どうかその気合が空回りしていなかったと思いたい!( ;∀;)←
まぁ前回の話を読んで、今までの小説逃れから大体誰がバトルするのかは予想がつく方と思います。でも案外その予想を裏切るかもしれない(笑)何て言う冗談はさておき、今回もぜひ一目見ていただき、暇つぶしにでも何でもお役に立てれば幸いです。
「俺と戦えッ!!」
デッキを構えながら強く言い放ち、その迫力に思わずたじろぐ和人達。
「ちょっと、こんな時に横入りなんて図々しいにも程があるんじゃない?」
「赤デッキの使い手でもない奴は引っ込んでろ、俺が今用があるのはこの試練とやらを受ける資格がある奴だけだ!」
「ッ!」
アキラの言葉に反論できないのか、悔しがりながらもアキラの言葉に身を引く川村。だが部外者であるアキラの乱入に黙ってられないのは彼女だけではない。
「アキラ君、だったね。君は何故伝説のカードを求める?」
「知れた事。失ったバーニングドラゴンの埋め合わせをその伝説のカードで埋め合わせる。ただそれだけだ! そして今度こそ、あの女とガルドを叩き潰す!」
モルクの問いに、ダイキと同じく敗北した屈辱を思い返しながら強く言い放ち、アキラの言葉にアークは「ちょっといいか」と口を挟む。
「つまりあの男の復讐って訳か。その気持ちは分からんでもないが、けどだからと言って、部外者がここに割り込むのは了承できねぇな」
「部外者だと? なら言わしてもらうがそこの雑魚に負け、さらにこの試練に一度失敗し試練を受ける資格そのものが無くなったお前の方がよっぽど部外者じゃないのか?」
「何!?」
「俺も一応赤デッキでな、俺にも試練を受ける資格がある以上、他人に文句は言わせない!」
「っ!!」
和人を指さしながらアークへと強く言い放ち、返す言葉がないのか言葉を詰まらせるアーク。和人もアキラの対し、今すぐにでも突っかかろうとするが、それをハンナが止める。
「和人兄ちゃん、兄ちゃんと戦って」
「ハンナ?」
「アキラ兄ちゃん相手じゃ残念だけど僕は歯が立たない。けど和人兄ちゃんなら勝つかもしれない! そう思うんだよ」
「でも別に和人とハンナ君が戦えばいいし、アキラさんとやる必要はないんじゃない?」
咲の言葉にハンナは「嫌」と直ぐに否定しながら続けていく。
「戦う機会があるのならもう一度和人兄ちゃんに兄ちゃんと戦ってほしい! 前に僕言ったよね? 和人兄ちゃんは兄ちゃんを変えられるかもしれない存在だって。だから僕はこのバトルに掛けたいんだよ!!」
「……ハンナ君」
ハンナの必死の訴えに、何を想うのかハンナの頭に手を置き、静かに笑って見せた。
「任せとけ、俺も借りがある以上挑まれた勝負は受けて立つ! 今度は絶対が俺が勝つから信じてくれ!!」
「うん、頑張ってよね! 応援してるよ!」
「ようやく決まったみたいだな」
「あぁ、アキラ! あの時のリベンジさせてもらうぜ」
デッキを構えながら、自分の対戦相手が和人に決まると半ば予想していたものの、予想通りの結果に少しだけため息をつく。
「……この世界に来る前にも言ったよな、俺はお前が嫌いだと」
「……あぁ」
「前にバトルした時からずっとお前のその諦めの悪い表情がチラついて、苛立って仕方がなかったよ、だからこそ前のバトル以上に潰させてもらうぞ?」
「上等だ! 俺だってもう負けねぇ!!」
互いに睨み合い、そしてデッキを構えてお互いにコールする。
「「ゲートオープン! 界放ッ!!」」
二人の宣言と共に、二人の姿はその場から消えバトルフィールドへと戦う舞台を変える。
***
────第1ターン、和人side。
[Reserve]4個。
[Hand]4枚→5枚。
「メインステップ! 双翼乱舞を使用! 効果でデッキから2枚ドローする。これでターンエンド!」
────第2ターン、アキラside。
[Reserve]4個→5個。
[Hand]4枚→5枚。
「メインステップ。ネクサス、剥がれ落ちるウロコ山を配置。これでターンエンドだ」
以前戦った時と同じく二人とも序盤はアタックせずに場と戦略を優先させる。和人にとっては一度負かされた因縁の相手、場は静かに静寂しているがそれはまるで嵐の前の静けさのように感じられる。
────第3ターン、和人side。
[Reserve]4個→5個。
[Hand]6枚→7枚。
[Field]なし。
「一気に行くぜ! バーストセットしてカグヅチドラグーンを召喚! そのままアタックステップ! カグヅチドラグーンでアタックだ!」
「ライフで受ける」
先手を仕掛ける和人、カグヅチドラグーンの効果で1枚ドローしそのままアキラへと突っ込むカグヅチドラグーン、攻撃に対し吐き捨てるように宣言するとカグヅチドラグーンは火炎放射をバリアに浴びせて破壊する。
アキラside
[Life]5→4。
「これでターンエンド」
────第4ターン、アキラside。
[Reserve]6個→7個。
[Hand]4枚→5枚。
[Field]剥がれ落ちるウロコ山Lv.1(0)。
「なぁアキラ、一ついいか?」
「気安い。まだバトル中だぞ?」
「いいから聞けよ! このバトル、お前は何の為に戦ってんだよ」
「……はぁ?」
「前にお前とバトルした時からずっと気になってた。ハンナからもお前の事を聞いた。でも俺はそんなの────」
「間違ってる。そう言いたのか?」
最後まで聞かずとも和人が何を言いたのかは分かっていた。その先の言葉を先にアキラが代弁し、アキラの言葉に和人は静かに頷き、それに対して苛立つように歯を喰いしばりながらも、感情を押し殺す。
