エレメリアン流の修行が始まってから数日、俺はまた山奥に来て居た。
『龍二よ今回は私が修行をつけてやろう。まずは精神世界に入れ、話はそこからだ。』
『分かりました、ケルベロスギルディさん。』
そう言い俺は精神を集中させていく。ちなみに最近、修行の成果なのか精神世界に入れるようになった。精神世界なら多少の無理もきくので、最近の修行は大体ここでしている。
『よし、入って来たな。ではまず髪を伸ばせ。』
『はい?……ちょっと、もう一回言ってもらえますか?俺の耳がおかしくなったかもしれない。』
『なんだ、聞こえなかったのか?髪を伸ばせと言っている。』
『いやいやいや⁉︎ちょっと、何を言ってるんですか⁈髪なんてそう簡単に伸ばせるわけないでしょう⁉︎それに俺、男ですよ?嫌ですよ恥ずかしい!』
『未熟者がぁ‼︎やりもせず最初から諦めるとは何事か!そのようなことでは一生属性力を極めることなど出来んぞぉ‼︎それにやってみなければ恥ずかしいかは分からんだろうが!もしかしたら気に入るかもしれん!』
『いや、気に入っちゃあ不味いんですよ!それに最初から諦めるとか言われてもやり方が分からないから出来ませんよ!せめてどうやるかぐらい教えて下さいよ!』
『うーむ……確かに少し唐突すぎたか。ではやり方というかコツを教えよう。いいか、ここはお主の精神世界だ、つまりお主が願えば大抵のことは叶う筈だ。だからイメージしろ髪の長い自分をな。』
『うーん……分かりました、やってみます。』
そして、俺は頭の中にイメージを思い浮かべる。目をつむりイメージを固め、しばらくして目をあけると首や肩に何かが触れている感じがした。
『おぉ!髪の伸びてる!すげぇ!やってみれば出来るもんだな。』
『うむ、成功したようだな、では修行に入る。まずは髪を三つ編みにしてみろ。』
『はい。三つ編みにする意味が分かりませんがとりあえずやってみます。』
えーっと三つ編みだったなこうか?そうして、伸びた髪を大雑把につかみ三つ編みに仕立てていく。しかし、当然三つ編みなどやったことはなく、お世辞にも揃っているとはいえない編み目の乱雑な酷い三つ編みになった。
それを見るや、ケルベロスギルディは物凄い勢いでこちらに詰め寄り。
『んもうっ!見てられないわっ‼︎』
口調も態度も突如として豹変し、くねくねと妖しく全身をうねらせてきた。
『雑だわ!手抜きだわ!ド素人だわっ!髪質が良いから余計に勿体無いわ!』
軽く埃を払うように無造作な動きであっという間に雑な三つ編みをほどき、手が何本にも見える程の高速で俺の髪を編み込んでいった。
『お手入れもなってないじゃない!ちゃんとリンスしてないのね!キューティクルが壊れちゃってるわ!スプレー、んシュッシュ‼︎』
トリートメントスプレーをまぶしつつケアも織り交ぜ。あっという間に、完璧な三つ編みが出来上がる。
『…………はっ!……またやってしまったか。』
我に返ったように後ずさり、三つの顔を俯ける。
『うわ〜。あんな一瞬で、こんな綺麗な三つ編みが出来るなんて凄いですよ!ケルベロスギルディさん!』
編まれた黒髪を触りながら俺は賞賛の言葉を送った。
『む?そうか、私自身三つ編みを前にすると自分を抑えられない未熟を恥じていたのだが、そう無邪気に褒められると悪い気はしないな。』
『そうですよ。確かにいきなり態度が変わったのは驚きましたけど人には皆、それぞれの良さが有りますから。別にそれで俺の貴方に対する態度が変わることはありませんよ。』
そう言うと、ケルベロスギルディは安心したような表情になり安堵のため息をはいた。
『そうか。そう言って貰えると私も気が楽だ。』
こうして、今日の修行は終わった。
それと、今日だけでも三つ編みがかなり上手くなってしまった。俺は着実に変態紳士への道を進んでいるのかもしれない。
どうだったでしょうか。
こんな感じでしばらくは主人公の変態紳士への道を書いていきます。きっと、原作までには完成しているでしょう(笑)