バトルスピリッツ激震の勇者   作:ブラスト

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ブラストでございます。最近は割とまたちらほらと更新率が下がりつつあるので、何とかあげていきたいですね。最近はリアルが忙しいだけじゃなく、普通にアニメとか見入ってこの小説更新や課題やらいろいろさぼり気味になっちゃいます。皆様は私みたいになっちゃだめですよ(真顔)

さて今回は第29話です!ぜひ今回も一目読んでいただけると嬉しい限りです。


第29話『迫る悪意』

キラーバトラーによる事件解決後、日川村本人は極度の疲労が原因だったらしく一日休んだ後すぐに体調は戻り、復帰後キラーバトラーの被害にあったカードバトラー達にカードを返し終え、全員に対し謝罪を述べ、被害にあったカードバトラー達は賭けバトルに同意した自分達にも落ち度がある事を自覚し、その上でカードも返還してくれているので特に川村に対して恨みや怒りはなく事件は無事解決し、平和になった町のバトスピショップはいつも以上に活気を見せた。

 

「風の覇王ドルクスウシワカでアタック」

「ライフで受けます」

バトスピショップ、リアルバトルフィールドで対戦している光と咲の姿、突っ込むドルクスが最後のライフを砕き、早々に勝負に決着が付くと元の場所へと戻る二人。

「良い勝負でした、やっぱりお強いですね」

「それは光さんもだよ、ギリギリの勝利だったよ?」

「そんな事無いですよ。咲さん本当にお強くなりましたよ、デッキも随分変わったみたいですよね?」

「まぁあれから色々強化したからね。結構自信があるデッキだよ?」

「へぇ、それは気になります。差し付かなければぜひ見してもらっても構わないですか?」

「大丈夫、良ければ評価してくれると嬉しいな」

咲から手渡されたデッキを受け取ると、その中身を時確認し、そのデッキの構築に関心するように見ている。

「凄い構築ですね、見ていて参考になります!」

「光さんにそう言ってもらえなら自信が付くよ!」

陽気に会話を弾ませる二人、そこへいつもの様に元気な様子で「おっはよー」と入店する和人の姿、入店して咲達の様子に気付いたのか直ぐに咲達に駆け寄って行く。

「和人さんおはようございます」

「おはよ、和人。今日は珍しく遅かったみたいだね」

「あはは、ちょっとデッキ見直してたから、それより来てるのは二人だけ? 川村にリクト、ハンナは来てねぇの?」

「皆今日はお休みみたいですよ? まぁキラーバトラーの事とか、色んな事が立て続けに起こってますからね、仕方ないですよ」

「えっ? キラーバトラーの件を何で光が知ってんだよ?」

「……勿論愛実ちゃんに聞いたからですよ、居なくても把握してますよ?」

あの場にいなかった光が、キラーバトラーの事を知っている事に率直な疑問を尋ね、それに対し少し間を置いてから答える。

「ふーん、まぁそんな事より! 早速どっちか俺とバトルしないか?」

「私はさっきバトルしたとこなので少し休憩しようかと、バトルなら咲さんと和人さんの二人でどうですか?」

「えっ?」

光の提案に、一瞬驚いた様子の咲だが、気にする事無くさらに光は続けていく。

「言っときますけど、咲さんのデッキ、とても強くなってますからきっと和人さんも驚きますよ?」

「へぇー、なら咲、久々に俺とバトルしようぜ!」

「仕方ないな-、じゃぁ久々にやろっか?」

最初は戸惑った様子ながらも特に断る理由はなくデッキを取り出す。

「咲ちゃんと和人君バトルするのね、今ならバトルフィールド空いてるけどどうする?」

「「当然バトルフィールドで!」」

二人の様子を傍観していた知恵は面白そうに言うとその言葉に二人ともほぼ同時に返事し、バトルフィールドのステージに立ち、光は知恵と一緒に二人のバトルの見物。

 

