ドラゴンボールIF   作:通りすがりの筋肉

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チルドを倒し、フリーザをも倒したバーダック

だが彼は、自分達の生き様に疑問を覚えた

いったいバーダックは、どうするのか?


守護者サイヤ人?

 

 

 

バーダックがフリーザを倒して三日がたった

サイヤ人達はフリーザ達にめちゃくちゃにされた惑星ベジータの復興に力を入れていた

バーダックも帰還したラディッツと共に復興作業をしていた

 

『ラディッツ、そこの岩持って来い』

 

『ちっ、人使いが荒いなぁ』

 

『あ、何か言ったか?』ギロッ

 

『い、いや、別に...』

 

ラディッツはバーダックが少し苦手だった

反面、戦闘力が高く、サイヤ人の間でも有名な父を尊敬もしていた

 

『......』

 

『どうした、親父?』

 

バーダックが手を止め、何かを考えだした

 

『なぁ、ラディッツ...

俺は、どうしちまったんだろうな...』

 

『な、何が?』

 

父が何を言いたいのか、ラディッツにはわからなかった

 

『...俺達はサイヤ人だ

戦いこそが生き甲斐だ

でも、俺は...』

 

『...?』

 

父の言わんとする事が、幼いラディッツにはわからなかった

 

『俺は、戦いは好きだ

だが、あんな事があっちゃあ、俺は...』

 

『......』

 

ラディッツは、ただ父の話を聞くしかできなかった

 

 

 

バーダック達は作業を終え、帰宅した

いつも通り夕飯を食べ、いつも通りの時間に寝床に入った

だが、バーダックは眠れなかった

何となく外に出て、空を見上げていた

そして、あの民族の事を、思い出していた

 

『...イパナ、ベリー......』

 

この気持ちが何なのか、バーダックには分からなかった

ただ、このままではいけない

何故だかそう思った

 

『俺は...』

 

『バーダック...』

 

『...ギネ』

 

いつの間にか、ギネが後ろに立っていた

 

『どうしたの、こんな時間に...』

 

『......』

 

『バーダック、何を悩んでるの?』

 

ギネには、何となくバーダックが苦しんでいるというのが分かっていた

だからこそ、バーダックはギネの気持ちに甘えた

 

『......ギネ、今から話す事は、別に聞き流してもかまわねぇ』

 

『わかったわ』

 

『......この惑星ベジータは、一度フリーザの攻撃で消されたんだ

俺はその時に、過去の惑星プラントに行ったんだ

そこで俺は、俺を恐がらねぇで近寄ってくる、礼を言ってくる連中に会ったんだ』

 

『.........』

 

ギネは、黙ってバーダックの話を聞いていた

バーダックはそれを確認し、話を続けた

 

『そこで俺は、変なガキと会った

俺によく懐いて来やがってよぉ...

その時代にもフリーザみてぇな野郎がいたが、たぶんそいつもフリーザも、あのガキのおかげで倒せたんだ』

 

『.........』

 

『そん時に、思ったんだ...

俺は、このまま地上げなんざをやっていていいんだろうかってよぉ

サイヤ人のくせして、何を今更って事は分かってんだが、どうしても頭からあいつらの顔が離れねぇんだ』

 

『......バーダックは、どうしたいの?』

 

ギネは、バーダックの意思を聞いた

彼女は、きっとバーダックが選んだ選択なら、何も言わず背中を押してくれるだろう

だからこそ、バーダックは自分の気持ちを話した

 

『...俺は、サイヤ人に地上げを辞めさせてぇ

地上げ屋サイヤ人じゃねぇ

あんな風に、誰かを助けられる様になりてぇ

だから、俺は...』

 

『......』

 

『...サイヤ人を、変えてみせる』

 

『...バーダックの考えは、わかった

私は、バーダックのやる事なら、何だって応援するよ

だって、夫婦だもん...

私は、バーダックが大好きだから...』

 

『ギネ、お前、この話を信じるのか?』

 

『えぇ...

さっき言ったでしょ?

