バトルスピリッツ激震の勇者   作:ブラスト

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第7話『オールフィールド突入!龍の覇王咆哮!!』

「ここ、だよな?」

 

地図を見ながら目の前にあるビルのような建物を見る和人。周りを見てみると、そこにはデッキケースを取りつけている和人と同じカードバトラーがたくさんその建物の前に並んでいたので、和人の目的地はここで間違いないだろう。

 

「和人~!」

 

「ん?咲?」

 

後ろを振り変えれば、そこには咲の姿が……。

 

「随分遅い到着だな?」

 

「ちゃんと言わなかった!ちょっと待ってって」

 

少し口論をしている様子の二人。実はここに来る前、二人は一緒に行く予定だったらしいのだが、和人が咲を置いて咲に来てしまったらしい。しかしこの前のように、咲のせいで遅れる訳にはいかず、和人の行動が必ずしも悪い訳ではないのだが……。

 

「まぁともかく、ここで合流できた訳だし、そんなに怒こる事ねぇだろ?」

 

「はぁ~、ったくほんと相変わらずって言うかなんて言うか……」

 

呆れた様子で、和人に対し大きくため息を突く咲。

 

「それより、ここだったよな、昨日知恵さんが言ってたオールフィールドって」

 

「多分、他のカードバトラー達もここに来てるし間違いないんじゃない?」

 

今、和人達が来てるのはオールフィールドという建物の前。実は昨日、知恵がオールフィールドの事を発表した後、その場所を記した地図を全員に配り、その開店時間を全員に教えたのだった。そして開店時間まで残り10分を切り、今か今かとその時を待っているのだった。

 

「にしても、オールフィールドって一体どんな場所なんだろう?」

 

「さぁね、知恵さんの言葉からしてきっともうすぐ始まるチャンピオンシップの実力試し的な事でみんなをこの場に招いたんじゃ?」

 

「でも、ただの実力試しなら、普通のバトスピショップでも断然いいんだけどな」

 

「確かにそれもそうだね」

 

和人に言いながら、咲もオールフィールドがどんな所なのか気になっていた。ふと二人は辺りを見回すと、リクトの姿が目に入る。

 

「あれって!リクト!?」

 

「リクト君も来てるんだ……やっぱりそれだけみんな注目するべき場所なのかな?」

 

さらにリクトだけでなく別の場所では川村の姿もあり、それを見てまた二人は驚きを隠せない様子だった。

 

「川村まで何でここに?」

 

「ともかくあの二人も来てるって事は相当面白くなりそうってことじゃないのか!」

 

疑問に思う咲に対し、和人はリクトと川村の姿を見て、自分のデッキを握りしめながら早く戦いたいという闘士に駆られていた。そしてしばらくしてようやく開店時間となり、中から二人程スタッフらしき人が現れ、扉を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

『お待たせいたしました!オールフィールド開店時間です。列を守って、どうぞご入店ください!』

 

ようやく扉が開き、カードバトラー達はスタッフの指示に従ってその建物へと入店していく。そして建物の中央のような場所まで全員案内され、その場所はまるで大広間のように広く、これから何かショーを始めるようなステージが目の前にあった。

 

「一体何が始まるんだろう?」

 

「さぁな、ともかく早くバトルがしたいぜ」

 

そんな中、さっきまで暗かったその部屋全体に突如スポットライトがステージをてらす。

 

『レディースアーンド、ジェントルメン!ようこそカードバトラーの皆様!!本日よりオープンいたしましたこのオールフィールドに!!』

 

そのステージに突如現れたのは、何と村井知恵!その姿を見た時、和人や咲達はとても驚いていた。しかしそんな二人の様子にお構いなしで、知恵はマイクを持ちながらさらに続けていく。

 

『えぇ~、前に私がこのオールフィールドについて説明し、それを聞いてか聞かずか……ともかくこのオールフィールドにたくさんの来場者が来てくれてほんとにうれしく思っています!そして今日のオールフィールドに素敵なゲストさんが来てくれています!』

 

ゲストと言う言葉に全員ざわざわと少し騒ぎ始める。

 

『ではそのゲストさんを早速お招きしたいと思います、それではどうぞ!』

その言葉と共に、知恵の上にあったモニターにジークヤマトフリードのシルエットが現れたかと思うと、ステージの奥からある人物が歩いてくる。

 