「他人に口出しされる覚えはない。俺は俺のやり方を選んだそれだけだ」
「俺は、バトルを純粋楽しむことを諦めてほしくなかった! ハンナだってそれを望んでる!!」
必死に訴える和人だったが、アキラは無表情のまま「勘違いするなよ」と、和人の言葉を否定するように吐き捨てた。
「俺は諦めたんじゃない、望んで捨てたんだ。相手を圧倒的な力で叩き潰す事、ただそれだけが俺のバトルの喜びだ! そしてそれこそが俺のバトルにとっての価値だ!!」
「!!」
少しだけ張り詰めたように声を荒げるも、「取り乱したな」とまた冷静に戻り、冷淡に言葉を続けていく。
「お前が何を考えようとも俺は俺のバトルを貫く。その為にはお前を叩き潰し、ゴッドキャリバスのカードを手に入れる」
「させねぇ、ハンナの為にもこのバトルに絶対勝ってお前の目を覚まさせる!」
「やってみろ。このバトルで二度と俺の前に立てないよう、お前をここで叩き潰す」
話を切り終えると、「行くぞ」、とアキラの掛け声とともにバトルに意識を戻す。
「ピナコチャザウルス、ブロンソードザウルスを連続召喚。ピナコチャザウルスはLv.1から緑のスピリットとして扱われ、そして次にブロンソードザウルスの召喚時効果発揮」
ブロンソードザウルスの召喚時効果は相手ネクサスの破壊。和人の場にネクサスはなく、効果は不発に終わるが効果はそれだけでは終わらない。
「ピナコチャザウルスの緑シンボルを条件に【連鎖】発揮だ。ボイドからコア1個をこのスピリットに置く」
「ならその召喚時効果貰うぜ! 相手スピリットの召喚時効果発揮後でバーストだ!」
「!」
「バースト発動! 皇牙獣キンタローグベアー!」
条件を満たして弾け飛ぶバーストカード、キンタローグベアー。そのバースト効果は相手のBP4000以下のスピリットを二体破壊する効果。フィールドにまるで幻のように半透明な姿のキンタローグベアーが出現すると、背の車輪を回転させながら両手に炎を灯し、ピナコチャザウルスとブロンソードザウルスに狙いを定めると、そのまま両手の炎を撃ち出し、炎に吹っ飛ばされた二体は消滅する。
「バースト効果でさらに1枚ドロー、どうだ! これでスピリットは全滅だぜ!」
「浮かれるな、ダークディノニクソーをLv.2で召喚。さらにマジック、ラッシュドロー。二枚引いた後、デッキから2枚をオープン。【連鎖】を持つスピリット、またはブレイヴを手札に加える」
オープンしたカードは黄昏の暗黒銀河とネガナインテールダーク。マジックの効果に従い、黄昏の暗黒銀河をデッキに上に戻し『ネガナインテールダーク』のカードを手札に加える。
「さらにマジック、ジュラシックフレイム。効果によりBP3000以下のスピリット、よってカグヅチドラグーンを破壊する!」
「っ!!」
お返しと言わんばかりにマジックによる反撃。炎がカグヅチドラグーンを焼き尽くし、消滅させられてしまい、それを見届けるとターンエンドと宣言した。
────第5ターン、和人side。
[Reserve]5個→6個。
[Hand]7枚→8枚。
[Field]なし。
「メインステップ! ライトブレイドラ、さらにブロンズヴルムをLv.2で連続召喚! さらにバーストセット!」
再び場を固めて準備を終えると、そのまま「アタックステップ!」と、力強い宣言に、和人のスピリット達はいつでも行動できるように即座に構える。
「ブロンズヴルムでアタック!」
「ライフで受ける」
攻撃指示にアキラへと真っ直ぐ突き進んでいき、そのまま展開されたバリアを殴りつけ、ライフを破壊する。
「ぐぅッ!!」
アキラ side。
[Life]4→3。
「これでターンエンド」
────第6ターン、アキラside。
[Reserve]7個→8個。
[Hand]3枚→4枚。
[Field]ダークディノニクソーLv.2(2)BP4000、剥がれ落ちるウロコ山Lv.1(0)。
「メインステップ、黒剣竜レックスビートザウラーをLv.3で召喚!」
長い尾を持つ恐竜、レックスビートザウラー。出現するなり、眼光を赤く光らせブロンズヴルムを強く睨み付けると、まるでブロンズヴルムは蛇に睨まれた蛙のようにピクリ、とも動かなくなってしまう。
「!?」
「コイツの召喚時、相手の【強化】を持つスピリットを1体破壊する。よって、ブロンズヴルムを破壊させてもらう」
動けないブロンズヴルムに迫っていき、長い尾をまるで槍の様にブロンズヴルムを突き刺し、破壊されてしまう。
「ブロンズヴルム!」
「さて、そろそろ俺も攻撃させてもらうぞ?」
「!」
「アタックステップだ、レックスビートザウラーでアタック!」
「ライフで受ける!」
ブロックしても返り討ちに合うだけ。和人の宣言にバリアが展開され、レックスビートザウラーは全身を使ってバリアに突進し、そのまま弾かれながらも長い尾を駆使して追撃するようにさらにバリアを叩き付け、衝撃にライフが砕ける。
和人side。
[Life]5→4。
「ッ! ライフ減少時バースト発動、絶甲氷盾!」
「いきなり白のバーストか」
「ボイドからコア1個をライフに追加。さらにコストを支払って、相手のアタックステップを強制終了させる!」
「ターンエンドだ」
和人side。
[Life]4→5。
折角減らしたライフがまた元に戻り、ダークディノニクソーは今度は自分が攻撃すると言いたげに構えているが、その行く手を吹き荒れる猛吹雪が阻み、アタックはできず冷静にターンを終えた。
