ドラゴンボールIF   作:通りすがりの筋肉

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すみません、続き書こうとして、

『あ、ラディッツどうにかすんの忘れた‼︎』

と思い、急遽、外伝にしました

この次はちゃんと紛争します


外伝 出逢い

 

 

惑星ベジータでは、大きな戦いが起ころうとしていた

その理由は、バーダックが、サイヤ人の生き方に異を唱えたからだ

今、ベジータ率いる侵略派のベジータ軍と、バーダック率いる侵略反対派の革命軍が、ぶつかろうとしていた

しかし、バーダックには戦いの前に、やらねばならぬ事があった

 

 

『・・・・ラディッツ』

 

『・・・・何だよ』

 

 

バーダックの息子 ラディッツは、父の意見に素直に賛成出来なかった

彼は、サイヤ人である事にプライドを持ち、戦いに生き甲斐を感じているのだ

 

 

『戦いたいだけなら、別に地上げ屋じゃなくても出来るだろうが』

 

『・・・・』

 

『ラディッツよぉ・・・・』

 

『・・・・ちょっとだけ、時間くれ』

 

 

ラディッツはそう言うと、どこかへ飛んで行ってしまった

バーダックは、何も言わず、ただ息子の背中を見送った

 

 

 

 

 

 

ラディッツは一人、街から少し離れた岩山に来ていた

ここはよく、バーダックに鍛えられた場所だ

ラディッツは、父のサイヤ人としての教えを守り、戦い、奪い、そして、殺して来た

それを教えた本人が今更辞めろなどと、ラディッツは父の考えが分からなかった

そして、自分がどうしたいかも・・・・

 

 

『・・・・俺は』

 

 

ラディッツは、頭を悩ませた

まだ5歳のラディッツには、仕方ない事ではあるが

 

 

『どうしたの?』

 

『っ⁉︎』

 

 

声に振り返ると、そこには一人のサイヤ人の女の子が立っていた

歳は自分と変わらないと見えるが、美しいストレートの黒髪を背中まで伸ばし、その瞳は、まるで黒真珠の様に美しかった

とても、戦闘民族の子どもとは思えない美しさがあった

 

 

『・・・・』

 

『ん、どうしたの?』

 

『あ、いや・・・・』

 

 

ラディッツは、この娘のあまりの美しさに、思わず見惚れてしまった

それを隠す様に、この娘から目をそらした

 

 

『・・・・お前こそ、こんな所で何やってんだ?』

 

『あぁ、私はただの散歩』

 

 

散歩?

こんな何もないただの岩山に、こんな娘が一人で?

 

 

『私ね、ここに来ると、力が貰えるの』

 

『・・・・』

 

 

ラディッツは、黙って話を聞いていた

 

 

『何か落ち込んだり、嫌な事があると、いつもここに来るの

ここは、私の憧れの人が、よく修行しに来る所だから』

 

 

この場所は、自分と父以外誰も使わない

と言うことは、この娘は父に憧れているのか

なら、今父が声高に叫んでいる事がどんな事なのか、知っているはずだが?

 

 

『・・・・どんな奴なんだ?』

 

『その人はね、頑張り屋さんで、いつも一生懸命で、何度倒れても、必ず立ち上がって、そして、また目標に向かって走り出す、そんな人なの』

 

『・・・・?』

 

 

ラディッツは、一瞬考えた

確かに父は、頑張り屋と言えば頑張り屋だ

昔一度ベジータ王に挑んで負けてから、いつもトレーニングを欠かさなかったし、トレーニングも仕事も一生懸命と言えば一生懸命だった

だが、ここではトレーニング相手は、自分しかいなかった

自分より強い父が、この場所で倒れた事など一度もなかった

では、誰の話をしているのか?

 

 

『私ね、昔に頭を強く打って死にかけた事があるの

その時から、戦いは嫌いじゃないけど、命を奪うやり方が、いけない事だって、考えるようになったの

だから私は、周りから疎まれた

死のうかと思う事もあった

でも、たまたまここに来て、その人を見て思ったの』

 

 

ラディッツは、もしかしたら、という考えが、頭に浮かんだ

 

 

『その人は、歳は私と変わらない様に見えたわ

いつも強いお父さんとのトレーニングでボロボロになって、それでもいつも真剣で、何度倒れても立ち上がってた

その姿を見て、思ったの

この人は、ただ、強くなりたいんだなって

だから、あんなにボロボロになっても、立ち上がって行けるんだなって

私には、それが出来なかった

打たれても立ち上がる勇気が、私にはなかったの

だから私、その人みたいに強い心を持ちたいって、勇気を持ちたいって思ったの

だから今、こうして生きてるの』

 

『・・・・』

 

 

ラディッツは、確信した

この娘が言っている人物は、間違いなく自分だと

それが分かったラディッツは、嬉しさ半分、負い目もあった

 

 

『・・・・それは、たぶんお前の勘違いじゃないのか?』

 

『えっ?』

 

『そいつが強くなりたくて、真剣にトレーニングをしていたのは、本当だろう

でも、そいつは、そんなに強い心は持ってないんじゃないか?