「「ゲートオープン界放!」」

その宣言と共に、バトルフィールドへと舞台は移る。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「久々のバトル、けど手加減はしないよ?」

「当たり前だろ、先行は俺から! 全力で行くぜ!」

 

 

────第1ターン、和人side。

 

[Hand]4枚→5枚。

[Reserve]4個。

 

「俺のターン、ブロンズヴルムを召喚、ターンエンド!」

 

 

 

 

───第2ターン、咲side。

 

[Hand]4枚→5枚。

[Reserve]4個→5個。

 

「こっちはヤンオーガを召喚、私もこれでターンエンド」

互いに様子見と言った所だろう。お互い最初はスピリットを展開しただけで動く様子はない。

 

 

 

 

───第3ターン、和人side。

 

[Hand]4枚→5枚。

[Reserve]3個→4個。

[Field]ブロンズヴルムLv.1(1)。

 

「メインステップ、カグヅチドラグーン召喚、そのままアタックステップだ!」

「来る気みたいだね!」

「当然! 先手は任せるぜ、カグヅチドラグーンでアタック!」

アタックと同時にカグヅチ自身の効果でデッキから一枚引き、低空飛行から一気に咲へと突っ込み、プレイヤーを守る様に展開されたバリアに近距離で火炎放射を吐きつけ、破壊する。

 

「ッ!」

 

咲side

【Life】5→4。

 

「これでターンエンド」

 

 

 

 

────第4ターン、咲side。

 

[Hand]4枚→5枚。

[Reserve]5個→6個。

[Field]ヤンオーガLv.1(1)。

 

「メインステップ、ヤンオーガをLv.3にアップ。さらにマジック、ライフチャージを使うよ!」

レベルアップし力が上がった事を証明する様にヤンオーガに燈る緑の光、そして次にマジックの効果によるライフチャージでヤンオーガに灯った光がより強く輝きだすが、その増した光は力の増加ではなく消滅を意味し、ヤンオーガは霧となって消えていく。

 

「ライフチャージの効果でコア3個、さらにヤンオーガのLv.3の破壊時効果でさらにコア3個、計6個をリザーブに置く」

「序盤でいきなりコアブーストか!」

「まだまだだよ、タマムッシュをLv.2で召喚。召喚時効果でLvと同じ数、コア2個をボイドからこのスピットに追加」

増えたコアを即座に使ってスピリットを呼び出していき、さらに召喚時効果でコアを潤していく。

 

「さらにタマムッシュをレベル1にして、メイパロットを召喚、その召喚時効果でボイドからコア1個をこのスピリットの上に、そして増えたコアを戻してシノビチュウヒを召喚、召喚時効果発揮でボイドからコア1個を自分のスピリットの上に、私はシノビチュウヒ自身に置く」

増えたコアをリザーブに戻しては新たなスピリットを次々と呼び出していき、翼を羽ばたかせながら現れる二鳥のスピリット、タマムッシュ同様それぞれ緑の光を纏い、コアをさらに潤す。

 

「このターンだけで、一気にコア10個も増やしたのかよ!?」

「驚いたでしょ、緑のコアブーストは少し勢いが付くだけでもう止まらないんだから。続けるよ、シノビチュウヒをLv.2にアップ。アタックステップ! さっきのお返しだよ、シノビチュウヒでアタック!」

「ライフで受けるぜ」

 

和人の宣言にシノビチュウヒは目の前まで向かっていき、展開されたバリアに翼を勢いよく振い何かが飛び出す。だが、その翼から飛ばす物は鳥の羽ではなく、羽を模したクナイ。深々とクナイが突き刺さるとバリアは崩れていき、ライフが破壊される。

 

和人side。

【Life】5→4。

 

「ッ!」

「シノビチュウヒのバトル時効果、シノビチュウヒを手札に戻して、私はこれでターンエンド」

「成程、シノビチュウヒの召喚時効果を使い回せるってわけか」

「その通り、まだまだコアブーストは止まらないよ?」

 

 

 

────第5ターン、和人side。

 