「「!」」

 

その人物を見た時、思わずその場に居た全員が言葉を失った。しかしそれに構う事なく知恵はマイクを片手にその人物の説明をする。

 

『本日のゲストさんは、相棒であるジークヤマトフリードと共に、世界チャンピオンに君臨する薬師寺アラタさんです!』

 

知恵の発表と共に、一瞬言葉を失っていた観客達はすぐさま大歓声を上げる。

 

「すっげ!すっげ!!すっげ!!!チャンピオンが来てるのかよ!!」

 

チャンピオンの登場に和人はどれほどテンションを上げた事だろう。隣にいる咲も和人に負けないぐらいテンションが高まっていた。そして勿論リクトや川村達もチャンピオンが居る事に驚いた様子だった。世界チャンピオンの薬師寺アラタ。その存在を知らない者はおらず、誰もが一度は戦ってみたいと思い、そして誰もが憧れるカードバトラー。

 

『よぉ!カードバトラーのみんな、バトスピ好きか~?』

 

「「おぉーーーーッ!!」」

 

観客達全員、薬師寺アラタが居る事にテンションが高まっており、その場全体観客達の声が響く程だった。

 

『今日新しくオープンしたこのオールフィールド。今日は特別ゲストとして俺はここに呼んでもらった。そして早速だが、このオールフィールドが何をする場所なのか、簡単に説明させてもらう』

 

知恵からマイクを受け取り、チャンピオンであるアラタがこの施設についての説明を始める。

 

『まずは知ってる人もいると思うが、このオールフィールドは近い内に開催されるチャンピオンシップのための腕試し的な施設だ。もうチャンピオンシップまで時間はないが、このオールフィールドでぜひ存分に戦い、レベルアップの場になればと思っている』

 

アラタは「さらに」と言葉を続けていく。

 

『このオールフィールドは、バトスピショップと同様カードを販売したり、バトル用の台座、そしてリアルバトルフィールドも用意している。しかしここまでは普通のバトスピショップと変わらない、だけど、このオールフィルドには最後に、特別なシステムを導入している』

 

頭に?を浮かべながらアラタの説明を詳しく聞いていく観戦者達。

 

『そのシステムはデータオールバトル、略してDABと覚えてくれればいい。そのシステムは自分のデッキを専用の機械にセットし、自分のデッキのデーターを読み取った後、対戦相手となりうるコンピューターのレベルをセットし、特別なバトルフィールドへと移動し、そのフィールドではデッキから読み取ったデータをそのフィールドで扱うデッキとして用意する』

 

「あの~、つまり……どういう事?」

 

「はぁ~……だからオールフィールドではコンピューターと戦う場所があって、それと戦うためには自分のデッキを専用の機械にデータとして読み取ってもらい、特別なフィールドでその読み取ったデータのデッキを使うってことでしょ?」

 

「そ、そうか」

 

和人は今一理解できてないながらも頷いて見せ、咲はそんな様子に若干呆れていた。

 

「でもさ、何でそんなことするんだ?データのデッキを使わなくても普通に自分のデッキを使えばいいのに?」

 

「それは……説明してくれると思うよ!」

 

「お前は知らないのかよ!」

 

『さてなぜわざわざデータのデッキを使うなんて面倒な事をするのか?そう思ったカードバトラーもいるだろう。その理由は、オールフィールドには一枚だけ好きなカードを使用できるという特別なシステムがあるからさ』

 

「好きなカードを使用できる?」

 

『特に強制はしない、だけどこのシステムは使ってみたいと思うけどバランスが崩れるかどうかが不安と思うカードを試したり、自分の理想のデッキに近づける。ぜひこのシステムを役立ててチャンピオンシップに向けてのレベルアップになればと思ってる。俺は今回ゲストなので、みんなが行う通常バトル、バトルフィールド、そしてDABのバトルを見学させてもらう。今日一日、みんなの熱いバトルを期待してるぜ!』

 

チャンピオンの言葉と共に、また観客全員の大歓声がその場に響いた。そして観客達はデッキを持ち、次から次へとみんなバトルの準備に入っていた。

 

「へぇ~、随分面白そうじゃないか!ぜひ俺もバトルするぜ!」

 

「それって、DAB?バトルフィールド?通常バトル?」

 