────第7ターン、和人side。
[Reserve]6個→7個。
[Hand]5枚→6枚。
[Field]ライトブレイドラLv.1(1)BP1000。
「メインステップ! もう一度バーストセットして魔炎の剣使いシュマルドを召喚」
「シュマルド、マジック対策って訳か」
魔炎の剣使いシュマルドは赤のスピリット全てに相手のマジックによって手札やデッキに戻らない効果を与える。アキラのデッキは赤白デッキで当然マジックによるバウンス効果も狙っている。それを防ぐためのシュマルドを呼び出した。
「(俺との対戦以降、その対策カードも既にデッキに入れていたか)」
「さらにマジック、双翼乱舞。効果で二枚ドロー。アタックはしない、これでターンエンド」
今は守りを固めるべきと判断したのか、それ以上何もせずにターンを終えた。
────第8ターン、アキラside。
[Reserve]3個→4個
[Hand]3枚→4枚。
[Field]黒剣竜レックスビートザウラーLv.3(5)BP8000、ダークディノニクソーLv.2(2)BP4000、剥がれ落ちるウロコ山Lv.1(0)。
「メインステップ、レックスビートザウラーとダークディノニクソーをLv,1にダウン」
リザーブにコアを集め、それが何か仕掛ける為であることは簡単に想像がつく。「行くぞ」、と手札を構えるアキラに思わず身構える。
「闇の空に君臨しせし皇! 黒皇機獣ダークネスグリフォンをLv.2で召喚!」
何もない上空、それが突如まるでガラスの様に亀裂が入ったかと思うと、空間を裂き、白い機械の翼を広げ、上空より飛来するスピリット────ダークネスグリフォン。砂埃を巻き上げながらフィールドへと着陸し、舞い散る砂埃を咆哮で一瞬で吹き払いその姿を現す。
「不足コストでダークディノニクソーを破壊。さらに召喚時効果!」
「!」
ダークネスグリフォンはフィールドに現れるや否や両翼を勢い良く羽ばたかせ、激しい強風を巻き起こす。ライトブレイドラとシュマルドは吹き飛ばされまいと地面に強く踏ん張るが、ダークネスグリフォンはより強風の威力を上げると、二体はあまりの強風に堪え切れずについに吹き飛ばさ、吹き飛ばされた2体は和人の手札へと戻る。
「!」
「召喚時、相手スピリット2体を手札に戻す。幾らシュマルドがいようとも対象は悪魔でマジック。スピリット効果じゃ防ぐ術はない」
「ぐっ!!」
「さらに剥がれ落ちるウロコ山の紫シンボルを条件にダークネスグリフォンの【連鎖】を発揮させる。効果により、2枚デッキからドロー」
和人の場に防御するスピリットはなく、当然アキラが攻める絶好のチャンス。続くアタックステップに、レックスビートザウラーとダークネスグリフォンは和人に対して敵意を剥き出しに攻撃の態勢に入る。
「攻め時だな。レックスビートザウラー、ダークネスグリフォンやれ!」
「っ!! どっちも、ライフで受ける!!」
最初にレックスビートザウラーが長い尾をバリアに叩き付け、続くダークネスグリフォンは翼に仕込まれた銃口をバリアに向け、そのまま連射し、幾つもの銃弾にバリアが破壊される。
「ぐああッ!!」
和人side。
[Life]5→3。
流石にライフを二つ一気に失い衝撃に足を引き摺らせるが、失ったライフに構う事無く、伏せたバーストカードに視線を置く。
「行くぜ、俺のライフ減少時にバースト発動!」
ライフ減少に合わせてバーストカードが弾け飛び、そのカードを手に取り、発動したバーストカードは龍の覇王ジークヤマトフリード。そのカードを見ると、それを予期していたように「やはり」と冷淡に呟いた。
「バースト効果、俺のライフが3以下なら相手のBP15000以下のスピリットを一体破壊し、このスピリットを召喚! 対象はダークネスグリフォンだ!」
当然狙いは相手の主力スピリット、バースト発動に合わせて上空に立ち込める黒雲。そして突如として空より炎が降り注ぎ、それはダークネスグリフォンへと降り掛かると、あまりに高温の炎にダークネスグリフォンは耐え切れず爆発を起こし、ダークネスグリフォンが倒れるのを見届けた後、ジークヤマトフリードは黒雲を裂いて姿を現す。
「どうだ! これでお前のキースピリットは倒したぜ!」
「…………」
ダークネスグリフォンを倒し、これで優勢に立てる。そう考え喜ぶ和人。フィールドの状況にアキラは表情を変えず無言のままだったが、和人の表情を見て、一瞬だけ鼻で笑って見せた。
「?」
「最初に俺は言った筈だ、『浮かれるな』と」
「何!?」
「御目出度いんだよお前は。お前が龍の覇王をバーストセットしていた事ぐらい簡単に予測していた、その俺が無暗にアタックを仕掛ける訳ないだろ?」
「どういう意味だ!」
「これからすぐに起こる事だ、黙って見てろ。まずは【連鎖】を持つダークネスグリフォンが破壊されたこの瞬間、ネクサス、剥がれ落ちるウロコ山の効果が発動する!」
・【剥がれ落ちるウロコ山】5(赤2 紫1)赤紫、ネクサス。
Lv.1(0)、Lv.2(1)
Lv.1、Lv.2『自分のアタックステップ』
【連鎖】を持つ自分のスピリットが、相手の効果によって破壊された/手札に戻ったとき、相手のスピリット1体を破壊する。
Lv.2『自分のアタックステップ』
【連鎖】を持つ自分のスピリット全てをBP+3000する。
「つまりジークヤマトフリードを破壊だ!」
「なっ!!?」
ネクサスより放たれる紫の波動、それはジークヤマトフリードへと直撃し、ジークヤマトフリードは吹き飛ばされ、消滅させられてしまう。
