バトルスピリッツ激震の勇者   作:ブラスト

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どうも皆様、ブラストです!
今回は第24話の更新、今回の話は久々のモブ?と準レギュラー?の対決(笑)、今回は割と懐かしめのカードが出るので、今回も温かい眼でバトルを楽しんでみていただければ幸いです(^O^)/


第24話『超絶ドラゴンデッキ』

殺風景な廃墟に置かれたバトルフィールドのステージ。その様子を映し出したモニターをただ傍観するダイキ。一方のフィールドで対戦しているのはアキラと、小学生だろうか?幼い顔立ちが目立つ一人の少年。試合状況はお互いのライフは残り1。アキラの場には白夜の宝剣ミッドナイトサンのみ。対する少年の場には雷皇龍ジークヴルム、太陽龍ジークアポロドラゴン、輝龍シャイニングドラゴンの三体。

 

「さすがにこれはもう勝負ありじゃない?」

 

「そう思うのなら幸せな奴だな」

 

少年の言葉にアキラは相変わらず冷たく返答すると、手札の一枚に手を掛ける。

 

「闇の空に君臨しせし皇! 黒皇機獣ダークネスグリフォンLv.3で召喚」

 

突如空に大きな亀裂が入ったかと思うと空間が裂け、白い翼を大きく広げながらフィールドへと急降下し、鋭い爪をフィールドに差し、着地した際に巻き起こる砂埃を咆哮で一気に吹き払いながらダークネスグリフォンが現れる。

 

「召喚時効果、ジークヴルム、ジークアポロドラゴンを手札に戻す」

 

「!」

 

両翼を勢い良く羽ばたかせて巻き起こす強風、その強風に呑まれ、二体の龍は少年の手札へと戻ってしまう。

 

「さらに白夜の宝剣ミッドナイトサンをダークネスグリフォンにブレイヴ」

 

翼を羽ばたかせ飛び上がると共に、地面に突き刺さったミッドナイトサンを掴むと共に宙に放り投げ、そのまま宙に舞い上がったミッドナイトサンを加え眼光を輝かせた瞬間、翼の下にあるコアから、ミッドナイトサンが飛び出し、右のコアからは剣の形を模した粒子の刃が飛び出す。

 

「アタックステップだ、ダークネスグリフォンでアタック。ミッドナイトサンの効果で【連鎖】を無条件で発揮、バトル時回復後、お前のスピリットのコア2個をトラッシュに送る」

 

「!!」

 

最後のブロッカーであるシャイニングドラゴンでさえも、ダークネスグリフォンが放つ紫の竜巻に呑まれ消滅してしまい、ブロッカーが全滅したフィールドにダークネスグリフォンを阻む者はなく、コアに突き出た二本の剣と刃を突き出しながら回転し、そのまま展開されるライフに突っ込み、破壊する。

 

 

 

 

「うわっ!!」

 

「勝負あり、だな。この程度の実力でなど話にならん。雑魚は消えてろ」

 

「…………」

 

決着後、仰向けに倒れている少年を冷たく突き放す様な言葉を言い放ち、悔しさで思わず拳を握り締めながらも、言われるがままその場を立ち去っていき、それを間近で見ていたダイキは呆れたように溜息をついていた。

 

「まったく、ちったぁ言葉使い考えてやればどうだよ? 何てたってあいつは」

「誰だろうと、雑魚は雑魚だ」

 

「随分冷たいねぇ、前に和人と対戦してから最近妙に苛立ってないかぁ?」

 

「どういう意味だ?」

 

「別に、俺はただ和人に何か影響されたんじゃないかと思ってな」

 

「ふざけるな! 俺があんな雑魚に影響などされる訳ないだろうが!」

 

「……和人を雑魚だと言っときながら、あいつの名前出した途端随分苛立つじゃないか? 何かあいつに恨みでもあるのか?」

 

「ただ気に入らないだけだ。余計な詮索する気ならフィールドで叩き潰そうか?」

 

「こいつは失礼。何分俺は口が軽くてな、気を悪くせず仲良くしようぜ」

 

「フン、どうでもいい。行くぞ」

 

 

 

 

『へぇ、和人ねぇ。中々面白い事聞けたかな』

 

アキラ達の姿が見えなくなった頃、物陰から顔を出す先程の少年。先程は悪魔で立ち去るフリのようで、二人の会話を物陰からしっかりと盗み聞きしていたらしく、ダイキ達が話していた和人と言う名前をしっかり記憶すると少年は少しだけ笑いながらその場から立ち去って行く。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「…………」

 

舞台は変わり、今日も普段と同じ賑やかなバトスピショップ。勿論和人も来店しているが、今日は珍しく自分のデッキを広げ、カードと難しい顔でにらめっこしている様子で・

 

