小説を書きまくってますが、勿論リアルでのする事もさぼってないですよ(--;)←
今回は前回の川村VS和人の続き!
何気に劇中でこの二人のバトルを描くのは実はもう3回目なんですね。第一話から登場してる咲と和人のバトルは正確に1話も描いてないのに笑
前回、川村に勝てる和人の勝ち筋が見えないとご感想いただいたのですが、それには書いてる私自身も同感でした←ォィ
果たしてバトル結果はどうなるのか!ぜひ今回も温かい眼で呼んでいただけると、とてもうれしいです(^O^)
“グオオオオオォォォォォ────ッ!!”
海のようなフィールド、一体のスピリットの咆哮に波が荒れ狂い、まさにその姿に帝の名に相応しかった。
「アハハハハッハ! こいつの前にもはや敵なんてない!! 私の力の証!!」
オルガウェーブの姿に、喜々とした表情を見せる川村。力の証と主張するそのスピリットの姿に異常なまでに魅入っていた。
「川村、目覚ませ!! そのスピリットはお前の力でも何でもねぇだろ!!」
アブソドリューガの時と同様、オルガウェーブからも言葉では表現できない程の禍々しい物を感じ、直感的に危険に感じた。だが、川村には和人の言葉に耳を傾けるつもりは一切ない。
「……このスピリットの前じゃ、どんなスピリットでも、どんな相手でも塵同然。さっさと掃除してあげるよ! アタックステップ!!」
「!」
「オルガウェーブ、刃向かう気力も起きない程に敵を噛み裂けッ!!」
川村の指示にまたフィールドを大きく荒らす程の咆哮を上げると、背鰭を残して身を海に沈め、猛スピードで海面を突き進んでゆく。
「アタック時効果、このスピリットのコスト以下の相手スピリットを一体、無条件で破壊する!! ツインブレードドラゴンを指定!!」
海面の範囲がツインブレードの足下にまで広がって行き、咄嗟に後ろに下がるが、ツインブレードが飛ぼうとした瞬間、海面から大きく口を広げてオルガウェーブが飛び出し、ツインブレードが動き出す前に、オルガウェーブはその牙でツインブレードに喰らい突き、喰らい突かれ、力尽きたように手に持つブレードを手放し爆発を起こす。
「ツインブレード!!」
「ほら、そんなスピリット如きの心配してる暇ないよ!! 次はオルガウェーブのメインアタック!!」
「ぐっ、ガンナードラゴンで──!」
「無駄だよッ!!」
オルガウェーブの攻撃に対し、自分の主人を守ろうと両手に銃を握りしめ、オルガウェーブの前に飛び出すが、それに対しオルガウェーブは大きく吠えると、自分の体に巻き付いた鎖が意思を持ったように、ガンナードラゴンへと向かっていき、ガンナードラゴンを縛り付け、自由を奪われる
「ガンナードラゴン!?」
「海帝の前に弱者は立ち塞がる事すら許さない。このスピリットはね、コスト5以下の相手にはブロックされない。よってコスト5のガンナードラゴンじゃブロックできないよ?」
「なら、ライフで受ける!!」
展開されるライフ、だがそれは一瞬にしてオルガウェーブの牙によって噛み裂かれ、ライフを失う衝撃が和人を襲う。
「うぐああッ!!」
[Life]3→2。
今までと比較にならないほどの痛み、ハイドカードの影響か、あまりの痛みに思わずその場に膝を付いて蹲ってしまう。
「痛ッ…あのスピリット、やっぱり普通のスピリットと違う」
痛みに堪えながら何とか立ち上がる。ライフが減少した事で、バーストがライフ減少時であれば発動させる事が出来るが、今の彼女にあるネクサス、海魔巣食う海域によって赤、緑、白のバーストが封じられている。勝負以外にもオルガウェーブに対する疑問が残っていたが、今は気にしてる間はない。川村の目を覚ませるためにもまずは勝たない事には始らないのだから。
