンディノスはコジロンドゴレムのBPと並びます」
「そっか、だから相打ちを避けてライフで──」
納得した様子の咲の言葉を遮る様に「いや、多分それだけじゃない!」と和人が横から口を挟む。
「どういう事?」
「ライフで受けたのは単に相打ちを避けるためだけじゃない、コアを集めるためだ」
「じゃぁ!」
「あぁ、コアは十分。多分次で一気に勝負を決めようとするぜ!!」
────第8ターン、川村side。
[Reserve]5個→6個。
[Hand]3枚→4枚。
[Field]コジロンドゴレムLv.3(4)、ツンドッグゴレムLv.2(2)、ラッコルセアLv.1(1)。
「メインステップ。コジロンド、ツンドッグゴレムをLv.1にダウンして崩壊する戦線を配置!」
「来そうだな」
全てのスピリットからコア一個を残してリザーブに戻し、コアを集め、アキラと同じように彼女もまた準備を終えたように手札の一枚を手に掛ける。
「絶望と希望を天秤に掛ける神!天秤座の光より、天秤造神リブラゴレム!Lv.3で、召喚!!!」
宙に突如として流星の様な光打ちこまれ、それが天秤座を形成するとリブラゴレムがフィールドに降り立つ。
「12宮Xレア」
「まだ行くよ!海深く眠りし闇の剣!激流と共に来い!深淵の巨剣アビスアポカリプス!召喚!!」
川村の背後で突如として水を巻き上げながらの竜巻が巻き起こり、広々としたフィールドが一瞬で全て水に浸り、水に浸ったフィールドに中央に深々とソードブレイヴであるアビスアポカリプスが突き刺さる。
「召喚時効果!このターン自分のスピリット全てを最高レベルとして扱う!」
フィールド一帯に降る雨、その雨がまるで川村のスピリット達に力を齎すかのように、雨を浴びたスピリット達が蒼黒い光を纏うと、一気に最高レベルへと跳ねあがる。
「さらにリブラゴレムに
地面に深々と突き刺さった闇のソードブレイヴを引き抜き、鋭く光る刃を掲げ圧倒的な威圧感を放ちながら、ソードブレイヴスピリットはアキラを睨む。
「ソードブレイヴと12宮Xレア、何ともパワフルなコンボだな」
「行くよ!アタックステップ!!ソードブレイヴスピリット!斬り裂けッ!!」
「!」
「リブラゴレムの効果、【粉砕】!さらに崩壊する戦線の効果で破棄する枚数を二枚追加し、計5枚デッキを破棄!」
破棄されたカードの中にスピリットカードの中があるため、ラッコルセアの効果が発揮されボイドからコアが一個ツンドッグゴレムの上に置かれレベルアップするが、川村の猛攻はこれに留まらない。
「Lv.3効果!破棄したカードの中にスピリットカードが一枚以上あるため回復!」
リブラゴレムのアタック時、回復状態であれば相手のライフを削る事は出来ない。いくらソードブレイヴスピリットになったとしてもそれは同じだが……。
「分かるよね?リブラゴレムが回復状態になれば何度でも再アタックできる。例えライフを削られなくても、デッキアウトにする事が出来る!」
「……あぁ、そいつの恐ろしさの重々承知しているよ」
リブラゴレムがアタックし続ければデッキアウトで川村の勝利が確定するが、アキラは何一つ顔色を変えていない。
「ノーザンベアードでブロック。ブロック時効果でコア一個をノーザンベアードに追加し、さらにマジック、ジュラシックフレイム」
「!」
「ジュラシックフレイムの効果はBP3000以下の相手スピリット一体、ラッコルセアを破壊、さらに【連鎖:緑】でソードブレイヴスピリットを疲労させる」
特定のカードが持つ効果【連鎖】、ピナコチャザウルスを緑スピリットと扱う事で条件が満たされ、ラッコルセアを焼き尽くした炎は風へと変わり、再び攻撃しようとするリブラゴレムの周りに吹き荒れ疲労させてしまう。
「もう一枚マジックだ、ファイアーウォール!」
