東方幻想記録   作:最善策

56 / 76
あれは…そうだな
確かにあいつの初恋だったかもな!
ん?…話してやろうか?
あの弾幕を…

ゆっくり見ていってね!


第54話 私はあなたに恋をしていて…

視点→霊夢

 

私たちは早苗から合図をもらい、奥へと進んでいる

どんどんどんどん妖力が強くなっていき、嫌な予感もする

それはすぐそばの人からだった

 

「…嫌な、予感がするわ」

「…信じたくないが俺もだ」

 

春夜が隣で頷き、その刹那進むのを止める

それを不思議に思い、春夜のほうを振り返る

 

「どうしたの?春夜」

 

私たちに気がついたのか、魔理沙と光も進むのを止める

 

「…どこからだ?この、妖力…」

「なに一人でブツブツ言ってんのよ?」

「いや…気にしないでくれ…勘違いだといいんだが…」

 

いや、勘違いではない

実際私も大きな妖力を感じているし、それが近づいてきているっていうのはわかる

と、それは瞬間移動でもしたかのようにすぐ後ろ…魔理沙たちの方向に飛んできている

私はばっ!…と振り返る

 

「っ!」

「な、なんだぜ?」

「後ろになにか…」

「っだめ!」

 

私は動こうとした__だが、先に動いたのは春夜だった

私の隣を物凄いスピードで通り抜け、魔理沙たちを弾き飛ばす

そしてその妖力は…春夜に当たった

 

「「っ!?」」

「っ春夜!?」

 

私よりも先に動けた春夜に驚く…と同時に妖力に当たった春夜に声をかける

一方魔理沙たちのほうは、いきなり弾き飛ばされたため、光がバランスを失った魔理沙を支えているまま固まっている

 

「っ…」

「しゅ、春夜…?」

「…」

「ど、どうなったんだぜ…?」

「春夜…?どうした?」

 

春夜は静かに私たちの元を離れる

そのとき微かに見えた春夜の目は…真っ黒だった

私の勘が激しく警音を鳴らしている

__このままじゃ、春夜が危ない!

 

「…私に、任せてくれるかしら?」

「…」

「お願い…どうしても私が助けなきゃいけないの」

「…わかったぜ」

 

魔理沙は乱れていた服を直しながらそう言う

光はそれを見てからこちらを見て頷く

 

「ありがとう」

 

私はニヤリと笑うと、飛び上がる

 

「さてと…始めようじゃない」

「…」

「喋らないつもり…?あんた、博麗の巫女への態度も習ってないのね」

「…」

「無口な人は嫌いだけど…いいわ。そのまま始めてあげる!」

 

私はそれだけを言うと手のひらを春夜に向け弾幕を放つ

それに合わせて春夜も弾幕を撃ち返してくる

 

「さあ!行くわよ!夢符『封魔陣』!」

「…春符『春風の操り妖精』」

「あら…さあ!始めるわよ!」

「…こい。霊夢」

 

髪の間から真っ黒な目を見せ、春夜は弾幕を放つ

 

「くっ!…なんなのよ、この弾幕!」

 

飛んでくる弾幕は濃く、それに加えて弾幕自体が真っ黒ななにかに覆われていて気味が悪くてしょうがない

 

「その程度か…?霊夢」

「そんなわけっ!…でも、ちょっとやばいかも」

 

これも避けるのは精一杯…

でもよく見ればあの弾幕…真っ黒の部分、当たり範囲じゃない?

なら避けるのはだいぶ楽だけど…やっぱり当てなきゃ勝てないわよね!

 

「はぁぁぁ!霊符『夢想封印』!」

「くっ!…春符『幻想の山々』!」

 

二枚のスペルカードがぶつかり合う

それは火花を散らし、四方八方に飛び散っていく

 

「っ!」

 

その一つが春夜に当たり、苦い顔をする

 

「……」

「大丈夫?春夜」

「構うな、俺は敵だろ?」

「構うな?…あんた…ふざけてんの?」

 

春夜は体を揺らす

それに容赦なく追い討ちをかける

 

「あんたは『うち』の居候。死んでも困るし、私、博麗の巫女としては助けなきゃだめなのよ」

「っ!」

「…あのね。春夜。こんなときになんだけど…言いたいことがあるのよね」

 