「随分苦しそうだね、けど和人は勿論ギブアップはしないよね?」
「へっ、当り前だろ!!」
「それでこそだよ。エンドステップ時、オルガウェーブの効果発動!!」
大きく眼光を輝かせると、鎖で川村の背後にあるネクサス、海底眠る古代都市を砕き、崩れたネクサスから力を吸収した様に回復する。
「何!?」
「これがオルガウェーブの力、ネクサスを一つ破壊すれば自分のスピリット一体を回復させられる」
「何でもありかよ」
「言ったでしょ、このスピリットは力の証だって。このスピリットを前にまだ勝つ気でいる気?」
「当たり前だろ、何度だっていうぜ? そいつはお前の力の証なんかじゃないし、そんなスピリットに頼るお前なんかに、俺は絶対負けない!!」
「なら見せてみなよ、私に勝つあんたの姿をさ!!」
「あれが、4枚目のハイドカード」
「あのカード、あいつに僕も」
モニター越しに4枚目のハイドカードの姿に絶句するリクト、ハンナもまたオルガウェーブの姿に、前に自分との勝負時、オルガウェーブによって敗北を受けた事を思い返す。
「和人、大丈夫かな」
「大丈夫。和人兄ちゃんなら必ず勝てるよ!!」
「そうだよね。和人なら絶対最後まで諦める訳ないしね」
元の川村に戻ってほしいのは咲達も和人と同じ想いだった。だからこそ和人に勝ってほしいと応援しながらモニターの様子を見守るが、咲達の様子を見ながらダイキは少し可笑しそうに笑う
「(どれだけ信じようが、もはや川村の勝ちゲーだ。精々派手に、オルガウェーブにやられて見世物として楽しませてくれよォ?)」
狂気な笑みを浮かべながら、半ば川村が勝つ事を確信しながら、バトルの様子を以前咲達と同じく見守る。
────第10ターン、和人side。
[Reserve]11個→12個。
[Hand]2枚→3枚。
[Field]焔竜の城塞都市Lv.1(0)、暗雲射す鬼々島Lv.1(0)、ガンナードラゴンLv.1(1)。
「俺のターン、カグヅチドラグーンを召喚、さらにもう一体行くぜ!!」
「!」
「大地揺らせ、天に羽ばたけ! 激神皇カタストロフドラゴンを召喚ッ!!」
エクスキャリバスに次ぐキースピリット、特大サイズのルビーから飛び出す核が龍の形を形成し、カタストロフドラゴンの姿へと変貌を遂げ、背後に振る雷鳴と共に轟音を上げて吠える。
「召喚時効果発揮、自分の場の系統:「古龍」を持つスピリット一体に付き一枚ドロー、よって二枚ドロー。さらにもう一枚行くぜ! 煌きの炎を纏いし剣、輝きの聖剣シャイニングソードをカタストロフドラゴンに
先程まで雷鳴が鳴り響いた黒雲から光が差し込み、その光と共に降り落ちる一本の聖剣────シャイニングソード。その剣をカタストロフが力強く咥えると、増した力を示す様にフィールドを揺らす程轟音を上げながら吠え、その咆哮は地脈を刺激する程なのか、真下に豪炎が背景を演出するように噴き上げる。
「シャイニングソードの召喚時効果、BP3000以下の相手スピリットを全て破壊」
シャイニングソードを大きく振うと、それは熱風となって川村のスピリット達を襲い、ネップに見舞われ、ランテゴス、ダークスクアーロの二体は破壊され、シャイニングソードの効果により、破壊したスピリット一体に付き一枚ドローする事が出来、二枚のカードを引く。
「アタックステップだッ!」
「なら、この瞬間オルガウェーブの効果を発動するよ!」
川村の言葉に、オルガウェーブは眼光を見開いて和人のスピリット達を睨むと、カグヅチドラグーンと、ガンナードラゴンは気圧されたように怯んでしまう。