[Hand]5枚→6枚。

[Reserve]4個→5個。

[Field]ブロンズヴルムLv.1(1)、カグヅチドラグーンLv.1(1)

 

「メインステップ、ライトブレイドラを召喚し、ネクサス焔龍の城塞都市を配置。さらにカグヅチドラグーンをLv.2にアップしてアタックステップ、カグヅチドラグーンでアタック、アタック時効果で1枚ドロー、さらに【激突】!」

「仕方ないね、メイパロットでブロックするよ」

再び勢いよく突っ込むカグヅチドラグーン、メイパロットは慌てて飛び上がりカグヅチドラグーンの突進を避けるが、直ぐに引き戻り、逃げ回るメイパロットをしっかり捉え、後方に回り込む。

 

「唯ではやられないよ? フラッシュタイミングでライフチャージ。バトル中のメイパロットを破壊してコア3個をリザーブに置く」

メイパロットをそのまま翼で叩き落とそうとするカグヅチドラグーンだったが、ライフチャージの光がメイパロットを消滅させ、その攻撃は空振りに終わる。

 

「まだだぜ、ライトブレイドラ、ブロンズヴルムでそれぞれアタック!!」

「フルアタック! いいよ、どっちもライフで受けるよ」

果敢に攻め入っていく和人、ライトブレイドラとブロンズヴルムはそれぞれ連続で展開されたバリアに激突し、咲のライフを破壊し、ライフが減ったのを確認すると和人はそのまま「ターンエンド」と宣言した。

 

咲side。

【Life】4→2。

 

 

 

 

────第6ターン、咲side。

 

[Reserve]21個→22個。

[Hand]1枚→2枚。

[Field]タマムッシュLv.1(1)。

 

「メインステップ、私はもう一度シノビチュウヒを召喚。召喚時効果でボイドからシノビチュウヒの上にコアを置く。さらにマジック双翼乱舞を使うよ、効果で2枚ドロー」

「バーストセットでの使用はしないのか?」

「うーん、迷ったんだけど今手札は乏しいし、和人がトリガー引くかどうかはわかないからさ、もう一枚双翼乱舞でまた2枚ドローさらに3枚目の双翼乱舞! もう2枚ドロー」

「双翼乱舞を一気に3枚目まで引くとかどんだけ運が良いんだよ、しかも軽減なしの癖にやりたい放題だな」

「軽減がなくても気軽に使えやすくするのが緑のコアブーストの強みだからね」

手札を一気に増やし、増えた手札を確認し、それに一瞬咲の表情が変わる。

 

「(来た、私にとって最強のコンボ。これでキーカードが揃った!)」

「!?」

当然咲の表情が一瞬変わった事は和人も見逃さない。コアも手札も既に必要以上に揃っている彼女に油断はできない。

「続けるよ、シノビチュウヒとタマムッシュをLv.2にアップ、シノビチュウヒでアタック!」

「ライフ!」

 

一回目の時よりもさらに多くのクナイを飛ばしていき、クナイが突き刺さったバリアは崩れ、またライフが破壊される。

 

和人side。

【Life】4→3。

 

「これでターンエンド」

「(シノビチュウヒは戻さないのか?)」

 

何度でも戻し召喚時効果を使い回せるのがシノビチュウヒの強み。そのシノビチュウヒを戻さないと言う事は恐らくもう必要がないと言う事だろう。コアも手札も既に万全、恐らく次に咲のターンに回せば追い込めれるのは必須だろう。

 

 

 

 

────第7ターン、和人side。

 

[Hand]5枚→6枚。

[Reserve]3個→4個。

[Field]ブロンズヴルムLv.1(1)、ライトブレイドラLv.1(1)、カグヅチドラグーンLv.2(3)、焔竜の城塞都市Lv.1(0)。

 