「和人!」

 

「!!」

 

急な声に肩を震わせながら、慌てて振り返るとそこには咲が。

 

「何だ咲かよ、 急に脅かすなよな」

 

「ごめんごめん。何か柄にもなく深く考え込んでるみたいだったから」

 

「柄にもなくって」

 

「随分難しい顔してたけど、何かあったの?」

 

咲の言葉に脳裏を横切るのは、アキラとの対戦で敗退した光景。何度もフラッシュバックするその光景を振り払うように首を振りながら、「何でもない」と返答していく。

 

「その広げてるカードって和人のデッキだよね?」

 

「まぁな」

 

「やっぱり赤の単色デッキのまんまか」

 

「何だよ?」

 

「嫌和人って、他の色混ぜたりしないんだなって」

 

「まぁそうなんだよ。そろそろ単色じゃやれる事に限界ありそうなんだけど、他の色を混ぜたりするとバランスが崩れそうで怖いし」

 

「まぁね、緑デッキなら大体はコアブーストできるから他の色と組み合わせても相性は良好だけどね。そうだ! 和人も混色デッキ作るなら緑と組ませたら?」

 

「簡単に言うなよ、他の色混ぜるとなるとデッキに何枚か抜かなきゃならないカードも出たりするだろ? 俺、どのカードもすっげぇ愛着あるからデッキに抜くのが辛い」

 

「あ~、その気持ちは分かるよ。でもまぁ、私も愛着の出てきたカードを抜かなきゃならないけど」

 

肩を落としながら懐から取り出す一枚のカード、それは最近、制限カードではなく禁止カードとして指定されたセイリュービのカード。

 

「はぁー、折角愛着の出てきたセイリュービ、まさか抜かなきゃならないなんて」

 

「セイリュービか、最近禁止カードになったんだっけ」

 

「そう。公式試合じゃ使用禁止だなんてあんまりだよ。【烈神速】とか関係なしに私個人はこのカード好きだったのに」

 

セイリュービを見ながら落ち込む様子の咲、そこへふとドアが開き入店したのは小学生ぐらいの背の一人の少年が。

 

「あっ!」

 

咲の顔を見るなり何かに気付いた様子で、咲の方も少年に気付いた反応を見せ、少年は一直線にこちらに駆け寄ってくる。

 

「咲姉ちゃん、久しぶり!!」

 

「ハンナ君、久しぶりだね。元気だった?」

 

「うん、また咲姉ちゃんと会えるなんて嬉しいよ」

 

人懐っこい様子で、笑いながら軽く咲に抱きついて見せると、軽くハンナと呼ぶ少年の頭を撫で、その様子に和人は。

 

「……随分楽しげじゃんか?」

 

「この前会って、そしたら仲良くなってね。って、和人何でそんなに不機嫌そうなの?」

 

咲達の様子に軽く不貞腐れた様子の和人、それを不思議そうに和人に尋ねるが「別になんでもねぇよ」と軽くそっぽを向いて言葉を返す。

 

「もしかして嫉妬とか?」

 

「ば、馬鹿言ってんじゃねぇ! んな子供みたいな事思うかよ!」

 

二人の様子にどこか調子を狂わされる。

 

「もしかしてお兄ちゃん、咲姉ちゃんの知り合い?」

 

「まぁな」

 

「ふ~ん、僕ハンナって言うんだ。まぁよろしくね」

 

気のせいだろうか、咲の時とは違い和人の時はなぜか素っ気なく挨拶されるが、それは自分の気のせいだろうと、思い直すと、「よろしくな」と笑いながら返答するが、ハンナは咲に目線を向けたまま、和人の言葉に反応する素振りさえ見せない。

 

「咲姉ちゃん、さっき落ち込んでるみたいだったけど何かあったの?」

 

「あ、見られてた? 実はお気に入りのスピリットが禁止カードになっちゃってさ」

 

「セイリュービ? じゃぁさ、よかったらこのカードとトレードできない?」

 

どこから取り出したのか大きなカードファイルを開くと、中から一枚のカードを取り出し、差し出したカードは『天帝ホウオウガ』のカード。

 

「ホウオウガ!? しかもXレアじゃない」

 

「緑属性のスピリットの中で高いBP持ちのホウオウガ。もしよかったら、セイリュービとホウオウガ、トレードお願い!」

 

「で、でもセイリュービは禁止カードだよ? それに比べてホウオウガまだまだ現役で十分使えるし、強力だし、多分レートが合わないんじゃ?」

 

「心配ないよ。僕今ドラゴンのカードを集めるのが趣味でさ、これ見てよ!」

 