「!?」
「オルガウェーブが回復状態の時、相手のコスト5以下のスピリットはアタックできない。こいつの前に弱者は立ち塞ぐ事も、立ち向かう事も許さないよ!」
「なら、ソードブレイヴスピリットでアタックだッ!」
「その攻撃はオルガウェーブで止めるよ!!」
海に身を潜め、一気に飛び上がり鎖をカタストロフへと飛ばすが、それを咥えたシャイニングソードで弾き、一気に斬り裂こうと迫っていくが、オルガウェーブは再び海の中へと飛び込み、姿を隠す。しかし、カタストロフは止まる事無く、海面に向けて大きくシャイニングソードを振うと、聖剣の一閃は海を裂き、衝撃にオルガウェーブは叩き出される。
「決めろッ! カタストロフ!!」
「甘いよ、フラッシュタイミング、秘剣燕返!」
・【秘剣燕返】/4(3)青。
【バースト:相手の『このスピリット/ブレイヴの召喚時』効果発揮後】
相手の手札が5枚以上の時、相手は、相手の手札を二枚になる様に破棄する。
『フラッシュ効果』
相手の合体スピリットのブレイヴ一つを破壊する。この効果発揮後、相手のコスト3以下の相手スピリット一体を破壊する。
「効果により、シャイニングソードは破壊!」
燕の形を模した斬撃波が突如として飛来し、それはオルガウェーブへ振おうとするシャイニングソードへと直撃し、刀身は砕け、砕けたシャイニングソードの残骸が爆炎の中から、海のフィールドへと落ちていく。
「不味い!!」
「これでBPは逆転。オルガウェーブ、噛み裂いて!!」
ブレイヴを失った事で現在のカタストロフはLv.1でのBPは7000、対するオルガウェーブLv.3はBP11000。武器を失ったカタストロフにオルガウェーブの攻撃を防ぐ術はなく、鎖に縛られ、身動きの取れなくなったカタストロフに一気に牙を突き立て、苦痛に思わず吠えながら耐え切れずに爆発を起こす。
「カタストロフ!!」
「どう? バーストも封じられて、二体目のキースピリットも失った。完全に勝負は決まったよね!!」
「…………」
「圧倒的なまでに相手に叩きつぶされる気分はどう? これでもまだ私の目を覚ますなんて戯言を言える?」
嘲笑うように言葉を掛ける川村。彼女の言う通り和人自身は勿論、モニター越しに状況を見ている咲達にも絶体絶命の状況なのは一目瞭然。
「今ここでサレンダーをしたら? 『僕では到底、私には叶わない』、って宣言してよ。そしたらデッキを貰う事は見逃してあげるよ」
彼女は既に勝ちを確信して居た。だからこそ、和人が乗ると分かった上での提案だった。この状況で逆転できる可能性はほとんどない。その上で和人自身に敗北を自覚させる事で自分との圧倒的差を示す事が彼女の狙いだった。
「……お前なりに気遣ってくれたのかもしれないけど、俺は! 絶対に最後まで勝負を降りるつもりはねぇッ!!」
だが彼女の予想に反して、その目はまだ勝利を諦めず、彼女の提案を力強く否定した。
「……何で」
「ん?」
「何でこの状況でまだ諦めないんだよ!! 私の勝ちはもう確定でしょ、その上でわざわざ提案もしてあげてんのにさ、ホント馬鹿じゃないの!!!」
苛立ったように声を荒げる彼女。何故、ここまで力の差を見せて勝ちを諦めないのか、何故まだ本気で自分の目を覚ませようと構うのか、何もかもがとても今の彼女には理解できなかった。
「いいよ、そこまで分からず屋なら最後の最後まで叩き潰してあげるよ、二度とバトルする気も起きないぐらいにね」
「やってみろ、何があっても俺は勝つ! バトスピから絶対逃げるつもりはないぜ? 俺はターンエンド」
