ドラゴンボールIF   作:通りすがりの筋肉

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決着

バーダック達が処刑を免れた翌日、バーダック達は念密に作戦を練り、とうとう最終決戦に挑もうとしていた

 

 

『・・・・出来る事はやった

後はやるだけだ!

用意はいいか、みんな‼︎』

 

『おぉぉぉぉぉ‼︎‼︎』

 

 

ラディッツの声に、全員が応えた

皆、とっくに不安な気持ちを忘れ、戦士の顔になっていた

バーダックは、未だ傷が癒えず、戦闘への参加は不可能だった

それが悔しくて仕方なかったが、息子と仲間を信じて、この戦いを任せた

 

 

『作戦は、さっき話した通りだ‼︎

よっしゃあ、行くぞぉぉぉ‼︎‼︎‼︎』

 

 

ラディッツの声を合図に、全員ベジータの城に向かって飛び立った

前回同様、奇襲をしかけた

だが、誰も上手く奇襲出来るとは思っていない

どうせ自分達の動きは、スカウターでバレているだろうから

だが、行儀よく戦闘を始めるのも面倒なので、奇襲に出たに過ぎない

そして案の定、ベジータ達は迎え撃って来た

昨日の今日なので互いに兵の数は減ったが、それでもベジータ達の方が数は勝っていた

 

 

『来たぞっ‼︎

散解しろ‼︎』

 

 

ラディッツの声で、全員2〜3人に固まって散解した

戦闘力のバランスを考え、あらかじめ組む仲間は決めておいた

ベジータ達は、全員でこちらに気功弾を連射しながら突進して来た

 

 

『ナッパ‼︎』

 

『あいよっ‼︎』

 

 

ベジータの声で、ナッパが指を二本突き立てた

 

 

『っ⁉︎

デカイのが来るぞ‼︎

備えろ‼︎』

 

 

ナッパの動きに気付いたラディッツは、仲間にむかって叫んだ

仲間はラディッツの声で、防御の姿勢に入った

それと同時に足元から大爆発が起こり、革命軍側の半数近くがのまれた

 

 

『怯むな!

この距離ではそこまで威力はないはずだ!』

 

 

ラディッツの言う通り、革命軍とベジータ軍との距離はそこまで離れていない

なら、今のような技をフルパワーで使えば自軍もダメージを受ける

そんな事は脳筋のナッパだってわかっているはず

ラディッツはそれを一瞬で分析し、仲間に喝を飛ばした

 

 

『気合い入れろよお前ら‼︎

祭りは始まったばかりだぞ‼︎』

 

 

トーマの言葉に革命軍の仲間は雄叫びで応え、進撃をした

敵軍との距離を潰す

まずはそれに専念し、極力攻撃はしなかった

 

 

『今だ‼︎

やるぞ皆‼︎』

 

 

ラディッツの合図で、全員が動いた

とった行動はいたって単純

それは2〜3人のチームで格闘戦を仕掛ける事だった

エリート戦士達は個々の力が強いため、あまりチームプレーをしない

そしてなにより、エリート戦士達は泥臭い格闘戦より、気功波で一気に蹴散らす戦い方が主だ

こう近づかれては気功波は射てないし、仲間のフォローに射つのも難しい

その結果、否が応でも泥臭い格闘戦をせざるを得ない

案の定、革命軍側の連携と個々の格闘戦のレベルにベジータ軍の兵士は苦戦を強いられた

 

 

『ちっ、こんなクズ共の下らん策にハマるとはっ・・・・!』

 

 

ベジータは苛立ちを隠せなかった

まさかこんな作戦とも言えないような手にやられるとは、思いもしなかったのだろう

 

 

『(みたかよ王子様

これがドブネズミの戦い方だ!)』

 

 

ラディッツは一先ずは思い通りに事が運んだ事に安堵しながら、次の行動に出た

 

 

『べジータ‼︎』

 

『っ‼︎

ラディッツ、貴様ぁ‼︎』

 

 

ラディッツはベジータに挑んだ

頭に血が上ったベジータは、仲間の事を考えずに、気功波を乱射した

ラディッツはそれを必死で避けた

革命軍の仲間達には、予めこうなる事を予想し、ラディッツがベジータに挑んだら、ベジータの行動にも注意するように言っておいた

ベジータの攻撃にベジータ軍の兵士達は被弾、或は怯み、革命軍の攻撃をモロに受ける事になった

革命軍側にも被弾する者は出たが、大ダメージを受ける程の攻撃ではなかったため、攻撃を止めなかった

 

 

『貴様の様な下級戦士のクズに、このベジータ様がやられるかぁ‼︎』

 

『へっ‼︎

お行儀の良い戦いしかしなかったボンボン共に、泥臭い戦い方が出来るのかよ⁉︎』

 

『なにをぉぉぉ‼︎』

 

 

ベジータは完全に頭に血が上り、ラディッツに襲い掛かった

ラディッツはベジータの攻撃を上手くさばき、確実に当てられる瞬間だけ手を返した

一撃で決めようなどと言う横着はせず、速く鋭い攻撃で確実に体力を奪う

地味だが相手の体力、精神、冷静さを奪うこの戦い方は、確実にベジータを追い込んだ

だが、ラディッツも紙一重だった

格闘戦を好むバーダックとの修行で格闘技術はエリートにも引けは取らないレベルになってはいたが、やはり元々のパワーが違う

一瞬でも気を抜けば、こちらが大ダメージを受ける

そのプレッシャーが、ラディッツの精神を擦り減らせ、体力を奪った

 

 

『(これは、思ったよりもキツいぜ・・・・

でも、俺がやらなきゃ・・・・!