軽くファイル開くと、そこにあるカードは『超新星龍ジークヴルムノヴァ』や『流星皇メテオヴルム』など、ドラゴン系のカードばかりが。

 

「すごいドラゴンばっかり」

 

「ドラゴンが好きで、いつの間にかこんなに。お陰で周りからドラゴンコレクター何て呼ばれてさ。コンプリートが夢なんだけどどうもセイリュービが中々手に入らなくてさ、禁止カードに指定されたからみんな手放しちゃったりしてるから周りに持ってる人がいなくて」

 

「そうなんだ、でも本当にいいの?」

 

「いいのいいの! それにホウオウガも咲姉ちゃんみたいな人に使われたほうがきっと幸せだと思うから!」

 

「じゃあ、お言葉に甘えてありがたく。私絶対このカード一生大事にするから!」

 

「早速このカードでデッキを組んでくる」と早々に何処かに行く咲をハンナは「頑張ってね」と笑顔で見送る。

 

 

 

 

「お前中々いい奴だな、咲に替わって礼を言うぜ」

 

「…………」

 

「ドラゴンってかっこいいよな、俺も好きなんだぜドラゴン!」

 

「…………」

 

咲が一時席を外し、二人きり。ハンナに話を振ってみるが無言のまま。先程感じた自分に対しての素っ気なさは気のせいではないと確信した。

 

「何で俺ん時にはそんな冷たい対応何だよ! 咲の時は違いすぎるだろ?」

 

「……え~っと、咲姉ちゃんの知り合いさん、最初に言っとくけど、咲姉ちゃんの彼氏さんってわけでもないんだよね?」

 

「そ、そんな訳ないだろ!」

 

「ふ~ん、だったらさ、あまり咲姉さんとベタベタしないでくれない?」

 

「なっ!? 俺は別にべたべたなんてしてねぇだろ! つか咲とべたべたしてたのはお前!」

 

「結構。僕は咲姉みたいな綺麗な人、可愛い人とは仲良くなっていたいし、お近づきになりたい」

 

「そこハッキリ言うんかい!」

 

「まぁお兄さんとは距離置きたいけどね」

 

「はぁっ!?」

 

喧嘩にでもなりそうな雰囲気の二人。そこへ「お待たせ!」と咲が戻ってきた瞬間、先程まで和人へ向けていた冷たい表情を一変、天使の様な笑みで咲に返事を返す。

 

「どうしたの? 二人共何かあった?」

 

「おい、咲! このハンナって奴、とんでもなく性格わr────」

「咲姉ちゃん、デッキ完成したの?」

 

ハンナの本性を暴露しようとした矢先、話題を変えつつ、咲に見えない死角で和人の足を思いっきり踏んで黙らせる。

 

「痛ぇーーーーッ!!!」

「もうー、お兄ちゃん静かにしてよ」

 

「ざけんな!! 今テメェが!」

「えーん、咲姉ちゃんこの人怖い!!」

 

「ちょっと和人! 小さい子相手に何ムキになってんのよ! 大丈夫? ハンナ君」

 

勿論嘘泣きの演技、咲の背後で和人に意地悪そうな顔を向けながら舌を出し、ハンナに対してかなりの腹正しさを感じさせられる。

 

「もうアッタマきた! お前もカードバトラーなんだろ! こうなったらバトルで決着付けてやる!」

 

「え~、別にいいけどお兄ちゃん、負けても泣かないでね」

 

「ふざけんな! 泣かねぇし、つか負けねぇ!」

 

互いにデッキを構えながら、勝負を始めようとした矢先、そこへまたもドアが開いたかと思うと入店してきたのは少し派手めな服装の男性が……。

 

「HEYHEY、随分盛り上がってるみたいだな」

 

「!」

 

癖のある口調、その人物を見た瞬間、咲は思わずどこか苦手そうに目線をわざとらしく下に向け、その人物も咲に気付いた様子で。

 

「oh! 咲ちゃん久しぶり!! 俺の事覚えてる?」

 

花束を差し出しながら咲へと駆け寄る男、苦手そうに「すいません、誰でしたっけ?」とぎこちない様子で言葉を返す咲。

 

「ほら、前にチャンピオンシップで対戦した樋田英だよ! ほらダーククリムゾン使ってた!」

 

「あはは、あの、私に何か?」

 

「いやぁ~、折角こうして会えたんだし前のリベンジ戦でもしたいな~、そして俺が勝ったらまた俺と付き合ってほしいな~」

 

「「また」って! 私一度もあなたとは付き合ってないじゃないですか!」

 

 

 

 