「ヤマトォッ!!」
「他愛もないな。お前はダークネスグリフォンを俺のキースピリットだと思ってたみたいだが、俺にとってはキースピリットでも何でもない」
「何!?」
「始めからお前のジークヤマトフリードを倒すための捨て駒だ。つまりキースピリットを破壊されたのは俺じゃなく、お前だけだ」
「ッ!! ふざけんなよ、スピリットは捨て駒なんかじゃない!!」
「俺にとってはただの捨て駒で、道具に過ぎない」
「ざっけんじゃねぇ!!」
拳を強く握りしめながら、アキラの言葉に怒りを隠せず、黙らせるように怒声を上げる。
「俺にとって、嫌俺達カードバトラーにとって、スピリットは一緒に戦ってくれてる大切な仲間だ。それを道具扱いする奴は俺は誰だろうと絶対に許さねぇ!!」
必死に訴える和人の姿、その姿に何かを感じたのか、アキラの脳裏にまるで電流が走るような感覚が伝わり、それに思わず頭を抑える。
「ッ!」
「?」
「(……アイツが何を言おうが俺には関係ない。関係ない筈なのに何故、なぜアイツの言葉はこんなにも俺にとって腹立だしいッ!!)」
湧き上がる怒りの感情、それを必死に押し殺し、まだ続く自分のターンに意識を切り替える。
「幾ら戯言をほざこうが俺の勝ちは揺らがん。自分のコスト6以上のスピリットが破壊された時、手札にあるこのカードはノーコストで召喚できる!」
以前、川村との試合でも使用し、ラッシュドローでも手札に加わっていた為、何を呼び出そうとしているのかは容易に察しがついた。
「ネガナインテール!」
「あぁその通り。狂気の獣、絶望の爪を駆り立てろ、黒天狐ネガナインテールを召喚!」
氷の結晶が円を描くようにフィールドに隆起し、中央に一際大きい氷が出現すると、結晶を砕き、姿を現すネガナインテール、姿を見せるなり天に向かって吠えると、共鳴するかのように周囲の氷が弾け飛ぶ。
「さらにアタックだ。ネガナインテール、叩き潰せ!」
アキラの指示に再び吠え、駆けだすと搭載した砲台を構え、粒子砲をバリアに向けて放ち、粒子砲がバリアへと直撃し、光で一瞬視界が覆われ、視界が晴れる頃にはいつの間にかネガナインテールはすぐ目の前まで迫り、九尾の尾を叩き付け、バリアを完全に破壊する。
「うわあああッ!!!」
和人side。
[Life]3→2。
「これでターンエンド」
────第9ターン、和人side。
[Reserve]11個→12個。
[Hand]7枚→8枚。
[Field]なし。
「メインステップ! バーストセットしてライトブレイドラと魔炎の剣使いシュマルドをLv.2でもう一度再召喚。さらにマジック、フレイムフィールドを使う!」
「!」
・【フレイムフィールド】5(3)赤、マジック。
『メイン効果』お互いスピリット全ては、効果によって疲労せず、フィールドから手札/デッキに戻らない。
『フラッシュ効果』このターンの間、スピリット一体をBP+3000する。
「今度はスピリットの効果も対応できるぜ、アタックステップだ! 魔炎の剣使いシュマルドでアタック!」
「ライフで受ける」
自信の魔力で剣に炎を灯すと、展開されたバリアを炎を纏わせた剣で一刀両断、そのまま破壊する。
アキラside。
[Life]3→2。
「ターンエンド」
────第10ターン、アキラside。
[Reserve]10個→11個。
[Hand]4枚→5枚。
[Field]黒天狐ネガナインテールLv.1(1)BP6000、黒剣竜レックスビートザウラーLv.1(1)BP4000、剥がれ落ちるウロコ山Lv.1(0)。
「黒天狐ネガナインテールをLv.2に、レックスビートザウラーをLv.3にアップ」
場のスピリットのレベルを上げて手堅く場を固め、さらに手札の一枚に手を掛ける。
「月夜に輝く蒼白のソードブレイヴ、白夜の宝剣ミッドナイトサンをそのままネガナインテールに
空より降り落ちるソードブレイヴであるミッドナイトサン。フィールドへと突き刺さり、氷のように冷たいその刃は、切っ先までも氷に覆われている。その刃にネガナインテールは喰らい付き、氷を砕いて引き抜き、ソードブレイヴスピリットとなり、力強く雄叫びを上げる。
「アタックステップ、ソードブレイヴスピリットでアタックだッ!」
ネガナインテールはバトル時、このスピリットのBP合計まで相手スピリットを好きなだけ手札に戻す効果を持つ。ネガナインテールはミッドナイトサンを振り下し、斬撃波を起こすとそれは和人のスピリット達へと迫っていくが、フレイムフィールドから放たれる赤のオーラが和人のスピリット達を守る。当然アキラはその結果が最初から分かり切っていた。だからこそ彼の狙いはその先にある。
「白夜の宝剣ミッドナイトサンの合体時効果は合体したスピリットの【連鎖】を無条件で発揮させる事、そしてネガナインテールの【連鎖】の効果! お前はこのターン、バーストを発動できず、このスピリットは相手のスピリットからブロックされない」
「!?」
「つまり、これで終わりだ」
ブロックされない効果を持つスピリットを止める方法はなく、ソードブレイヴスピリットのアタックをライフで受ければその時点で決着となる。バーストに何を伏せようとも発動そのものができなければ警戒する必要もない。和人へと迫っていくソードブレイヴスピリット、その姿を一目だけ見ると、既に勝負はついたと確信し、視線をフィールドから外すアキラだったが、その姿に「待てよ!」と呼び止める。
「まだ俺はこんなところで負けられない! シュマルドのコア2個を使って、フラッシュタイミングでマジック、双光気弾!!」
