この物語の主人公はバーダックです
ラディッツは言わば魔人ブウ編の悟飯、超電磁砲一方通行編の上条当麻です
ラディッツ達は、ベジータに勝利した
その報告はすぐにバーダックに届いた
『なぁ、ギネ』
『なに、バーダック？』
『ラディッツは、デカくなったな』
『そうだねぇ』
バーダックは不思議な気持ちになっていた
これが、親が子の成長を喜び、そして少し寂しくなる気持ちである事は、今のバーダックは知らない
だが、悪い気はしないと思っていた
『流石、バーダックの息子だね』
『いや、俺達の息子だ』
ギネの言葉に、バーダックは微笑を浮かべて返した
その頃、ラディッツ達は
『被害状況を報告しろ
怪我人はさっさとメディカルマシンに打ち込め』
『トーマ、あんたは大丈夫なのかい？
あのナッパと殺りあったんだ
結構来てんじゃないかい？』
トーマは全軍に指示を出し、トテッポ、パンブーキンは怪我人の運搬に行っていた
『セリパか
いや、大丈夫だ
ラディッツがあれだけやったんだ
これくらいで参ってちゃあ、年長者の面子丸潰れだぜ』
『そうかい
じゃあ、無理すんじゃないよ』
セリパがトーマに背を向け、飛び立とうとした時、
『セリパ』
『あ、何だ・・・・』
ギュッ
『っ⁉︎///』
セリパは、不意にトーマに抱きしめられた
『な、何すんだいトーマ！///
は、離しな！///』
『・・・・』
トーマは無言でセリパを抱きしめていた
諦めた、という風に、セリパも抵抗するのを止めた
『・・・・どうしたんだい、トーマ？』
『・・・・お前が生きてて、良かった
そう思っただけだ』
『は、はぁっ⁉︎///
ど、どうしたんだいトーマ⁉︎///
バーダックに感化されちまったのかい⁉︎///』
『・・・・そうかもなぁ』
セリパはそんなトーマに微笑み、背中に腕を回した
『あんたも、無事で良かったよ』
『・・・・おぅ』
『ラディッツー‼︎』
『あぁ、セロリか』
所変わってラディッツは、ベジータをメディカルマシンに運んだ帰りだった
あれだけの攻撃でも、彼はそれ程の重傷は負ってはいなかった
全くもってやはり彼は凄い奴だと、ラディッツは思った
『どうしたのラディッツ？
何か元気ないね？』
『あぁ、ちょっと疲れちまっただけだ』
『そっか
まぁ、無理ないよ
戦争したんだから』
ラディッツはそこに引っかかっていた
なぜ父はあえて戦争をしたのか
サイヤ人を無差別に殺すだけの野蛮な種族から、誰かを守れる存在にしたいなら、なぜ戦争をしたのか
これでは戦いを肯定しているのではないのか？
確かに極力死人は出さなかった
そして、極力殺さなかった
でも結局やったのはいつもと同じ(規模は違うが)、『戦い』だ
だが、そこから先どうするのか
ラディッツにはわからなかった
『ラディッツ？』
ラディッツが黙り込んでしまったので、セロリは心配になりラディッツの顔を(結構な近さで)覗き込んだ
『ぅわぁっ⁉︎///』
『きゃあっ⁉︎』
ラディッツの大声に、セロリは尻餅をついてしまった
慌てたラディッツは、詫びれながらセロリに手を差し伸べた
『ご、ごめんセロリ///』
『もぉ、急に大声出さないでよ〜』
『お、お前があんな近くに顔持ってくるからだ‼︎///』
『だってラディッツが急に黙っちゃうんだもん
心配しちゃうじゃない』
ラディッツはセロリの言葉に少しドキッとしてしまったが、それを隠しながら歩くスピードを上げた
『ごめん、今日は疲れたから、もう帰るよ』
『そう
気を付けてね
またね、ラディッツ』
ラディッツはセロリに手を振り、自宅に飛んだ
『(お袋、きっと泣きながら抱きついてくるんだろうなぁ
まったく、子どもも楽じゃないな)』
そんな事を考えたラディッツの顔は、年相応の子どもの笑顔だった
『(親父、親父の考えは分からないけど、俺、頑張ったよ
少しくらい、褒めてくれよな)』
僕の予想では超サイヤ人ブルーも何だかんだで2とか3になるんじゃないかなと思います