「おい、ちょっとおm────」

「お兄さん、咲姉ちゃん、ちょっと困ってるみたいなんですけど?」

 

状況を見かね、止めに入ろうとした和人を押しのけ、ハンナが横入っていく。

 

「ハッハ、悪いけど君みたいなおチビちゃんには関係のない事さ」

 

「関係ありますよ、ダサい服のお兄さん」

 

「ハウッ!!」

 

「ダサイ」と言う言葉に思わず胸を突き刺され、周りはハンナの言葉にクスクスッ、と笑ってしまい、その笑い声に恥ずかしさからか思わず赤面してしまう。

 

「お、俺のセンスを! い、一気に否定しやがって」

 

「ごめんなさい、おチビなんでタブーの言葉とは思わなくて」

 

「こ、このガキィィィィィィ!!」

 

羞恥心と怒りにワナワナと震えながら、デッキを取り出す。

 

 

 

 

「フィールドで叩き潰してやる! 俺を馬鹿するとどうなるか思い知らせてやる!」

 

「いいですよ、その代わり僕が勝ったら 二度と咲姉ちゃんには付きまとわない事を条件にしてください」

 

「上等だぁっ!」

 

「ちょ、ちょっと二人共!」

 

止めようとする咲をお構いなしに、二人は台へと移動し「ゲートオープン! 解放!!」と互いにコールすると、舞台はバトルフィールドへと移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

────第1ターン、英side。

 

[Hand]4枚→5枚。

[Reserve]4個。

 

「ソードールLv.1で召喚」

 

紫スピリットのソードールを召喚すると、そのままターンエンド。

 

 

 

 

────第2ターン、ハンナside。

 

[Hand]4枚→5枚。

[Reserve]4個→5個。

 

「行くよ、僕のターン。まずはライトブレイドラを召喚」

 

ルビーが砕け、小さな翼をパタパタとさせながら現れる光のスピリット、ライトブレイドラ。

 

「ちっちゃなスピリット。おチビちゃんにはピッタリのカードだな」

 

「一々御喋りですよねー、口数が多い人は小心者ってよく言いますよ?」

 

「けっ、一言一言鼻につくガキだぜ」

 

「続けるよ、ミノタコルスをLv.1で召喚」

 

今度はサファイアが砕け、現れたのは闇のスピリットであるミノタコルス。

 

「赤と青の混色デッキか」

 

「アタックステップ、ミノタコルスでアタック! アタック時効果で相手は白のバーストが発動できない。さらに【連鎖】。ライトブレイドラの赤のシンボルを条件で発揮、デッキから一枚ドロー」

 

「けっ、バースト張ってないから関係ないね」

 

「でもメインアタックは受けてもらうよ」

 

「ちっ、わぁってるよ! ライフで受ける」

 

軽く舌打ちながら衝撃に備え、展開されるライフに手に持つ武器を突き立て、破壊する。

 

「っ!」

[Life]5→4。

 

「はい、これでターンエンドね」

 

 

 

 

────第3ターン、英side。

 

[Hand]4枚→5枚。

[Reserve]4個→5個。

[Field]ソードールLv.1(1)。

 

「メインステップ! シキツルを召喚。召喚時効果で一枚ドロー、さらにもう一体、バイパイソンを召喚」

 

骨の鶴と、小さいながらも牙に毒持つバイパイソンが現れる。

 

「アタックステップ、バイパイソンでアタック! アタック時効果でデッキからまた一枚ドローするぜ」

 

「随分、ハンドアドバンテージに拘るんですね」

 

「そんぐらい必要な戦略だろ?」

 

「まぁ必要ですね、例えば今の手札にバーストカードとかがない誰かさんとか、特に必要ですよね~」

 

「それ俺の事言ってんのか!」

 

「別にそういう人もいるって事を言いたかっただけですよ」

 

「つくづく可愛げのねぇガキだぜ! バイパイソンのメインアタックは続いてるぞ」

 

「ライフで受けますよ」

 

展開されるライフに喰らい突き、そのまま噛み裂いてライフを砕く。

 

「くっ!」

[Life]5→4。

 

「まだだぜ! シキツル、お前もあのガキにお仕置きしてやれ」

 

空を滑空しながら展開されるライフへと突っ込み、そのまま砕く。

 

「ッ!」

[Life]4→3。

 

「まぁこのターンはこれぐらいにしといてやるよ、ターンエンド」

 

「もう終わりですか? 随分憶病なんですね」

 

「けっ、慎重って言ってもらいたいな」

 

 

 

 

────第4ターン、ハンナside。

 

[Hand]4枚→5枚。

[Reserve]5個→6個。

[Field]ミノタコルスLv.1(1)、ライトブレイドラLv.1(1)。

 