「!?」
マジックより放たれる火球、それは和人に向けて刃を振り下そうとしたネガナインテールへと放たれ、不意を突かれたのか避けることができずに直撃を受け、咥えていたミッドナイトサンは破壊される。
「そのアタックはライフで受けるぜ!」
ブレイヴを失ったことでブロックはできるもののあえて防がず、ネガナインテールはバリアに九尾の尾を叩き付けて破壊し、衝撃が襲う。
「ッ!!」
和人side。
[Life]2→1。
「チィッ、どこまでもしぶとい!」
「諦めの悪さが取り柄だからな」
「……ターンエンド」
舌打ちながらもそれほど動揺することは無く「次は決める」と念を押すように言葉を吐き捨てると、ターンを終える。
────第11ターン、和人side。
[Reserve]11個→12個。
[Hand]3枚→4枚。
[Field]ライトブレイドラLv.1(1)BP1000、魔炎の剣使いシュマルドLv.1(1)BP4000。
「マジック、三札之術!」
マジックの効果は2枚引いた後、次にデッキの上のカードが赤のスピリットなら手札に加えられる効果、そしてデッキの上をオープンし、そのカードはブロンズヴルムの為、問題なく手札に加えられる。
「手札に加えたブロンズヴルムを召喚し、さらに手札から電竜機トランスファードラゴンをシュマルドに
和人が新たに呼び出すのは、体にバチバチッ、と身に電流を帯びる竜、トランスファードラゴン。それは形状変化させてシュマルドへと合体すると、シュマルドの背に翼が取り付けられ、トランスファーが帯びていた電流はシュマルドへと受け継がれ、より力が高まったことを示すように大きく吠える。
「合体スピリットをLv.3にして、アタックステップだ! 合体スピリットでアタック、シュマルドのアタック時効果発揮、相手のBP6000以下のスピリットを破壊。それに【2強化】追加してBP8000以下のレックスビートザウラーを破壊する!」
シュマルドは一気に飛び立ち、レックスビートザウラーに向けて炎を撃ち出し、その炎に焼かれレックスビートザウラーは破壊される。
「さらにトランスファードラゴンの合体アタック時効果! BP7000以上の相手のスピリットに指定アタックができる!」
「!」
「ネガナインテールに指定アタックだ!!」
「いいだろう。だがそこまでだ、フラッシュタイミングでウインドウォール!」
「!」
「アタックはネガナインテールでブロック、そしてバトル終了時にお前のアタックステップを強制終了させる」
・【ウインドウォール】4(2)白、マジック。
『フラッシュ効果』このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。
【連鎖:緑(自分の緑シンボルがあるとき、続けて効果を発揮する)】
相手のスピリット一体を疲労させる。
[Battle]魔炎の剣使いシュマルド×電竜機トランスファードラゴンLv.3(5)BP9000vs黒天狐ネガナインテールLv.2(3)BP8000。
翼を羽ばたかせて迫る合体スピリット、ネガナインテールも迎え撃たんとスラスターを起動させて上空に飛び上がり、九尾の尾を振り翳し、合体スピリットも手に持つ剣を振り下して相殺し、両者上空で弾かれる。
ネガナインテールは弾かれながらも、自身に搭載された銃と砲台を合体スピリットに向けると、照準を定めて一斉射撃を放ち、合体スピリットはそれに対し、身に帯びた電気を一気に放電すると、全ての銃弾を電撃で叩き落とし、砲台から放たれる粒子砲は炎を纏わせた剣で一閃。そして剣に炎だけでなく電気をも纏わせると翼を羽ばたかせて一気にネガナインテールへ急接近し、寄せ付けまいと粒子砲を再び発射するが、一切怯む事無く剣の切っ先で粒子砲を受け止め、そのまま突き進んでいき、粒子砲ごとネガナインテールを貫き破壊されたネガナインテールは爆発を起こす。
だがバトル後にマジックの効果によって吹き荒れる風が爆風をすぐに吹き消し、あまりの強風にブロンズヴルムとライトブレイドラは身動きが取れず動くことができなくなってしまう。
「ッ! ターンエンド!」
────第12ターン、アキラside。
[Reserve]13個→14個。
[Hand]3枚→4枚。
[Field]剥がれ落ちるウロコ山Lv.1(0)。
「今度こそ本当に終わらせてやる! ピナコチャザウルス召喚。さらにもう一体、破壊の牙を突き立てろ! 闇龍ダークティラノザウラーをLv.3で召喚だ!」
大地に亀裂が入り、割れた大地を砕きながら姿を現すダークティラノザウラー。
「仕上げの施しだ! 光掻き消す黒き剣、手札から暗黒の魔剣ダークブレードをダークティラノザウラーと
降り落ちるダークブレード、その持ち手をダークティラノザウラーが長い尻尾を巻き付けて引き抜きソードブレイヴスピリットとして轟音を轟かせ、天に向かって吠えるそのスピリットの姿はアキラにとって、この勝負を決めるにおいて最もふさわしいスピリットとして映っていた。
「まだだ、ダークブレードの召喚時効果発揮でバースト発動させてもらうぜ!」
ダークブレードの召喚時効果は相手ネクサスを破壊して1枚ドローする効果。和人の場にネクサスはなく、効果は不発だがそれでも発動した扱いにはなり、バーストの条件を満たし、発動したバーストはドラグクリシュナー。
「ドラグクリシュナーを召喚し、さらに手札のバーストカード1枚をセットする!」