この前のフリーザの攻撃とか、今の内乱で、そいつはたぶん、自分の弱さ知って絶望したり、自分のやりたい事が分からなくて悩んでるんじゃないか?』

 

 

ラディッツは、後から言った事に後悔した

こんな言い方では、あなたの言っているのは自分です

自分は今、悩んでます

こう言っているみたいじゃないか、と

 

 

『・・・・かも、しれないね』

 

『じゃあ・・・・』

 

『でも、それでいいんじゃないかな?』

 

『えっ?』

 

 

ラディッツは、一瞬、この娘が言った言葉が分からなかった

 

 

『私、さっき言ったでしょ?

その人、歳は私と変わらないって

じゃあ、別にいいじゃない、悩んだって

だって、私達はまだ子どもだもん

何でも出来るわけないし、自分の事も、まだ分からないよ

きっと、大人だってそうだよ』

 

『・・・・』

 

『そうやって悩んで、自分と向き合おうとする、自分と向き合う事が出来るんだから、やっぱり強いよ、その人は♪』

 

『・・・・』

 

 

この娘の言った言葉は、ラディッツにとって救いだった

ラディッツは、涙が出そうなのを必死に堪えた

 

 

『・・・・そう言う、もんなのかな?』

 

『分からないけど、私はそう思うよw』

 

『・・・・ありがとう』

 

『どういたしましてw』

 

 

ラディッツは、顔つきが変わった

そして、父と話す事を決心した

 

 

『すまん、俺、行くわ』

 

『頑張ってね』

 

『あぁ

・・・・なぁ、名前、聞いてもいいか?』

 

『もちろん!

私はセロリ、普段は食堂の仕事をお手伝いしてるのw

たまに来てねw』

 

『あぁ

俺は、ラディッツだ』

 

『いい名前だね

頑張ってね、ラディッツ!』

 

『おうっ!

じゃあな!』

 

 

ラディッツは、セロリと別れ、自分の家に飛んで行った

父に会うために

そして、自分の答えを、見つけるために

 

 

 

 

 

 

 

『親父っ!』

 

『ラディッツ・・・・』

 

『あら、ラディッツ

どうしたの?』

 

バーダックとギネは、一目でラディッツの顔つきが変わったのを見破った

その顔が、男の顔になっているのを見て、バーダックもギネも、微かに微笑んだ

 

 

『親父、俺と勝負しろ!』

 

『・・・・上等な口利くじゃねぇか

えぇ、ラディッツよぉ』

 

 

初めて息子から勝負を挑まれたバーダックは、少し嬉しかった

ギネも、何だかほっこりした気持ちになった

 

 

『いつもの岩山行くぞ

そこで揉んでやる』

 

『おうっ』

 

『二人共、無茶しないのよ?』

 

 

ギネは、笑顔で二人を見送った

 

 

 

 

 

 

 

 

岩山には、まだセロリがいた

まるで、二人がここに来る事が、分かっていたかの様に

 

 

『・・・・あのムスメは誰だ?』

 

『お、俺の友達だっ』

 

『・・・・へっ、そうかよ

でも、ダチの前だからって容赦しねぇぞ?』

 

『の、望むところだ‼︎』

 

 

バーダックは、ラディッツの面構えが変わった理由を察して、微笑を浮かべた

そして、二人の戦いははじまった

 

 

『うわぁ⁉︎』

 

『どうしたラディッツ、もう終いか?』

 

『っ、だあぁ‼︎』

 

 

勝負は、終始バーダック優位だった

ラディッツは、何度も倒され、投げられ、撃たれた

しかし、何度でも立ち上がった

ボロボロになり、ろくに力も入らない身体に鞭を打って

 

 

『(くそっ、せめて一発くらい入れなきゃ気がすまねぇ!)』

 

『これで終いだっ!』

 

『っ⁉︎』

 

 

バーダックが、ラディッツに右拳を放つ

ラディッツはその拳を、自らの左手の捻りで軽くいなし、

最短距離で拳を突き出し、バーダックの顎を掠めた

 

 

『っ』

 

『なっ⁉︎』

 

 