「!」
「自分の赤のスピリット一体を破壊する事で、相手のアタックステップを強制終了。ザニーガンは赤のスピリットとして扱うため、俺はこいつを対象にする」
赤く光ったザニガーンに炎が灯ったかと思うと、その炎はまるで壁のように横に燃え広がり、ソードブレイヴスピリットがノーザンベアードに大剣を叩き付けて破壊するも、それ以上の攻撃は不可能。
「折角このターンで、決められると思ったのにね」
「残念だったな?もう終わりか?」
舌打ちをしながら呟く彼女の台詞に、相変わらずアキラは無愛想な表情のまま冷淡に言葉を返していくが、落ち着いた様子で軽く笑って見せる。
「冗談。予想外だけど、また次の一手を打つだけ。今はターンエンドだけどね」
「それがハッタリでない事を祈ろう」
────第9ターン、アキラside。
[Reserve]11個→12個。
[Hand]2枚→3枚。
[Field]凶龍爆神ガンディノスLv.1(1)、ピナコチャザウルスLv.1(1)、黄昏の暗黒銀河Lv.1(0)。
「メインステップ、ラッシュドロー。二枚引いた後、二枚オープン。【連鎖】を持つスピリット、又はブレイヴ一枚を手札に」
オープンしたカードの中には、『獣装甲メガバイソン』ともう一枚、『闇龍ダークティラノザウラー』。それを見ると少しだけ口元を緩ませる。
「じゃぁ早速こいつを使うか」
「!」
「破壊の牙を突き立てろ、闇龍ダークティラノウラー、Lv.3で召喚」
フィールドに起こる大きな地割れ、地面を突き破りながらその闇の黒き体を現すと、大きな咆哮がフィールドを揺るがす。
「ダークティラノザウラー!」
「こいつが俺のキースピリットだ。続けるぞ、黄昏の暗黒銀河をLv.2にアップし、アタックステップ」
アタックステップ開始と同時に発動する黄昏の暗黒銀河とダークティラノザウラーLv.2、3の効果。その効果はどちらも地竜のBPを+3000、計6000のBPがアキラの全てのスピリットに加算され、一気に跳ね上がった力に意気込むように咆哮を上げ、地竜達の咆哮がフィールドに呼応する。
「まずはガンディノスでアタック。アタック時効果でツンドッグゴレムを破壊し一枚ドロー、さらに【強襲】でネクサスを疲労させて回復」
「コジロンドゴレムでブロック!」
ツンドッグゴレムを踏みつぶしながら突き進み、その行く手を遮ろうと剣を振り下ろして迎え撃つが、コジロンドの刃を牙で食い止め、そのまま刃を噛み砕くと共に尻尾でコジロンドを吹っ飛ばすと、そのまま吹っ飛ぶコジロンドに突進し、壁に押し潰して爆発四散させる。
「ピナコチャザウルスでアタック」
「ライフで受ける!」
鈍器の様な尻尾を展開されるライフに叩きつけ、小型スピリットと言えどBPも跳ね上がっているため、それ相応の強烈な痛みに顔を歪ませる。
「うッ!」
[Life]3→2。
「続けていくぞ、ダークティラノザウラーでアタック。アタック時効果発揮でこのスピリットのBP以下の相手スピリット、ソードブレイヴスピリットを破壊だ」
「!」
ダークティラノザウラーの背中突き出た幾つ物刃が飛び出たかとそれは真っ直ぐソードブレイヴスピリットに真っ直ぐ向かい、手に持つ剣で刃を弾き飛ばしていくが、あまりの数に防ぎきれず何本もの刃が体に突き刺さり、リブラゴレムは爆発を起こし、ブレイヴであるアビスアポカリプスは爆風から飛び出し地面へと突き刺さる。
「……こいつで終いか?」
「まだまだ!フラッシュタイミング!絶甲氷盾!!」
「!」
「このバトル終了時、アタックステップ強制終了。ダークティラノザウラーの攻撃はライフで受けるよ!」
「手札に持ってたか」
「もしもの時のための策だよ!」
