男が3人一室に集う。
綺麗な髭を蓄えた。細身の男。遠坂家当主、遠坂時臣は若き男に話しかける。
「綺礼、君は聖杯に選ばれたんだ。もちろんその権利を断るような興醒めすることはしないね?」
若き男は答えた。
「もちろんです。我が師よ。」
少々老いた綺礼の父、璃正が話始める。
「綺礼、お前にはこの時臣殿と同盟関係になってもらう。」
綺礼はその意味を汲み取り、にやりと微笑む。
「つまり、聖杯戦争監督役が聖杯戦争の参加者と同盟する。ということは…不正ですか…。」
「まぁ、そうゆうことだ。綺礼、よろしくたのむ。」
「わかりました。我が師よ」
〜遠坂邸〜
言峰綺礼は遠坂時臣に呼ばれ、遠坂邸にむかった。
そして、彼の魔術の研究室とも呼ぶべき一室に入る。
「どうしました。我が師よ。」
「ここに来る間に、誰にも見られてないね?」
そう問われ、綺礼は虚空に話しかける。
「誰かここの近くに気配はあったか?」
「いいや、そのようなものはなかったね」
虚空から黒き髪をもつ、男が現れる。
「このサーヴァントが君のかい?」
遠坂時臣はこれを見て答える。
「あぁ、俺が言峰綺礼のサーヴァント七夜志貴だ。」
黒髪のサーヴァント、七夜志貴は答える。
「さて、綺礼。私に聖遺物が届いたんだよ。見てくれ。」
そういって、時臣は木箱を開ける。
そこには小さな銀製のナイフがあった。
「これは…?」
「私の師からいただいた、並行世界の人間のものらしい。今回はこれを用いて英霊を呼ぼうと思う。」
そういって、遠坂時臣は部屋に入る。
「では、綺礼。また会おう。」
別れを言い渡し、扉を締める。
────始めよう。
魔法陣の前に立ち、時臣は詠唱をはじめる。
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュ
バインオーグ。
降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、
王国に至る三叉路は循環せよ」
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
「────Anfang」
「───告げる」
「───告げる。」
「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るベに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
光に包まれた。そして、その光が消えたとき。純粋な殺気を感じた。
首元に冷たい感覚が走る。
ナイフを当てられているようだ。
「お前が俺のマスターか?」
「あぁ、そうだ。君の名前と、クラスを教えて欲しい。」
目が慣れ、相手の姿を確認する。
鮮やかな模様の着物を着ている。
そして、異質なのがそれには絶対に合わない、赤いレザージャケット。
「俺の名前は、両儀 式。クラスはセイバーだ。」
式はナイフを下ろし答えた。
「よろしくたのむ。君には期待をしているよ。」
隠しきれない笑みが表情となり、時臣はそう言った。
────我が悲願のため。