バーダックは、一瞬フラついた

威力のないパンチでも、角度と当てるポイントによっては、脳震盪を起こす

ラディッツのパンチは、一瞬相手をフラつかせるには充分だった

 

 

『だぁ‼︎』

 

『っ』

 

『なっ⁉︎』

 

 

しかし、そこは流石歴戦の猛者 バーダックだ

フラつき、倒れそうになったが、ラディッツの追撃に反応した

嗤う膝に力を入れ、何とか倒れずに、ラディッツの追撃をかわし、パンチを入れた

 

 

『ぐはぁ⁉︎』

 

『へっ』

 

 

ラディッツは、気を失った

バーダックは、その場に座り込んだ

 

 

『(ちっ、女の前だと張り切りやがってよ

親も楽じゃねぇや)』

 

 

いつもの間にか、セロリがラディッツの側まで来ていた

バーダックは、セロリの顔を見て、少し微笑んだ

 

 

『そいつの事、任せたぞ』

 

『・・・・はいっ』

 

 

それだけ言うと、バーダックは飛んで行った

セロリは、バーダックの背中を見送った

少しして、ラディッツは目を覚ました

 

 

『・・・・また負けちまったか』

 

『そうだね』

 

『っ⁉︎』

 

 

ラディッツは、セロリがいた事に気付かずにいた

だから、いきなり声をかけられて、思わず飛び退いた

 

 

『ど、どうしたの⁉︎』

 

『あ、いや・・・・』

 

 

ラディッツは、ドギマギした

セロリは、そんなラディッツの気など知らず、ラディッツの隣に腰掛けた

 

 

『・・・・お父さん、強かったね』

 

『・・・・あぁ、何せあのフリーザを倒した男だからな』

 

『でも、一回パンチ当てたじゃない!』

 

『・・・・偶然だ』

 

『それでも、すごいよ!

これからも諦めないで頑張れば、きっとお父さんみたいな強い人になれるよ!』

 

『・・・・そうかな?』

 

『うんっ!』

 

 

ラディッツは、何だか照れくさくなり、俯いた

セロリは、頭にハテナを浮かべたが言葉を続けた

 

 

『ラディッツのお父さん、今、人殺しはダメだって、みんなに話してるんでしょ?』

 

『・・・・あぁ』

 

『私は、素敵な事だと思うし、そんな事がみんなに言えるのは、すごい事だと思う』

 

『・・・・』

 

『ラディッツは、どう思う?』

 

『・・・・よく、分からなかった

俺は親父に、サイヤ人の生き方を教えられて、その通りに生きてきた

なのに今更、それは間違いだなんて言われても、俺には納得出来なかった』

 

『ラディッツ・・・・』

 

 

セロリは、ラディッツが一瞬見せた苦しげな表情に

そして、やはりラディッツはサイヤ人なのか

と思うと、少し不安になった

しかし、

 

 

『でも、さっき親父と戦って

セロリと話して思った

やっぱり俺は、今でも親父に憧れてるんだって

だから、そんな憧れの親父について行きたい

それで、親父に認められたい

親父を超えたい

だから、俺は・・・・』

 

『・・・・』

 

『俺は、親父と一緒にサイヤ人を変える!』

 

『そっか

うんっ!

ラディッツなら、出来るよ!』

 

 

ラディッツはまた照れくさくなり、俯いてしまった

だがすぐに顔を上げ、意を決した様に話した

 

 

『だ、だから、応援してくれ!

セロリが応援してくれたら、俺は

俺は何でも出来る気がするから・・・・!』

 

『ラディッツ・・・・』

 

『ダメ、かな?』

 

 

ラディッツは一瞬、不安になった

しかし、セロリは笑顔で言葉を綴った

 

 

『うんっ!

応援するよ、ラディッツのこと!』

 

『あ、ありがとう!』

 

『それから・・・・』

 

『?』

 

『私も、ラディッツと一緒にサイヤ人を変えたい!』

 

『えっ⁉︎』

 

 

セロリは、自分も革命軍に入ると言ってきた

それにはラディッツは驚いた

 

 

『ダメ?』

 

『いや、そんな事ないよ!』

 

ラディッツは、セロリを危険な目に合わせないか不安だった

まぁ、実際に子どもをベジータ軍と戦わせようとは、バーダックは考えていないので、この二人が死ぬ様な事はないのだが

 

 

『わかった!

よろしくな、セロリ!』

 

『うんっ!

よろしくね、ラディッツ!』

 

 

こうして、二人の戦いははじまった

ラディッツは、何があっても、彼女は自分が守ると、その小さな胸に硬く誓った

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、終わります

次はちゃんとしますんで、よろしくお願いします

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