仮面ライダー555 -新編-   作:Dr.mouse

3 / 5
閲覧有難うございます。

ちょっとずつ仮面ライダーっぽくなってきます。


第3話「復活」

真理と啓太郎は、ベンチの前で目を閉じ、合掌した。

 

これは言わば、巧の墓参り。墓が公園のベンチだというのも少し寂しいけれど、暗く堅苦しい石の部屋に閉じ込められるよりは、こっちの方が巧には似合っている。

 

ふとそう思った真理はクスッと笑った。

 

隣を見ると、啓太郎は2年前と全く同じ表情で、全く同じ量の涙と鼻水を流していた。夏だから、汗のオマケつき。

 

昨年もこうだった。まったく、この男ときたら純粋すぎる。まあ、そこがいいとこなんだけど、さ。

 

 

 

そのとき、真理は自分たち以外に誰もいなかった公園に、一人の若い男が入ってくるのを見つけた。

 

ベンチの前で、こんなにカッコ悪い男と一緒に合掌しているところを見れば、不気味に思われるだろう。

 

「啓太郎、もういいよ。啓太郎ッ」

 

号泣のあまり聞こえていないのか、真理が袖を引っ張っても応じる様子のない啓太郎。

 

そんな二人に、男はゆっくりと歩み寄ってきた。

 

マズイ、この状況はかなり恥ずかしい。

 

そのとき、真理はその男にどこか見覚えがあるように思えた。とてもうっすらだが、記憶の奥底に眠っているその顔を、思い出すことができない。

 

しかし、真理が思い出す間もなく、男は自己紹介をしてきた。

 

ただし、名を名乗るわけではなく、スティングフィッシュオルフェノクへの変化という形で。

 

 

 

「キャーッ!!」

 

アイツだ、初めて私を襲ったオルフェノクだ。巧が倒したはずなのに、どうして?

 

耳をつんざくような真理の悲鳴に流石に目を開けた啓太郎もかなり動揺しているが、状況は把握したようである。

 

「ま、ままっ、真理ちゃん!お、おる、おるるふぇのくが!!」

 

「私にお約束の台詞言ってどうすんのよ!」

 

真理は啓太郎の手を取り、必死に走った。

 

しかし、その足はすぐに止まる。

 

前方にこれまた、見覚えのある男が。何処の誰かまでは咄嗟に思い出すことはできないが、真理は直感的に身の危険を感じた。

 

案の定、男は象のごときエレファントオルフェノクに変化する。

 

挟み撃ちにされたこの状況の打開策を、真理は一つしか思い付くことができなかった。もちろん、成功するなんて思ってないけど。

 

真理はアタッシュケースを開き、ファイズドライバーを取り出して腰に装着した。

 

「無理だよ、真理ちゃん!変身できっこ・・・」

 

「物は試しよ!」

 

啓太郎の制止を振り切った真理はファイズフォンに変身コードを入力する。

 

[Standing By]

 

待機音が流れ、真理はファイズフォンを握った右手を高々と掲げた。

 

「変身!」

 

[Error]

 

バックルにファイズフォンを装填した瞬間、ファイズドライバーは真理を拒絶し、弾き跳ばした。

 

「フン!そのベルトが人間ごときに使えると思うな」

 

「さぁ、ベルトを渡せ」

 

オルフェノクたちは勝ち誇った様子で少しの焦りも見せず、地面に転がったファイズドライバーに歩み寄る。

 

「だ、駄目!」

 

真理は激痛が走る体に鞭を打ち、ファイズドライバーに手を伸ばす。

 

「や、やめろおおおお!!」

 

啓太郎は決死の覚悟でタックルを仕掛けるが、あっさりとはね除けられる。すぐに殺さないのは、真理たちの必死の抵抗を弄んでいるからか。

 

二人の抵抗も虚しく、オルフェノクたちはファイズドライバーにたどり着いた。

 

真理は既にファイズドライバーを手でがっちりと握っていたが、生身の人間から物を奪うのに、オルフェノクがてこずるはずもない。

 

エレファントオルフェノクは真理の首をつかみ、体を宙に持ち上げた。

 

「一瞬で殺すのもいいが、いつかの恨みだ。窒息の苦しみの中で死んでもらおう」

 

徐々に苦しくなってきて、真理は左手を首に持ってきた。

 

だがそれでも、右手に持ったファイズドライバーを放そうとはしない。

 

渡すもんか、巧の形見を、アンタたちなんかに!

 

 

真理が心の中で叫んだとき、真理は大きな衝撃とともに地面に叩きつけられた。

 

「ゲホッ、ゲホッ!」

 

窒息死寸前だった体に慌てて酸素を取り込む。

 

一体何があったのか、さっぱりわからなかった真理は顔をあげる。

 

すると、自分を襲ったエレファントオルフェノクが数メートル先で倒れているのが見えた。その光景に呆気にとられたスティングフィッシュオルフェノクも。

 

そして最後に、真理は自分の隣を見て何が起きたのかを悟った。エレファントオルフェノクはコイツに攻撃されて、弾き飛ばされたのか。

 

真理が見上げていたのは、オルフェノクの顔だった。

 

 

真理を救ったオルフェノクは雄叫びを上げると、敵目掛けて襲いかかった。

 

「真理ちゃん、大丈夫!?」

 

啓太郎が駆け寄ってきて、倒れた真理の上体を助け起こした。

 

「ねえ、あれって・・・」

 

「うん、あれは・・・」

 

二体のオルフェノクが自分たちに襲いかかってきたとき、二人は恐怖に震え、一瞬絶望を覚えた。

 

しかし今、新たに出現したオルフェノクを見て、二人は顔を見合わせる。その目には希望の色が見えた。

 

「巧だ!」

 

「たっくんだ!」

 

二人を救ったのは、狼のごときウルフオルフェノク、巧の真の姿だった。




ようやく巧が登場しました。出てこないと思ってた皆さん、出ましたよ!

次回はいよいよ特撮の醍醐味・戦闘シーンを書くんですが、僕はどうも戦闘シーンが苦手で 
出来るだけわかりやすく、皆さんが頭の中で想像できるように、巧を描こうと思います。

閲覧有難うございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。