「メインステップ、戦竜エルギニアス召喚してさらにネクサス、古代闘技場を配置」

 

連続して砕けるサファイア、一つ目が砕けると出てきたのは牛の様な外見のスピリット、二つ目が砕けるとハンナの後方に現れる古びた闘技場のネクサスが。

 

「さらにマジック、双翼乱舞を使用」

 

「ったく、人にアドバンテージがどうとか言っときながら自分もしてんじゃねぇか」

 

「僕別にしないとか一言も言ってませんし」

 

「あ~そうかい」

 

「あとついでに戦竜エルギニアスは赤のスピリットとしても扱ってるので、双翼乱舞の使用コストはライトブレイドラとエルギニアスで2軽減してます」

 

「そんな事は言わなくてもわぁってるよ」

 

「あ~、どの程度までの理解力があるのか分からなかったので説明したんですけど、余計なお世話でしたね。すいません」

 

「ホントテメェ、一言一句人を侮辱するよな!!」

 

すっかりハンナのペースに呑まれ、調子が狂いっぱなしの英。だがハンナはそんな英にはお構いなしに増えた手札を見ながら、内の一枚に手を掛ける。

 

「さて、僕の好きな一体目のキースピリット、行ってみますか!」

 

「!」

 

「水の星より参る神獣! 海王神獣トライポセイドスを召喚!」

 

空に突如、水の渦が降り注ぎ、その渦から現れるのは三王星の内の一体、海王星のトライポセイドスが現れ、不足コスト確保のためエルギニアスとミノタコルスは破壊される。

 

「ひゅ~、まぁおチビの割にはそのスピリットは中々じゃないの?」

 

「褒めるのはこいつの攻撃喰らってからにしてくれる? あ~、でもお兄ちゃんひ弱双だから手加減した方がいいかな?」

 

「どこまで馬鹿にするんだお前は!」

 

「さぁね、アタックステップ。トライポセイドス。やっちゃって!」

 

攻撃合図に目を輝かせ、英へと突撃すると腕の矛を展開されたライフに叩きつけ、そのままライフを叩き砕く。

 

「痛っ!!」

[Life]4→3。

 

 

 

 

────第5ターン、英side。

 

[Hand]5枚→6枚。

[Reserve]7個→8個。

[Field]ソードールLv.1、シキツルLv.1、バイパイソンLv.1。

 

「俺のターン、マジック! デッドリィバランス」

 

「ムッ!」

 

・【デッドリィバランス】/3(2)紫。

『フラッシュ効果』お互い、それぞれのスピリットを一体破壊する。

 

「俺はシキツルを破壊するよ」

 

「ライトブレイドラを指定」

 

デッドリィバランスの効果で指定したスピリット二体は紫の炎に焼かれ、それぞれ消滅してしまう。

 

「これでブロッカー無し、アタックステップ! バイパイソン行けッ!」

 

アタック時効果で再びカードを引き、ブロッカーがいないので勿論ライフで受けるしかなく、先程と同様、ライフを噛み裂く。

 

「うぐっ!」

[Life]3→2。

 

「はい、これでターンエンド」

 

「たったそれだけとか随分憶病すぎない?」

 

「だから慎重なだけだっての」

 

「ふ~ん、まるでさっきの仕返しみたいな女々しいアタックだったからつい思ったんだけどな~~」

 

「女々しいって、んな事今まで言われたことねぇぞ!!」

 

「そりゃ気を使って言わないだけでしょ」

 

「もう勘弁ならねぇ! 次の俺のターンで確実に決めてやるよ!」

 

「はいはい、とにかく次は僕のターンなんで、黙って待ってくれる?」

 

「ホントのホントに腹正しいガキ!!!」

 

 

 

 

────第6ターン、ハンナside。

 

[Hand]3枚→4枚。

[Reserve]8個→9個。

[Field]海王神獣トライポセイドスLv.1(1)、古代闘技場Lv.1(0)。

 

「メインステップ、ウォルフドラゴンLv.1、ミラージュワイバーンLv.2を連続で召喚! さらにトライポセイドスをLv.2にアップ!」

 

「手堅く固めて来たな」

 

「アタックステップ! まずはトライポセイドスでアタック!」

 

「ソードールでブロック!」

 

合図に攻撃態勢に入るトライポセイドス、英のブロック宣言に最初は果敢に行く手を阻もうと構えるが、物凄い勢いで進撃するトライポセイドスの迫力に思わず怯み、慌てて逃げ出そうとするが時既に遅く、いつの間にか目の前まで近付いており、突撃するトライポセイドスにいとも簡単に弾き飛ばされ破壊される。

 