突如としてフィールドに吹き荒れる猛吹雪がピナコチャザウルス、ガンディノスの足下を凍らせるが、ダークティラノザウラーのアタックは継続中のため、展開されるライフに牙を突き立て、そのまま噛み砕く。
「うあッ!!」
[Life]2→1。
痛みに思わず後ろに付き飛ばされるも、ライフはまだ一つ残っており、アキラもこのターン、これ以上の攻撃は出来ない
「エンドステップ、暗黒銀河の効果でピナコチャザウルスとダークティラノザウラーを回復だ」
────第10ターン、川村side。
[Reserve]15個→16個。
[Hand]1枚→2枚。
[Field]深淵の巨剣アビスアポカリプスLv.1(1)、崩壊する戦線Lv.1(0)。
「……さて、その二枚のカードでなにが出来る?」
相手のライフまだ残り三つ、さらにブロッカーが三体。対する自分はネクサスとブレイヴが一枚ずつのみ。絶体絶命の状況、だがそれでも彼女はまだ勝利を諦めていない。
「(まったく、和人の暑苦しさが移ったのかもね)」
笑いながら呟き、そのままメインステップを迎え、真剣な顔つきに戻ると手札の一枚に手を掛ける。
「マジック!ハンドリバース!!」
「へぇ~、二枚仕込んでたのか」
「手札をすべて破棄後、相手の同じ枚数ドロー!」
手札の聖者の樹の実を破棄して、新たに5枚のカードを引き、「良いカードは来たのか?」というアキラの質問に、笑ってみせると……。
「当然!私の引き運舐めないでよね!バーストセットして、ネクサス!俊星流れるコロッセオを配置!さらに行くよ!」
引き当てたキースピリット、霊峰魔龍ヤマタノヒドラのカードをオープンし、そして叫ぶ。
「抗う敵を捻じ伏せる伝説の力、歴史を塗り替え現れよ!霊峰魔龍ヤマタノヒドラをLv.2で召喚!!!」
特大サイズのサファイアが中央に現れ、粉々に砕け散ると同時にフィールド全体を大きく揺らしながら突如としてフィールドに隆起する一角の巨大な山。さらに山より幾つも光る眼光が見えたかと思うと、山が突如として動き出しかと思うと、それは山ではなく、強大で巨大なヤマタノヒドラがその姿を現し、圧倒的な迫力は場にいる全てのスピリットを凌駕する。
「こいつは驚いた、圧巻だな」
言葉とは裏腹に、強大なヤマタノヒドラの姿を前にしても動揺する様子が感じられない。
「まだまだ!ヤマタノヒドラにアビスアポカリプスを合体!」
足下の地面に突き刺っている刃を八頭の内の一つが咥えて引き抜くと、より力を増した合体スピリットとなり、その咆哮は地震かと思わせる程フィールドを大きく揺らす。
「……ソードブレイヴスピリット!アタック!!【強襲】発動!崩壊する戦線を配置して、回復!!」
「ライフで受ける」
「ソードブレイヴスピリットはダブルシンボル!」
八つもの頭が一気に展開される小さなバリアに押しつぶす様に突進し、そのまま刃を振い、一気に二つ物ライフを砕き、それには思わずアキラも後ろに後退させられる。
「ッ!!」
[Life]3→1。
「バトル終了時、トラッシュのネクサス一枚をフィールドに配置。よってトラッシュに柱岩の海上都市を配置するよ」
「ハンドリバースでネクサスを捨ててたのはそのためか」
「そうだよ、トラッシュにあるネクサスはまだ聖者の樹の実があるから、ヤマタノヒドラはまだ4回アタックできる!このターンで決めるよ」
「…………」
「ヤマタノヒドラもう一度アタック!!【強襲】で俊星流れるコロッセオを疲労させて回復!!」
「……ガンディノス、止めろ」
アキラに宣言にヤマタノヒドラをブロックしようとするも、自分よりも遥かに大きなヤマタノヒドラにはガンディノスでさえも圧倒されてしまう。たじろぎながらも火炎放射を浴びせるがヤマタノヒドラには通じない。一頭の首がガンディノスの身体に喰らい突き、そのまま軽々と持ち上げフィールドへと叩きつける。