「メインステップ、戦斧のアポロディノスを召喚。アポロディノスの効果を発揮、手札にある「虚神」を持つスピリットカードのコストを6にする!」

「カタストロフドラゴン、だよね?」

「あぁ、行くぜ! 大地揺らせ、天に羽ばたけ! 激神王カタストロフドラゴンをノーコストで召喚ッ!!」

特大のルビーが出現と同時に砕け、そこから飛び出す核。それはリュウの形を形成しカタストロフドラゴンの姿となると、全てを揺らす程の咆哮を上げる。

 

「召喚時効果、系統:「古龍」を持つスピリット1体につき1枚ドロー、場にはカグヅチドラグーンとカタストロフドラゴン。よって2枚ドロー!」

「コスト10のスピリットをノーコストなんてやっぱ和人は強いね」

「へっ、まだまだ! さらに手札から武槍鳥スピニードハヤトをカタストロフドラゴンに直接合体! 不足コストはカグヅチドラグーンとライトブレイドラから確保!」

カグヅチドラグーンはLvが下がり減少した力に項垂れ、ライトブレイドラは維持コストを失って消滅し、その後颯爽と現れる武槍鳥、フィールドへ姿を見せるなりスピニードハヤトはその身を変化させ、幾つもの槍状のブレイヴパーツとなると、それはカタストロフドラゴンの背中に装備され、無数の槍の内の二つを両手で掴み合体スピリットとしてより強大な咆哮を上げる。

 

「このターンで一気に決着を付けるぜ、アタックステップ! スピニードハヤト効果で、当然、緑を指定する!」

槍を打ち合わせ、既に攻撃の体制に入っているカタストロフドラゴン、その姿に当然咲も咲のスピリット達も警戒する様に構えている。

「合体スピリットでアタックだ!」

「タマムッシュでブロックするよ!」

翼をゆっくりと羽ばたかせながら咲へと迫る合体スピリット、対してそれを迎え討とうとするタマムッシュではあまりに小さく、力の差は比べるまでも無く明らか。タマムッシュもそれを分かっているのか、迫る合体スピリットの姿に身を震わせていた。

 

「スピニードハヤト効果で、指定した色のスピリットにブロックされたので回復!」

フィールドではカタストロフドラゴンがスピニードハヤトの力の恩恵を受ける様に緑の光を纏い、カタストロフドラゴンのカードがアンタップされる。このまま押し切れれば勝利は目前。

 

「これで俺の勝ちだぜ!」

「甘いよ和人、私はフラッシュで絶甲氷盾を使うよ! 不足コストはタマムッシュから確保」

「なっ!? 手札に温存してたのかよ!」

「ずっと和人の勝負を見て来たからね、スピニードハヤトはきっと来るだろうと思ってたから、温存しておいたんだよ!」

合体スピリットは片手に持った槍をタマムッシュへと勢いよく投げつけ、その槍はタマムッシュの目の前の地面に深々と突き刺さり、直接当たりはせずとも、投げ付けた槍で生じた衝撃だけでもその威力は凄まじく、タマムッシュの小さな体はまるで紙の様に吹き飛ばされ、吹き飛ばされたタマムッシュは壁に叩きつけられ爆発を起こす。刹那、バトルが終わった途端突然吹き荒れる猛吹雪、巻き起こった爆風を一瞬で吹き消す程の猛吹雪が和人のスピリット達の行く手を阻む。

 

「ネクサスの効果、相手スピリットだけを破壊したので1枚ドロー、これでターンエンド」

 

 

 

 

────第8ターン、咲side。

 

「スタートステップ、コアステップ……!」

 

順序良くステップを進めていく彼女、だが既に準備は万端。必要なキーカードは全て揃っている。後は実行するだけ、そう考えている彼女だったが、次のドローステップでカードを引いた瞬間思わず彼女の手が止まった。

 

「(何このカード? 私のデッキにこんなカード入れた筈ないのに?)」

それは彼女にとって見覚えのないカード。有る筈もないその一枚のカードに一瞬彼女の思考は止まり、疑問が浮かび上がる。

「咲? 急にどうしたんだ?」

「あっ、ごめんごめん。何でもない、続けよ?」

「?」

その様子を察してか気遣う和人だが、慌てたように手を振って平気な素振りを見せる咲。どちらにせよ、このターンでやる事は最初から決めている。その一枚について考える事は後にし、バトルに集中し直す。