俺がやらなきゃ・・・・!

俺がやらなきゃ!

誰がやるっ‼︎)』

 

 

ラディッツは己に喝を入れた

今、彼の小さな身体には、仲間達の、両親の、セロリの運命がかかっている

ならば負けられない

負けるはずがない

背負ったものが男をデカく、強くする

かつてバーダックにそう言われた

なら、今の自分は誰にも負けない

ラディッツはそう自分に言い聞かせた

 

 

『ちっ、チョロチョロしやがって‼︎

これでもくらえぇぇぇ‼︎』

 

『っ⁉︎』

 

 

ベジータが距離を取り、ギャリック砲の姿勢に入った

あんなものをまともにくらってはひとたまりもない

だが、背後には仲間達がいる

避ければ仲間に当たってしまう

ラディッツは意を決して、構えをとった

 

 

『かけるしかないか‼︎』

 

 

ラディッツは気を高め、両手に気を集めた

 

 

『くらえ、ギャリック砲‼︎』

 

『ダブルサンデー‼︎』

 

 

二人の必殺技が、激しくぶつかった

大小の爆発が起き、空は震え、大地が轟音を立てた

だが、すぐに均衡は破れ、ベジータが優勢になった

 

 

『はーっはっはっはっ‼︎

所詮貴様のパワーなど、そんなものかぁ‼︎』

 

『くそっ、もう、だめか・・・・⁉︎』

 

 

ギャリック砲がラディッツにせまり、ラディッツは覚悟を決めた

しかし、

 

 

『っ⁉︎』

 

 

背後から四つの気功波が放たれ、ギャリック砲にぶつかった

ラディッツが振り返ると、トーマ、セリパ、パンブーキン、トテッポの四人が、ラディッツの援護のため気功波を放っていた

 

 

『み、みんな・・・・』

 

『気ぃ抜くなラディッツ‼︎』

 

『男が情けない顔してんじゃないよ!

玉ついてんだろ⁉︎』

 

 

トーマとセリパの言葉に応えるように、ラディッツが再び男の顔になった

 

 

『ぐっ、貴様らぁぁぁ‼︎』

 

『ベジータ‼︎

あんたは強い‼︎

俺よりもずっとな‼︎

だが勝つのは俺だ‼︎

俺には、仲間がいるからな‼︎』

 

 

ラディッツは更に気を高めた

いや、無意識に気が上った

そしてギャリック砲を押し戻し、ベジータを追い詰めた

 

 

『お、押され・・・・!

あ、あぁ、うわぁぁぁぁぁぁ‼︎』

 

 

ギャリック砲は完全にかき消され、ラディッツ達の気功波がベジータに直撃した

流石のベジータも実力はエリートにも迫るラディッツ達の攻撃をモロに受けては、無事では済まなかった

だが、まだ倒れない所は、流石は王子であり、サイヤ人だ

ラディッツはそんなベジータに敬意を抱き、最後の攻撃を仕掛けた

 

 

『流石だ、ベジータ

尊敬するぜ、お前のこと

だが、これで終いだぁぁぁぁぁ‼︎』

 

『っ⁉︎』

 

 

ラディッツはベジータに猛スピードで迫り、

 

 

『歯ぁ食い縛れぇぇぇ‼︎』

 

 

バギィ‼︎

 

 

『がぁっ⁉︎』

 

 

殴り飛ばした

この一撃でベジータは気を失い、墜落して行った

ラディッツがベジータに向かって猛スピードで飛び、何とか地面に叩きつけられる事は避けた

ラディッツはベジータを地面に寝かせ、大声で叫んだ

 

 

『王子は討ち取ったぞぉぉぉ‼︎』

 

 

その声を聞いた革命軍の兵士達は雄叫びをあげて残存戦力の殲滅にあたり、対するベジータ軍の兵士達は動揺を隠せずに倒される者、投降する者、奮闘するも、数に圧倒される者、など、急激に追い込まれ、鎮火は早かった

それほどベジータの存在がベジータ軍の戦力を支えていたのだろう

そう思うとラディッツは、やはりベジータは凄い奴だと心から思った

そして戦いは終わり、革命軍は勝利した

 




戦闘が明らかに短いのは手抜きではなく、基本的にサイヤ人はバカそうなので、小難しい戦闘は嫌いそうだし、そうなると意外と決着も早く戦闘の内容も大袈裟な表現に助けられてるだけで、実は薄そうだからです

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