────第11ターン、川村side。
[Reserve]9個→10個。
[Hand]0枚→1枚。
[Field]海魔巣食う海域Lv.2(1)、海帝獣オルガウェーブLv.3(4)。
「より深い絶望を見せてあげるよッ! 異海より来る絶対神、異海双龍ハスタークLv.2で召喚!!」
呼び出すカードに呼応するよう海のフィールドの奥深くから、海底を突き破り飛び出す大きな首。地震の様にフィールドを大きく揺らしながら海の底から咆哮を轟かせ、海より巨大なスピリット────異海双龍ハスタークが姿を現す。
「アタックステップ、オルガウェーブ! 雑魚を消し飛ばせ!! アタック時効果、ガンナードラゴンを破壊するよ!!」
再び発動するオルガウェーブの効果、猛スピードで進撃すると共に海面から鎖が飛び出し、それはガンナードラゴンを縛り勢いよく引き寄せ、獲物に喰らい突かんと、海面から一気にガンナードラゴンへと飛び掛かり、鎖に縛られ身動きの取れない状態で回避できる訳もなく、牙に喰らい突かれ破壊されてしまい、さらにそのまま和人へと迫っていく。
「コスト4のカグヅチドラグーンじゃ、ブロックできないよ?」
「ならライフで受ける!!」
展開されるライフに大きく口を開けて高圧水流を放ち、破壊する。
[Life]2→1。
「ぐああああっ!!」
再び襲う衝撃。吹っ飛ばされながらも倒れる事無く耐え見せるも、もはや場も和人自身も限界寸前だった。
「アタックステップ終了。そしてエンドステップ時、オルガウェーブの効果を発揮させる。ここまで来ればネクサスにはもう用済みだね。海魔巣食う海域を破壊してオルガウェーブを回復させるよ」
オルガウェーブを止める事は出来ないが、ハスタークはまだカグヅチドラグーンでブロックする事が出来るので決着はつけられないが、次のターンで勝負を決めるのは容易だった。
そしてダメ押しと言わんばかりに発動するオルガウェーブの効果。ネクサスを砕き、そして青の光を纏って回復するオルガウェーブ。ネクサスを破壊した事で再びバーストは使える様になるも、既に決着が付くと言うこの状況で、和人がバーストを使える可能性はほぼない。
「次のターンで、確実に! 潰す!!」
「(確かにもう後がねぇ。次に川村のターンが来れば……負ける)」
川村のライフは4。さらにブロッカーに残るはオルガウェーブとハスタークと言う二体の強大なスピリット。対する和人の場にはカグヅチドラグーンとネクサスのみ。しかも回復状態のオルガウェーブがいるため、攻撃はできないという、まさに「絶体絶命」という言葉以外に表現できなかった。
────第12ターン、和人side。
[Field]焔竜の城塞都市Lv.1(0)、暗雲射す鬼々島Lv.1(0)、カグヅチドラグーンLv.1(1)。
恐らくこれが和人にとってのラストターンだろう。伏せているバーストは、ジークヤマトフリード。それを見越しての海魔巣食う海域だったため今まで発動する事が出来ず、ネクサスが破壊されても既にライフ1では発動する事はほぼ不可能だった。
「(今の俺の手に、逆転するカードはねぇ。ならこの一枚がラストチャンス!)」
現在の和人の手札にスピリットカードはなく、このドローに勝負の結果が掛っていた。
「(頼む、俺はただ勝ちたいんじゃねぇ、どうしても……また川村に元に戻ってほしいんだ。勝って、又楽しくバトスピをしたいんだよ!!)」
心の中で必死に自分の願いを叫びながら、デッキに手を掛け、祈るような気持ちでカードをドローする。まるで時が止まったかと思う程緊迫した空気が流れる中、引いたカードを確認し、そのカードに思わず目を見開いた。