私は、バーダックが大好きなの

だから、貴方を信じる......』

 

『ギネ.........』

 

バーダックは、ギネが堪らなく愛おしくなった

彼女がいてくれるなら、自分は神にも戦いを挑めるとすら思った

 

 

 

翌日、バーダックは仲間に自分の考えを話した

しかし、誰もが鼻で笑い、バーダックの話を聞かなかった

息子のラディッツですら、過去に行ったなど、信用しなかった

それからバーダックは、白い眼で見られ始めた

いくらフリーザを倒した英雄とは言え、自分達サイヤ人の本質を否定する様な事を声高に言ったのだ

トーマ達ですら、バーダックがおかしくなったと思っていた

本来、こんな事をすれば容赦なくベジータ王子に消されるところだが、今のバーダックはフリーザを超える強さを持っている

とても手が出せなかった

だからこそ、誰もバーダックを表立って責めたり、批判したりはしなかった

 

『ちくしょう......

やっぱ、ダメなのか...?

サイヤ人を変えるなんざ、俺には無理なのか......?』

 

『バーダック......』

 

しかし、バーダックは呼びかけを止めなかった

一人でも、自分に賛同してくれる者がいる事を信じて

すると...

 

『バーダック...』

 

『...お前ら』

 

そこには、トーマらバーダックのチームメイトの他に数十名のサイヤ人がいた

 

『...どうした?』

 

『...俺達と戦え』

 

『あ?』

 

トーマ達は、バーダックに戦いを挑んできた

相手は50名はいよう

それを一人で相手にするのは、無謀だ

......バーダックがサイヤ人のレベルを遥かに超え、超サイヤ人でなければ

 

『俺達全員を倒せたら、お前について行ってやる』

 

『...今の俺は、お前ら全員を相手にしても勝てるぞ?』

 

『さぁ、どうだろうな‼︎』

 

『っ‼︎』

 

戦いは始まった

トーマ達は、バーダックを近づけまいと気功弾を連射している

だが、バーダックはそれを高速でかわし、一人ずつ気絶させていき、5分もかけずに全員を気絶させた

意外な程に呆気なく決着がついた

バーダックは、強くなり過ぎていたのだ

(けして作者の手抜きではない)

 

『...トーマ』

 

『ちっ、負けたぜ!

しゃあねぇ、お前についてやるよ!』

 

『だが...』

 

『バーダック、トーマはあんたの必死な所を見て、あんたについてみたくなったんだよ』

 

『セリパ、余計な事言うな!』

 

『お前ら...』

 

ここにいるサイヤ人は皆、バーダックの意見に賛同した者達だ

サイヤ人にも少数ながら、善人はいたのだ

 

『しかしお前、本当に強くなったな

もしかしてお前があの伝説の超サイヤ人じゃねぇのか?』

 

『...これのことか?』

 

バーダックはトーマ達の前で超サイヤ人に変身した

バーダックは誰かを護ってみせると決めた日から、毎日欠かさず修行をし、自由に超サイヤ人になる術を身につけた

また、色んな星に行き、色んな戦士と戦い(命懸けではなく、試合)、気のコントロールの仕方や、気の探り方を身につけた

 

 

『...こいつはすげぇ!

これなら誰にも負けねぇぜ!

よしバーダック、お前に全て預けるぜ!』

 

こうしてトーマ達は仲間になり、総数50余人の革命軍が結成された

 

『...イパナ、ベリー、見てろよ.........』

 

 

 

 

 

 

その日の夜、バーダックはまた空を見ていた

 

『......』

 

『...君がフリーザを倒したのか?』

 

『なっ⁉︎』

 

いつの間にかバーダックの後ろに、猫の様な異星人と、白髪の青年が立っていた

 

『き、貴様は⁉︎

(まったく気を感じなかった...)』

 

『僕はビルス、この宇宙の破壊神だよ』

 

『どうも、ウィスと申します』

 

『は、破壊神 ビルスだと⁉︎』

 

そこには、この宇宙最強の存在が立っていた

 

『君、フリーザを倒した後、サイヤ人を変えたいらしいね

すごいね、あのフリーザを倒すなんて...

と、言いたいところだけど、まだフリーザは生きてるよ』

 

『な、何っ⁉︎』

 

『今フリーザは、貴方にやられた傷を癒し、貴方に復讐する時に備えています

あと、フリーザは変身型宇宙、変身するたびに強くなります』

 

『まぁ、僕の敵じゃないけどね』

 

何と、あのフリーザが生きている

しかも、まだまだ強くなると、この最強の存在は口にした

しかし、バーダックには恐怖はなかった

 

『...そうか』

 

『おや、驚かないのかい?』

 

『今の俺はフリーザより強い』

 

『見ていたよ

君、超サイヤ人とか言うのに変身できるんだろ?』

 

『...まぁな』

 

『そうか

じゃあ、これを聞いても平気でいられるかな?』

 