「ミラージュワイバーンでアタック。アタック時効果で一枚ドロー」

 

「バイパイソンと同じ効果か、アタックはライフで受ける」

 

翼を羽ばたかせ、展開されるライフに炎を浴びせ破壊する。

 

「ぐっ!」

[Life]3→2。

 

「はい、ターンエンド」

 

 

 

 

────第7ターン、英side。

 

[Hand]6枚→7枚。

[Reserve]8個→9個。

[Field]バイパイソンLv.1(1)。

 

「やっと来たか、俺のターン! このターンで確実に決めてやるぜ」

 

「意気込むのいいけど、これで決められなかったら相当かっこ悪いよ?」

 

「やかましい! メインステップ。ソードール、ソールホース二体それぞれLv.1で召喚!」

 

一気に三体連続召喚、スピリットを並べると、さらにもう一枚手札のカードを持つ。

 

「さぁさぁさぁ、闇の超新星、破壊の魔王! 滅神星龍ダークヴルムノヴァをLv.2で召喚」

 

暗闇の空から飛来し、紫の波動を纏う龍。鋭い眼光を輝かせ、黒い瘴気を吐きながらブレイヴキラーであるダークヴルムノヴァが姿を現す。

 

「紫のXレアか」

 

「これが俺のNEWキースピリットさ、このターンで一気に終わらせてやるぜ。アタックステップ! ダークヴルムノヴァでアタック!」

 

スピリットを大量召喚からのアタック、一番手であるダークヴルムノヴァは力強く吠えながら一気にハンナへと襲いかかって行く。

 

「言っとくけど、こいつはダブルシンボル! ライフで受ければジエンドだぜ!」

 

「知ってますよ、ウォルフドラゴンでブロック」

 

だがどう見てもブレイヴキラーの方が圧倒的、勝負になる訳もなく果敢にも立ち向かってきたウォルフドラゴンを片手で掴むと、そのまま地面に押しつぶす様に叩きつけ、あえなく破壊されてしまう。

 

「さぁ次はバイパイソンでアタック!」

 

「ライフで受ける!」

 

ブロッカーはもうない、バイパイソンの牙がライフへと突き立てられ、ライフが残り一つと、追い込まれてしまう。

 

「もう後がないな! ソードール、アタック! これで終わりだ」

 

「まだまだ!フラッシュタイミング、サジッタフレイムを使用!」

 

「!?」

 

・【サジッタフレイム】/5(赤2 青1)赤。

『フラッシュ効果』BP合計5000まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する。または相手のネクサス一つを破壊する。

 

「不足コストはトライポセイドスから確保。よってレベルダウン」

 

天より突如雨の様に降り注ぐ火の矢、それはアタックしようと向かうソードールだけでなく、後ろのソウルホース2体、既にアタックを終えたバイパイソンをも巻き込んで、全身に矢を浴びると破壊されてしまう。

 

「BP合計丁度5000、お疲れ様~」

 

「ぐぐぐっ!!!」

 

「もしかしてもうこれで終わりかな?」

 

「まだだ! まだまだまだ! フラッシュタイミングでマッハジー、【神速】召喚!」

 

「おっ!」

 

まだ手は尽きていない、スピリットを一掃されてもなおフラッシュタイミングでマッハジーを神速で呼び出す。

 

「中々お兄ちゃんもやるね」

 

「フン、俺が決めるっていったら絶対に決めるんだよ! お前のライフは残り一つ、マッハジー決めろ!!」

 

特攻するマッハジー、だがそれでもなおハンナはまるで慌ててはいない。

 

「お兄さんがまだ手を持ってるように、僕もまだ手があったりして」

 

「何っ!?」

 

「もう一枚フラッシュ、マジック! 爆砕轟神掌、不足コストはミラージュワイバーンをレベルダウンして確保」

 

「何ィィィィィッ!!?」

 

・【爆砕轟神掌】/5(2)青。

【バースト:相手による自分のスピリット破壊後】

『バースト効果』相手のデッキの上から、このバースト時に破壊された自分のスピリットのコストと同じ枚数破棄する。その後コストを支払う事でフラッシュ効果を発揮する。

『フラッシュ効果』自分のスピリット一体を回復させ、このターンの間、そのスピリットのLvを一つ上の物として扱う。

 

「効果でトライポセイドスを回復とレベルアップ。そしてブロック」

 

向かってくるマッハジー、それに対しトライポセイドスは勢いよくマッハジーの目の前まで飛びあがると、腕の矛をマッハジーに振り下ろし、破壊する。

 

「あ、あぁ……」

 

「返り討ち。で? どうする? まだ手がある」

 

「た、ターンエンド」

 

 

 

 

