東方幻想記録   作:最善策

42 / 76
…博麗の巫女を出すか


ゆっくり見ていってね!


第41話 100年前の異変

『…いつかの主にあった日…そして私が死んだ日…』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「…」

 

これは行き倒れ、というのか…

つまりは空腹によって倒れている。私はしがない妖怪だが、この頃の博麗の巫女がいつになく敏感になっているせいで、人里に食料を取りに行けなかった

 

「…私、死ぬのかな」

 

死ぬのは、嫌だな

もうちょっと、生きていたかったな…

そう諦めて目を閉じようとしたとき…ふと、人影が私を覆う

でも自分の欲望に逆らえなかったため、目を閉じてしまった…

 

 

 

次に目を覚ましたのはある部屋の中だった

どこだ…と見回してみると、ふかふかなベッドに寝ていたと気づく

だれかが助けてくれた…?なら、お礼を言わないと

と思いそのベッドから立ち上がった途端、目が眩む…

 

「っ」

「まだ、動かないほうがいい」

「え…?」

 

目が眩む中、私は声がしたほうを見る

そこには1人の男性がいた

 

「あなたは…?」

「私は…そうだな、黒王竜とでも名乗っておこう」

「黒王竜…さん」

「さんはいい。虫酸が走る」

 

口が悪い人…

最初の印象はそんなものだった

 

「…私は彼方…あの、あなたが助けてくれたのよね?」

「そうだが…」

「…ありがとう。でも、私はもうここにはっ」

「せめて飯でも食べていけ…空腹で倒れていたらしいからな」

「っ」

 

途端にお腹が空いてくる

…少し、言葉に甘えても、いい、かな…

 

「じゃ、じゃあ…少しだけ」

「…ほら」

 

そこには見るからに豪華な食事

こんなの見たのは初めてだから少し戸惑ってしまう。慌てていると黒王竜はクス…と笑ってこちらを見る

 

「…お前は面白いな」

「面白くて結構!」

「ははは…さ、遠慮なく食べろ」

「…なら、いただきます」

 

もう私のお腹は空腹に耐えられなくなっていた

 

「いい食いっぷりだな」

「…っ!!…しょうがないじゃない」

「まあまあ…」

「…あなたは1人でここにいるの?」

「まーな…」

 

凄く寂しそうな顔をする

その表情を私は__見逃せなかった

私の元々の妖怪の種族は『想い妖怪』。想い妖怪とは、寂しい、苦しい、などの感情を持った人を見逃せないという厄介な性質を持つ妖怪だ。でも、私はこんな自分が好きでもあった。妖怪の中で、一番優しい種族なのだから、誇れるに違いない

 

「私が、一緒にいてあげてもいいわよ?」

「?」

「…迷惑だったら別にいいんだけど」

「迷惑、か…」

 

やっぱりダメかな…

 

「そうだな…頼むとするか」

「そうよね。やっぱりだめ__っていいのっ!?」

 

座っていた椅子を後ろに倒す勢いで立ち上がる

それに最初は驚いていた黒王竜も笑い始める

 

「…ここは妖精邸…私はここの主の黒王竜・ブラッターだ」

「主…ブラッターとかダサいから主でいいわよね」

「ダサい…そんなことを言われたのは初めてかもしれないな」

「あらそう…なら主!私の人形をあげる!」

「人形…?」

 

紹介し忘れたが、想い妖怪には1人に一匹、人形がついている

それに自分の魂を少し入れて自我を持たせるのだ

もちろん、操ることもできる

 

「ドール!」

「はい!マスター!なんでしょう!」

 

元気よく出てきたのはドール…私の人形だ

まあ元気なのはいいんだけど…時々やらかしてしまうから困ったものだ

 

「この子は私の人形のドール…で、こっちが私の主よ、ドール」

「マスターの主…よろしくお願いします!」

「こちらこそ…ドール」

 

ドールと主は小さく握手を交わす

と、突然外から轟音が聞こえてきた

なにかと外を見てみれば、何か赤い物体…?がこちらに向かって飛んでくることに気づく

 

「っ?主…あれは?」

「なんだ…っ!?あれは博麗の巫女!?」

「博麗…?なんでっ」

「まさかもう場所がばれたのか!」

 

主は自らの手に剣を創造させる

主が戦闘態勢をとったのだ。もちろん私たちもそれに従う

 

「何をしたの!?主!」

「私は博麗の巫女が最も最優先にして殺しにかかるような存在…黒王竜だ」

「黒王竜…それが関係、してるの?」

「マスター!」

「ドール…主を守るわよ!」

「なっ!?そんなことはするな!危ない!」

 

危ない…あなたのために死ねるのなら本望よ

 

「やっと見つけたわ!黒王竜!」

「っ!彼方っっっ!」

「覚悟なさい!」

「…主、大丈夫だから」

「っ」

 

博麗の巫女はただただ突っ込んできている

おかげで私は見えていないようだ

守るなら、今!