『?』

 

『フリーザにこの惑星ベジータを破壊する様に言ったのは、この僕なんだよ』

 

『なっ⁉︎』

 

ビルスが口にした言葉は、バーダックには衝撃だった

この星を宇宙の帝王と呼ばれたフリーザに命じたのは、宇宙最強の神だった

 

『...っ』

 

『ん?』

 

『貴様ぁ‼︎‼︎』

 

バーダックは、ビルスに襲いかかった

しかし、ビルスにはバーダックの攻撃はかすりもしなかった

 

『くそぉ‼︎』

 

『どうした、超サイヤ人にならないのかい?』

 

『黙れぇ‼︎‼︎』

 

バーダックは、超サイヤ人になろうとしなかった

変身しない状態で戦い続けた

 

『ほぉ、大した戦闘力だ』

 

『オラァ‼︎』

 

 

 

ドカーンッ‼︎‼︎‼︎

 

 

 

バーダックのパンチはビルスを外れ、岩山に当たった

岩山は完全に砕け散り、雨の様に岩が降ってきたが、二人は気を高め、降ってくる岩を更に砕いた

 

『...何故変身しない?』

 

『...俺は、素のままで強くなりてぇんだ

変身した俺じゃねぇ、今のままの俺で強くならなきゃ意味ねぇんだ』

 

『ほぉ、大したプライドじゃないか』

 

『けっ...

だりゃあ‼︎‼︎‼︎』

 

その後も戦いは続いた

しかし、ビルスは攻撃をかわすだけで、一度も打ち込んでこなかった

 

『はぁ、はぁ、はぁ....

何故、攻撃しねぇ...?』

 

『いや、何となくだよ』

 

『へっ、やっぱまだあんたと戦うには、俺は弱すぎるみてぇだな』

 

『そうだね

だが、君の事気に入ったよ

もし、もっともっと強くなれたら、このウィスに君を鍛えさせよう』

 

『な、私がですか⁉︎』

 

『...いいのか?』

 

『もっともっと強くなれたらね』

 

『あ、あんたは、いいのか?』

 

『...まぁ、ビルス様が寝ている間は暇なので、構いませんよ』

 

何と、あの宇宙最強の存在に気に入られ、しかも自分を鍛えてくれるとまで言ってもらえた

バーダックは、必ずビルスに認められる程強くなると誓った

 

『それじゃあ、もう行くよ

サイヤ人、変えられるといいねぇ』

 

『頑張って下さいね

サイヤ人が変われば、ビルス様も惑星ベジータの破壊を止めるかもしれませんからねぇ』

 

『...あぁ』

 

『...次に会う時は、もっと僕を楽しませてね』

 

『...あぁ、絶対な』

 

そして、ビルスとウィスは光になり、飛んで行った

その速さは、超サイヤ人に覚醒したバーダックですら目で追えないスピードだった

 

『(...次は、こうはいかねぇぜ?)』

 

バーダックは、二人の激励の言葉を胸に、改めてサイヤ人を守護者にしてみせると誓った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ところでビルス様、何故あのサイヤ人が気に入られたのですか?』

 

『...予感がするんだ

あいつは強くなる

いつか僕の強敵になるって

あれはたぶん、修行すれば、そう遠くないうちに僕やお前以外の者を除けば、あいつに敵うものはいなくなると予想した』

 

『そうでしょうか?』

 

『まぁ、弱かったら破壊しちゃうけどねw』

 

『しかし、確かに彼は強くなるでしょうねぇ

あの変身に頼らないプライド、そしてハングリーさは魅力です』

 

『楽しみだねぇ...

さて、んじゃ僕は30年くらい昼寝するよ

えっと、目覚まし爆弾セットしとこ...

んじゃウィス、おやすみ〜』

 

『あ、ビルス様

寝る前に歯磨きを!』

 

『ん、はいはい...』

 

ウィスはビルスに歯磨きをさせてから、寝かしつけた

そして

 

『予言魚、いますか?』

 

『何?』

 

『バーダックと言うサイヤ人の未来を予言して欲しいのですが』

 

『うん、いいよ

う〜ん

そのサイヤ人はねぇ.........』

 

 

 




よぉ、ラディッツだ!

親父、いったいどうしたんだよ、侵略をやめるなんて⁉︎

ベジータ王子が黙ってないぞ⁉︎

次回 ドラゴンボールIF

ベジータ紛争

見ろよな!

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