────第8ターン、ハンナside。

 

[Hand]1枚→2枚。

[Reserve]9個→10個。

[Field]海王神獣トライポセイドスLv.1(1)、ミラージュワイバーンLv.1(1)、古代の闘技場Lv.1(0)。

 

「メインステップ、ライトブレイドラLv.1で召喚。さらにマジック、フォースドロー」

 

「!」

 

・【フォースドロー】/5(2)赤。

『メイン効果』自分の手札が4枚になるまで、ドローする。

『フラッシュ効果』このターン、スピリット一体のBPを+3000。

 

一気に4枚ものカードを引くと、そのまま英に笑みを向ける。

 

「さて、このターンで一気に……おっと危ない。どっかの誰かさんみたいにカッコつけて馬鹿を見る事になりそうだから言わないでおこうーっと」

 

「うぐぐぐっ!!」

 

悔しがりつつも、返す言葉はなくただ地団太踏むことしかできず、それの事が余計に腹正しい。

 

 

 

 

「行くよ、マジック、ビッグバンエナジー!」

 

・【ビッグバンエナジー】/4(2)。

『メイン効果』このターンの間、自分の手札にある系統『星龍』を持つスピリットカード全てのコストを自分のライフと同じにする。

『フラッシュ効果』このターンの間、スピリット一体のBPを+2000。

 

「ま、まさか……! カウンターマジックがあるのにさっき会えてライフで受けたのはこのマジックのためか!」

 

「勿論、僕のライフは1、よって手札にある星龍はコスト1になる。さぁ行くよ、流星の皇、メテオヴルム、紅蓮の龍、ライジングアポロドラゴン、輝きの龍、シャイニングドラゴンアークをそれぞれ軽減で三体連続でノーコスト召喚!」

 

一つは突如空より飛来しフィールドに激突するの隕石から飛び出す龍、メテオヴルム。

二つ目は紅蓮の炎の渦から、姿を現す龍、ライジングアポロドラゴン。

三つ目は眩く輝く炎の輪から現れる龍、シャイニングドラゴンアーク。

 

「え、Xレアを三体連続でしかもノーコスト召喚だとぉ!?」

 

「驚いたでしょ、そしてラスト一枚トッピング、手札の牙王ケルベロードをライジングアポロドラゴンに直接合体!」

 

手札より飛び出すブレイヴ、ケルベロード。それがライジングと合体すると太陽のように光り輝く赤の翼はケルベロードの色を現す青へと切り替わる。

 

「アタックステップ行くよ、ステップ開始時トライポセイドスの効果発揮」

 

「!」

 

「ステップ開始時、コスト7以上のスピリット全ては最高Lvとして扱う。よって三体のXレアはこのターン全てLv.3として扱うよ」

 

「ブレイヴした上に、最高レベルとして扱われるとかお前どんだけ容赦ねぇんだ!!」

 

「勝負はこう言うもんでしょ、まずは合体したライジングアポロドラゴンでアタック。牙王ケルベロードの【合体時効果】、デッキから5枚のカードを破棄する事で、回復」

 

「ぐぐぐっ! せめて一矢報いてやる! フラッシュタイミングでリブートコードを使用!」

 

・【リブートコード】/3(1)白。

『フラッシュ効果』披露状態のスピリット全てを回復させ、このターンの間この効果で回復した合体スピリット以外のスピリットはアタックできない。

 

「ダークヴルムノヴァを回復だッ!」

 

「うっわ、往生際悪っ!」

 

「やかましい!! お前みたいな奴、せめて一つ一矢報いて見せないと俺の気が済まねぇんだよ! 回復したダークヴルムノヴァでお前の合体スピリットをブロックだ!」

 

青い光を纏い回復と同時に迫るライジングアポロドラゴン。それに対し同じく白い光を纏って回復し、迎え撃とうとダークヴルムノヴァも黒い翼を羽ばたかせて、飛び立っていく。

 

「本当にそれでいいの?」

 

「ったりめぇだ! 行くぜ、ダークヴルムノヴァLv.2、3バトル時効果! 合体スピリットとバトルした時、BP+10000!!」

 

合体スピリットのバトルにより、自身の効果で紫の光が纏うが、その瞬間その光を打ち消すように青い光がダークヴルムノヴァの身体に燈る。

 

「な、何でBPが加算されねぇんだ!?」

 

「ネ・ク・サ・ス」

 

「はっ!!」

 

「分かったみたいだね。ネクサス、古代闘技場は相手のスピリット、ネクサス、マジックの『BPを+する』効果は発揮されない。だからダークヴルムノヴァのBP+10000する効果は発揮されない」

 

「て、事は」

 