「う~ん、使って見たいカードを一枚だけ加えられるってのは少し気になるな、でも俺エクスキャリバス以外に使ってみたいカードなんて……いや!」

 

「?」

 

「俺、一度だけ、使ってみたいと思ったカードがあるんだ!早速DABで試してみるよ!」

 

「あっ!和人が行くなら私も行くよ!手に入れたばかりのドルクスを加えたデッキでバランスがあるかどうか不安だしね」

 

そう言いながら和人と咲はすぐさまその場を駆け出していく。

 

「チャンピオンお疲れさまでした」

 

「まぁ知り合いの頼み、断る訳にはいかないしね」

 

舞台は変わり、ステージの奥で呑気にトークをしている知恵とチャンピオンの姿が……。

 

「まぁいいじゃないですか、今のところ暇なんでしょ?」

 

「まぁな。チャンピオンともなると、安易に誰でもバトルって訳にはいかないし、変装でもしないとバトルできないぐらいだし、普段もあまりする事ないしね」

 

「それにしても、最近そっちはどうなんですか?」

 

「まぁ、最近は色々と面白い子を見るよ、場合によっては、俺を超えるかもほど成長するかもね」

 

ロードドラゴンを使うあの少年を思い浮かべながら、アラタはそう言った。

 

「へぇ~、チャンピオンが言うんですから相当な実力ですね」

 

「でもこっちのカードバトラー達も、結構相当な力を持ってるようだね」

 

「それってもしかして和人君達の事ですか?」

 

「まぁね。エクスキャリバス使いのあの子、いつかもう一度バトルしたいよ」

 

前に一度バトルした事を思い出しながら言い、その後二人は近くにあったモニターに視界を映し、そこにはオールフィールドないでバトルしているプレイヤーの姿があり、その中にはDOBでバトルしているプレイヤーの姿も……。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ビビッ、私ノターン。エリマキリザードLv.3、オードランLv.3、カキューソーLV.2ヲ召喚!』

 

DOBの特殊なバトルフィールド内。ここでバトルしてるのは上級レベルのコンピューターと川村劉。今現在コンピューターが第10ターンを迎え、お互いのライフは2。コンピューターの場にはネクサスはなく、スピリットはこのターンで召喚したエリマキリザード、オードラン、カキューソーの三体、一方川村の方では、ネクサス柱岩の海上都市が二枚と回復状態のスピリット、ライノセーラスLv.3にコアが10個乗っている状態。

 

『アタックステップ、エリマキリザードデアタック!』

 

コンピューターの攻撃宣言と共にエリマキリザードは駆け出し、川村へと向かっていく。

 

「その攻撃はライノセーラスでブロック!」

 

『無駄デス、コノターンノフルアタックデ終ワリデス』

 

「本当にそう言い切れる?」

 

そう言いながら川村は笑みを浮かべ、手札の内の一枚に手を掛ける。

 

「フラッシュタイミング!アームズインパクトを使用!」

 

・アームズインパクト『効果説明』

フラッシュ:自分のスピリットが相手のスピリットをブロックしているとき、自分のコスト4以下のスピリット1体を破壊し、そのスピリットのコストと同じ数の合計コストまで、相手のスピリットを好きなだけ破壊する。

 

「破壊するスピリットはブロックしているライノセーラスを指定、これによりコスト4になるまで相手スピリットを破壊する」

 

エリマキリザードはライノセーラスに突っ込んでいくが、そのライノセーラスが突如消滅したかと思うと、消滅したライノセーラスから青い波動が放たれ、それによりエリマキリザードは勿論、後方に居たオードラン、カキューソー共々破壊されてしまう。

 

「これだけじゃ終わらないよ、ライノセーラス破壊時効果発動。このスピリットの破壊時、このスピリットの上に乗っていたコア一つにつきデッキを一枚破棄。ライノセーラスに乗っていたコアは10個、よってデッキを10枚破棄!」

 

オードラン達を吹き飛ばした青い波動はそのまま相手へと突っ込み、相手デッキに残っていた10枚のカード全てを破棄してしまう。

 

『ビビッ、私ノターン……エンドデス』

 

「こっちもパスするから、そっちのターンに行っていいよ。まぁ、デッキアウトだから自動的にそっちの負けになるけどね」

 