「関係ない。どの道これで終いだ、今度こそお前を……!!」
「!」
和人を強く睨みながら、そのままアタックステップを行うと、ソードブレイヴスピリットは眼光を輝かせより大きな咆哮を上げ、さらにその力を上昇させる。
「アタックステップ開始時、ダークティラノザウラーの効果でソードブレイヴスピリットのBP18000、そしてダークブレードの効果は相手スピリットへの指定アタック。バトルに勝てばピナコチャザウルスの緑シンボルで【連鎖】が発揮され、お前の最後のライフを削れる。つまり幾らブロッカーがいようと、スピリット一体を倒せば決着だ」
「もう勝負は決まった」と、そう言いたげに説明し終えるが、それでも和人の表情は以前、真剣で勝負を諦めた様子はなく、その事に対し、苛立ち気味に歯を喰いしばる。
「……どうしてだ?」
「?」
「こんな状況でも、何故諦めない! 何でお前はまだ戦おうとする!!」
積もり積もった腹立だしい気持ちをついに殺し切れず、声を荒げながら必死に問いかける。アキラの様子に一瞬たじろぎながらも、それでも自分の答えは変わらない。
「単純にバトルが好きだからだよ。だから例えどんな状況でも俺は絶対最後まで勝負を諦めない!!」
「ッ!!」
和人の言葉にまた脳裏に電流が走るような感覚に頭を抑えるも、直ぐにその手をどけてフィールドを見直し、集中する。
「俺のやることは変わらない、お前を叩き潰す! それだけだ!! ソードブレイヴスピリットでアタック! アタック時効果発揮! ドラグクリシュナーを破壊だッ!!」
ダークティラノザウラーはさらに強く咆哮を上げると、あまりに強い咆哮は衝撃波となってドラグクリシュナーへと襲い掛かり、吹き飛ばされて消滅させられる。
「相手による自分のスピリット破壊でバースト発動! 五輪転生炎! バースト効果でドラグクリシュナーを残す!」
「そんなもん意味ねぇよ!! ソードブレイヴスピリットでお前の合体スピリットに指定アタック!!」
[Battle]ダークティラノザウラー×暗黒の魔剣ダークブレードLv.3(5)BP18000vs魔炎の剣使いシュマルド×電竜機トランスファードラゴンLv.3(5)BP9000。
出現した火の輪から再び舞い戻るドラグクリシュナーだが、アキラの言葉通りそれに構う必要はない。ダークティラノザウラーは復活したドラグクリシュナーに対しては気にも留めず、ただ合体スピリットの一体のみに視界を向けて突っ込み、尻尾に巻き付けたダークブレードを振り回しながら迫り、シュマルドは炎を放って迎撃するがダークティラノザウラーはそれをダークブレードの一閃で掻き消すと、そのままダークブレードを振り下し、咄嗟に剣で受け止めるも衝撃を受け止めきれずに弾き飛ばされる。
「これで決まりだッ!! かッ消えろ!!」
荒ぶる感情を剥き出しに叫び、アキラの感情にダークティラノザウラーも呼応するように咆哮を轟かせる。その迫力に気押されながらも負けじと和人も手札の一枚に手を掛ける。
「まだ終わらせねぇ!! フラッシュタイミングでマジック! ファイアーウォール!」
「!!?」
「合体スピリットを破壊して、アタックステップを強制終了させるぜ!」
バトルでは追い詰められる合体スピリット、止めを刺そうとダークブレードを振り下すが突如合体スピリットはブレイヴしているトランスファードラゴンごと炎に包まれ、その炎は瞬く間に燃え広がって壁となり、炎の壁に攻撃を阻まれてしまう。
「クソ、何故だ! 何故だ!! 一度ならず二度までも!!」
冷静さを保てなくなったのか、苛立つ感情に拳を壁に叩き付けるも、アキラにこれ以上攻撃する手段はなく、やむを得ず「ターンエンド」と宣言するしかなかった。
────第13ターン、和人side。
「コアステップ! ドローステップ……!」
このターン引いたカードはシャイニングソード、ハンナに託され今この場で来たことに運命さえ感じつつ、バトルを続ける。
[Reserve]11個→12個。
[Hand]2枚→3枚。
[Field]ドラグクリシュナーLv.1(1)BP3000、ブロンズヴルムLv.1(1)BP3000、ライトブレイドラLv.1(1)BP1000。
「メインステップ! ハンナのカード、使わせてもらうぜ! 煌きの炎を纏いし剣、輝きの聖剣シャイニングソードを召喚!」
「!!」
ハンナのカードに少しだけ動揺したように見え、それに笑いながらもバトルを続けていく。
「シャイニングソードの召喚時効果! 相手のBP3000以下のスピリットを全て破壊! ピナコチャザウルスを破壊するぜ!」
剣より放たれる炎がピナコチャザウルスを焼き尽くし、破壊後シャイニングソードの効果で1枚ドローし、「さらに」と止まる事無く続けていく。
「ブロンズヴルムを【転召】! 炎纏いし龍の皇、剣龍皇エクスキャリバスを召喚ッ!」
ブロンズヴルムが炎に包まれ、転生するかのように炎より飛び出すエクスキャリバス。火の粉で身を輝かせながら力一杯に咆哮を響き渡らせる。
「さらにエクスキャリバスとシャイニングソードを合体してLv.2にアップ!」
地面に突き刺さったシャイニングソードをそのままエクスキャリバスは咥え、ソードブレイヴスピリットとなり、ダークティラノザウラーに負けない程の咆哮を轟かせる。
「もう一枚、マジック、ドラゴンズラッシュ! ソードブレイヴスピリットに対象に使用する!」
・【ドラゴンズラッシュ】6(4)赤、マジック。
『メイン効果』このターンの間、系統:「翼竜」/「竜人」/「古竜」を持つ自分のスピリット全てはBPを比べ、相手のスピリットだけを破壊したとき回復する。