「ダークヴルムノヴァLv.2はただのBP8000のスピリット。よって返り討ちなんてできず、呆気なく倒されるの!!」

 

「!!!」

 

バトルでは突っ込むライジングアポロドラゴンを受け止めようとするが、あまりの勢いに逆に弾き飛ばされ、そのまま追い打ちを掛ける様に火炎放射を放ち、ダークヴルムノヴァも黒い炎を吐き対抗して見せるが、威力の差は圧倒的。徐々にダークヴルムノヴァが押され始め、最後には押し負けライジングアポロドラゴンの炎に焼かれ爆発四散してしまう。

 

「ぎゃああああああっ!! 俺のキースピリットがぁっ!!」

 

「だから確認したのに、続いてメテオヴルムでアタック」

 

「ら、ライフ!」

 

炎を纏い流星の様な猛スピードで迫り、展開されるライフに勢いよく激突し破壊する。

 

「ぐあっ!!」

[Life]2→1。

 

「フィニッシュはシャイニングドラゴンアーク!!」

 

「ら、ライフで!」

 

ライジングアポロドラゴンの灼熱の炎が残る最後のライフを砕き、決着となる。

 

「うわあああああああっ!!」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「が、ガキの癖に、何て容赦のないバトルだよ」

 

「じゃぁ約束通り、バイバイだね。雑魚兄さん」

 

「!!」

 

咲達に聞こえない様に小さな声で英の耳元で囁き、もはや何もかもバトルもプライドもズタボロ状態だった。

 

「うわああああんっ! 折角の再登場でこんな扱いとか酷過ぎる!!」

 

本気の号泣。もはやメンタルも崩壊し、泣きながら逃げるようにその場を去っていく。

 

 

 

 

「ハンナ君、すごいんだね。バトルあんなに強いなんてビックリしちゃった」

 

「おい、咲。感心するのはいいけど、バトル中、ちょいちょいこいつの黒い所見え隠れしてただろ?」

 

「もう~、和人ったら何言ってんだか? 確かにすごいプレイイングだったけど別に黒い所なんてなかったじゃん」

 

「ホントだよ、お兄さん全く何言ってるんだか」

 

「(何で咲はこんな小さい悪魔の本性に気付かねぇんだよ)」

 

もはや怒りを通り越してあきれてしまう和人を余所目に、ふと時計を見ると何かを思い出したように急に「あっ!」とハンナは声を上げる。

 

「ごめん、そろそろこんな時間だし僕帰らないと」

 

「そうなんだ。気を付けてね。それと、お兄さんとの仲、大丈夫?」

 

以前会った時は、兄とは距離を置きたいと話していた事を思い出し、余計な事とは思ったが、心配だったので聞いてみると、一瞬だけ難しい顔をしたかと思うと、またすぐ笑顔に戻る。

 

「まぁ嫌いだけど、特に喧嘩してる訳じゃないから気にしないで、それじゃあね」

 

「う、うん。じゃあね」

 

手を振ると、笑顔でバトスピショップを後にすると、ふと隣で何かを考え込んでいる和人に気付く。

 

 

 

 

「どうしたの和人? まさかまだハンナ君がどうとかって事?」

 

「嫌まぁそれは一旦置いておくとしてだな、さっきのバトルスタイル。何か誰かに似てると思ってさ」

 

「バトルスタイル? リクト君や愛実さん、光さんの事じゃない?」

 

「う~ん、何か違うんだよな」

 

「まぁ別にバトルスタイルぐらい、特に気にする事でもないんじゃないの?」

 

「……まぁそうなんだけど、なんか気になってさ」

 

 

 

 

ハンナの言う人物。彼の圧倒的なプレイスタイルは誰かに似ているようで、その事が和人の心にとても引っ掛かっていた。




いかがでしたでしょうか?今回の話、今回は合体キラーデッキを使う久々の登場の英と、ドラゴンデッキを使う、腹黒子供のハンナとのバトルでした(^O^)/

今回、キースピリットとなったトライポセイドス。アルティメット環境の現在ですが、作者は今だこのカードやエクスキャリバスなど古いスピリットを愛用してます(笑)ビッグバンエナジー、大型ドラゴンのコストを軽くでき、なおかつトライポセイドスで強化、まさに凶悪なコンボですので、カードをお持ちの方は試してみては?(笑)

あと最近、バトスピ小説を書かれてる作者様が増えて、最近何だか嬉しい気分。クロスオーバーなどしてみたいなとかも考えてます(^O^)/←


そして小説本編、準レギュラー的な立ち位置のハンナ。バトルの腕もさることながら、彼にも勿論秘密が……!ぜひ次回も見てくだされば幸いです。
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