そう言いながら、川村は勝利を収め、元の場所へと戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、鳳凰龍フェニックキャノンを召喚!召喚時効果でBP4000以下のデモボーンとシキツルを破壊!」

 

一方別のフィールドでは同じく上級レベルのコンピューターとバトルしているリクトの姿があり、リクトはフェニックキャノンを呼び出すと、相手スピリット二体を破壊する。

 

『コチラノスピリット、ゼロ』

 

「……氷の覇王ミブロック・バラガン、冷たき氷の刃で終了だ!」

 

それだけ言うと、相手に残っているラスト1つのライフ目掛けてミブロックバラガンは突っ込み、相手に向かって氷の刃を振り下ろし、最後のライフを砕く。

 

「(氷の覇王ミブロック・バラガン、今度の大会はこいつを軸にするか)」

 

バトル終了後、リクトは自分のデッキを持ち、その中の一枚である氷の覇王を見ながら呟く。実はさっきのバトル、リクトは手に入れたばかりのミブロックを早速デッキに仕込み、さっきのバトルをテストとして行っていたのだ。その結果【呪撃】と低コストスピリットばかりの速攻デッキに対し、リクトはミブロックバラガンのLv.2、3の効果でフェニックキャノンを召喚時効果を何度も使いまわし、見事な勝利を収め、その結果リクトは次の大会でミブロックを軸にすると決意。

 

「(もう負けたくない、絶対に……)」

 

ふとリクトは近くに居た川村の方を向きながら静かに思う。

 

『お~い、リクト!』

 

「!?」

 

突然の声に急に驚き、ふと振り返るとそこには和人と咲の姿が……。

 

「ど、どうしたんだよ?リクト、柄にもなく怖い顔しちゃって」

 

「えっ、あっ……あぁ、悪い、ちょっと考え事をな」

 

「ふ~ん、あっ、それよりお前もここでバトルしたのか?」

 

「まぁな」

 

「それで!?」

 

「勝ったよ、一応。こいつのおかげでな」

 

「!」

 

リクトはミブロックのカードを見せながら和人に言う。

 

「白の覇王(ヒーロー)Xレアじゃん!すげぇ!!」

 

「まぁな、今度の大会はこいつを軸にする」

 

「へぇ~、もう自分のデッキ編成を決めたんだ。やっぱすごいなリクトは」

 

「……和人」

 

「ん?」

 

「今度の大会で、俺は必ず勝つ。お前にも、必ず」

 

「リクト?」

 

いつになく、リクトの眼には迫力があり、なぜだか和人には少し怖く感じた。それでも和人も真剣な顔つきでリクトを見て……。

 

「俺も同じだ、絶対負けない!」

 

その言葉を聞くとリクトは少し笑って、「それじゃぁ」と軽く挨拶を交わしその場を立ち去って行った。

 

「いきなりライバルが現れたね」

 

「あぁ、でも俺は絶対負けない!だからそのための腕試しにバトル、俺達も始めるぜ!」

 

「そうだね。じゃぁ早速」

 

それだけ言うと二人も前に出て、DABのバトルに参加する。そして二人は、初級、中級、上級の内、上級にレベルを合わせる。

 

『ソレデハデッキヲ機械ニ読ミ込マセテクダサイ』

 

コンピューターの指示に従い二人はデッキを専用の機械に差し込み、そのデータを読み込み、データ読み込みご二人はデッキを取り出す。

 

『ヨケレバ、ゴ希望ノカードヲ一枚デッキニ加エラレマスガ?』

 

「う~ん、私はいいや」

 

「……」

 

あっさり断る咲に対し、和人は……。

 

「俺、ジークヤマトフリードを一枚デッキに加えます!」

 

「えっ!?」

 

突然の和人の言葉に隣に居た先は驚いた様子だった。

 

『ソレデハ、早速指定ノカードヲ加エマス』

 

「和人、どういう事!しかも加えるカードがジークヤマトフリードって」

 

「別におかしくないだろ?いつか使ってみたいカードとか使用できるのがこの施設の醍醐味でもあるだろ?」

 

「そ、そうだけど……エクスキャリバス一筋の和人が、いきなり他のカード使ってみたいなんて何か意外って言うか」

 

「俺さ、前にアフローヌって言う人とバトルして、その人が使ってたジークヤマトフリードがすごく気に入ってたんだよな」

 

「うん」

 

ふと和人の主張に、咲は興味津津に聞いている。

 

「でっ、その時思ったんだよ」

 

「うん」

 

「エクスキャリバスとジークヤマトフリードを絶対に場に揃えてみたいなって!!」

 

”ズコッ!”