[Reserve]13個→14個。
[Hand]4枚→5枚。
「川村、お前に元に戻ってほしいと思ってるのは俺だけじゃない」
「何、急に? もしかして今更負けを認める気?」
「そんなんじゃないさ、ただこのバトルに勝ってお前の目を覚まさせる。そのために、お前の相棒の力を俺は借りる!!」
「!? まさか!!」
和人の言葉に、引いたカードの正体を直感した。そして和人は引いたカードをそのまま構え、そして叫ぶ。
「伝説の力を誇る龍よ! 絶望を破壊し、希望を見せてくれ! 霊峰魔龍ヤマタノヒドラをLv.2で召喚ッ!!!」
水に浸ったフィールドから突如として隆起する巨大な山、そしてその山から突如として眼光が光ったかと思うと、それは山ではなくヤマタノヒドラの姿であり、巨大なその姿はフィールドを制圧し、八頭の首がそれぞれ大きく吠える。
「あの時、既にデッキに入れてたのか!」
「お前の目を覚ますのに使うかもしれないってデッキに入れてたんだ。コイツもまた、お前の目を覚ましたかったんだ。元のお前に戻ってほしいんだ。だからこそ、今俺に力を貸してくれる!」
「五月蠅い、五月蠅い五月蠅い五月蠅い!!! スピリットなんて所詮道具だよ!!」
「違う、スピリット達は俺たちカードバトラーにとって大切な仲間だろ!! ヤマタノヒドラだって、お前の相棒だろ!!」
「違う!!」
「違わねぇッ! 今すぐお前の目を覚まさせてやる!! さらに俺は手札からスピニードハヤトをヤマタノヒドラに
不足コスト確保のため、カグヅチドラグーンは消滅するも、入れ違いになる様にスピニードハヤトが飛来し、自分を無数の槍のブレイヴパーツへと変化させ、八頭の首がそれぞれパーツである槍を咥える。
「アタックステップ、ステップ開始時スピニードハヤトの合体時効果発揮。指定の色は青! そして合体スピリットで、アタック! 【強襲】の効果発揮、焔竜の城塞都市を疲労させて回復だぁッ!」
「ぐっ、ライフで受ける」
真っ直ぐ川村を見たまま前進し、強大な八頭の首が咥えた槍をそれぞれ展開されるライフに突き破り破壊する。
「うあっ!!」
[Life]4→2。
「まだまだッ!! ライフ減少でバースト発動、ディクタトールシーザー!」
ライフを削られながらも伏せていたバーストを発動させ、強力な覇王の一体であるディクタトールシーザーが出現する。
「構わねぇ!! 合体スピリット再アタック、【強襲】の効果で、暗雲射す鬼々島を疲労させて回復!!」
「ディクタトールシーザーでブロックッ!!」
再び動き出すヤマタノヒドラ、阻もうと二頭の異龍がそれぞれ水流を放つが、巨大なヤマタノヒドラの前には所詮水鉄砲同然だった。そしてヤマタノヒドラはディクタトールシーザーの頭上に大きく足を上げ、咄嗟に危険を悟り慌てて退こうとするも既に間に合わず巨大な脚に踏み潰され消滅する。
「もう一度、合体スピリットでアタックだッ!!!」
「ハスタークでブロック!!!」
「スピニードハヤトの効果で、回復!」
二体の巨大な体を持つスピリット同士の激突。複数の首がそれぞれの敵にぶつかり合い、力比べと言わんばかりに押し合う二体。二体の力はほぼ互角、山の様な大きさを誇る二体のスピリットがぶつかる度にフィールドが揺れ、フィールドを揺らしながら激突する二体だが、次第にハスタークは埒が明かないと思ったのか一度距離を取り、破壊光線を放とうと大きくそれぞれの口を開くが、その瞬間ヤマタノヒドラは勢いよく口に咥えた槍を放り投げる様に話すと、それは的確に全てのハスタークの首を捕らえ、槍に貫かれて巨大なハスタークの身体はフィールド全てを包む程の大爆発を起こす。
