〜ロンドン〜
「くそっ…あいつはなんで認めてくれないんだ!」
黒髪の少年、ウェイバー・ベルベットは憤慨している。
教師である。ケイネス・アーチボルト・エルメロイに自分の論文を公に馬鹿にされたからだ。
ここでは、魔術師は代をたどる度に魔術師としての『格』は上がると教わる。
まだ魔術師の家系になってから浅いウェイバーの家ではこうなるのも当然のことであった。
「あいつを見返す方法はないのか…くそっ」
気に食わない教師を見返したい。その気持ちはものすごく強いものだった。
そして、ある日のこと。
ウェイバーはケイネス・アーチボルト・エルメロイが聖杯戦争に出ることをしる。
「聖杯戦争…?聞いたことない」
彼は基本的には優秀な人物だ。
聖杯戦争を調べあげどのようなものというものを即座に理解した。
────魔術師同士の殺し合い。
それが彼が持った印象だ。
七人の英霊をサーヴァントとして呼び寄せ。
殺し合う。
背後の一人になったものは、聖杯から願いを叶えてもらう。というものだった。
そして彼は決意をした。
─────見返してやる。
後日
ケイネスに小間使いにされ、ある荷物を受け取りに行ったとき。その宛先を、みた。北欧の方から届いたみたいだ。
まさかと思い。
誰かに見られぬよう。開封する。
そこには一本の『紅い槍の先』のようなものが入っていた。
「紅い槍…?伝説ではゲイ・ボルグはそのような色をしているってみたな。ということは、これはケルトの大英雄クーフーリンを呼ぶもの!?」
彼は興奮し、それを懐に入れた。
そして、そのまま。決めた。
これを使ってあいつを見返す…!
〜ロンドン〜
ケイネスは狼狽していた。
自分が聖杯戦争に使おうとした聖遺物がとどかないのだ。
そして、自分の生徒がひとり失踪していることに気がつく。
ウェイバー・ベルベット
届く予定の日に消えた。
ということはあの生徒が犯人ということか…。
対人最強と呼ばれる武器ゲイ・ボルグを用いようとしたのだが。盗まれてしまったものはしょうがない。
そのとき、通告が入る。
届け物が来たと。
遅れていただけかと思い中を開封する。
中には手紙と謎の金属片が入っていた。
手紙には
『聖杯望ムナラバ狂化サセロ。コノ聖遺物ナラ良ィサーヴァントヲ呼ベル』
宛名はない。怪しいものではあるが…ほかにはあてはない。
狂化…つまりバーサーカークラス召喚…。
三騎士ではないことには残念だが。
やむを得ない。やるしかない。
ケイネスは部屋を出た。
〜冬木〜
「さて、このかけらを!」
ウェイバーは冬木での拠点を手に入れ。
英霊召喚の儀に入る。
詠唱をし、光にあたりが包まれる。
かのケルトの大英雄がどのような姿をしているか。とても楽しみだった。
光が失せ、中から人影が現れる。
「よし!成功だ!クーフーリ…ン?」
ウェイバーは驚いた。中から女性が出てきたのだ。しかも、それが、クーフーリンではないことはウェイバーにはすぐわかった。
「槍をもっていない!?あれはゲイ・ボルグだ!なぜクーフーリンがでてこない!?」
「貴方が私のマスターですね。私の名前はバゼット・フラガ・マクレミッツ。クラスはランサーです。」
彼女は妖艶に微笑みながら。少年に言った。
フラガ…?聞いたことある名前だ…。
たしか、魔術師として、名家の家系だ。
まさか、その子孫の中から呼ばれたということか…。
ウェイバーは、自分の目標を果たせるか。不安になり、そして、小さなため息を吐いた。
それをみて、彼女は言った。
「マスター、私は最大の力でマスターを聖杯へ導きます。これから宜しくお願いします。」
安心させようとしたのだろうか。まぁそれはいい。今回の目標は聖杯を取ることではない。
────ケイネス・アーチボルト・エルメロイ、あいつを見返す!