 

もっとすごい理由があると思っていた咲は、単純すぎる回答に思わずずっこける。

 

「あ、あはは……和人らしい」

 

「?」

 

「ともかく、早くバトル始めようよ」

 

「そうだな」

 

それだけ言うと早速バトルを始める咲と和人。しかし、バトルは、簡単に勝てるほど安易な物ではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

────第14ターン。

 

コンピューターと白熱したバトルを展開している和人。ここまで和人のライフは3、相手のライフは1。和人の場には、疲労している暴走龍ディラノスLv.2と、回復状態のカグヅチドラグーンLv.1、巨竜ギガノトンLv.2が一体ずつ、ネクサスは千識の渓谷Lv.2が一枚。一方相手の場には、ネクサス、光の聖剣Lv.1とルナテックストライクヴルムLv.3が一体のみ。ここまでの状況を見る限り、一見和人の方が有利に見えるが、手札消費がかなり激しく和人の手札は残りわずか2枚で、しかもデッキに加えてる龍の覇王を手札に加えられずにいた。そして今は相手のターンで、コアは15個、手札は4枚。

 

『私ノターン、マジックブックヲ使用、効果ニヨリ手札ノマジックカードヲ好キナダケオープン』

 

相手は手札にあるマジックカードの内、インビンシブルクロークとダブルハートをオープンする。

 

「!?」

 

『マジックカードオープンニヨリ、二枚ドロー。ソシテセイバーシャークヲルナテックニ直接合体!』

 

さっき引いた内の一枚にあったセイバーシャークを呼び出し、セイバーシャークは出現と共にルナテックに合体する。

 

「ここで合体かよ!」

 

『マダデス。マジック、キラーテレスコープヲ使用、効果ニヨリ疲労状態ノスピリットヲ指定シテアタック。不足コストハ合体スピリットヲLv.2シテ用イル』

 

「!」

 

『アタックステップ、ルナテックストライクヴルムデディラノスニ指定アタック!』

 

「でぃ、ディラノスでブロック」

 

『ルナテックストライクヴルム、Lv.2、3【合体時】、バトル時効果発動。ルナテックノBP以下ノギガノトンヲ手札ニ』

 

「ちぃっ!」

 

ルナテックは攻撃スタンバイを始め、力強く咆哮を上げると、それによりギガノトンは吹き飛ばされ、和人の手札に戻る。

 

”ギャオオオオオオォォォォォ──────ッ!!”

 

合体しているルナテックストライクヴルムは飛び上がると同時に、ディラノスに高速で接近し、受け止めようとしたディラノスを簡単に弾き飛ばし、突進を決められたディラノスは吹っ飛ばされ、壁に激突し、そのまま消滅する。

 

「ぐっ、ディラノスが……」

 

『セイバーシャーク召喚時効果、コノターンノブロック時効果、アタック時ニ発揮。ヨッテ相手ライフヲリザーブニ』

 

”パリーンッ!”

 

「ぐあっ!」

 

痛みと共にライフが減り、残りライフは2つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

────第15ターン。

 

「さすがに……上級レベルだけあってすごすぎる強さだよ」

 

少し息を切らしながらフィールドを見る和人。次のターン、恐らく相手はオープンしてあるダブルハートとインビシブルクローク、あの二枚を使用して勝負を決めてくる筈。それにより例え和人がどれだけブロッカーを並べようと、インビシブルクロークでルナテックはブロックされないうえに、ダブルハートを使用し、ダブルシンボルにすれば残ったライフを二つとも削られ、和人の負けが決まってしまう。カウンターとしても和人は赤デッキ単色でアタックを強制終了させるサイレントウォールもなければ、スピリットを疲労させるバインディングソーンもない。だから恐らく次のターンのアタックはどうしても止められない。だからこそ、和人は何とかこのターンで決着をつけなければならないのだ。

 

「(俺の手札にはさっき戻されたギガノトンとエクスキャリバス、太陽石の神殿だけ。でもこれじゃぁ勝てない……何とかこのターンで逆転するカードを……!)」

 

