それでも…ゆっくり見ていってね!
「…紫さんを止める?」
「そうです。彼女は昔、ある事件を犯しました」
「事件?」
四季映姫はこちらに向き直す
「博麗の巫女を__殺したのです」
「殺した…!?」
「それって…」
「幻想郷の崩壊を意味しています」
幻想郷の崩壊…
それってなくなるってことだよな?
「…わかった。その依頼引き受けよう」
「依頼?…あぁ、ここは一応店でしたか」
「私も忘れてたぜ」
店主は忘れるなよ!
「では報酬が必要、ですか」
「そうでしたね〜」
小野塚はよっこいしょ…と立ち上がる
「ならこんなのはいかがですか?」
そして一枚の紙を取り出し四季映姫に見せる
その紙を見た四季映姫は一つ頷きこちらに顔を向ける
「次の宴会は無縁塚でやってもいいでしょう」
「おっ!本当か!?」
「…?無縁塚って…」
魔理沙のあの事件、か…
正直俺のほうが軽いトラウマだぞ
そんな意味を込めてその眼差しを四季映姫に送る
それを汲み取ったのか四季映姫は
「大丈夫ですよ。そこの妖怪たちにはちゃんと言っておきますから」
「そうか、それはよかった」
「ま、私はもう二度とあんなことはしないけどな」
「第二者、第三者がいるからねぇ」
「で…俺たちは何をすればいい?」
俺は元々の話に戻す
「そうでしたね。あなたたちには八雲紫に光を灯してほしいのです」
「光を…?」
「そう…光を灯せるのはたった1人…光さん、あなただけです」
「俺、か?」
「そうです。そして魔理沙には八雲紫を抑える魔法『妖怪冷静』を唱えてほしいのですが」
「…大丈夫だ。使ったことはあるぜ」
魔理沙は真剣な眼差しで四季映姫を見ている
「…かなり難易度が高い魔法だった気がしますが…なぜ人間のあなたが?」
「魅魔様に使わされたんだぜ?…魔力は大幅に消費するけど」
魔理沙は笑いながらそう言う
魅魔、か…懐かしい名前が出てきたもんだ
そう言えばあの時から姿を見ていないな
「そうですか…では年は今より…500年前」
「「500年前!?」」
「どんだけ昔なんだよ!?」
「もうちょい最近かと思ってたぜ…」
「では転送しますよ?」
転送??
閻魔そんなことまでできるのか…恐ろしや
「では…向こうの博麗の巫女はわかっていますから安心を…」
「じゃあいきますよ?四季様…」
「はい。小町の能力で今と500年前の距離を…」
「なくす!」
小野塚が鎌を振るったとたん、次元の歪みが生まれる
その向こうには赤い鳥居…見慣れた博麗神社が見え、その部屋の中には巫女が…仁王立ちして待っている
「あれが…」
「おー!500年前か!」
「さて…ではまた後日…一週間後に迎えに行きますから…お願いしますね?」
四季映姫がそう言うと、その歪みは閉ざされた
それを見届けてから、俺たちは神社に近づく。するとあっちもこちらに気づいたのか、ニンマリ笑って近づいてくる。四季映姫が言う限りは…こいつは紫さんに殺されるのか…
「初めまして!魔理沙に光、よね!」
「こっちこそ…」
「よろしくだぜ!」
「私は博麗 七竈…博麗の巫女よ!」
七竈は手を差し出してくる
それを素直に握り返す
「えーと…この時代の紫さんは?」
「あの隙間妖怪?…神社の裏にある八雲邸にいるわよ」
「八雲邸??神社の裏にそんなものが…」
「ま…とりあえず上がりなさいな」
七竈は神社の方を向いて歩き出す
歩きながら周りを見てみれば、今とは比べものにならないほど綺麗だ。いや、綺麗じゃないみたいな言い方は失礼か
「未来の幻想郷かぁ…綺麗なんだろうなぁ」
「もちろん!…私の大好きな華鳥風月だぜ!」
そう言えばこの前も華鳥風月っていう言葉が霊夢の口から出たが、それってなんなんだろうか…
「「ねぇ/なぁ、華鳥風月ってなに?/んだ?」」
これはハモったな
「え?華鳥風月か?うーん…」
魔理沙は腕を組み考え込む。そこまで難しいことか?
と、魔理沙は腕を組んでいたのをやめ、その腕を広げる
「幻想郷の綺麗な風景のことだ!」
確かにな…
華鳥風月、か…
どこか口に馴染む言葉だな
「綺麗な風景、ね」
「そうだぜ!…でも、この時代はまだ華鳥風月は生まれてないみたいだな」
魔理沙が鳥居の方を振り返る
そこには大きなクレーターやなにかの跡がある
今の幻想郷のような美しさはない
「…妖怪たちが作っていってしまったのよ…」
七竈は悲しそうな顔をしてそこを見つめる
昔は綺麗だったのだろうか…
「さ、そんな話はよして…お茶をいれるから待っててくれる?」
そう言って七竈は奥に行く
それを見て、魔理沙はため息をつく
「どうした?」
「いや…なんか、ここは空気が汚いなーって」
確かに…息がしずらいくらいだが、外よりかはマシか…そう思う
魔理沙はずっとそこにいたせいか、あんまり慣れないようだ
「大丈夫か?」
「…まあまあだな」
「お茶入れたわよー…さ、座って座って!」
霊夢は絶対そんなこといわないだろうな
「さて…ね!あなたたちのところの博麗の巫女はどんな人?」
「霊夢か?」
「ふーん!霊夢って言うのね…」
「霊夢は…冷静で残酷だな…」
「冷静で残酷?…結構酷い性格なのかしら?」
「いや?…霊夢は優しくて、あったかくて…私の相棒だぜ!」
魔理沙は湯飲みに入ったお茶を飲み干しそう言った
「そう…」
「あら?博麗…その子達は誰かしら?」
「…隙間妖怪」
見慣れた声と、殺気に溢れた妖気が一瞬であたりを包んだ…
こっからどうしよう!?←