ゆっくり見ていってね!
その修行とは…
「まずは雑巾掛け十周!そのあとは境内の掃除だ!わかったら働く!」
意外に壮絶なものだった…
「ふぅー…疲れたぁ」
「あはは…。確かにそうですね。巫女様は娘さんにも厳しいですから…ほら」
「?あれは…」
いつか見たことがある。確か幻想郷の博麗の巫女がやっていたな。周りの人は、乱舞と呼んでいた。向こうの場合は弾幕を散らしながらやっていたっけ。こっちの世界には、弾幕という概念すらないのか…。向こうで常識なことは、ここでは非常識、か。あの動き…弾幕を撃つ動作に似ているな…
気がついたら、動いていた
「師匠!俺にその動きを教えてください!」
「「「え?」」」
「お願いします!向こうで、役に立つかもしれないんです!」
「…いいだろう。早苗、お前も守矢の巫女となるもの…やるか?」
「は、はい!やらせてください!」(霧雨くんには負けない!)
「…ありがとうございます!」
その日から、皆でその練習をすることになった。いろんなことをし、成長していく。と、あの日から何年か経った頃、師匠に呼ばれる
「なんですか?師匠…」
その頃はようやく慣れ始め、修行も板についてきた頃だった
「…光。早苗にお前の世界のことを教えることはできぬのか?」
「え?でも…」
「この前の乱舞…。お前だけ違うメニューにしただろ?それを疑問視したようでな…」
「…紫さんが、いいって言ったら、いいですけど…」
「…そうか。なら、手紙を書こう。そして、鳥居に向かって投げるのだ。返事はすぐ来るよ」
「…届くものなんですか?」
「あぁ」
「…」
俺は黙って筆を走らす。先ほどのことと、あとは妹、家族の様子など…そしてそれを鳥居に投げる
「…消えたってことは…届いたのか?」
「霧雨くん!やっと見つけた!修行の時間だよ!」
「あぁ。待ってろ!すぐ行くから!」
俺は鳥居を黙って見つめ、修行へ向かった…
そしてその日の夕飯
「帰ってきていたぞ。読んでみろ」
「あ、ありがとうございます…」
その内容は、最初に一言、いい。という言葉。そして俺が聞いたこと全てが書かれてあった
俺は師匠に頷いて、口を開ける
「さて…ここで、俺の話を、しようか」
「?霧雨くんの話?」
「あぁ。師匠と琴音は知っているが、俺は…違う世界からきた」
「え?…違う、世界?」
「そうだ。幻想郷という…」
「そんなものが本当に?」
「あぁ。俺はそこにいた吸血鬼に噛まれ、妖怪になった身だ。そしてここにきた…」
「…吸血鬼…」
「妖精が、人間が、妖怪が、幽霊が、吸血鬼が、魔法使いがいる世界だ」
「…」
東風谷は黙って下を向く
「信じて、くれなくてもいいんだ。ここでは非常識なのだから…」
「私…信じます!だって、霧雨くんがいた世界なんだから!それにあの乱舞…。私たちでは絶対できない!」
「あのメニューはどうかと思ってたわ。でも、軽々こなすんだもの」
「…そうか。俺がここにいれるのはあと…一年…」
「それだけしかないの!?どうしてっ」
「…約束だからだ」
「……そう」
「霧雨、くん…」
「だから、後の一年…よろしくな」
憎いことに、やはり俺は…妹の歳を覚えていた
そこからもう一年が過ぎた…。ある日の博麗神社に手紙が届く
「光」
「なんですか?」
「手紙だ」
「…八雲、紫…。紫さん…」
「読んでみろ」
「はい…」
その手紙の内容は、帰ってこい、という内容と、謝罪の内容だった
「帰る時が、来たようです。長いようで、短かったな…」
「そうか…明日か?」
「そうしようと思います」
「…なら、宴会、だな」
宴会…心が高鳴った
「光の帰還を祝して…かんぱーい!」
「乾杯です!」
「かっんぱーい!」
「乾杯…」
その宴会は凄く楽しく、とても悲しい…。そんな空気が流れていた
「光、早苗、琴音…。お前らに渡すものがある」
「渡すもの?なんですか?」
「これだ…」
目の前には箱がある。開けろ、と指示され開けてみればそこには…
「これは!…銃?」
「私のは、お祓い棒…!」
「乱舞に使う時の、鈴!」
「…お前たちへ、卒業の証だ」
卒業…そうか、だから…あんなに悲しそうだったのか…
「琴音、お前に神社を任せる。ちゃんとやるのだぞ?」
「…はい、お母さん…。いいえ、先代!」
「早苗、荷物をまとめろ。守矢に帰って、巫女を務めるのだ」
「…巫女様…わかりました!」
「光、向こうでも、元気でな?」
「…師匠…今までご指導ありがとうございました!」
「皆…これからは自分の人生だ。だから…一歩を踏み出せ!私がついている!」
その言葉の意味は、どれだけおもかったか…俺には計り知れなかった…
次の日…
「では…俺はここで失礼します。きっと、また会いましょう」
「はい。覚えてて、くださいね?」
「私も私もー!いつか、ね?」
「あぁ…」
そして俺は…鳥居を潜った…
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