「ヒドラ!決めろッ!」
「まぁそう決着を急ぐな。フラッシュタイミング、ファイアーウォール」
「二枚目!?」
二枚目のマジックの発動、完全にそれは予想外だった。バトルでは止めを刺そうと一気に刃を振り下ろすが、ガンディノスの身体が突如炎に包まれたかと思うと、刃がガンディノスを斬る寸前、ガンディノスは消滅してしまう。
「残念だったな」
「た、ターンエンド」
*
「愛実さん!」
「まだだ!次を凌げれば、まだ勝つチャンスがある!」
千載一遇のチャンスを逃し、もう一度追い詰められてしまったが、それでもまだ和人達は川村の応援を続け、川村自身もまだ諦めてはいない。
────第11ターン、アキラside。
[Reserve]9個→10個。
[Hand]4枚→5枚。
[Field]闇龍ダークティラノザウラーLv.3(4)、ピナコチャザウルスLv.1(1)、黄昏の暗黒銀河Lv.2(2)。
「そろそろ終いにしようぜ?メインステップ、ピナコチャザウルスをLv.3で召喚。さらにもう一体のピナコチャザウルスをLv.2にアップし、そして獣装甲メガバイソン、召喚」
呼び出すと同時に「合体だ」と宣言すると、メガバイソンの強靭な角がダークティラノザウラーの背中に装着され、黒い体に白いラインが刻まれる。
“グオオオオオオォォォォォ────ッ!!”
「アタックステップ!ダークティラノザウラーLv.2、3。並びに黄昏の暗黒銀河Lv.1、2の効果発揮!地竜を持つ俺のスピリット全てをBP+6000」
「!」
「合体したダークティラノザウラーでアタック!アタック時効果発揮。今のダークティラノザウラーのBPは19000、ソードブレイヴスピリットのBPは16000、よってダークティラノザウラーのBP以下のソードブレイヴスピリットを破壊する」
咆哮を上げながら、背中の両角を地面に突き刺すと、“バキバキ”と地面が砕けはじめ、ソードブレイヴスピリットの足下にまで地割れが迫り、動きの鈍いヤマタノヒドラが回避できる訳も無く、広がる割れ目に逃れられずその中に落ちて行き、割れ目から巨大な爆風が噴き出し、爆風の中からアビスアポカリプスだけが飛び出すと、扱う主を失くした剣はまた地面へと突き刺さる。
「まだ終わりじゃない!スピリットの破壊でバースト発動!!」
キースピリットの破壊。それには思わず表情を曇らせるもまだ勝負は終わってはいない。川村にとって最後の一手となるバーストを発動させ、そのオープンしたカードはクラッシュ・ザ・バビロン。
「このバースト発動時に破壊された自分のスピリットのコスト分、相手スピリットを好きなだけ破壊できる!!破壊されたヤマタノヒドラのコストは8!合体していたアビスアポカリプスのコストは5!よってコスト合計13まで相手スピリットを破壊する!」
「コスト合計13、って事は?」
「君の全スピリットだよ!」
曇る空から突如として無数の閃光が雨のように降り注ぎ、その閃光を避わす事は不可能。後方のピナコチャザウルス二体はすぐに耐え切れずに消滅し、ダークティラノザウラーでさえも大量の閃光を浴び、爆発を起こし間一髪メガバイソンだけは難を逃れ、フィールドに残っている。
「これは、形勢逆転ってところかな?」
「…………」
一掃され、今だメガバイソンの攻撃は継続しているが、回復状態のアビスアポカリプスでブロックすれば片付く。モニターの観客達も彼女の勝利は決まったと確信するが……。
「何もかも全て、読み通り」
意味深な台詞を吐き捨てながら、突然彼は手札の一枚をオープンし、川村の視界に映ったそのカードは「黒天狐ネガナインテイル」。
「なっ!!?」
「手札にあるこのカードは自分のコスト6以上の白のスピリットが破壊された時、ノーコストで召喚できる。それが例え相手のターンと自分のターンだろうと一切関係なくな」