スタートステップ後、コアステップを行いコアが14個、そしてこのターンの運命を分けるドローステップに……。

 

「ドローステップ時、ネクサスの効果でこのターン、ドローするカードを一枚増やす!なので二枚ドロー!」

 

和人は息を整え、デッキから二枚のカードをドローする。その二枚はジークヤマトフリードと双光気弾。

 

「(どっちもバーストカード、しかもジークヤマトフリードにおいては次のターンでライフを一撃で0にされるんだから、もうバースト効果は意味が────!)」

 

そこまで思いかけた時、和人はある事に気づく。

 

「(待てよ!ひょっとしたら……!このターンで行ける!)」

 

和人は鋭い眼差しでフィールドを見て、その後メインステップに入る。

 

「メインステップ!ネクサス、太陽石の神殿をLv.2で配置!」

 

フィールドを赤く照らす太陽石の神殿が和人の場に配置される。

 

「さらにカグヅチドラグーン、転召!」

 

カグヅチドラグーンが炎に包まれ、そこに一つの影が……。

 

「行くぜ、炎纏いし龍の皇!剣龍皇エクスキャリバスを召喚!」

 

その炎を振り払い、エクスキャリバスは火の粉で身を輝かせながら地面に降り立つ。

 

”グオオオオオオォォォォォ──────ッ!!”

 

「今日も頼むぜ、エクスキャリバス!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「和人の方、どうだろうな?」

 

一方、一足先にバトルを終えてフィールドから戻った咲は和人の様子が気になる様子。ふと隣を向けば、そこには何やら多くの人が集まっている様子で、全員和人の対戦が移っているモニターに視界を向けていた。

 

「和人!」

 

モニターを見て、今の状況を把握し、咲は真剣に和人の試合を見る。

 

「キースピリットが出て、ここからが本当の勝負になりそうだね」

 

「続けるぜ、俺はバーストセット!」

 

『!』

 

バーストをセットして、和人はアタックステップに……。

 

「行けっ!エクスキャリバス!!業火で全てを焼き払え!」

 

エクスキャリバスは翼を羽ばたかせ、和人の攻撃宣言と共に相手に突っ込んでいく。

 

「さらにフラッシュタイミング、双光気弾を使用!セイバーシャークを破壊!」

 

エクスキャリバスが突っ込んでいくと同時にマジックが発動され、それによりセイバーシャークが破壊されてしまう。

 

「やった!これで相手のBPは7000!和人のエクスキャリバスの方がBPが上!」

 

モニターを見ている咲達は、和人が再びペースを掴んだと見て、歓声を上げる。

 

『甘イデス。フラッシュタイミング、ディフェンシブオーラヲ使用!不足コスト、ルナテックヲLv.1ニシテ使用』

 

・ディフェンシブオーラ『効果説明』

このターン、ブロックしている自分のスピリット全てはBP+3000。

 

『コレニヨリ、ルナテックストライクヴルムBP9000』

 

「!」

 

ルナテックとエクスキャリバスは何度もぶつかり合い、炎を纏わせた突進を決めようとするエクスキャリバスに対し、ルナテックは即座に後ろに回り込むと同時に、荷電粒子砲を放ち、エクスキャリバスに直撃させ、エクスキャリバスは大爆発を起こす。

 

「そ、そんな……和人のキースピリットが……」

 

和人のキースピリットが返り討ちにあい、言葉を失う咲達。そして和人にとっては心理的苦痛がかなり大きいはずである。もう和人も諦めたのかと全員思い始めるが、和人の眼はまだ死んではいなかった。

 

「行くぜ!太陽石の神殿、Lv.2効果、【激突】を持つ自分のスピリットを再び召喚!」

 

和人の残りライフの内、一つがボイドに送られた後、地面に火柱が吹きあげたかと思うと、そこから再びエクスキャリバスが出現する。

 

『無駄デス。再召喚シヨウトルナテックハ相手ノ攻撃デ回復シマス』

 

「だからこいつがあるんだよ」

 

『?』

 

「自分のライフ減少時、バースト発動!」

 

『!?、コチラノ攻撃デ減ッタ訳デハナイノニ』

 

「さっきのネクサス効果の影響さ、あれだけ手札を持ってるんだ。必ずBPアップのマジックを持ってると思って、わざと【激突】でアタック。思った通り、ディフェンシブオーラで返り討ちにしてくれたおかげで、自分で自分のライフを減らす事が出来た!」