「ヤマタノヒドラ、もう一度アタック!!」
「ぐっ!! オルガウェーブでブロックするよ!!!」
川村の合図とほぼ同時に、突如としてオルガウェーブが飛び出し、爆風の影に映るヤマタノヒドラの顔面に鎖を叩きつけるように飛ばす強襲。
不意の一撃に手応えを感じるオルガウェーブだったが、爆風が晴れた瞬間、その目に映った光景は、叩きつけた筈の鎖を咥えて、受け止めているヤマタノヒドラの姿があり、そのまま咥えた鎖を引き寄せ鎖を離すと同時に、八頭の首全てがオルガウェーブに激突し、宙に跳ね上げると、オルガウェーブは絶叫を上げながら空中で大爆発を起こす。
「そ、そんな!! 私の……オルガウェーブがッ!!」
「これで終わりだッ!!! ラストアタックッ!!」
大きく吠えながら川村へと迫るヤマタノヒドラ、その姿を前に、彼女の今までの狂気や苛立ちに満ちた表情は少しずつ消えていき、少し落ち着いた様子で、口元を小さく緩ませ、その表情は今までと違い柔らかい笑みだった。
「……私の負けだね。さすが、私の相棒だよ」
「!」
「それと……ヒドラ、ごめんね。弱いなんて言って」
迫るヒュドラの姿に彼女は小さく呟き、その言葉が届いたのか少しだけ静止して反応して見せながらも、ヒドラは決着をつけるべく、再び動き出し展開されたライフに激突し、勝負に決着を付ける。
[Life]2→0。
***
「川村、宣言通り俺の勝ちだぜ?」
「……まっ、所詮私の相棒のお陰で勝てたんでしょ?」
「なっ!! 負け惜しみかよ!!」
「ふふっ、冗談だよ。やっぱり和人は強いね」
バトル後、相変わらずの辛棘な口調だが、それが普段通りの彼女だった。勿論咲達も駆け寄り、いつも通りの彼女の様に一安心するように笑ってる。
「ヤマタノヒドラ、返すぜ? もう相棒、手放したりとかすんなよ」
「ありがとう」
ヤマタノヒドラのカードを受け取りながらも、先程の自分の言動を思い返しながら、少しだけ表情を暗くさせる。
「ごめんね、和人。私、和人や皆に勝ちたいのは確かに本心だよ。けど、それしか見えなくなって、何だかだんだん自分自身も見えなくなりそうになってた」
「……それって、あのカードのせいなのか?」
リクトの時もアブソドリューガの影響によるものか、まるで人が変わったようだった。その事を思い返しながら尋ねる質問に、川村は静かに頷いて見せる。
「これ、持ち主に返すさないとね、けど……なんかおかしいな。少し、つか、れたよ」
キラーバトラーとして盗ったカードを和人に渡そうとするが、少し体がぐらついたかと思うと、急に彼女の意識は薄れ、そのまま和人に凭れる様に倒れ込んでしまい、何とか川村を慌てて支える。
「川村!?」
「愛実さん!!?」
急に倒れ込む彼女に動揺を隠せていないが、特に異状もなくただ眠ってるだけ様子。余程疲れた様子だが、その原因が特殊なバトルによる疲労か、それともハイドカードによるものか知る由はなかった。
「ケッ、アブソドリューガに続いてオルガウェーブも結局負けたのかよ」
バトルの様子に面白くなさそうに悪態をつきながら、その場を後にしようとするも、「待て!」、とダイキを呼び止めるリクトの声。
「ダイキ、お前……このカードの事どこまで知ってるんだ? ハイドカード、普通のカードじゃない。一体これは!!」
「……デュアルベルガス、アブソドリューガ、バーニングドラゴン、そしてオルガウェーブ。元の持ち主は悪魔でスポンサーだ。何度聞かれても、俺は受け取っただけに過ぎない。これがどういう代物なのか、ただ力の証と以外考えた事はねぇ」