 

[Hand]3枚→4枚。

[Reserve]21個→22個。

[Field]シノビチュウヒLv.2(3)。

 

「メインステップ、シノビチュウヒをレベルダウン。行くよ和人、私はこのターン、リザーブのコア全部使わせてもらうからね?」

「20個以上のコア全部って、何考えてんだよ!?」

「見てれば分かるよ、まずは一枚目、私の新しいキースピリット行くよ!」

「ここで来るか!」

「天を舞う空の帝、優美な翼を広げろ! 天帝ホウオウガをLv.3で召喚!」

 

雲色が変わり、中央に突如現れる巨大なエメラルド、途端そのエメラルドを中心に竜巻が巻き起こり、全てを吹き飛ばしかねないほどの強大な猛風を起こしながらエメラルドはゆっくりと天へと上がって行き、黒雲の中へと姿を消し、そこでエメラルドの砕けた音が響いたかと思うと突如天に風穴を開け、ゆっくりの優雅な翼を羽ばたかせながら降下する天帝ホウオウガの姿、その翼で羽ばたく風は台風を簡単に消し去り、カタストロフドラゴンは舞い降りるホウオウガの姿をしっかりと睨んでいる。

 

「ホウオウガ、それ確かハンナと交換してたスピリットだよな?」

「うん。バトルで使うのはこれが初めてだけどね」

「へぇー、ホウオウガ。カタストロフドラゴンと同じコスト10のスピリット。それを最高Lvで召喚なんて凄すぎるぜ」

「驚くのはまだだよ、さらにマジックでスピードスターを使用するよ。効果でこのターン、私のスピリットのアタックで和人のライフを減らせば、ボイドからコア2個をリザーブに置く」

「(またコアブースト? いや違う!)」

「アタックステップ、天帝ホウオウガでアタック!」

咲の指示にホウオウガは翼を羽ばたかせながら突き進み、ホウオウガが羽ばたくだけで強風が巻き起こり、スピリット達は吹き飛ばされまいと懸命に地面に踏ん張っている。

「攻撃はカタストロフドラゴンでブロックするぜ!」

「やっぱりブロックしてきたね」

「当然、俺だってホウオウガのLv.3効果は把握してるぜ」

ホウオウガLv.3の効果は自身のアタックで相手のライフを減らした時、自分のリザーブにあるコア1個をボイドに送る事で回復し何度でもアタックできる効果、普通はホウオウガをLv.3にするだけでも大量のコアを必要とし、リザーブにコアがほとんど残らず、そのコアをボイドに送っていくため、あまり何度もアタックはできない。だが彼女はコアブーストで大量のコアを確保し、さらにライフ減らした時、リザーブにコアを追加できるスピードスターの効果でホウオウガのデメリットを完全に補い、ライフで受ける限りホウオウガは何度でもアタックできる。だからこそブロックするしか防ぐ手はない。

 

「まずはホウオウガの効果、【暴風】! スピリットを3体疲労させるよ」

手に持つ槍を重ね合わせてホウオウガを受け止めるが、行く手を阻まれながらもホウオウガ翼を羽ばたかせ、先程以上の猛風が和人のスピリット達を襲い、その風はまるで力を奪う様にアポロディノス、ブロンズヴルム、カグヅチドラグーンの三体は脱力したように項垂れ、疲労する。

 