私は息を整える

そして春夜を見つめる

 

「私__」

「言うなぁぁ!」

「きゃぁ!?」

 

言おうとした途端、春夜が殴りにかかってくる

それに当たった私はバランスを崩しすごい速さで地面と衝突__と、思ったが誰かを道連れにしたようであまり衝撃はこなかった

 

「いたたた…」

「れ、霊夢…?」

 

目の前には光がいるため、道連れになってしまったのは言うまでもない

 

「れ、霊夢!なにすんだぜ!?」

 

魔理沙である

私はすぐ身を退ける

そこには小さなクレーターができていて、ちょっと申し訳なく思う

 

「ご、ごめんなさい、魔理沙」

「うぅ〜…本当だぜー」

「あ、はは…大丈夫か?霊夢、魔理沙」

 

光はこちらに手を伸ばしてくる

その手を掴んで私は立ち上がり、春夜がいる方向を見つめる

 

「…春夜」

「うぅ〜…」

 

魔理沙は光に支えられながら起き上がり私の隣に立つ

そしてため息をついた後、いきなり真面目な顔になる

 

「…霊夢」

「なに?魔理沙」

「さっき、何て言おうとしたか…」

「あら?聞こえてた?」

「バッチリ、だぜ」

「怖い怖い…」

「恋符魔法使い…私に任せろ!」

「…まったく…」

 

光はため息をつきながらも笑顔で私たちに近づいてくる

魔理沙は満面の笑みでこちらを見る

私は__

 

「行ってくるわ…」

「?…そっか、じゃあ行ってらっしゃい、なんだぜ!」

「あぁ…頑張れ」

 

光に背中を押される

__ただ、私は気づかなかった。あの子の変化に…

背中を押された私は、春夜の前に躍り出る

 

「…まだやるきか」

「まだよ…私があんたに伝えない限り終わらせないわ!」

「っ…」

「…聞いてよ…聞きなさいよ…私の想いを!」

 

私は開いていた手を握りしめて声を張り上げる

 

「春夜!私は、あんたのことが…!」

 

私は一回深呼吸をする

そして真剣な表情で春夜を見つめる

 

「私は、あんたのことが…大嫌いよ!」

「っ!ならなんで俺を助けようとする!」

「わかんないわよ!なんか心がもやもやするだけで…助けなきゃいけないのよ!」

 

私は声を張り上げる

と、目の前に光輝くスペルカードが現れる

 

「なに…?これ…」

 

霊力が満ち溢れてくる…

どうなってるのかわからないけど、出てきたんなら使うってもんよ!

 

「さぁ…私があんたを助けるから!霊符『光の恋衣』!」

「っ!?ぐ、あぁぁぁぁぁぁ!」

「っ…春夜」

「はぁ…はぁ…れ、いむ…?」

「そうよ、私は霊夢…あんたが大嫌いな博麗霊夢!」

「大嫌いって…お前な…」

 

春夜はさっきの衝撃からか、体が動かないらしい

 

「どうしましょう…」

「あの隙間妖怪に運ばせろ…お前は異変解決に行け」

「で、でもっ…!」

「…お前は博麗の巫女だ」

「っ!」

「今はそれを全うしろ」

 

春夜はそれだけ言うと、近くにいつのまにか開いた隙間に身を投じる

それは春夜が入った後、閉まる

私は数秒かその空間を見つめると、魔理沙たちのところへ行く

 

「まっさか…大嫌いって言うとわな」

「いいでしょ?…でもなんでかしら?あなたならわかる?魔理沙」

「わかるけど…自分で気付いたほうがいいからな」

「そう…一体、なんなのかしら?」

 

一瞬、魔理沙は寂しそうな顔を見せる

でも、すぐあのいつもの笑みに戻り告げる

 

「さ!行こうぜ!」

「そうだな」

「えぇ…どんどん妖力が強くなってきてる。気をつけて行くわよ!」

「「おー!」」

 

私たちは飛び立った…




__ねぇ、あなたは私のなんなのかしら?
__お前は誰だ…?
__ごめんな…
__あんたらは…それだけの関係なの?

__嫌だ!死んじゃ…!嫌だぁぁぁぁぁぁ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。