「それでいいのか、まだ分からないけど、俺はハイドカードが怖い。まるで使う度に使用者を、俺自身を乗っ取られそうな」
「……強ちその感覚は的を射てたりしてな」
「!?」
動揺するリクトの表情に対し、対し「冗談」と挑発的な態度で笑って見せる。
「たかがカードに乗っ取られる事が万が一にもあるかよ」
「本当にか?」
「……仮によォ、もしお前の言う通りこのハイドカードが使用者自信を乗っ取りかねない代物だとしても、俺は扱い続けるぜ? 力に対する覚悟は俺とお前らじゃ次元が違うんだよ」
「ダイキ!!!」
「覚えとけ、俺は例え誰でも、どんなカードでも! 俺は見下す立場なんだよォ、じゃあな」
その言葉は何を意味するのか、意味深な言葉を残し、少しだけ川村の様子が気になるのか横目で確認しつつも、その場から立ち去って行く。
「オルガウェーブの姿確かに見た。そして残るハイドカードは二体、か」
いつから見ていたのか遠くから和人達の様子を傍観するアキラの姿が。
『弟さんもいるみたいですよ、会いに行かれなくていいんですか?』
アキラの背後から聞こえる声、そこにはもう一人の人物の影があった。
「弱い奴にわざわざ会うつもりはない。それに、俺じゃなくお前の方があいつ等に顔を見せておくべきじゃないのか?」
その人物はアキラの言葉に、少しだけ可笑しそうに笑いながら「私もアキラさんと同意見なので」と返答しながら、その人物は懐から名前と色以外はすべて白紙の黄色のカードを取り出す。
「まだ目覚めていないハイドカードは残り二枚。内一枚は私、そしてもう一枚、緑のハイドカードは誰に渡すつもりなんですか?」
「スポンサーの指示は既に聞いてる。残る一枚のハイドカード所有者、それは木野咲だ」
標的となったのは咲。川村を連れて、その場を立ち去って行く彼等は勿論、咲自身もまた自分が標的となっている事は夢にも思っていない。和人達がその場を立ち去って行くのを見届けた後、アキラ達も「行くぞ」、とその場を後にした。
いかがでしたでしょうか?今回のバトル。何だか書いてて今までになく、超展開なバトルを書けたと自惚れてます(笑)何気に作中で、和人が赤以外のスピリットを使うのは初だった気がします!たまには普段使わないカードを使ってみるのは、小説で書いてても、現実でのバトルでも楽しいです♪
そして黄色、緑のハイドカードの影もあり、本編の今後にご期待いただけると嬉しい限りです。ただ最近、バトスピの新弾のカードの情報が出てたので、軽く見させてもらったんですがもうどれも性能がぶっ飛びまくってて、普通に自分の強さ基準の感覚がマヒしてます← バランスの取れた性能を考えるのが難しい!! 勿論オリカを使わずにバトルする時もあるので、オリカはあまり好まないって方でも作中のバトルを楽しく読んでいただけたら嬉しいです。
話は変わるのですが、今回28話を更新したのですが、本当は約一年前に言っていたにしはる様とのコラボ小説を、まだ一部なんですが、ようやく投稿できる!と思ってた矢先、重大なミスを発見したのでバトルを根本的に修正、それでまた流れてほぼ序盤からまた修正でまだまだコラボ小説のお時間がかかりそうで、楽しみに待ってくれている読者様がいましたらその方達に、そして何よりコラボの話を承諾してくださっているにしはる様にこの場で深く謝らせてください。決して忘れてる訳ではないんです、ただまだお時間がかかるので申し訳ない。時間を費やした分、それにふさわしい作品を頑張って書くのでどうかご容赦ください。
次の更新がいつになるかは分からないのですが、どうか本編もコラボ小説も楽しみにしていただけたら本当に幸いです。