 

和人は自分のバーストに視界を向け、そのバーストは赤く光ると、表向きとなり、和人の手に収まる。

 

「ジークヤマトフリードのバースト効果!自分のライフが3つ以下の時、BP15000以下の相手スピリットを一体破壊、よってルナテックストライクヴルムを指定!」

 

ルナテックストライクヴルムの足元に炎が立ちこめ、その炎に包まれ、破壊される。

 

「さぁ行くぜ!赤き剣を振るう覇王(ヒーロー)よ!灼熱となりて全てを切り裂け!覇王《ヒーロー》Xレア、龍の覇王ジークヤマトフリード召喚!」

 

天に雷雲が現れ、その雷雲に穴があき、そこから龍が舞い降り、炎を纏いし剣を握り、雷鳴を背に力強い唸りを上げる。

 

”ガアアアアアアァァァァァ──────ッ!”

 

「うぅっ!ジークヤマトフリード、エクスキャリバス!夢に見た念願の共演だぜ!」

 

エクスキャリバスとジークヤマトフリード。二体の龍は力強い咆哮を上げ、その咆哮はフィールド中に響き、その音圧によりフィールド中が揺れる。

 

「アタックステップ!フルアタックで終わりだ!」

 

攻撃宣言と共に、二体の龍は飛び立ち、残り一つのライフ目掛けて、エクスキャリバスとジークヤマトフリードは真っ直ぐ相手へと向かっていく。

 

『ライフデ受ケマス』

 

エクスキャリバスの炎とジークヤマトフリードの剣が同時に炸裂し、残り一つのライフが砕け、和人の勝利となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~……」

 

バトルを終え、一息整えながら元の場所に戻ってきた和人。するとまもなく、試合を見ていた観客達全員和人に向けて歓声を上げる。

 

「うおっ!?何だ!?」

 

「和人っ!」

 

「ん?咲か?」

 

振り返ればそこには咲が……。

 

「見たか見たか!俺の鮮やかなバトルで見事勝利だぜ!」

 

「うん、見てたよ。エクスキャリバスとジークヤマトフリード。和人の念願通りフィールドに揃ってたね」

 

「あぁ、それよりお前の方はどうだったんだ?」

 

「まぁ一応ね」

 

軽く苦笑いしながら答える。

 

「みんなおめでとう!」

 

「「?」」

 

突然の声、振り向くとそこにはチャンピオンと知恵の姿が……。

 

「「知恵さん!?」」

 

「やぁ咲ちゃんに和人君、さっきの試合見てたよ。とってもすごかったね」

 

「それはそうと、知恵さんが何でここに?」

 

「あぁ、私、バトスピショップとこのオールフィールドを受け持ってるから」

 

「「えぇ!?」」

 

和人の質問に答える知恵。その返答に明らかに咲と和人は動揺していた。

 

「それより、和人君、君のバトル。チャンピオンも見てたよ!」

 

「!」

 

和人はそう言われると知恵の隣に居るチャンピオンに視界を向ける。

 

「すごくいいバトルだった。まさか自分で自分のライフを減らしてバースト発動させるなんて俺も予想外だったぜ」

 

「はい!ありがとうございます!!」

 

和人はチャンピオンに褒められ、とてもうれしそうだった。

 

「あの時と比べて随分成長したみたいだね」

 

「あの時?どこかで会いましたっけ?」

 

「えっ!?あっ!いや、その……わ、悪い!今のは忘れてくれ」

 

思わずアフローヌの正体をばらしてしまいそうになったアラタは苦笑いをしながら、何とか話をそらそうとする。

 

「えーと、それはそうと……みんなに伝えなきゃいけない事があるな」

 

それだけ言うと、知恵から手渡されたマイクを手に取り、カードバトラー達がいる中央に行く。

 

「カードバトラーのみんな!熱いバトルを見せてもらった!!実に俺も感動した。いつかみんなともバトルしたいと俺は思ってる。でもその前に、もうすぐ開催されるチャンピオンシップ、みんな必ず勝ちぬけよ!」

 

「「おぉーーーーッ!」」

 

カードバトラー達は大きな声でアラタの言葉に返事をし、その後カードバトラー達は日が暮れるまでもっとバトルを楽しんでいくのであった……。

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