もう、修行を始めてから随分たった。今や多くの属性を極めたとまでは言わないが、なかなかの練度であると自負している。そして、今日ついに戦闘訓練が始まる。
『では、今から戦闘訓練を始める。覚悟はいいな。』
『はい!』
いま、教わっているのはプテラギルディさん、何故プテラギルディさんに戦闘訓練をしてもらうかというと、彼が戦闘のスペシャリストであるからである。もちろん、ドラグギルディさんや他のエレメリアン達も戦闘力は申し分ないがその強さはどちらかといえば、自らの属性力を高めた故の強さ、しかしこのプテラギルディさんは持っている属性力が希少な母属性であるため強さの種類が違う。
瑞々しい黒と紫で彩られた、引き締まった肉体。
鋭い嘴を携えた、天を衝くように尖った頭部。
左右の手の甲から伸びる、三本二対の巨大な鉤爪。
手首と肘の間で異様な存在感を放つ、刃のように研ぎ澄まされた翼。
現代生物には到底真似出来ない遥かな雄々しさは、まさしく古代の翼竜。
そして、その全ては希少な属性な故に少なく貴重な母属性を持つものに害をなすものを破壊するためのものである。母性に飢えているからこそそれに害するものに対する怒りは、凄まじい。
普段は温厚であまり争いを好まないが、一度彼が戦闘態勢に入ればその戦闘能力は高く、超音速の飛行能力に加え、全身が斬撃武器そのもの。さらに光線攻撃も得意とする、遠近攻防問わずの強者である。
この様に、戦闘能力を考慮した理由もあるが、実はもう一つ理由がある。それは、彼の持つ母属性が今の俺にとって一番分かりやすかったからである。いくら転生して精神年齢は高くても、この世界で産んでくれた母には感謝している。そして母への感謝こそが母属性の修行内容だったのだ。よって、今俺が知っている属性の中で最も使えるのが母属性なのである。
『戦闘訓練といってもまずは戦闘形態のなり方を教えるだけだ。』
『戦闘形態?なんですかそれ?』
『それはな、お前がこの力についてドラグギルディに教えて貰ったと思うが、我らと一体化して属性力を守る戦士になるのだ。』
『あ〜、確かに言ってましたね。でも一体化ってどうするんですか。』
『それは以外と簡単だぞ、まぁある程度、属性力を高めた者同士でないと出来んがお主なら大丈夫だ心配するな。では、説明するぞ』
そう言い、プテラギルディさんはこちらに手を出してきた。
『まずは、手に触れ。気をつけろよ私の爪は鋭いからな。』
そんなことを言われ少しビビりながら恐る恐る手に触れる。
『よし、これで準備は完了だ、では今から俺の言ったとおりにしろ。まずは何時もの様に母への感謝の気持ちを思い浮かべろ。そして、叫べ!”
『”属性変身”……母ァァァァ‼︎』
そう叫んだ瞬間俺の身体は光に包まれ光が止んだとき、そこには幼い身体はなく、目線も高くなり手には鋭い鉤爪、全身は黒と紫になっていた。簡単に言えば俺の見た目はプテラギルディさんのものになっていた。
『うぉぉ!すげ〜!一体化ってこういうことなんですね。プテラギルディさん。』
『ああ、しかし、これでは完全な成功とは言えん。』
『えっ!なんでですか⁉︎完全に一体化してるじゃないですか。』
『確かに身体は一体化しているがそれでも変身後の姿が私により過ぎている。本来ならもっと龍二よりの、つまりもっと人に近い姿になるはずなんだがな。やはり、属性力の強さに差があり過ぎたか。』
『えっ!どういう事ですか?俺の力が足りないからですか⁉︎』
『いや、龍二は素晴らしい成長速度で属性力を習得している。自分を責める必要はない。それにこの姿でも十分な力を持っている。それこそ余程の相手でない限り負けはしない。』
『そうなんですか、でもやっぱり俺の力不足の所為なのは変わらないですよね……よし!これからはもっと修行に励むぞ!』
『うむ、良い心掛けだ。それと盛り上がって居る所申し分ないが一つ問題が発生した。』
『問題?何ですかそれ?』
『どうやら変身に気合を入れ過ぎて精神世界だけでなく現実でも、変身してしまっている様だ。』
『えっ!それってやばくないですか⁉︎いくら山奥でも万が一が有りますよもし見られたら確実に明日のニュースに出ますよ⁉︎』
『ああ、だからな一旦変身を解くっ…………………まずい⁉︎』
『プテラギルディさん⁉︎どうしたんですか⁉︎何がまずいんですか⁉︎おーい!答えてってっええええええええ‼︎』
突如、プテラギルディさんからの返事が途絶えたと思ったらいきなり現実世界に引き戻され、気づけば俺は物凄い勢いで空を飛んでいた。
『えええええええ‼︎何これぇぇぇぇ!プテラギルディさん何で俺飛んでんのおおおおおお‼︎』
『暫し身体を借りる龍二!今は一刻を争う!説明は後だ!』
(な、何これぇぇぇぇぇぇ!)
どうだったでしょうか。
最後、いきなりの展開でしたけど多分、次回で主人公初戦闘だとおもいます。それと、遂に原作キャラが出ると思います。というか、原作を持っている方ならこの時期で母親のピンチって言ったら大体分かりますよね。
次回もよろしくお願いします。