 

「ドール…ごめんね。今回は、許してね」

「マスター!?何をする気ですかっ!?」

「っ彼方!?」

 

私は博麗の巫女が武器を取り出し、主に殴り付けようとしたところで主の前に飛び出してくる

このままでは私は死んで、主も殺されてしまうが、策を取っていないわけがない

 

「っ!?ちょっ」

「さよなら、主…ドール…」

「彼方ぁぁ!」

「マスター!?」

 

その身は博麗の巫女の刀によって切られた…

その途端私の周りに魔方陣が組まれる

これは主、ドールを守るための仕掛け…

 

そして博麗の巫女を地に返すための、妖精邸を隠すための仕掛け…

私は妖怪。これくらいわけない

 

「っうまく、いった…」

 

その言葉を最後に私は暗闇の中に落ちていった…

 

次に目が覚めたのは空中…

あの照明には見覚えがある。ここは妖精邸?そして無意識に下を向いてはっ、とする

下には…涙を静かに流して、私の亡骸を抱えている主がいた。そこからは負の感情が滲み出ていた

やってしまったか…そう思った。ドールも隣で泣きじゃくっている。いつもはあんなに笑顔なのに…

 

『…主』

「許さない…許さない!」

「主っ」

「絶対に復讐をしてやる…!博麗!」

『っ!?』

 

復讐!?

私はその言葉に驚愕する。そんなことをしてしまったら…

 

『だめ!』

 

自分の存在を知らせようとするがどうしても声が出ない

黙って見ていることしかできなかった

 

「…ドール」

「なんでしょう、主」

「彼方…お前のマスターの仇を取るぞ」

「…それはマスターが許しません」

「…なぜだ」

 

そうだ…ドールには私の魂が入っている

なら、私と同じ感情を持つことができるはず…!

僅かな望みをかけてドールを見つめる。だが、その望みはすぐに粉々に崩れる

 

「復讐は、100年後。今の博麗ではきっと…」

「返り討ちに、あうと…」

「そうです。主が死ぬのを一番に心配していましたから…マスターは」

「そうか…彼方…」

 

どうして…!?

…いや、自我を持つということは自分の意思を持つということ…!今はそれが優先されたってこと!?

そのあと、ドールと主は少し会話をした後、私を供養してそれぞれの行動をとる

主は力を貯めるために100年眠りにつく

ドールはその主を守る…私の最後の命令だ

 

『…』

「っ…今、マスターの声がっ」

『…?聞こえるの?ドール…』

「マスター!?マスターなのですか!?どこにっ」

『ここ、ここよ!あなたの後ろ!」

 

ドールはゆっくりと振り返る

そして瞳孔を大きく開き、その瞳に涙を溢れさせる

 

「マスターっっ!」

『ドール…』

「どうしてっ」

『ごめんね、ドール…どうしても成仏できなかったのよ』

「っ…どうして?」

『…主を、守るわよ』

「はっ…はい!マスター!」

 

どうしてドールに私の姿、声が聞こえたのかはわからない

そしてなんで私が成仏していないのか…それはわからないが、今はこのままでいるしかない。主との約束を果たすために…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『ってね…』

「そんなことが…」

「黒王竜…どこかで聞いたことがある名前。そう…そんなことがあったのね」

 

彼方はブラッターと向き合う

そして頭を下げる

 

『主!ごめんなさい!』

『っ』

『私は、もう行かないと…』

『マスター…』

 

彼方はこちらを振り返る

そして霊夢に向けて話し始める

 

『これで大丈夫よ。だから…そろそろ私を成仏させて?』

「成仏…いいわ。そこまで言うなら」

 

霊夢は真新しいスペルカードを構える

 

「これは強制成仏させるためのスペルカード…使うことはないと思ってたんだけどね」

『彼方…』

『大丈夫。私は…いつまでもあなたのそばにいる…』

『マスターっ!』

 

にこりと彼方は笑った後、こちらを再度振り返り、頷く

それは合図だった

 

「いくわよ!成仏『強制天生』!!」

 

そのスペルカードの輝きは彼方を包み込む

彼方は最後、ブラッターとドールのほうを向き、最後に口を開ける

 

『いつまでも、大好きよ…!仕掛け……解除!』

 

彼方の姿が消えた途端、地響きが

窓から見てみれば、そこは水の中ではなく、地上だった

 

『彼方…』

「これから、どうするんだ?」

『…そうだな。ここでドールと幸せに暮らしていくとしようか…』

『はい!主!…マスターも!』

『あぁ…さあ、出口まで案内する。ついてこい』

 

ブラッターは歩き出す

それに俺らはついていく

出口を出ればそこは霧の湖…遠くにチルノと大妖精が見える

 

『こんなに外は綺麗だったのか…』

「華鳥風月…それが幻想郷よ」

「そうよ。さあ…契約ははたしたわ。帰るわよ、フラン」

「はーい!待たねー!」

 

レミリアとフランは日陰を飛んで、自分の館に向かって帰っていく

それを見届けた俺は魔理沙に目配せして申し出る

 

「さあ…俺たちも帰るとするか」

「私たちもよ」

「またな!黒王竜!」

「…また」

 

『あぁ…またな』

『遊びにきてくださいねー!』

 

笑顔は全てを咲かせるだろう

俺のスペルカードも…咲くだろうか

『幻想の蕾』は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが咲くのは、すぐの話…




やばい光が犠牲になってくれない←
こいつらは…うん
今後出てくるかわからん
戦力不足になれば出すかも…?
なにはともあれ…幻想郷異変解決!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。