ドラゴンボールIF   作:通りすがりの筋肉

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なんか今、地球規模の異常気象が起きてるらしいですねぇ
怖いですねぇ


サイヤ人魂

『いや、悪いな、セロリ』

 

『別にいいよw

でもラディッツ、こんなひどい怪我してる人をあんなところに置いて行っちゃダメだよ?

せっかく助けたのに、衰弱して死んじゃうところだったんだから』

 

『・・・・すまん』

 

『わかればよし!』

 

ラディッツは、バーダックを助け出し、戦場に戻るため、バーダックを岩山に待たせた

そこにセロリが現れ、バーダックを手当てしてくれたのだ

今は良く眠っている

 

 

『しかし、親父がこれじゃあ、次の戦いは厳しいな』

 

『どうするよ、ラディッツ?』

 

『トーマ・・・・

しかし、親父をこれ以上戦わせるのは・・・・』

 

『だな・・・・

しかし、バーダック抜きじゃ、勝てねぇだろ?』

 

『トーマ、あんたの口からそんな弱音は聞きたくないな』

 

『・・・・すまん』

 

 

トーマの不安はもっともだが、ラディッツとしては、歴戦の猛者である彼の口からそんな台詞は聞きたくなかった

 

 

『ちょっと、出てくる』

 

『あぁ・・・・』

 

 

ラディッツはそう言うと、席を外した

そして、一人で、あの修行場に来た

いつの間にか、ラディッツにとっても、ここは特別な場所になっていた

トーマにはあんな事を言ったものの、ラディッツも不安なのだ

ここ来れば、そんな不安を忘れられると思ったのだ

 

 

『いつからだろうなぁ、ここがこんなに落ち着くようになっちまったのは・・・・

ちょっと前まで、地獄だったのによぉ・・・・』

 

 

ラディッツが、一人物思いにふけっていると、誰かがいきなり、ラディッツの頭に手を置いた

ラディッツが振り返ると、そこにはバーダックが立っていた

 

 

『親父・・・・』

 

『何してんだ、こんなとこで』

 

『・・・・ちょっと考え事してただけだ』

 

『そうか』

 

『動いて大丈夫なのか?』

 

『誰に言ってんだ、バカタレが

こんくらい屁でもねぇよ』

 

 

バーダックは、ラディッツの横に腰掛けた

そして、今まで聞いたことがない程、優しく話しかけた

 

 

『ラディッツ、ビビってんのか?

ベジータ王子の事?』

 

『・・・・悪いかよ

俺だけじゃない、トーマも、他の奴らも、みんなビビってるよ』

 

『じゃあ、トンズラするか?』

 

『・・・・出来るならそうしたいぜ

でも、そう言う訳にもいかねぇ

でもいい方法も浮かばねぇ

俺は・・・・』

 

『ラディッツ・・・・』

 

 

バーダックは立ち上がり、ラディッツを見下ろすと、

 

 

『歯ぁ食い縛れぇぇぇ‼︎』

 

『がぁっ⁉︎』

 

 

・・・・豪快に殴り飛ばした

 

 

『い、いきなり何しやがる、クソ親父‼︎』

 

『へっ、どーだ、スッキリしたか?』

 

『あ?』

 

『お前、自分を誰だと思ってんだ?

フリーザに勝った男、バーダックのガキだろうが

もっと胸張れ

下向いてんじゃねぇ!』

 

『親父・・・・』

 

『わかったら上向け

お前ならやれる

お前のサイヤ人魂、俺に見せて見ろ?』

 

『・・・・』

 

ラディッツは、少し泣きそうになっていた

今まで恐怖でしかなかった父が、自分を励まし、激励してくれた

それが嬉しくてたまらなかった

 

 

『それとも、ホントにトンズラすっか?』

 

『・・・・へっ、馬鹿言え!

俺はバーダックの息子だぜ?

敵から逃げたりしねぇ!』

 

『へっ、言いやがる

・・・・っ⁉︎』

 

『お、親父っ⁉︎』

 

 

バーダックは、その場に倒れた

もともと重傷だったのに、更に先程ラディッツに喝を入れた時に、傷口が開いたようだ

 

 

『だ、大丈夫か⁉︎』

 

『へっ、たいした事ねぇよ』

 

『その減らず口が叩けるなら、大丈夫みたいだな

たく、世話がかかるぜ』

 

『うるせーよ』

 

 

ラディッツは、バーダックを抱えて、仲間の待つ根城まで飛んだ

そこでは、皆未だ不安そうな表情をしていた

それを見て、バーダックは声をあげた

 

 

『お前ら、いつまでもウジウジしてんじゃねぇよ!』

 

『『『っ!』』』

 

 

いきなりのバーダックの声に、皆彼を向き直った

ラディッツも、バーダックを支えながら、強気な表情で周りを見ていた

 

 

『仮にも宇宙一の強戦士族、サイヤ人だろうが‼︎

でけぇ喧嘩が出来るって、喜ぶくらいの意気地ぃ見せやがれ‼︎』

 

『『『・・・・』』』

 

 

皆、バーダックの話を聞いて、少しずつ表情を変えていった

それは、一つの開き直りである

自分達は、戦いに生き、戦いに死ぬ

そう言う種族だったはずだ

なら、何も不安を感じる必要などないはずだ

皆、自分にそう言い聞かせたのだ

 

 

『周りを見てみろ

これだけの仲間がいんだ

何を怯える必要がある⁉︎

俺達は一人で戦う訳じゃねぇ

これだけの仲間と総マンはるんだ‼︎

もっと仲間を信じやがれ‼︎』

 

『親父の言う通りだ‼︎

相手も強いが、俺達だって経験を積んだ戦士なんだ‼︎

簡単にやられる訳がない‼︎』

 

 

バーダックに続いて、ラディッツも叫んだ

皆、ラディッツが叫ぶのを見て、更に表情を変えた

いつもの不敵な笑みをした、サイヤ人の顔になった

 

 

『それに、この前、親父は自分より戦闘力が劣る相手に負けた!

それは相手が頭を使ったからだ‼︎

つまり、数や戦闘力が劣っても、作戦さえ立てれば勝てる‼︎

それはこの前、ベジータ王子が証明してくれた‼︎』

 

 

ラディッツの話を聞いて、皆、納得の声をあげた

バーダックはそんなラディッツを、暖かい表情で見ていた

 

 

『作戦は考える‼︎

でも、それはみんながいないと出来ない‼︎

だから、俺に、俺達に力を貸してくれ‼︎』

 

『『『おぉぉぉぉぉ‼︎‼︎‼︎』』』

 

 

このラディッツの言葉を聞き、皆声をあげた

今、革命軍は、初めて一つになったのだ

バーダックは、これなら自分がこんな状態でも、勝てるかもしれない

そう思った

 

 

『(やるじゃねぇか、ラディッツ・・・・

さすが、俺のガキだ・・・・)』

 

 

この時バーダックは、肩を預けた息子の身体が、やけに大きく感じていた

 

 

 




復活のF、公開おめでとう!

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