本来ならダークティラノザウラーは赤のスピリットのため、ネガナインテイルの効果は発動されない。しかしメガバイソンとブレイヴしたために赤と白のブレイヴスピリットと扱うため、その条件は満たされている。
「覚えとけ。ブレイヴで追加されるのはBP、効果、シンボルだけじゃない。色も追加されるんだよ」
「そんな……っ!」
「フィナーレだ。狂気の獣、絶望の爪を駆り立てろ、黒天狐ネガナインテイルLv.3で召喚」
氷の結晶が円を描く様にフィールドに突きだし、その中央に一際大きな氷が突きだし、その結晶から姿を現すのは黒い体に身を包んだネガナインテイル。
「メガバイソン、お前の役目は終わりだ。維持コストをリザーブとメガバイソンから確保、よって破壊する」
冷たく吐き捨てたアキラの言葉を聞き届けると、ネガナインテイルは突っ込もうとするメガバイソンを踏み潰し、消滅させる。
「!!!」
「何を驚いてる?あのままアタックさせてもどうせ返り討ちで破壊されるだけだろ?」
その通りではあっても、冷酷とも言えるそのプレイスタイルには思わず“ゾクッ”と一瞬震えさせられる。アキラに対して何故かとても言葉では言い表せない恐ろしい物を感じた。
「ネガナインテイル、やれ」
「!!」
「バトル時効果、このスピリットのBP合計まで相手スピリットを手札に戻す。アビスアポカリプス、失せろ」
フィールドを掛けながら再度吠えると、その咆哮に威圧されたかのようにアビスアポカリプスは手札に戻り、がら空きとなった場に突っ込んでいく。
「終わりだな」
「!」
展開される最後にライフ、ネガナインテールは駆けながらそのライフに向けて一斉射撃し、ライフの周りを爆風が包み、その爆風が晴れた瞬間、ネガナインテイルはライフに取り付き、そのまま鋭い牙と刃の様に鋭い黒い九尾を突き立て、破壊する。
[Life]1→0。
「うわああああああああッ!!!」
ライフが0となり、勝負は決した。
*
『二回戦勝者は火道アキラ選手!!白熱を繰り広げた二人にぜひとも拍手を!』
激しいバトルに巻き起こる歓声、そして惜しみない拍手を二人に送るがまだ川村の表情は暗いままだった。
「……ねぇ自分のキースピリットが破壊される事も、君の読み通りだったの?」
「そういう事になるな。お前程の強者なら必ず破壊すると俺はそう読んでいた」
「……」
「読み合いに自信があったらしいが、俺が上手だったな。まぁとにかくいいバトルだった」
手を差し出し、まだ悔しさが残りつつもその手を取り握手を交わすが、その時彼は口を開いて、川村にだけ聞こえるぐらいの音量で彼は小さく呟いた。
「お前と戦えたお陰で俺の目的は果たせた。礼を言うぞ」
「目的?私と戦ったお陰ってどういう意味?」
「お前がこちら側に来たら話せるかもな、それともしお前がさらに上を目指すのならこいつを使え」
「!?」
「後はお前次第だ」
そのまま彼は手を離してその場から立ち去って行き、川村の手に握らされていたのは一枚のカード、名前と記述はなくそのカードが宝龍アブソドリューガ、死神デュアルベルガスと同じ類の物だと言う事は、まだ川村が知る由はない。
「これで、6枚の内の半分が目覚めたな」
懐から取り出す一枚、獄炎龍と書かれたカードを見ながら彼はそう呟き、それからしばらくして火道アキラが大会を辞退したという知らせが会場にいる全員に伝えらえた。
いかがでしたでしょうか?第22話!
新キャラ、火道アキラ!川村を圧倒するプレイスタイル!
ネガナインテイルやダークティラノザウラー、どちらも強力なカード!新しいカードを小説で暴れさせるのは、描いてて楽しいです(^^)/
そして3枚目のオリカの影!またぜひ次回も見てくださると幸いです!