「(まだ咲の場にシノビチュウヒが残ってるけど、ホウオウガの攻撃さえ防げばこのターンは凌げる!)」

暴風の影響で全て疲労状態になったもののまだライフ3つもあり、これで大丈夫だろうと高を括って若干安心しきっていた。

「言ったよね? このターンでコア全部使い切るって!」

「!?」

「フラシュタイミング、シールティバグを【神速】で召喚、そのまま天帝ホウオウガに直接合体!!」

一旦ホウオウガはカタストロフドラゴンから離れて距離をとり、そこへ背後に出現するエメラルドからシールティバグが出現し、後退してきたホウオウガにそのまま取り付くと、シールティバグは変形し、ホウオウガは鎧の様なシールティバグのパーツを身に纏う。

 

「合体スピリットとなったホウオウガのBPは2万!」

相手の合体スピリットのBPを大きく上回り、ホウオウガはそのまま自分の周りに風を収束させた塊を無数に集め、それを一気にカタストロフドラゴンへと撃ち出し、放たれたそれはまさに風の弾丸。マシンガンの様に次々と放たれる風の弾丸を受け、カタストロフドラゴンの大きな体が後ろに押され始めていくが簡単にはやられない。カタストロフドラゴンは両手に持った槍を勢いよくホウオウガに向けて二つとも投げ付け、さらに超特大の火球を作り出すと、ダメ押しと言わんばかりにホウオウガに向けて放つ。それを見ると、ホウオウガもより多くの風を収束し、カタストロフドラゴンの火球に匹敵する程、巨大な風の塊を作り出すと、同じくそれをカタストロフに向けて撃ち出す。

 

あまりに強大な風の塊は最初にカタストロフドラゴンの投げ付けた槍を簡単に吹き飛ばし、特大の火球も徐々に風に吹き払われ、見る見る小さくなっていき、最後に火球は風塊を相殺する前に吹き消されてしまい、相殺する事無く風塊はカタストロフドラゴンへ直撃し、力尽きその場で大爆発を起こし、爆風からカタストロフドラゴンと合体していたスピニードハヤトが飛び出す。

 

「シールティバグの効果発揮、バトル時相手のスピリットだけを破壊した時このスピリットは回復する!」

「なっ!?」

「もう一度、合体スピリットでアタック!!」

ブロッカーはなく、アタックを防げるスピリットが居ない。例えいたとしても、シールティバグの効果でバトルに勝利する度に回復するのだから同じ事だ。ホウオウガはそのまま羽を飛ばしてバリアを攻撃し、衝撃にライフが砕かれる。

 

和人side。

【Life】3→2。

 

「スピードスターの効果発揮、自分のスピリットのアタックで相手のライフを減らしたのでボイドからコア2個をリザーブに追加。さらにホウオウガLv.3の効果、このスピリットのアタックで相手のライフを減らした時、リザーブのコア1個をボイドに置く事でこのスピリットは回復!」

スピードスターの効果で先程まで何もなかったリザーブにコアが2つ追加されたかと思うと、その内の1つが直ぐに消失し、ホウオウガは光を纏いながら再び起き上がる。

 

「天帝ホウオウガ、シールティバグ、スピードスターを組み合わせたトリプルコンボって訳かよ!」

「その通り、相手がブロックしてもライフで受けても関係なく何度でもアタックできる無限コンボ、これが私にとって最強の戦略だよ! もう一度ホウオウガでアタック!」

再びホウオウガは和人に向けて羽を飛ばしていき、防ぐ術のない天帝の攻撃を前にライフが削られていく。

 

和人side

【Life】2→1。

 

「これで最後、合体スピリットでラストアタック!」

「ライフで受ける!!」

 

羽を飛ばし、限界までダメージを受けたバリアをホウオウガは一気に爪を突き立ててバリアを破壊し最後のライフが砕かれる。

 

和人side

【Life】1→0。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「負けた負けた、すげーコンボだったぜ。咲」