『フラッシュ効果』このターンの間、スピリット1体のBPを+3000する。
「アタックステップだ! ドラグクリシュナーでアタック!!」
「……お前なんかに負けられるか!! これがラストの一枚だ! フラッシュタイミングでマジック! エターナルディフェンス!!」
「!!」
・【エターナルディフェンス】3(3)白、マジック。
『フラッシュ効果』自分のスピリット1体を指定する。このターンの間、指定されたスピリットは疲労状態でブロックできる。
「ソードブレイヴスピリット、ブロックしろッ!!」
[Battle]ドラグクリシュナーLv.1(1)BP3000vs闇龍ダークティラノザウラー×暗黒の魔剣ダークブレードLv.3(4)BP15000。
再びダークティラノザウラーはその眼光を輝かせ、突っ込むドラグクリシュナーにダークティラノザウラーは立ち塞がり、そのままダークティラノザウラーはダークブレードを振り下し、紙一重でそれを避わすと、反撃に火炎放射を放ち、ダークティラノザウラーも火球を放って相殺し、爆発が起こり、爆風に包まれる二体。爆風に視界を遮られ、辺りを見回すドラグクリシュナー、そのすぐ目の前でダークティラノザウラーの眼光が輝き、咄嗟にそれに気づくが時すでに遅し。尻尾を巧みに使い背後から尻尾に巻き付けたダークブレードをドラグクリシュナーに突き刺し、破壊する。
「まだまだぁッ!! ソードブレイヴスピリットでアタックだ!!」
「エターナルディフェンスの効果はこのターンの間継続している! もう一度ソードブレイヴスピリットでブロックだ!」
[Battle]剣龍皇エクスキャリバス×輝きの聖剣シャイニングソードLv.2(3)BP13000vs闇龍ダークティラノザウラー×暗黒の魔剣ダークブレードLv.3(4)BP15000。
エクスキャリバスは爆風の中を突っ込んでいき、ダークティラノザウラーは咆哮で直ぐに爆風を吹き消し、次に向かってくるエクスキャリバスの姿を確認すると、接近するエクスキャリバスに対し、尻尾に巻き付けたダークブレードを、エクスキャリバスはシャイニングソードを互いに振るい、激突する二体のソードブレイヴスピリット。
「BPはこっちの方が上。そいつで決められなきゃお前の負けだ!!」
鍔迫り合う二体のソードブレイヴスピリット。互いに一歩も引かないがパワーで勝るのはダークティラノザウラー。そのまま自分の力を高めるかのように吠えると、そのままダークブレードを振り切り、衝撃にエクスキャリバスは遥か上空まで弾き飛ばされてしまう。
「今度こそ本当に終わりだ! キースピリットごとテメェも次でかっ消す!」
「前に言った筈だぜ、『どんな状況でも最後の最後まで分からねぇ』ってな!」
「!」
「これが俺のラスト1枚! フラッシュタイミングでマジック! ライトニングバリスタ!!」
「!!!」
・【ライトニングバリスタ】5(5)赤、マジック。
『メイン効果』BP7000以下のスピリット1体を破壊する。この効果は自分のフィールドにシンボル2つ以上持つスピリットがいないと使えない。
『フラッシュ効果』このターンの間、シンボル2つ以上持つスピリット一体をBP+5000する。
「不足コスト確保でライトブレイドラは破壊! マジックの効果でソードブレイヴスピリットのBPは18000!!」
「何だとッ!!?」
遥か上空に弾かれながらもマジックの効果により身に電撃が迸り、よりその力が上昇し、さらに一段と強くなった咆哮を響かせて再びダークティラノザウラーに向けて急降下し、ダークティラノザウラーは今度こそ止めを刺そうと向かってくるエクスキャリバスにダークブレードを突き刺すように突き出すが、ダークブレードの切っ先を咥えたシャイニングソードで受け止め、そのままシャイニングソードとダークブレードを擦らせ、火花を散らしながらも止まる事はなく、そのまま咥えたシャイニングソードを振るうように回転し、ダークブレードはシャニングソードに弾かれて上空に跳ね上げられ、ダークティラノザウラーは得物を失ってしまい、そのまま回転し勢いをつけたシャイニングソードをダークティラノザウラーに一閃、その一撃にダークティラノザウラーは力尽きて倒れ、その場に大爆発が起こり、宙に跳ね上げられたダークブレードは、既に自分を扱う主を失い、虚しくフィールドに突き刺さる。
「決めるぜ!! ソードブレイヴスピリットでアタック!!」
最後まで諦めることなく真っ直ぐ前を向き続ける和人の姿に、また脳裏に電流が走るような感覚があるが、頭を抑えることは無くそれは何か懐かしいものを感じさせていた。
「(バトルは最後まで分からない、か。そんな事を無邪気に考えてるカードバトラーに会ったのは久々だな)」
和人の姿を、昔の自分の姿に重ね合わせ、それまで苛立つ感情以外に変わる事のなかったアキラの表情に変化が。
「(俺が此奴にずっと苛立ってのは認めたくなかったからだろうな。あの時も、今も此奴とのバトルが楽しいって感じてたことに)」
『俺はただ、俺はただバトルを────』、過去に自分が言い掛けた言葉。その続きの言葉を思い返しながら、本当に自分が望んでいたものは何だったのかを思い返す。
「(あの時俺が本当に望んでたのはただ楽しいバトルがしたかっただけ。けどそれはもう無理だと諦めた。そして捨てた道だからこそ、認めたくなかった。けど、アイツを見てると、今になってそれを捨てていた事に後悔してくるよ)」
目を瞑って静かに何かを想うと、そのまま目を開け、初めて口元を緩ませて笑うと、和人の攻撃に対し「ライフで受ける」と宣言し、シャニングソードをバリアに振り下し、残り二つのライフを破壊して決着を付けた。
***
「これでリベンジ達成だぜ、アキラ!」
バトルが終わり、息を荒らしながらも仰向けで倒れてるアキラにVサインを見せながら笑い、アキラはそれに対し、軽く鼻で笑いながらも「まだ一勝一敗だ」と言い返して見せた。
「はは、あぁ。だから帰ったら今度こそ決着付けようぜ」
「……気が向いたらな」
「何だよそれ」と苦笑いする和人だったが、それを見ながら小さな声で「もっと早くお前に会えてたらよかった」と呟いた。
「兄ちゃん!!」
バトルが終わり二人に真っ先に駆け寄ったのはハンナだった。倒れるアキラを起こして抱き着き、泣きながら心配していたようにただ「兄ちゃん」とだけ呟き続け、ハンナの様子に少しだけ掛ける言葉に悩みつつも、抱き着くハンナの背中に手を置く。
「お前にも迷惑かけた。こんな兄貴で今まで悪かったな」
「! いいんだよもう。僕、あれからずっと待ってたんだよ。兄ちゃんが……兄ちゃんが昔みたいに戻ってくれる日を!!」
「昔通りとはいかないけど、ずっと待っててくれたお前の期待には応えられるようにするよ」
嬉しさに暫く泣き続けるハンナ、その姿に咲達も微笑ましい様子に安心する。
「さて、和人やったね。ハンナ君もお兄さんと仲直りできて解決したね」
「あぁ!」
「まっ、咲も和人もそれに安心するのはいいけど、まだ肝心なゴッドキャリバスの試練の結果が残ってるけどね」
忘れていたように「そうだった!」と動揺する和人に、咲も川村も呆れたように冷や汗を掻くが、そこに何かに気づいたのか、「見ろ!」と突然指差しながら叫ぶアークの声。その指さす方角に全員視線を向けると、行き止まりの壁の向こう側から突然光が差し込んだかと思うと、何かが動き出すような大きな音と共に目の前の壁はまるで扉様に開き、その先には1枚のカードが展示されるかのように置かれていた。
「こ、これってもしかして……!」
「あぁ、あれが伝説のカードだ。お前は見事クリアしたんだよ!!」
アークの言葉に一瞬実感が沸かず、どう反応していいのか分からなかったが、それでも元の世界に帰れるかもしれない希望を手に入れられた事に「よっしゃぁーーっ!!」と、大声を出して喜んだ。
「アークもアストラも手に入れる事のできなかったのに、まさかあの子がね」
「当然だ。和人は俺よりも強い、恐らく俺の親父よりもな」
「……なるほど。お前がそこまであの子を見込んでいたのか、確かにあの子は強い。けどそれ以上に誰かを、そしてスピリットを想う優しい子だ。その事にゴッドキャリバスはあの子を選んだのかもしれないね」
「ふむ、でも俺は兄ちゃんが選んだんだから和人がクリアすることは最初から分かっていたぞ!」
「調子がいいんだ、よ!」
軽くコツンとアルトを殴り、モルクもそれに苦笑いしている。和人達は咲や川村に背中を押されながらも、目の前のカードに恐る恐る近づき、そしてカードを手に取る。
「剣龍神ゴッドキャリバス、これがあれば元の世界に帰れるかもしれない!」
文字通り希望のカードに喜びを隠せない中、突然パチパチ、と手を叩く音が聞こえ、振り返るとそこには拍手をする青髪の女性の姿があり、その女性の姿にアキラは見覚えがあるように反応して見せる。
「ゴッドキャリバス、無事入手したみたいですね。まずはお祝い申し上げさせていただきます」
面識のない女性の姿に困惑する和人達だが、モルクやアークにとってはアキラ以上に見知った顔であり、「デュラン!」と声を荒げながら和人達を庇うように前へと出て、警戒する。
「アーク? モルクさん!?」
「気を付けろ、和人。アイツはデュラン。ガルド直属の部下だ」
「!?」
「はい、和人様達にとっては初めましてですね。私の名はデュラン。ガルド様の部下で、和人様達の事はあの方より伺っております」
「そんな奴が何しに……!」
「では手短に。和人様が今し方入手しましたそのカード、それを戴きに参りました」
冷淡な口調で話すデュラン、彼女のその言葉に戦慄が走る。
いかがでしょうか? まぁ大体察した方はお察しのとおり和人vsアキラのバトルです。何気にライバル意識を燃やす割にはなかなか二度目のバトルをしない中、今回ようやく和人とアキラのバトルを書けて嬉しい限りです。
小説内での剣刃編までのカードレパートの中、結構味のあるバトルが書けたのではとちょっと満足しちゃってたり(笑)案外古いカードでも強力なものがあるので、それを小説内で使うのはやはり面白いです。今回のバトルシーン、最初にドラグクリシュナーを突っ込ませて、次にエクスキャリバスを攻撃させた所は烈火伝の最終回のバトルを意識しながら書いてました。そしてエクスキャリバスとダークティラノザウラーの激突は光ツルギvs闇ツルギというよりかはツルギvsヤイバを意識したかもしれません。そのヤイバがキースピリットとして使ってたダークネスグリフォンを今回は噛ませi…ゲフンゲフン。捨て駒として利用しあまり活躍の場がなかったので、また別の機会に活躍させたいです。
本編の話に戻りまして長らく続いた和人とアキラの対立もようやく今回の話で決着がつき、いよいよこの小説も終わりが近づいてるなと改めて実感します。なので、ぜひ今までの話もこれからの話もたくさんの方に読んでほしいと切実に思います。これからもぜひこの小説をよろしくお願いします!