「初めてのコンボ、上手く決まって良かったよ。コアが大量に居るから中々実現させづらかったんだよね」

「結局俺はコンボを決めるためにダシにされたって事かよ、まぁ良い勝負だったぜ?」

「うん、和人もすごかったよ。絶甲氷盾を引けなかったり、バーストセットしてたら負けてたのは私だしね」

勝負後互いに健闘を称え合う二人、だが勝負後和人にとって気になっている事が一つ残っていた。

「そう言えば、最後のターン。引いたカードに様子が変だったけど、結局何だったんだ?」

「あー、それね……実は」

デッキを確認し直しながら最後に引いたカードを和人に見せようとするが、そのカードが一瞬視界に入った途端、カードについて説明しようとしていた言葉を呑みこんでしまう。

「咲?」

「……あぁ、ごめんごめん。結局何でもなかったよ? 私の唯の気のせい。変に気を使わせてごめんね」

「えっ? うん、それならいいけど?」

咲の様子を不審に思いながらも、特に和人もあまり深入りしないようにした。咲はそのままデッキをケースの中にしまうが、問題のカードが怪しく光っている事に和人が気付く筈はなかった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

同じ頃、ダイキ達が縄張りとしている廃墟に踏み入れる一人の男、フードを身に纏いスポンサーと呼ばれている男、その男が着た途端いつから居たのか、物陰からダイキが顔を出す。

 

「よぉスポンサー、久々だな」

「あぁ、だが無駄話をする気はないよ? 単刀直入に言う。私の計画は最終段階に移ろうと思う。協力してくれるね?」

「それが終われば、正式にデュアルベルガスのカードは俺のもんって訳だな」

「勿論、最初に話した契約通りさ」

「なら協力するさ、で? 何をすればいいんだ?」

「既にアキラにはする事は伝えてある。君にやってもらう事はただハイドカード所有者を集める事さ」

「それだけか? そんなもんお安い御用だ」

不敵に笑いながらその場を後に、影の中へ姿を暗ましていく二人、スポンサーは胸の内に隠した企みに少し笑みを見せる。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「こんなところに呼び出して何の用? 兄ちゃん」

舞台は代わり、ダイキ達が縄張りとしているところとはまた違った人気のない廃墟、そこに佇むハンナの目の前には、彼の兄であるアキラの姿があった。

「本来ならお前に用事なんかないが、依頼となれば仕方ないんでな」

「依頼、どういう訳?」

「知る必要はない、ただここで俺とバトルしろ、要件はそれだけだ」

「バトル? へぇー、僕程度の実力じゃ話にならないんじゃないの?」

「言ったろ、依頼となれば仕方ないと。俺個人は弱い弟と戦う気は毛頭ない」

「好き放題言ってくれるじゃん。和人兄ちゃんに頼もうと思ったけど、そこまで煽られちゃ引き下がれないね、この場で今の兄ちゃんの腐った考えを全部僕が叩き潰してあげるよ!」

互いにデッキを取り出し、睨み合う二人。

 

「「ゲートオープン、界放」」

コールと共に二人はバトルフィールドへと転送され、その場から姿を消した。

 




いかがでしたでしょうか?今回のバトル、地味に和人vs咲のバトルをフルで書いたのは今回が初めてだったりします。なので今回二人の書けてよかったです(笑)
今回咲のデッキは割とミロクさんを意識してたりしてます。「もっともっとほしいな」と言いながら大量コアと手札を確保していくミロクさんのボス感半端なかったですね。違いとしてはミロクさんの場合は増やしたコアで大量スピリットの展開、咲の場合は大型スピリットを使っての必殺コンボといった具合です。20個以上のコアを1ターンで使うのはリアルのバトルでもなかなかないので、小説で書いててロマン感がありとても楽しかったです。ネイチャーフォースが禁止になってるのでリアルでは実現しにくいところ(汗)

本編のほうですが、先に言わせていただきますともうすぐ最終なのでシリアス展開全開で活かしていただきます。伏線の追加と回収作業が忙しくなります(笑)
本編は40話程で終了予定としてます。多分本編でアルティメット追加できないかな(;´・ω・)文章力はできるだけ限界以上まで頑張って引き出しますので、どうかこれからも読んでいただるなら号泣してお礼申し上げます!←
明日はバトスピ烈火伝なので見逃さないでね(ステマ)
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